紙の本
アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚 (創元推理文庫)
著者 クラーク・アシュトン・スミス (著),大瀧 啓裕 (訳)
彫刻家の暗い情念のこもった怪物像が生気を帯びて恐怖をもたらす「怪物像をつくる者」、修道士たちがなまめかしいウェヌス像の魔力に翻弄される「ウェヌスの発掘」など、緑なす森が広...
アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚 (創元推理文庫)
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商品説明
彫刻家の暗い情念のこもった怪物像が生気を帯びて恐怖をもたらす「怪物像をつくる者」、修道士たちがなまめかしいウェヌス像の魔力に翻弄される「ウェヌスの発掘」など、緑なす森が広がる神秘の地アヴェロワーニュの年代記に加え、異様な死をとげた作家の日記が明かす、神に背いて禁忌の術を用いた神官の物語「アフォーゴモンの鎖」他、降霊術にまつわる綺譚を併せた18篇を収める。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
アヴェロワーニュ | 11−14 | |
---|---|---|
怪物像をつくる者 | 15−36 | |
アゼダラクの聖性 | 37−70 |
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紙の本
怪奇小説と言うより、架空の中世フランスを舞台にした、幻想小説という趣
2012/01/04 23:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミルシェ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと以前から、刊行を心待ちにしていた、スミスの作品集です。
全体的に、怪奇小説と言うより、幻想小説といった趣が強いです。
話自体は、大体展開が予想がついてしまう、予定調和的な話が多く、
以前の「ゾティーク」や「ヒュペルボレオス」のシリーズよりも、
奇想天外・奔放なイメージに感心するというのは、
なかったのですが、細やかな情景描写や、全体的な雰囲気自体は、とても良いと思います。
また、さすが美男の詩人・作家として、恋愛経験豊富だったスミスらしく、
恋愛感情の高まり・情感などが、巧みに描かれています。
しかし、「蟾蜍のおばさん」の、魔女の描写が容赦なく、何かスミス個人の不快な体験でも、
投影されているのではないか?とすら、思えてしまいました。
「イルゥルニュ城の巨像」は、まるで、パニック映画のような印象で、あまり怖くはないかも。
全体的に、これまでの作品のように、奇想天外なストーリーを楽しむというよりも、
神秘に彩られた幻想の地アヴェロワーニュの妖異と、散りばめられたロマンス色を楽しむ
作品なのかな?と感じました。
それから、いわゆる「アヴェロワーニュ年代記」関連作品の後に収録されていた一編の内の
「アフォーゴモンの鎖」は、これは趣が変わり、タニス・リー的な、
連環する時の輪の中で繰り返される悲劇という、東洋的なイメージを感じさせる作品であり、
これはこれで、良かったと思いました。