紙の本
行って見なければ分からない?
2012/02/09 17:40
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マッツ - この投稿者のレビュー一覧を見る
少子化対策のフランス、教育のフィンランド、二大政党制のイギリスなどに加え反面教師として財政破綻しても食べていけるギリシャの観光立国が取り上げられている。
実際に住んで肌で感じ分析した内容を読み表面的な理解が危険とわかる。
私の経験でもフリーセックスのSwedenという事上げが無意味と住んでよく分かった。
紙の本
ジャーナリストというより「主婦目線」で書いた、海外事情つれづれエッセー
2012/02/21 15:22
14人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
例によって「お手本の国のウソ」と大上段に振りかぶって、日本のマスコミが「お手本」として囃した「フィンランド教育法」「フランスの少子化対策」「イギリスの二大政党制」などをバッサバッサとなで斬りにする本かと言えば、さにあらず。出だしの「フランスの少子化対策という蜃気楼」からして、よく読んでみると、結局、フランスは日本よりずっと昔から少子化に悩み、この問題に取り組んできたのでその成果が出たとぼんやりと思われるだけで、あとはランダムに、様々な話題が出て来ては尻切れトンボで立ち消えになる、そういう内容である。これは綿密な取材とデータによる裏付けをとったジャーナリストの文章ではない。とりとめない主婦のよもやま話、近所の噂話程度の文章なのだ。こんなものが延々と続く。フィンランドの教育にしたって「フィンランドメソッド」なる言葉は日本人が作ったというから、「じゃあ、日本人が思ったほどフィンランドの教育は成果をあげていないのか」と言えば、落ちこぼれを出していないという意味では成果をあげているとも読める曖昧な書きぶり。じゃあ、本当にフィンランドの学校に落ちこぼれはおらず、全員が秀才君なのかといえば、そのあたりはぼやかして、話はやおら夜の長い極寒の陰鬱なフィンランドの気候に飛ぶ。そしてフィンランドでは精神病を病む人が多いだの鬱病にかかる人が多いだのという話になって、肝心のフィンランドの教育はどこへやら。これも全く取り留めのない「近所のおばちゃんの話」状態。挙句の果てにフィンランドに移住後、フィランド人の夫に日本人の妻(つまり著者)が「なんで、どうしても日本に住み続けたいと言わなかったんだ」「気候の面から言うと、ここ(フィンランド)は人間の住む場所ではない」と移住後に告げられたという話が出てきたり、もう読んでいてウンザリ。それでも構わないという人には、暇つぶし程度にはなるので、読むことを止めはしません。
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ページ数のせいなのか何なのか分からないけどいまいち伝わってこないというか分かりにくいのが多かった
興味のあるテーマだっただけに残念。
フランスの少子化問題とギリシャの観光についてはおもしろかった
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フランス・フィンランドの項が興味深かった。
フィンランドの教育制度についても「大なり小なりの見直しは10年ペースで続けられており~右から左、左から右に方針が変わることを、あまりネガティブにとらえていない。まずいところを認め、原因を分析・追求して直せば良い」
フィンランド人全てがこのような考えとも思わないけど、この柔軟性こそ見習うべきなのだろう。
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フランス、フィンランド、アメリカ、イギリス、ニュージーランド、ドイツ、ギリシャ以上七カ国に実際住んでいる人たちからのレポート。
フランスの少子化対策であるとか、フィンランドの教育メソッドであるとか…一時期話題になった各国の良さについてモノ申す!な、タイトル。
なんだけど、読んでみたらイメージはむしろ良くなった。
特にフランス、フィンランド、ギリシャの三カ国。
「お手本の国のウソ」ではなく、より深くその国々を知る事が出来る。上辺だけではなくて、何故そこに至ったか、のが分かって凄く良かった。良い意味での「お国柄」が良く分かった。
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かなり突っ込んだ事情が書いてあって、面白い
フランスの少子化問題
フィンランドの教育
イギリスの選挙制度(二大政党制)
アメリカの陪審裁判
ニュージーランドの在来種生物保護
ドイツの戦争責任
ギリシャの観光政策
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「フランスは少子化対策に成功した」「ドイツは戦後きちんと謝罪してえらい」「北欧の教育はすばらしい」など日本人のある意味「常識」になりつつある事例の実際のところを現地在住の人達が紹介する。
企画のコンセプトは非常におもしろいので期待したのだが、「「お手本の国」のウソ」というインパクトのあるタイトルほど、自分の認識と隔たりがあったわけでもなく、細かい部分のニュアンスは少し違いますよ、という程度であることが多く物足りなかった。
これを読んでも、フランスは社会保障をしっかりやっているし、ドイツはナチスと今もきちんと向き合っているし、フィンランドの教育に対する意識は高いというのに間違いはないというのがわかっただけだし、アメリカの裁判員制度がいろいろ問題がありそうなことぐらい、日本人ならたいてい想像がつきそうなものだし。
著者が各国ごとにそれぞれ別で、「「お手本の国」のウソ」というテーマに沿っている人、すこしずれている人など様々で質も安定していなくて雑多な印象なのも残念。
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世界一の教育であるフィンランドメソッドも、市民感覚で公正に裁かれているはずの陪審制も、現地に長年住む日本人から見れば、かなり違っているようだ。
海外の人が思う日本と実際がかけ離れている場合があるのを思い出せば、ごく自然なことなのだが、ついつい「隣の芝生」は青く見えてしまう。
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ドイツでは、フランスでは、フィンランドでは…というお手本をよく見聞きする。現地に暮らす日本人が、本当はそうでもないぜ、と説明する本。
漠然と憧れるフィンランドの教育ですが、フィランドメソッドなどはなくて、先生はクリエイティブな職なのだと。
なにか、ここに要諦がある気が。お手本もなければウソもないかもしれない。それらの捉え方は、柔軟でなくてはいけないのだ、と。
雑学的に楽しく読みましたが、生き馬の目を抜く(いや、そこまでしまい。落ちているものを拾って食べる、ぐらい)新書業界では「お手本の国のウソのウソ」という本を虎視眈々と狙っている人がいたり、しないかなあ。
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教育国家フィンランド、少子化対策のフランス、賠償責任のドイツなど日本が「お手本」としなければいけないと言われている国の実態を各国に住んでいる方々が紹介する今作。
まあ、盲目的に信じている人はいないと思うので参考程度で十分だと思うが、改めて我が国の独自的な取り組みを模索していくうえでは知っておかなければいけない内容。
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昨年(2011)辺りの欧州危機によってかなり化けの皮が剥がれてきたようですが、かつて欧州の政治・経済政策等の水準は高く、お手本にすべきものが多いと私は認識していました。この本では、日本がこの数年に取り入れてきたような政策(アメリカの陪審制に似た裁判員制度等)について、本当に真似して良いのだろうかという観点から書かれています。
この本の著者である田口女史は、各国について調査をしたうえで各国の目玉とも言える政策などについて解説を加えており、興味深く読むことができました。
以下は気になったポイントです。
・フランスの中絶件数は実に多い、日本の中絶件数(22.69万件@2009)であり、フランスと同じ、フランスの人口が日本の半分であることを考えると多い(p14)
・フランスの離婚には必ず裁判所を通す必要がある、PACSが人気なのは「一方の意志だけで解消できる」から(p21)
・北欧諸国のほとんどすべての言語がインド=ヨーロッパ語族であるのに対して、ウラル語族に属するフィンランド語は、欧州の日本語と呼ばれていたこともあるほど構造が珍しい(p43)
・フィンランドでは、教職はクリエイティブな職種であり、教育学部は狭き門の人気学部、修士号が必須とされている(p52)
・マインドマップは視覚的記憶力が強い人には良いが、普通の人にはそれほど効果は無い、箇条書きが良い場合もある(p55)
・フィンランドでは人口が少ない(第二次世界大戦後は400万人)上に、ソ連の脅威と戦うためにドイツと組んで敗戦国となり賠償金を払うためにも、男女別なく働ける社会構造が必要となった(p61)
・フィンランドの家計貯蓄率はマイナス2.3%(2011)、消費税に相当する税金は23%だが、手厚い社会保障がある(p64)
・手当の受給を要請する段階で、家計収支のすべてを役所に提示する義務がありごまかしがきかない(p71)
・イギリスでは、19世紀後半の議会政治の勃興から第一次世界大戦後しばらくまでは、労働党ではなく自由党が保守党と二分していた、その後、大連立がおきて、その裏で力をつけたのが労働党(p83)
・先の総選挙で23%の得票率を誇った自由党は、議席獲得率は9%、そこで代表投票制への転換を打ち出した(p94)
・アメリカでは、裁判を受ける者は、原則として、陪審裁判と法定裁判を選ぶことができる(p109)
・法定で裁判をするのは稀、刑事案件では罪状認否、民事案件では示談があるのd(p110)
・アメリカでは、新規案件(刑事:836万、民事:173万件)のうち、終結したのが(刑事:21.9、民事:151.3万)、裁判に至らなかったのは、刑事:21.2、民事:110万件である(p111)
・刑事事件は、弁護側が陪審裁判を辞退したくても、検事が同意しない限り法定裁判にはできない、陪審裁判ができないのは、離婚などの家庭裁判所が扱うもの、未成年者の刑事案件、5000ドル以下の簡易裁判所、交通違反のチケット意義申し多々などに限定(p113)
・陪審員を務める義務はあるが、それは市民権をもつもの、さらには裁判所の管轄地域に住む18歳以上、英語を話し、理解できるもの、重罪の前科がないなどの条件がある(p116)
・陪審員の日当は15ドルとガソリン代、日本の栽培員は、1万円程度(p127)
・裁判では、誰場一番いい話を伝えられるかが、正しいことを言うことよりも重要、これを実現するのが、CG映像(p134)
・ニュージーランドがオーストラリアから分離したのは、8500万年前ほどで、日本とは異なり哺乳類が十分に進化していない時期であり、独自の生態系を持つ(p150)
・何百年とかけて育つ冷温帯の木からなるニュージーランドの森の40%は、マオリ人が定着した1300年から数百年で焼失した(p153)
・ナチスが第三帝国と言われるのは、神聖ローマ帝国(962-1806)、プロイセン王国によるドイツ帝国(1871-1918)、に続くものであるため(p180)
・ナチスは女性に自己犠牲の精神を求め、決断権は全て男性にあるとした、結婚を機に女性が仕事をやめると、1000帝国マルク分の商品券を夫に貸付けて、子供1人に対して250マルクを帳消しにした(p182)
・日本とドイツの戦争時における侵略の相違点は、ドイツは国家が法律を定めて指令したかどうかにある(p186)
・ドイツは2011年に、時代にそぐわないとして、18歳以上に課せられていた徴兵制度は撤廃された(p203)
2012年11月25日作成
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フランスの少子化政策、フィンランドの教育・福祉体制、アメリカの陪審員制度、ドイツの戦争責任、ギリシャの観光対策、ニュージーランドの自然保護について。
現地に住んでいる人がそれぞれの視点から、日本の「お手本にしよう!」という姿勢に対して現地での状況を説明している。
住んでみないとわからない事情を知れて興味深い。
とくにギリシャの観光政策については日本も学ぶところが多いように思う。
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自分を客観的に観たり、他人を主観的に捉えるのって、なかなかできることじゃないな。今まで思い込んでいたことも、ただのイメージだったのかも。色んな意見、捉え方を知るのは、考えていく上で必要なことなんだな、と実感。続編出たりしないかな。
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記述は浅いが、少子化対策のフランス、フィンランドの教育、英国の二大政党制、アメリカの陪審員制度などへの冷静な視点は、さすがに知っっていた方がよい。特にマスコミ人士はこれくらいの現状は把握すべきである。
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フランス出生率。フィンランド・メソッド。イギリス二大政党。アメリカ陪審員。ニュージーランド自然保護。ドイツ戦争責任。
その国に長く住んでいる人の目から見ると、日本での評価はちょっと異なる。コンテキストありきってことなんだろうけど、日本人の願望の反映と言えるかも。ウソっていうより、伝言ゲームの結果かも。