紙の本
北の案件
2012/01/26 21:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さやぴょん - この投稿者のレビュー一覧を見る
海堂尊の新刊です。チームバチスタ以降一連の作品でキャラクターが活躍していますが、今回はジェネラルの速水先生や花房看護師長、そして世良先生が再会します。いつものごとくテンポの良いストーリー展開でドクターヘリの活躍や、赤字病院の問題など現代医療の光と影を見事に描いています。地方自治のあり方、国の目指すべき方向性などについても考えさせられました。
紙の本
これだけ海堂ワールドが広がると…
2012/01/29 11:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
海堂シリーズ、もう買うまいと思うのだけれど
新刊が出るとつい手が出てしまう。
前作に出ていたキャラが思いがけないところに現れたり
さりげない伏線にニヤリとしたりの楽しみがあるので
途中をとばすわけにはいかないという…(中毒ですね)
しかし、これだけ個性の強烈な登場人物たちを排出しておいて、彼らが大サービスであちこちに顔を出すとなると…
さすがに散漫になると言うかキャラが描ききれてないという不満がひいき筋?から出てくるのもやむをえないか?
全く登場しないのも忘れられたようで寂しいし
主役をはれるようなキャラが脇役で終わるのも物足りないし…
そういうわがままな感想を抱いてしまった。
次作も買うと思うけど…
紙の本
ノンフィクションに近いフィクション
2012/03/09 00:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
北の果て極北市。財政破たんしたこの町唯一の総合病院である極北市民病院。市の財政破たんの一因と揶揄される赤字病院の立て直し人として市民の期待を一身に背負い登場した世良院長。彼が打ち出した方針は入院病棟の閉鎖であった。それに伴いスタッフは大幅に削減され救急外来は維持できなくなったのだ。そのためいかなる症状にも関わらず救急患者は全て受け入れを拒否し隣の雪見市の極北救命センターに送られることとなった。このタイムラグにより救える患者も救えなくなってしまったのではないだろうか・・・勤務医の今中は悩む。しかし現実には院長と二人だけの勤務体制で支えることはできないのはわかっている。しかし何かできることがあるのではないだろうか・・・そんな葛藤を抱える今中医師に下された新たな指令。それは極北救命センターへの無期限の派遣というものだった。北の大地でドクターヘリを駆使して球目う救急の雄として名を馳せる極北救命センター。噂では将軍と呼ばれる若き猛将も加わったという。そんな折診療拒否による患者死亡という新たなスキャンダルが市民病院を襲う。はたして病院再建は可能なのか・・・
極北クレイマーの続編。この作品も作者の世界観がしっかりと描かれていると思う。他の作品でお馴染みの人物もそこここに顔をだしているのでファンとしては嬉しい。一つの大きな世界の一部でおきていることを判り易くクローズアップしてみせてくれるその問題意識の鋭さにはいつも考えさせられる。医療という私達のとても身近で起こっている問題点を様々な角度から光を当てて見せてくれる。医師である作者ならではだろう。
この作品で描かれていることは自分たちの住む町にも起こりうることなのだと思う。現に私の住む隣町でも同様なことが起こっている。原因は医師不足であるという。毎年多くの人が医療を志す。私達の認識では決して医師が不足しているようには思えない。原因はどこにあるのだろう。長時間勤務と責任の重さなのか。それともお金の問題なのか。異なって見えるようだが実は背中合わせなのかもしれない。私達は自分の命を預ける時そこに信頼と責任を求める。そんな医師には万全の状態であってほしいと願う。そのためにはどうすればいいのか。救命救急とは何か。患者として医師としてなにができるのか。そんなことを考えさせる作品だと思う。
投稿元:
レビューを見る
+++
『極北クレイマー』につぐ、週刊朝日連載の迫力満点の第2弾。崩壊した地域医療に未来はあるのか?「夕張希望の杜」の医師である村上智彦氏は朝日文庫判『極北クレイマー』の解説で、「ここで起こった事は将来の日本全体の縮図である」と書いた。
『極北ラプソディ』は閉鎖の危機にある極北市民病院に、赤字建て直しのために世良院長がやって来たところから始まる。彼は再生のために、訪問介護の拡充、人員削減、投薬抑制をかかげた。
また世良院長は雪見市の極北救命救急センターに外科医・今中をレンタル移籍した。瀕死の地域医療でもっとも厳しい局面にたつ救急医療。速水センター長の指示をあおぐことになった。移籍から3日目には、速水が指揮をとる「将軍の日」で、入れ替わり立ち替わり救急患者が訪れる一日になった。文字通りの救急医療の修羅場に遭遇する今中。
一方、極北救命救急センター長の桃倉は息子が出場したスキー大会を見学していたが、雪崩に巻き込まれ、命が危険な状態に。速水はドクターヘリの出動を宣言した。医療と行政の根深い対立をえがき、地域医療の未来を探る渾身のメディカル・エンターテイメント。
目次・ 第一部極北の架橋 1章通り過ぎるサイレン 2章テレビ先生の三つの宣言 3章赤鼻課長の訪問 4章世界は孤立していない 5章古巣探訪 6章極北市を治療しましょう 7章市長懇談会 8章監察医務院の闇 9章救急車の静寂……第二部雪見の夏空 第三部光のヘリポート 第四部オホーツクの真珠
+++
破綻した極北市と隣の健全な雪見市を舞台に繰り広げられる医療現場再生への取り組みの物語。再生へ向けてもがく医療現場と行政の埋められない溝が読んでいるだけでもどかしい。だが、自分の領域で力を尽くしている姿は、それが脚光を浴びるか浴びないかに関係なく輝いて見え、胸を打たれる。世良しかり、速水しかり、そのほかの登場人物たちもみなそれぞれの力を尽くしていてカッコイイのである。そして、科学の最先端の医療現場であっても、全力で心を傾けていれば神は降りてくるのだ、と信じられる。手に汗握り、胸を熱くし、ほろりとさせられる一冊である。ラストの速水は少しばかり切なかったが。
投稿元:
レビューを見る
破綻した極北市の市民病院、赤字立て直しを図る世良院長。極北救急救命センターの将軍様、速水。魅力的な二人のキャラクターの対比が嬉しい。
投稿元:
レビューを見る
最後にちょっとうるっときました。
たまたま読んだ順番がよかったのか、あ、こうなるのねって、納得です。
ジェネラルルージュを読んで、世良先生シリーズ3冊よんだあとに読むのがおすすめです。
投稿元:
レビューを見る
海堂作品らしく、テンポの良い作品。
でも、あんまり面白くはなかった。要するに何が言いたいのか、主人公が変わっていくため、最後には曖昧になってしまったように思う。
その割に、現代の医療に対する主張が強すぎて、ややもたれ気味になる…。(シリーズ一貫してそれは同じ。)医療が日本で一番ヤバい、医療の対策が最優先!って、今後がヤバい、行政の無能さが問題なんて、どこの業界も同じだと思う。
あと、独立の厨2っぽい台詞回しが、だんだん鼻についてきた。うーん、そろそろ卒業かなあ…。
でも、花房にはびっくりさせられたよ!あれ!?凱旋の美しかったラストは一体!?
女性や恋愛の描き方は、やっぱり下手だと思う。花房は魅力的なヒロインだと思っていたんだけどなあ。
投稿元:
レビューを見る
少し間を空けて読んだため、登場人物の繋がりがわからなくなってしまい、最後のあたりでどういうことだっけ?と疑問符だらけになってしまった。このシリーズの登場人物の関係図があったら、みたい。見てから読むと絶対にいろいろ面白いのに。
ドクターヘリとドクタージェット中心の話題。そんなにアクが強くないので、読みやすい。めちゃめちゃハッピーエンドになっている。
投稿元:
レビューを見る
スリジエを読んだばかりだったので、世良先生のその後がわかりよかったです。速水先生と花房さんのその後もわかりました。最後がハッピーエンドでよかったけど、とってつけた感があり素直に喜べないなぁ。
診療を断った人が亡くなってしまったり、マスコミからも手のひらを返されるしで大変な状況だけど、一人に見えても実は世良先生の味方はいるんだよね。負けずに頑張って欲しい。
ちょっとしか出なかったけど久世先生はオーラがすごかった。
投稿元:
レビューを見る
極北クレイマーの続きらしい~副院長となった今中の勤める極北市民病院は院長の世良と医師は二人きり,師長と看護婦は訪問看護をしており,財政破綻を受けて大幅なリストラを行った。救急救命も隣市の極北救命救急センターにすべて任せている。市長からは救急応対を求められているが,医師二人ではどうにもならない。隣町のセンターはドクターヘリも持っていて,副センター長の速水は将軍とも呼ばれる我が儘振りだが,世良とは出身校が一緒である。隣町でありながら消防署長はヘリ嫌いで要請はしない。警察署は実態のない観察医務院を潰そうとする世良の動きに不審火発生で証拠の隠滅を謀っているくらいだ。46万も未払いの治療費がある田処という患者が診察を拒否され,帰宅途中で死亡し,地域医療の救世主もマスメディアによって悪徳の医師にすり替えられている。そんな中,今中は救急センターにレンタルされ,最初のフライトで患者の親族を乗せるため置き去りにされるが,市民病院にいては味わえない充実感を憶える一方,窮地に陥っている市民病院に尽くしたい気持ちも沸き起こっている。今中が病院に戻って一月,息子のスキーのIHを観に行ったセンター長が雪崩に巻き込まれ,競技者のストックが胸部に突き刺さって重体だ。副センター長の速水は悪天候の中,CSの反対を押し切ってヘリを飛ばし,収容したものの,メスを振るってストックを抜き取り,心臓マッサージを施すため,高度5000mに揚げ,自然落下する30秒を稼ぎ出す。航空会社の規則違反はCSの引責辞任で収拾した。隣町のドクター・ジェットの構想に乗り,オホーツクの小島に出向いた世良と今中は,パイロットの急病で緊急オペを行い,センターの師長である花房と世良は,極北の地に骨を埋める決意を見せる~まあ,医療トリビアや地域医療再生のための大枠の改革やらで劇的な展開もあるにはあるが,次に繋げる気持ちがよく出てる
投稿元:
レビューを見る
様々な海導作品のつなぎのような話。
三部作の二つ目がどうしても微妙になるように、おとなしめの展開。
極北クレーマーは、ハラハラして好きだったんだけどなぁ。
他の作品を読んでない人にはよくわからない部分も多いのではないだろうか。出版社がバラバラなので、読み逃す人もいるだろうな。
ドクターヘリが飛ぶシーンは、どうしてもコードブルーを思い出す(笑)
世良の過去に何があったのか。
速水のこれからは。
色々気になります。
投稿元:
レビューを見る
極北クレーマーに続いて、北海道にある財政破たんした都市、極北市中心に繰り広げられる医療エンタテイメント。
前作に続き、今中先生を中心に、極北市民病院院長となった世良や、極北救急救命センターに赴任したジェネラル;速水の奮闘を描く物語。
「~クレイマー」では速水は電話のみの登場でしたが、今回は速水の活躍がしっかり描かれています。
そして、速水を追いかけてともにやってきた花房も登場。
時期的には、極北市監察医務院崩壊が描かれていることから、「アリアドネの弾丸」以降です。
「ナニワモンスター」での彦根の動きも出てくるので、この辺ともかぶってますね。
しかし、花房はモテるなぁ~。
速水と世良という、ある意味クセのある2人を虜にするとは。
投稿元:
レビューを見る
海堂尊の医療エンタテインメント。
「極北クレイマー」の続編。
大赤字を抱えて破綻した極北市。
極北大から非常勤外科医として極北病院に赴任した今中医師だったが…
今は、極北市民病院の副院長となっているが、無気力になりがちな日々を送っていた。
市民病院の良心だった産婦人科の医師が告訴されて、いなくなってしまったのだ…
新任院長の世良の方針で、もはや医師は二人だけ。
救急を引き受けず、すべて隣の雪見市にある極北救急センターに回すという方針を徹底したため、他の患者もほとんど寄りつかなくなっていた。
看護師も減ったが、車で訪問看護に回っているので、彼女らは結構忙しい。
さらに今中には、提出した博士論文が落ちたという通知が来て、がっくりする。
世良院長に引きずり回されながら、極北市の抱える問題を突きつけられる日々。
極北市は巨大な赤字を抱えていたが、実は病院はそうでもなかったという事実。医療費未払いが大きな問題だったのだ。
強引さについて行けないものを感じつつも、はらはらして見守る人の良い今中だった。
極北市民病院が断った患者が、路上で倒れ、雪見市に搬送されたものの間に合わず死亡するという事件が起きた。
非難に晒される世良。
頭が切れて口先が上手いので、会見では煙に巻くが、批判が完全に消えはしない。
今中は、救急センターの支援のためという理由で、雪見市に派遣される。
そこは、あのジェネラルルージュこと速水医師がいる病院。
ドクターヘリが活用されている現場に飛び込んでいく今中。
最初の時には、患者の家族を乗せるために、今中は現地に置いてきぼりになってしまう。これは新人が必ず経験することなのだそう。
ヘリは短時間で患者の元へ駆けつけられるのですごくカッコイイのだが~天候不順だとフライト出来ないこともある。
その判断をするのがCS(コミュニケーション・スペシャリスト)の越川。地上でヘリと救急隊、管制塔との連絡をする係で、これも重要な職務なのだ。
熟練パイロットの大月と、越川の間には、信頼関係があり、この二人は良いですよ~。
速水はヘリには乗らず、「自分の所へ患者を連れてこい」という~傲慢だけど、その速水の態度もわかります。
ここの描写は活気があって、市民病院での状況と好対照~わくわくします。
「ジェネラルルージュの凱旋」は読んでおくか、あるいは、さかのぼって読んでも良いかも。
花房看護師長もちゃんといるのだが、二人の仲は意外な…?!
世良の語る構想に、衝撃を受ける今中。
癖のある世良が、神威島で見せた素顔とは…
なかなか面白かったです。シリーズ中、良い方に入りますね。何番目かなあ…
投稿元:
レビューを見る
海堂尊シリーズ。
久々に納得して楽しめました。
しかし登場人物の多いこと。
相関図と年表が欲しいわ…
投稿元:
レビューを見る
「極北クレイマー」の続編。例によって登場人物が相関しまくってますので今まで出版された順番に読んでない人にはつらいかもしれません。今回はスケール感が適度でAiも控え目な点には好感が持てるのですけど、終盤が性急でできすぎな結末は残念。