投稿元:
レビューを見る
アメリカのジャパナイゼーションとは、80年代に流行った時と意味が変わり、今回は失われた10年という意味。3大通貨が、ドル・ユーロ・円だったが、これからは元・ユーロ・ドルにとって替わられるだろうという筆者。
投稿元:
レビューを見る
ミスター円・榊原英資氏の新著。
2012年1月・初版、222ページ。
文章は平易で読みやすい。
しかし、内容的にはそれほど新しい部分はないかな。
ただ、
「低福祉・低負担か、それとも高福祉・高負担か」
という考え方は、自分にしては新しい考え方で、
フランスをモデルにするというのも、ちょっと新しかった。
成熟国家としての日本の在り方、円高に対する処し方について、
色々書いてある部分は参考になった。
ただ、文章の前半~中盤にかけては、世界・経済の戦後史が中心で、
歴史を振り返るという意味では良いのだけど、
その関係の知識がある人には、当たり前すぎて面白くない。
また、円高を受け入れるという日本の在り方について、もともと考えている人にしてみれば、結論もそれほど目新しいものではない。
近著と内容的に被る部分が多いので、
著者の最近の本を読んでいる人にはそれほどお勧めできないですが、
読んだことがない人にとっては、読みやすいし読んでみる価値はあると思います。
投稿元:
レビューを見る
第4章「円高ドル安・ユーロ安! どうなる?日本経済」
の立ち読みだけでもおすすめ!
4章 目次(一部省略)
●1ドル=360円の為替レートは、こうして決まった
●スミソニアン会議で1ドル=308円になったのは、暗殺が怖かったから
●異常だったプラザ合意後10年館の円高
●「ドル安」・「ユーロ安」の長期化で警戒すべきこと
●現在の円高を阻止する有効な手がない理由とは
●覚悟を決め、円高メリットを生かす道を探ることが大事
●円を海外でつかって円高メリットを享受する方法
●強い円を握りしめて、中小企業も海外に集団進出している
●国内空洞化を心配する必要はない!
●韓国や台湾の海外ビジネスから、日本企業が学ぶべきこと
●円高は日本全体のバランスシートで考えなければならない
●いまや「攻めの円高戦略」が求められている
●「強い円は日本の国益である」と宣言しよう!
●國の借金1000兆円の日本が”ギリシア”になる可能性はあるか
●家計の資産が大きい日本は、まだ金持ち国である
●消費税引き上げは、もはや避けられない!?
●日本は、戦後もっとも重大な局面を迎えている
●日本はフランス型の高福祉社会を目指すべきである
エピローグ
●日本強みは「○○」「○○」「○○」にある
●成長が期待できる分野で、規制緩和や自由化が遅れている
●農業を成長産業にするために舵を切れ
●日本人だけが、日本の将来に悲観的になっている
投稿元:
レビューを見る
1/25 目を通しておくべきだと思い購入。
「私にとっての20世紀」加藤周一を読んでいたのだが後回しになった。
こういうことでいいのかなと思うが、投資関連が優先になるのは仕方が ないと思う。
投稿元:
レビューを見る
「ミスター円」榊原英資氏が著者である。
この本は、東日本大震災の後、1ドル70円台の「円高」が継続している時期に上梓された。
読む前からなんとなく陳腐な内容だろうという予感がしていたが、「ミスター円」が今をどうみているのか興味があったので、さっと読んでみようと思って買った。
榊原氏は「世界同時恐慌」に突入するだろうと述べている。断定的書き方はしていないところが、いかにも役人らしい。読んだあとで「突入する」といっていたのかそうでないのか読者はすぐ忘れてしまう。
・ユーロとドルは没落しもとには戻らない
・世界の中心が欧米からアジアに移っている
・円高はしばらく続き日本も恐慌が懸念される
などが述べられている。
恐慌の話から脱線しそうなところを「通貨で読み解く」ということで、牽強付会気味にかなりの紙幅がさかれているのは為替の話だ。榊原氏の書くものだからそうなるだろう。
榊原氏は自分たちがやっていたときの為替介入に比べて、今の政府の介入は幼稚だと言っている。たぶんそうなのだろうが、そういうのはいかにも年寄りくさい語り口になってしまう。榊原氏の「俺たちのほうが賢かった」という論に賛成するかしないかは別にして、当時、当事者たちがどのように考えて行動していたかが書かれているのは面白い。
すでに80円台に戻ってきた為替を背景に読むと、この本はちょっと不幸だったと思う。が、そのせいだけでなく陳腐な感じを否めない。書いてある内容は欧米からアジアへの経済の中心の移動の歴史的な意義に触れているとはいえ、その話は榊原氏のオリジナルではないし、通貨や経済について述べていることはやはり過去何十年もの間常識的だった理論で一貫している。
何かもう「この人は過去の人のなんだなあ」という印象が強い。役人系の人はやはりこの激動の時代、年をとればこうなってしまうのだろう。この本が良い例だが、過去偉かった人たちが、今起こっていることを評論するような本を出版しても、読者の著者に対する評価は下がってしまうだけだろう。そういう変化の時代になっているのだと感じる。
前向きな提言として「円高のメリットを生かして行く発想を」という論旨で最終章を切り出している。しかしその後に「日本はヨーロッパ型でいくのかアメリカ型でいくのか」という話がつづき、「さらに日本の強みは『環境』『安全』『健康』にある」という語りが続くのである。もうこの人が時代をリードする人ではないことがはっきりするだけだ。
辛辣な書き方をしてしまったが、内容はしごくまともで、面白いことも書いてあり、安くて軽い新書判であるので読む価値はある。しかし私には、「たしかにそう」でもあるが、それ以上の「何かの役に立つ」感じのしない、ただただ陳腐な印象だけが残った。
投稿元:
レビューを見る
榊原英資先生の本はよく当たるし面白くためになる。
世界同時不況の次は世界同時恐慌が来るのではないか。
EU危機やアジアバブルの状況をみて、
2番底も十分考えられると示唆する。
こういった本は即時性が大事だが、ボリュームを出すためか、
過去の著作と重複する部分も多い。
過去の著作を読んだことがある人はパラ読みでいいんじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
大蔵省国際金融局の局長を務めた榊原氏の書いた本で、日本の円を含む世界中の通貨が今後どうなっていくかを述べています。将来を予測するにあたって、現在の貨幣制度がどのような経緯で成り立ち、変遷してきたかを把握することは大切だと思いますが、この本にはそれらも触れられていて興味深かったです。
もともと世界のGDPの大半を占めていた中国とインドがいずれ復活するとは、何人かが指摘していることですが、私が知ったのは数年前に読んだ、この本の著者である榊原氏から初めて明確なデータとともに学びました。
今は円高(80円弱)で凄いという風潮がありますが、実質実効為替レートでみると1995年よりも深刻でないというメッセージ(p14)は印象的でした。
また日本の国力についても冷静に判断されていると感じました、増税を強調している財務省の人たちも本当はそれを分かっているのだろうとも思いました。
以下は気になったポイントです。
・1820年の時点で中国は世界のGDPの29%、インドは16%を占めている、没落し始めたのは、アヘン戦争による香港割譲(1842)、インドの植民地化(1877)から(p3)
・現在(2011末)の円高は1995年の円高と実質実効為替レートで比較すれば深刻でない、2001-04年レベルで、かなりの円安ともいえる(p14、142)
・60円台に突入して、その先50円をうかがう事態になれば日本経済は危機的になる(p14)
・ドル高政策(1995年に実施)は、自国通貨をドルに換えれば良いので、アメリカに膨大なお金が、預金・株式・債権に集中した(p28)
・CDO(債務担保証券)で活発だったシティバンクは、2008年秋に事実上の破たんをしたが、アメリカ政府が公的資金で融資して救済した(p31)
・CDOとペアでCDOを保証する金融商品として売られたのが、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)で、保険会社AIGが売りまくった、2008年秋に事実上の破たんをして国有化により救済された(p
32)
・世界同時不況の根本的問題がフローではなくストックの問題、各部門(連邦政府、州政府、金融機関、個人等)のバランスシートが改善されない限り解決できない時間がかかる問題(p38)
・2011/10/26日に民間金融機関が保有するギリシア国債の50%を債権放棄、欧州金融安定化基金(EFSF)の融資能力を4400億→1兆ユーロに強化することで合意(p43)
・ECSC(石炭鉄鋼)、EEC(経済共同体)、RATOM(原子力共同体)が1967年に合体してECとなり、1993年にEUになった(p46)
・労働者の3割が公務員で組合が強いギリシアは勤勉ではない、闇経済がGDPの30%を占めるといわれる(p51)
・ギリシア国民が、年金・賃金引下げ・増税を納得しなければ、IMF管理下となりユーロ離脱で、ドラクマ通貨切り下げをするしかない(p55)
・中国は共産党独裁だが、実質は巨大な官僚機構がルールに従って動いているので、ルールを逸脱する無茶はしないのが中国の政治(p76)
・通貨が強くなると、輸出価格を上げて輸入価格をさげる「価格効果」と、��全体のコストを下げて所得を上げる「所得効果」があるが、加工貿易の比重が多い中国では、価格効果が相殺される(p87)
・インドで成功するにはトップダウン型でないとダメ、スズキ自動車が成功している理由、財閥の存在は戦前の日本に似ている(p99)
・通貨別取引高(合計200%)では、ドル:84.9,ユーロ:39.1、円:19%である(p122)
・三大通貨(米ドル・ユーロ・日本)及びポンド以外は、何らかの制限がある(p133)
・1871年に始まった日本の金本位制度では、1円=1.5グラムの純金であったが、1882年に日本銀行が発行した紙幣は銀兌換であったので、事実上は銀本位制度(p160)
・空洞化を懸念する必要があまりない理由の一つは、日本経済における輸出企業のウェイトが大きくない、円高で儲けている中小企業もあるはず、輸入はドル建てなので利益が大きい(p193)
・日本の金融資産は、家計(資産:1491、負債:353)、政府(488,1076兆円)等で、合計280兆円の純資産がある(p202)
・日本の強さを示すキーワードは、環境(森、水、大気汚染防止等)・安全・健康、である(p214)
2012年2月5日作成
投稿元:
レビューを見る
榊原英資 (著)
ドルの没落とユーロの危機、
イタリア・ギリシャの破綻、
そして円高ドル安……。
「ドル」の時代が終わり、「元」の時代が始まるのか?
「世界同時不況」を予見した「ミスター円」が、
日本の将来を先読みする!
---------------------------------------------------------
いま、世界経済は大きな転換期の最中にあります。
ひと言でいうと「リ・オリエント」現象が起こっています。
世界経済の中心が次第に欧米から
中国・インドを中心としたアジアに移ってきているのです。
こうした時期には、しばしば世界経済が混乱するというのが、
いままでの歴史的経験です。
日本経済は震災からの回復局面にありますが、
円高は日本経済をも恐慌に巻き込む可能性があります。
1年前に私は、『世界同時不況がすでに始っている!』(アスコム刊)で
「世界同時不況」の到来を予見しました。
いま、一段進んだ「世界同時恐慌」の段階に入りつつあるのです。
このように世界同時恐慌が懸念されるいまだからこそ、
多くの読者の皆さまに本書を読んでほしいと願っています。
榊原 英資
---------------------------------------------------------
「通貨」を読めば、世界がわかる!
●2012年、「世界同時不況」が「世界同時恐慌」になる!
●まだまだ円高は進み、1ドル60円台になる可能性もある!
●EUからギリシャを追い出しても、問題が解決するという状況ではない
●欧州発「第二のリーマン・ショック」が起きる!
●元は次第に切り上がり、20年以内に自由化される!
●中国、インドに欧米の危機的な状況を救う力はあるか
●円高ドル安・ユーロ安時代で、どうなる?日本経済
●国の借金1000兆円の日本が、”ギリシャ”になる可能性はあるか
投稿元:
レビューを見る
端的で面白かった。
アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドの経済が悪化することを示す指標が出てきた時は、警戒!
今の円高は、アメリカ、ユーロの危機によるものだから、日本側は手の打ちようがない。
円高メリットを生かすには、円を日本の国外に出して使うこと。
=円でドルを買うこと
アメリカ、2008年~失われた10年、
ヨーロッパ、統合解体
中国、インドの時代へ
通貨はあと30年、無極化
投稿元:
レビューを見る
「ミスター円」の異名をとる元財務官僚が、世界同時恐慌の可能性について論じる、という趣旨の本。著者の歴史観によると、これからの10年~20年は、世界経済の中心がアメリカから中国・インドに移るための過渡期であり、全世界的な恐慌も含めた大混乱が起こる可能性はかなり高いそうである。もはやアメリカの復権は望めず、大局的にはドル安の傾向には歯止めがかからない、とも述べており、1ドル60円台の時代を見据えて、「攻めの円高戦略」を描くことが重要だとしている。為替相場に関しては、1ドル50円とか60円とか言う識者が多い割に、最近は円安傾向で1ドル80円をうかがう展開になっているけど、やっぱり長期的には円高になるのかね?今春にも勃発するであろう消費税政局の行方次第では、国債の金利上昇とセットで円安が一気に進行する可能性もあるから、一寸先は闇か…。
投稿元:
レビューを見る
弱い日本の強い円/佐々木融 同様、外為市場の仕組みについて勉強になった。全く本の内容とは関係ないけども、『融』とか『資』とか名前についてる人…私の周りには居ないなぁと思った。
投稿元:
レビューを見る
書いてある事は結構普通の事でした。ただ、日本人が日本に対して最も悲観的になっている、日本の強みである「環境・安全・健康」をもっといかすべきとのコメントには賛成です。ないものに目をむけても幸せになりませんからね。
投稿元:
レビューを見る
2013/02/02
予想は外れるということですかね。
まぁどーとでもとれるようにしか書かれていませんが。
投稿元:
レビューを見る
場合によっては1ドル71〜72円程度の円高もあり得る。さらに2〜3年のうちに1ドル60円台に突入する恐れもあるとの見通しを変えていない。
アメリカのオフィス用物件の建設ピークだった07年の貸し出しの大半は12年以降に満期を迎える。借り換えが必要な額は1兆8000億ドルに達し、予断を許さない。
全世界の貿易取引額は年間3000兆円で、1日あたり8.2兆円。株式市場の取引高を10位まで合計すると3800兆円。外国為替市場の取引額は1日平均350兆円で、貿易取引額の40倍以上。