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紙の本
浮世女房洒落日記 (中公文庫)
著者 木内 昇 (著)
お江戸は神田の小間物屋、女房・お葛は二十七。お気楽亭主に愛想つかし、家計はいつも火の車。それでも風物たのしんで、美顔の探求余念なし。ひとの恋路にゃやきもきし、今日も泣いた...
浮世女房洒落日記 (中公文庫)
浮世女房洒落日記
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商品説明
お江戸は神田の小間物屋、女房・お葛は二十七。お気楽亭主に愛想つかし、家計はいつも火の車。それでも風物たのしんで、美顔の探求余念なし。ひとの恋路にゃやきもきし、今日も泣いたり笑ったり。あっけらかんと可笑しくて、しみじみ愛しい、市井の女房が本音でつづる日々の記録。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
江戸の暮らしが生き生きと
2020/09/10 23:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
時は、江戸の文化文政、あるいはもっと下って天保時代。主人公は、神田あたりで小間物屋を商う町人の女房・お葛...というか、お葛がこの日記の書き手である。
当時の小間物屋といったらある種、美容研究家のごとくのようで、当時の化粧法とかスキンケアとかが詳しく書かれ、さらに着物の粋な着方とか、江戸で人気の男衆はどんなひとたちなのかとか。(ちなみに答は、火消し、相撲取りに与力だとある)、流行の読み物は?などから、ハレとケの食事の違いも、日々の暮らしにかかる費用の話までもあって興味深い。通常の時代小説には、とんとお出まさない、いってみれば女性誌的な内容が満載。
例えば、お葛の家は、使用人を含めて5人家族。その、家計を見直すくだりも、食費が5人で月約4500文、湯屋は亭主だけは、日に2回の贅沢で、一人大人10文、子ども6文で1日計42文...みたいで数字つきで描かれいるリアリティ。
そして印象的なのは、江戸の人は、とことんモノを捨てないし、買わない...ということ。
反古紙も灰も、糞尿にいたるまで回収業者がちゃんといて、古着や修理やも事細かにそろっていて頼もしい。欠けた瀬戸物だって、きちんとカケラを拾って継ぎに出す。
糞尿は、近郊の農家が肥料として買ってゆくのだが、その対価は当時大家のふところに入っていたらしく。お葛の住まいの大家の吝嗇家の妻が、「最近、肥えの量少ないが、外で用を足してくるんじゃないだろうね」と、裏店を一軒一軒聞いて歩くくだりがあって笑ってしまった。
ともかく、すべてのモノが完全に近い形で循環しているので、お金は無いが、日々が暢気にすぎてゆく。損料屋というレンタルショップもあるし、火事を出さぬようにと風呂は湯屋、お惣菜は煮売り屋へ。もちろん、そこでのお買い物やレンタルまでもつつましい。
そして、だからか、なるべく働かずに生きてゆこう...なんて怠け者が、結構市民権を持ったりしていいなぁ...などなど。リアルに江戸時代の暮らしを楽しみつつ、なんか、今よりずっと豊かで人間らしいと思ってしまった。
あのまま発展して今に至ればいい感じの日本だったんじゃないの?いったいどこで間違ったのかねぇ...。
少なくとも、すべてのものが資源として循環するその生活が羨ましい。
紙の本
からからと気持ちいい読後感
2017/05/05 14:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
積ん読たくさんあるにもかかわらず、ちょっと寄り道。すっこーんとそしてからりと乾いた気持ちいい読後を求めて再読。お葛と旦那とその周りの人々とやっぱ好きだな。お葛さんが旦那にあきれつつもなんだかんだ日記で話題にしているってことは、お葛さんが思う程枯れてないと思うよ笑。旦那が湯屋で喧嘩して、お葛さん一度は怒髪天になるも、でもその原因に筋が通っていると分かった時の褒め言葉「えらいぞ、旦那。日頃の短慮が実を結んだね」こんなこと、普通言えない。お葛さん、嫌かもしれないが似た者夫婦だよ。たった1年の日記じゃ物足りない!
電子書籍
最高に愉快な1冊!読んで損なし!
2016/11/29 01:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くて面白くてケタケタ笑いながら読んでしまった。正月から師走まで1年通して書かれた日記。作者は江戸で小間物屋をしているお葛さん。その亭主がとにかく笑える馬鹿。仕事に精を出さず、見栄っ張り、喧嘩っ早く、子供より子供。亭主の馬鹿っぷりに日記でツッコミをいれるお葛さん。言い回しや的確な指摘が最高に洒落ている。ツッコミながらも季節の行事や当時の風習が丁寧に書かれていて、まるで江戸にいるような気分を味わえる。亭主以外の登場人物も一筋縄じゃいかない人ばかり。だものツッコミも磨かれるわけだ。愉快で気分がいい1冊です!
電子書籍
おもしろくてほろり。
2016/01/30 19:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まちのあかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好き。最高におもしろいです。文化文政のサザエさんといったところでしょうか。江戸神田で小間物屋を営むお葛(かつ)さんは27歳。一男一女の母。のんきでケンカっぱやい亭主と使用人の清さんと暮らしている。12か月の日記。年中行事や季節の移り変わりが豊かに表現されていて、やはり日本人っていいなぁと感じました。湯屋で子供を叱る話、鉄漿液の入った壺を亭主に跨がせる話など笑った笑った!知的でおおらかでちゃっかり屋。とても魅力的なお葛さんと友達になりたい。この話、プロローグがちょっと意味深なのです。