紙の本
共通設定があってもだいぶ個性のわかれた4編が楽しめる。
2012/01/27 02:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さとる - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台が「紅桃寮」、404号室が「開かずの間」、解決までの期間が7日間という共通設定で物語が展開する青春ミステリアンソロジーだが、だいぶ個性の別れた作品となっている。
一番ミステリとして楽しめ、作りも丁寧なのは緑川聖司『三月の新入生』だろうか。著者が児童文学の方であることを考えると、偏見かもしれないがとても納得のいく丁寧な語りだった。
野村美月『桃園のいばら姫』は倒錯的な女子校での、一種サイコホラーじみた展開が楽しめる。他の収録作に比べて独特な世界が構築されている。
「青春ミステリ」といわれると意外と型にはまったミステリを想像するのだな、と気付かされた、広義のミステリ作品が集まった一冊かもしれない。
投稿元:
レビューを見る
舞台は「紅桃寮」、404号室が開かずの間、そして発生か解決まで7日間。という3つの縛りで、4人の作家がそれぞれに短編を書いている短編集。
しかけとしてはおもしろいけど、作品はもう一歩な感じ。書いている作家に興味があるならお試しにはいいかも。
投稿元:
レビューを見る
三つの共通の設定を用いた珠玉の四編が詰まっています。
404号室の開かずの間、舞台の名前は「紅桃寮」、そして事件が始まって終わるまでが7日間。
たったこれだけのキーワードから紡がれたのは、全て全然違ったテイストのミステリでした。
一つ一つも短いし、後味の悪い作品はありません。また、どのストーリーもキャラクターが生き生きとそれぞれの人生を歩んでいて、ここで切り取られた7日間以外の生活まで見えてくるような描かれ方だったのが印象的でした。
投稿元:
レビューを見る
加藤実秋さんを目当てに買ったのだが、思いがけず谷原秋桜子さんが面白かった。
とりあえず美大の付属校に来た「ぼく」がエアブラシの面白さに開眼してやりたいことを見つけるという再生の物語も内包されてて、まあ、「開かずの間」の理由はちょっとどうだろうとは思ったけれども、読後感は爽やか。
緑川聖司さんは至極まっとうな感じで、これもまた爽やか。
野村美月さんは、文学少女系の物語で、ドロドロの女子の話だったのでちょっと苦手だったかな。中学生くらいのときのある種の女の子ってなんであんなに大げさになってしまうんだろう。方向性は違うけど、初めて赤毛のアンに会ったときのマリラの気持ちになった。
加藤実秋さんは、服装でキャラを描写する人なんだなということを改めて思った。たぶんそこが苦手なところなんだ。ポップなんだけど、たまにそのテンポについていけなくなる。メタボ幼児の颯太は食事指導が必要なんじゃないか?
そういえばこれってミステリーだったんだよな。大前提を忘れそうになる。
投稿元:
レビューを見る
私は寮生活をしているので気になってついつい買ってしまいました。
読みやすい本で1日で読みきりましたが面白かったか?と問われると普通です。
でも寮生活をしてたものでなんとなく共感を持てることも多くて楽しく読めました。
最後の話が一番好きでした。
2つ目はレズぽくてうーんと思いました。
投稿元:
レビューを見る
ナツの読書その4。
共通設定があって面白そうと前から気になっていた1冊。
どの作家さんも初でしたが、サクサクと読みやすく、面白かったです。
個人的には寮の名前もミステリにしっかり絡めてあるものが1篇でもあったらよかったなと思いました。せっかく設定に入ってるので。
投稿元:
レビューを見る
舞台は「紅桃寮」、四〇四号室が「開かずの間」、事件の発生から解決までが「七日間」という設定のもと、4人の作家による青春ミステリー
加藤実秋以外は、学生寮において「開かずの間」四〇四号室に幽霊が出るという内容。
設定が固められているせいか、似たような作品ばかりになっている。
・谷原秋桜子「聖母の掌底突き」
ミステリーとしては一番面白かった。
・野村美月「桃園のいばら姫」
女子寮を舞台にとても美しい女性徒を巡る一種閉鎖された空間での耽美的な世界。
ミステリーであることを忘れて読んでたら、突然の展開に驚かされた。
・緑川聖司「三月の新入生」
オーソドックスな構成、爽やかな読後感。
・加藤実秋「マジカル・ファミリー・ツアー」
舞台は箱根の保養所「紅桃寮」、家族旅行で宿泊した部屋が四〇四号室。
ほぼギャグの世界。父・母・弟のキャラが面白かった。
唯一異なった舞台で変化が楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
「7days wonder紅桃寮の七日間」を改題.加筆・訂正
(収録作品)聖母の掌底突き(谷原秋桜子)/桃園のいばら姫(野村美月)/ 三月の新入生(緑川聖司)/マジカル・ファミリー・ツアー(加藤実秋)
投稿元:
レビューを見る
共通のお題は「紅桃寮という寮・404号室が開かずの間・7日間限定」という短編集。
寮といえば、学校を思い出す。4話中3話が学校の寮で起こる話だった。
しかし、最後の話は健康保険組合の保養所での話だし、開かずの間の使い方かわ違ってた。
確かに、お題は守ってるけど、これでいいの?的なかんじで、出てくる主人公一家のキャラが個性的で良かった。
学校の寮での話であれば、1話目が好きだな。
なんか下らないかんじで、でも主人公が目標を決めるかんじが良かった。
2012.10.28 読了
投稿元:
レビューを見る
「舞台は『紅桃寮』」
「404号室が開かずの間」
「事件発生から解決まで7日間」
という共通テーマを下に、加藤実秋、谷原秋桜子、野村美月、緑川聖治の4人のそれぞれ書き上げた短編小説。
こういった企画って当たり外れとか関係なく色々な見方・感じ方ができるのでいいですね!
テーマの使い方も捉え方もバラバラなのが見どころです。
まぁ、これテーマに沿ってるの?ってのもあったけど(笑)
聖母の掌底突き(谷原秋桜子)……★★★★★
桃園のいばら姫(野村美月)……★★★☆☆
三月の新入生(緑川聖治)……★★★★☆
マジカルファミリーツアー(加藤実秋)……★★☆☆☆
投稿元:
レビューを見る
共通設定
★舞台「紅桃寮」
★404号が「開かずの間」
★7日間限定!
この3つの設定で書かれたオムニバス。
聖母の掌底突き:谷原秋桜子、桃園のいばら姫:野村美月、三月の新入生:緑川聖司、マジカル・ファミリー・ツアー:加藤実秋の4編。
そういう作家さんなのか?百合展開だったけど「桃園のいばら姫」は3つの設定がよく生かされていたと思う。
読後感が良かったのは「三月の新入生」かな。
投稿元:
レビューを見る
舞台は「紅桃寮」、404号室が「開かずの間」、事件発生から解決までが「七日間」という共通設定で四人の作家(野村美月、緑川聖司、谷原秋桜孑、加藤実秋)により描かれたミステリー。
投稿元:
レビューを見る
紅桃寮での七日間で人生が変わる。
舞台は紅桃寮、四〇四号室が開かずの間、事件の発生から解決までが七日間、という三つの条件で書かれた四つの物語。学校限定かと思いきや、加藤実秋は保養施設だった。名前は女子っぽいけど、谷原秋桜子も緑川聖司も男子寮だった。それぞれ死んでいたり冒険だったりと色々。競作って面白い。
加藤実秋「マジカル・ファミリー・ツアー」が好き。家族のキャラが好き(笑) 野村美月「桃園のいばら姫」は、この人らしい、“痛い”話。
投稿元:
レビューを見る
01YA
ちょっと変わった短編。舞台は一緒でも書き手が違うから、様々なことが交差する。試してみませんか
投稿元:
レビューを見る
3つの決まりごとのみが決まった、アンソロジー。
前3つは、学生寮。
最後の4つ目だけが、保養施設。
なので、妙に印象があるのが4つ目です。
いや…個性が豊かすぎる家族、というのも
ありましたけど。
あくどい最後の1話目。
恐ろしいまでの家族愛な2つ目。
もしや覗き趣味? と突っ込んではいけない3つ目。
一応主人公は学生の、寮生活ではない4つ目。
読んだ後、表紙を見ると、どれがどれだか分かりますw