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井上陽水、阿川弘之、高倉健、群ようこ等10人を相手に、「旅」をテー
マに沢木耕太郎が行った対談をまとめた作品。
様々な媒体に掲載された対談なのだけれど、書籍化するにあたって
大幅に分量が増えているのが嬉しい。群ようことの対談なんて、雑誌
掲載よりもなんと5倍の長さになっているそうだ。
対談が行われたのはほぼ1990年代なので、既に鬼籍に入っている方
もいるのだが、その人と紙面で逢えるのが書籍の醍醐味であると思う。
沢木さんファンとしてはほとんど目を通している対談なのだが、改めて
読むと沢木さんの話の引き出し方の上手さに舌を巻く。インタビューでは
なく対談ではあるのだけれど、自分が話すことで対談相手から話を引き
出すことが出来るんだな。
以前の仕事柄、私もインタビューはやったけれど、原稿に起こした時に自
分がいかに聞き下手かを実感して落ち込んだっけ。こればっかりは沢木
さんの真似をしても上手く行かないよね。聞く側の資質の問題だわ。
トホホ…。
さて、旅のお話。船旅というのはなったことがないのだが、阿川弘之が
語る船旅がとっても魅力的。当然、ピースボートのようなお手軽船旅では
なく、豪華客船なのね。豪華客船だから船上でいろんな催しがあるのだが、
それに参加することもなく自分の好き勝手に過ごすっていいわぁ。
でも、豪華客船で世界一周なんて元手がなけりゃ出来なわね。私には
やっぱり無理だわ。
そして、高倉健や群ようことの対談で語られているハワイの魅力。ハワイか。
行ったことがないんだよね。仕事で海外にはいろいろと行かせてもらったけ
ど、プライベートで行ったのはほとんど寒いところばっかり。
このハワイでの沢木さんの過ごし方が格好良過ぎる。なんだよ、それ。私
だってそんな優雅に暮らせるならハワイに長期滞在してみたいわ。
『深夜特急』でも名前が出て来る大学教授(対談当時)此経啓助との対談
は『深夜特急』裏話のようだし、ラテン歌手・八木啓代との対談のなかで
語られてるキューバ論(フィデル・カストロ存命中)なんて「なるほど」と
唸ってしまった。
ん~、ハワイなぁ。正月に日本の芸能人が大挙して押しかけるところとし
か認識がなかったんだけど、行ってみようかな。他にも行きたいところは
いっぱいあるんだけど、取りあえずの目標はハワイにするか。
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旅と博打と生き方を語る対談集。どれも粋である。八木啓代との「ラテン悦楽」と、芭蕉をテーマにした高田宏との対談が特によい。
わきまえた上で、打つ、旅する、背伸びする。
不惑の今だからこそ身に付けたい。
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対談集。単行本から文庫化まで何でこんなに期間が空いているんだろうと思うし、1985年頃の対談とか、単行本時点でもすでにだいぶ前のことになっているものが多い。ま、確かに書中で沢木氏が、対談は年に2~3回と言っているから、一冊にまとまるのに時間を要したってことか。
対談の相手は井上陽水、阿川弘之、此経啓助、高倉健、高田宏、山口文憲、今福龍太、群ようこ、八木啓代、田村光昭。ほとんどの相手との間で、旅あるいは博奕について話している。そう考えると、旅と博奕で明日をも知れないところロマン的なものという点で共通するのかも。
期待して読んだなかでは、やはり高倉健の話がよかった。80年代半ばの対談だけど、今の健さんと変わらない味がすでにある。
期待せずに読んだなかでは、田村光昭の話がよかった。この方、博奕家さんらしいが、かなり哲学的。博奕って高尚な趣味みたいなところもあるから、突き抜けてしまえば哲学的な世界と相性がいいのかも。博奕の世界はよくわからないけど、人によっていろんなやり方があって、田村さんはきれいな打ち方、きれいな負け方、きれいな勝負からの下り方を知っていらっしゃるようだなと。それができると、博奕家なんだから、人生そのものもきれいで達観していらっしゃるようだなと、話を読みながら思った。
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深夜特急の作者の対談集?になるのかな。井上陽水さんドイツの森に住む一家の娘さんの妄想話が面白い。でも、全部面白い。旅行に持っていきたい本。
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旅についての対談集。
群ようこさん好きなので、
群さんのアメリカの本を思いうかべながら楽しみました。
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沢木さんの対談本。旅とギャンブルに関する話が中心。旅のルールや方法論、楽しみ方、人生の中での意味など、多様な価値観が交錯して面白い
。
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「ここではないどこか」を求めて旅する10人との対話をおさめた対談集。登場するのは井上陽水、阿川弘之、群ようこ、高倉健などの豪華な面々。成田空港に着いてからどこに行こうか考えて、カウンターで航空券を買うという井上陽水。アメリカで下着モニターをする群ようこ。インタビューの名手として知られる沢木さんが対談相手の魅力をたっぷり引き出していて、思いもかけない話や、目からウロコの話が次から次へとでてきます。それぞれが持つ旅のスタイル、旅に対する気持ちが面白く、旅心がムズムズと刺激される一冊。それにしても、やっぱりハワイはいいなあ。
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沢木さんの乾いた文体が好きで、「深夜特急」は面白かったのだが、この対談集を読んで、私は旅が好きで「深夜特急」を読んでいたのではなかったのだということに気がついた。
旅の途中で沢木さんが出会う出来事への対応を、ひとつの物語として読んでいたらしい。だから「深夜特急」を読んでも旅に出たいという気持ちにはまったくならなかった。
この対談集に出てくる人たちは、当然のごとく外国に出かけていて、どこがよかったというような話をしているのだが、それがあまりにも自分とかけ離れた世界で、まったく現実味を感じられない。もちろんそれは私自身の問題ではあるのだが、その一方で、私は「旅行」はわりと好きだけれども「旅」をしたいとは思わないのだということがよくわかった。旅と旅行は全然違うものだ。
定住しないこと、移動していくことそのものが好きな人と、そうでない人がいる。私は自分が定住にこだわらないタイプだと思っていたのだが、実はそうではなかったようだ。
もうひとつこの対談集でよく語られているものが「博打」である。沢木さんはバカラが大好きだそうだが、どうしてもその魅力が理解できなかった。麻雀もしかり。いわゆるギャンブルというものの面白さ、楽しさは、私には理解出来ないので、それがテーマの対談は読むのが苦痛ですらあった。
高倉健さんは、巷間流れているイメージとは大きく違っていたのが意外だった。
あと、ハワイ。ハワイってそんなにいいところなんだろうか。あまりにハワイ推しなので、ちょっと行ってみたいような気になりそうだった。行かないけど。
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「各界の著名人」とか、ありがちな冠のつかない対談集。
沢木さんを読んできた者であれば、どこかで一度は目にしたことのある対談ばかりです。
それでも、その過去に目にしたときのものをノーカットに近い形にしたもののようで、読み応えは抜群です。
井上陽水さんに諭されてる沢木さんなんかは、どこかの呑み屋さんで隣の卓から聞こえてくる会話のようで、酒のつまみになりそうだったりします。
各章の冒頭にある対談相手の紹介文が、その方に対する沢木さんの愛情とか敬意みたいなものを感じられました。
コレツネさんの「あとがき」も秀逸、大変に楽しく読めます。
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沢木耕太郎の対談集。テーマは旅。ハワイや博打など沢木耕太郎の俗人的な部分が見えて妙に面白い。そうか、そんなにハワイはいいのか~。食わず嫌いだったけど今後考えてみようっと。
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沢木耕太郎の対談集。10人との対談が収められている。井上陽水や高倉健といった有名人から、沢木耕太郎が「深夜特急」の旅の中で出会った此経さんという一般的には無名の方までの10人。テーマはおおよそ旅に関連するもの。
沢木耕太郎は対談が嫌いではないにもかかわらず、対談の回数はせいぜい年に1回か2回である、と自身であとがきに書いている。その理由は、「準備に時間がかかりすぎてしまうから」ということだと書いている。
このあとがきを読んで、この対談集の面白さの理由の一端を理解できたような気がした。作家と対談する場合には、その作家の著作を読み返すだろうし、例えば高倉健と対談するにあたっては、高倉健の過去の出演作を調べるばかりではなく、観ることが出来るものは観た上で対談に臨む、という準備をしているのだろう。
そのことは、この対談を読めば感じることが出来る。これは対談に限らず、沢木耕太郎の作家としての姿勢そのものなのだろう。
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沢木耕太郎が10人と語り尽くした対談集
印象に残っているのは
高倉健、田村光昭、群ようこ
特に高倉健は、私の知らないことだらけで、
ここ数年、人にある興味を持つとか、好意を持つとかいうのは
何十年生きているかわからないですが、何人の人にそう思うんだろうと考えるようになりましたね
という健さんの言葉が響いた。
群さんとの対談では兼高かおる世界の旅の話題が懐かしかった。
沢木耕太郎は深夜特急の1巻しか読んだことないけど、新幹線の冊子のコラムは、毎回楽しみにしているくらい好きなライター
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この本が悪いというわけではなく、対談が好きではないだけかもしれないが、人がだらだら話しているのを文章化して何が面白いのか?と思う。面白い話題もあったが、やはり内容が薄いと思う。
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井上陽水・阿川弘之・此経啓助・高倉健・高田宏・山口文憲・今福龍太・群ようこ・八木啓代・田村光昭 との対談集。
読んでいて、贅沢な時間の使い方について考えた。
何をもって贅沢というのか、どんな状況から、自分がほしいものを得ていくのか、
そんなあれこれについて、ほーっと考える貴重な時間をもらった一冊。
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今一つ乗り切れなかった感あり。
生きてる時代が違うということなんでしょうかね、前の世代の会話ということで面白くないことは無いんだけれども、フィットしないというか。
自分もそういう風に見られてるんだろうなと改めて認識させてくれる対談集でございました。