紙の本
震える牛
2012/09/19 20:32
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投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭は、窓際刑事のお蔵入り事件の掘り起こしかと思いきや、新潟・仙台を巻き込む広域捜査へ。途中から大手スーパーの拡大ネタに移り、ついには、題名の「震える」が何を意味するかが判る。そして、最後に胸のすく一件落着としないのも、紙の上での創作と流せない、これは、ノンフィクションなのでは?と。久々に読み手を飽きさせないスーパー作家に出会いました。
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評価がひどかったけど読めば結構集中できる作品でした。帯に「平成版・砂の器誕生!2012年ミステリーベスト1 早くも決定」と書かなければよかったのに、そんなこと書くから期待も高まるし、「表示偽装」とまで言われちゃう(笑)。それにしても、ミートステーションのマジックブレンダ―はなかなか怖いものだったなあ。映像で見たら肉が食べられなくなりそう。添加物や薬剤のことも問題だけど、浅漬けのO157問題ではもっと薬剤で洗わないといけないとなると・・・私たちはどうしたらいいのか、、これは迷宮入りだな。
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刑事さんの苦労も去ることながら大いに気になるのは食肉加工品( ・ัω・ั; )怖すぎる。面白かったけど後味はよろしくない。
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警視庁捜査一課で第一線として長い間活躍していた田川信一は、今は体調を考えて継続捜査班に身を置いている。迷宮入りが濃厚な事件を追うのがこのシマの仕事だが、今回割り振られた事件が「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」だった。偶然居合わせた2人の男性が犠牲となり、不良外国人が犯人だろうとされた事件だったのだが、今一度証言や証拠を洗いなおしてみると、出てくるのは初動捜査とは全く違う顔だった。
「食の偽装」がテーマで、田川ら刑事達がたどりつくのはタイトルからそのまま連想できる病気である。まずこれがもったいない。隠された被害者達の繋がりは何なのか、何を理由に殺されたのかが普通にわかってしまう。それでもおもしろく書かれている場合もあるのだろうが、今回はあまり匂わせない方が良かったのではないかとしか思えなかった。地道な捜査で手がかりを一つ一つ繋いでいった甲斐がない。最後の最後、田川の上司の裏切りには怒りを覚えたし、田川にもがっかりしかけたのだが・・・きっと、鍋をつつきながら、記者の前で口は軽くなったに違いないと信じておくことにする。しかしこういう風に消費者よりも会社の利益を尊重して作られた食品が、本当に出回っていそうで怖い。
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巷で話題の本作を読了。
殺人事件というミステリー要素だけではなく、そこに食品産業の現状を絡めた、とても面白い作品でした。
作品中に消費者の安全よりも経済効率を優先してしまった企業が出てくるが、これが本当にフィクションなのだろうかと思わせるくらいリアルで、中盤の自分の息子に自社製品を食べさせられない食肉工場の工場長の告白には驚愕を覚えた。
飲食店の安い加工食品には安いだけの理由があることを再認識。
同じ本を読んだ先輩も言っていたが、この本を読むと、安いハンバーグなどの加工食品は食べる気が失せます。。。
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借り物。
興味深くはありました。が、
松本清張がどうのこうのって帯に書いてあったけど
そりゃ言い過ぎだ。
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消費者の立場だったら、こういった業者は悪役で、批判の対象なんだろうね。
食品業界は医療や化粧品、嗜好品等の他の業界よりも利益率が低いから、些細な問題でも死活問題につながる可能性がある。
しかも、BSE、添加物に関して知識の薄い消費者も多いから、BSEは何となく怖いとか、無農薬・無添加がいいだとか、有機栽培のものがいいだとかわがまま言うんだろうな・・・生産者の苦悩を知らずに。
そんなことを思いながら読んだ。
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タイトルから想像できるとおりBSEがキーとなるミステリーなんですけど、この、タイトルから想像できる点とけりの付け方が物足りない点を差し引いてもオススメの一冊。謎そのものよりも謎が解き明かされる過程を楽しみたい人は是非。
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刑事、報道ジャーナリスト、巨大流通企業それぞれの視点で現代日本の暗部を描いた作品。とてもフィクションと思えない。実在する流通企業の名前が頭に浮かぶ。実際にこの本に書かれてあることが、行われていても不思議はない。それほどのリアリティを感じた。
終わり方が少し意外で、気に入りました。
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本屋さんや電車の広告でもかなりプッシュされているようなので読んでみた作品。最初は経済色が強かったが、中盤から後半にかけて点と点が線でどんどん結ばれていくようなストーリー展開は秀逸。しばらくお安いハンバーグやソーセージは自粛したくなる。。
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全体として盛り上がりに欠ける印象でした。
物語の全体像も序盤からわかってしまうし、それぞれ別視点で進んでいた刑事とジャーナリストが物語の終盤で交錯するシーンなんてもうちょっとなにかあってもいんじゃないでしょうかね。ちょっとの煽りもなにもなかったですが。
最後に意外な黒幕が、というところも・・・。すごくあっさりでした。
あと、刑事が地道に苦労して真相にジリジリとにじり寄る・・・という話になってますが、いうほどじりじりという感じはなく、むしろかなり順調に間違った道に進むこともなく、とんとん拍子で真相に至っていると思います。
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もっと企業の内幕から問題をあぶり出している企業小説をイメージしていたのだが、むしろ、事件を丹念に追う刑事を主人公にした警察小説でしたね。
平成版「砂の器」という謳い文句だそうだが、正直、そこまでの作品とは言えないような…。
確かに、実際の事件や企業を想起させるようなネタで、示唆に富む面も非常に多いのだけれど、人物に厚みがない感じが否めず。登場人物のそれぞれの動機も弱すぎて、ちょっと空々しい。
それでも、中盤までは、少々ややこしさが先立って読みにくく平板だったのが後半に入って一気に動きが加速、ようやく面白くなった。
がっくりきそうになる結末も、最後の最後でやや救われた気がするし、書き下ろしで加えられたエピローグにも、ストーリーに厚みを増す効果があったように思う。
物足りなさを感じるのは確かだが、いろんな意味での問題提起の面を買って星4つ。
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食品偽装の問題、全国チェーンを展開する大企業の、地方の食い荒らし。
サンスペンスという娯楽作品を読むつもりが、現在の日本の問題に目を開かされる思いでした。
目の前の安さや、利便性のみを重要視していると、いつかしっぺ返しを食らう日が来そうだと思わされた。
単行本化にあたって書き下ろされたという「エピローグ」の部分が、心をつかみます。
あら?第7章部分も書き下ろしなんですか??へぇ~。
話はそれますが、加工肉の食品偽装の描写で、だいぶ気分が悪くなりました。それ以来、スーパーの加工肉には手が伸びなくなりました。
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最近、食品偽装問題がテレビなどで話題となっていますが、ちょうどタイミング良くと言ったらいいのか、この小説を読み、中国産やアメリカ産がどうのこうのと言っている場合じゃないなと感じました。著者が記者出身ということもあってか、物語の背景がとてもリアルで、思わず購入していた冷凍ハンバーグが、大丈夫かどうか本気で考えました。「食」に溢れているけれど乏しい日本で、本当の意味での安全な食品というのは存在するのだろうか?最近の子どもたちにアレルギーが多いのは、原因が日ごろ何気なく考えている「食」にあるのだろうか?すごく、勉強になり、また考えさせられた作品です。面白いとかよりも、まるでルポのようで、「君はどうする?」と問われたような気がしました。
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一本調子でミステリーとしては並。
明らかにイオンとしか思えない大手SCが町並みを壊し、商店街を壊し、(おそらく事実ではないのだろうけど)屑肉を成形肉として売り、ひたすらに業績の向上をはかる姿は、商業主義の一面なんだろう。普段はっきりと意識することはないけれど、やはり口に入るものは気をつけよう。