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紙の本
悠久の大和古寺にある古美術をめぐる哲学者の想い
2008/04/13 21:40
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
和辻哲郎の名は中学、いや高校の教科書で知った。教科書には「面とペルソナ」が教材として掲載されていた。その和辻哲郎が「古寺巡礼」を書いていたことも、たしか教科書に出ていたと思う。
この本は和辻哲郎が大正8年に友人たちと訪れた奈良で感じ取った感想をつづったものである。何に対する感想か? 宗教的な観点での感想ではなく、大和の寺々にある仏像などの古美術に対する感想である。大正8年とは今からおよそ90年も前である。
この奈良の古美術に関するいわばメモに近いものである和辻哲郎の記録は、現在ではあまり目にしないことが結構記されていて興味深い。奈良は古都ではあるが、同じ古都でも京都のような大都会と異なっている。鄙びた風情を残しているからこそ日本人の故郷として存在するのだろう。しかし、この90年の時代の波には奈良も巻き込まれているようだ。
私も先日、高畑にある新薬師寺を訪れた。25年前にもここを訪れたのだが、この周囲と白毫寺への道すがらは一変してしまった。鄙びた風景がどこかへ消えて、都会の一端がすぐそこまで到来しつつあると言っても過言ではなかった。マンション、田畑のビニル栽培、車などの文明の波が押し寄せてくる。その文明の風景と崩れかけた築地塀の風景とはいかにも調和しない。
和辻哲郎は、当麻寺を訪れている。このときはJRの大和高田駅から車で出かけたようだ。注釈に現在は大阪鉄道の当麻駅からが便利だと書かれていた。今の近鉄の当麻寺駅である。しかし、中身は変わっていない。この寺の本尊である当麻曼荼羅を眺める光景は今も同じである。私が訪れた際は、細かい部分までは暗くてとても拝見できなかった。
和辻哲郎の古寺巡礼は大和の主たる寺院、東大寺、興福寺、薬師寺、法隆寺などの有名な寺院の他、浄瑠璃寺、聖林寺、法華寺、唐招提寺なども網羅している。今、東京国立博物館で展示されている薬師寺の日光、月光菩薩立像についても詳しく述べている。金堂にある薬師三尊像が有名ではあるが、同じ薬師三尊像が講堂にもあることが触れられている。
また、法華寺には光明皇后のから風呂と呼ばれている浴槽があるとのことで、これらのことは解説書などにはあまり書かれていない。もう90年を経ているが、現在はどのような扱いになっているのであろうか。
奈良時代は今から1300年以上も昔のことであるが、90年前の記録からも色々と興味深い記述が読み取れるのである。ただし、最近では珍しく文字が小さいのには閉口した。
紙の本
法隆寺金堂の壁画焼失は本当に残念
2020/04/18 22:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学者・和辻哲郎氏が大正8年30歳の時、岩波書店から出版されたもので、作者の昭和21年の改版序によると「大正7年の5月、二三の友人とともに奈良付近の古寺を見学したときの印象記である」という。昭和21年に改訂版が出された時、作者は「30年前に古美術から受けた深い感銘や、それに刺激された様々な関心は、そのまま大切に保存しなくてはならないということになる。こういう方針のもとに文章は添えた部分より削った部分の方が多いと思うが、それは当時の気持ちを一層はっきりさせるためである」と述べている。今読んでも古寺の素晴らしさが目の前に浮かんできそうである。それだけに、作者も感嘆した法隆寺金堂の壁画が焼失してしまったということは残念でならない
紙の本
もはや歴史の一コマと化した、在りし日の古都の町並み
2021/06/13 00:20
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の目を通して観察された、
戦前の奈良の伽藍群を、
くせのない文章で堪能できます。
30年後には火災にあって壁画を
消失してしまう法隆寺への訪問も、
彼の旅程には入っていました。
全くもって羨ましいことです。
電子書籍
少し難しい
2013/02/13 07:03
5人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:南無 - この投稿者のレビュー一覧を見る
少し難しいかも
写真少ないせいか?