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見えないものを見る人間の脳の不思議
占い師、超能力者、予言者、体外離脱、幽霊、ポルターガイスト、降霊術、カルト教団……あなたの脳はこうして彼らに騙されるーーー
「運のいい人の法則」「よく眠るための科学が教える10の秘密」の作者、リチャード・ワイズマン博士が怪奇現象の科学的な謎解きに挑みます。
本書で引用された特異現象のほとんどは科学的に説明されますが、実は説明しきれない事象はまだまだ存在しており、それらは意図的に(?)触れていません。例えば、真性異言(しんせいいげん)ですが、「ゼノグロシー」の訳語で、学んだことのない外国語もしくは意味不明の複雑な言語を操ることができる超自然的な言語知識、およびその現象を指す、超心理学の用語。
有名な事例としては・・
ルシアの事例(憑依現象による真性異言)
1933年、高い教育を受けた16歳のハンガリー少女、ファルツァーディ・イリスが自称41歳の労働者階級のルシアというスペイン女性に身体を乗っ取られる(ように見える)事件が起きた。内気で教養あふれるイリスの性格は、がさつであまり上品とは言えない掃除婦の性格に変わり、イリスの母語であるハンガリー語はルシアの母語であるスペイン語に完全にとって代わられてしまった。この事件はマスコミでも広く報道され、よく知られるようになったが、次第に人々の関心は薄れ、忘れ去られてしまった。70年後の2003年、メアリ・バーリントン、オーストリアのペーター・ムーラッツ、オランダのティートゥス・リーファスら3人の超心理学者がこの事件を再調査し、ルシアと名乗る人格に相当する人物がスペインに実在するかどうかという点の確認と、86歳になったルシアの言語能力を調べた。大規模な調査にも関わらず、ルシア人格に相当する人物の特定はできなかったが、流暢なスペイン語を話すイリスの言語能力は再確認され、資料は心霊現象研究会 (SPR) の図書館に資料として保存されている。(Wikipedia)
学んだこともない外国語を人格が変わったように急にしゃべれるようになるこの現象は、残念ながら科学的な解明には至っておりません。
こうした本を出す以上、世間である程度話題になった事象を避けるべきではありません。
この1点のみで、筆者のサイエンスライターとしての誠実性に疑問符がついてしまいます。
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占い、幽体離脱、念力、霊媒師、幽霊、マインドコントロール、予知能力など所謂超常現象を科学で解明する内容。人間の関連して考える力は、生存率をあげたり、物事を予測する能力を発揮させるが、一方思い込みによるゴーストを生みだす。法則、実験事例が沢山のっていて面白い。
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おもしろーい。そして読み易い。
表紙の実験からもうたまらん。ちいちゃんのかげおくりか。
目撃される幽霊が大体白い服を着ている理由が分かったような。
時計の4:44をよく見る気がするのはやっぱり印象に残るからやね。
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占いに念力に幽霊に予知夢。我々の常識を超える現象――超常現象とされる出来事はいくつもある。
だがその中には勘違いや思い込み、誘導や誤導など、人為的な原因がある、超常現象ならぬ“通常現象”も数多くある。
プロのマジシャンで心理学の教授が、人がどのようにして通常現象を超常現象として捉えるのか、「いかに人は思い込みが激しく、騙されやすいか」を解説した謎解き本。付録として、簡単な超常現象実演キットを収録!
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本書では科学者のファラデーや心理学者のウェグナーが、交信術の一種であるテーブルターニングの科学的解明を試みている。テーブルターニングの情報が日本に輸入されると、それは「コックリさん」と名を変えて一時流行るが、明治の哲学者、井上円了がファラデーやウェグナーと同様に研究し、追跡し、その起源が西洋のテーブルターニングで、ただの心理的作用・物理的作用であることを突き止めた。
円了先生にはお化け博士の異名もあり、哲学者として怪異を研究し、怪異を四種に分類している。
・誤怪:心理的要因によって認識される怪異。見間違いや思い込み。
・偽怪:人が人為的に引き起こした怪異。作りや騙り。
・仮怪:自然発生した怪異。現在では“自然現象”と捉えられている現象。
・真怪:現在の科学では解明できない怪異。
そして、「世間でいう怪異の5割は偽怪、3割が誤怪、2割が仮怪である」と私見を述べている。
本書で紹介されている超常現象は、いずれも円了先生が「偽怪」「誤怪」に分類した通常現象だ。だが、一口に超常現象と言っても、そのバリエーションは無数だ。中には真怪、現在の科学では解明しきれない、説明しきれない現象も数多くある。実際、科学誌には「観察はできているが、なぜ起きるのか解明できていない。今後の発表が待たれる。」というような記事が数多くあるし、麻酔薬にだって、なぜ効くのか、未だに不明ながら使用されているものもある。
人によっては真怪に該当する現象の一部は「気(気功)」で説明できると述べているし、実際「気(気功)」の科学的考察・研究は、ニッチながらも進んでいる。つまるところ、世の中は超常現象ならぬ、「真怪現象」で溢れているのだ。
現在、真怪とされる現象はいずれ科学で解明されるだろう。しかし、決してなくなりはしない。一方、誤怪や偽怪は排除されるものでなく、そうと認識していればマジックやイリュージョン、肝試しといった娯楽として楽しめる。これらもまた日常に必要な存在だ。
無知は罪ではない。だが知識を蓄えれば騙されにくくなり、楽しみも増え、潤った人生を送れる筈だ。
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心霊現象やマインドコントロール、幽体離脱などの超常現象を信じてしまう人たちの心理を解明していく。ユニークな実験も紹介されており、なんと実際に超常現象を体験することもできるお得な一冊!
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無意識の領域が大きいことは何となく知っていたけれど、超常現象のほとんど全部が、この無意識に関わっていたとは。不思議なことを不思議なまま楽しみたい人は読まない方がいい。あまり信じていない人は、とことん追求した実験と理論に満足できるだろう。超常現象のトリックもそうだが、脳の莫大な働きについても、もっと深く知りたくなる内容。
余談。はからずしも、同じ博士の著書(『その科学が成功を決める』)を以前読んでいたことに読後気付いた。著者を意識して手に取ったわけではなかったので、無意識に働いた自分のセンサー(この場合、好み?)にちょっと笑えた。
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≪目次≫
あなたの知らない世界へ
第1章 占い師のバケの皮をはぐ
第2章 幽体離脱の真実
第3章 念力のトリック
第4章 霊媒師のからくり
第5章 幽霊の正体
第6章 マインドコントロール
第7章 予知能力の真偽
おわりに
特別付録 これであなたも超能力者
≪内容≫
プロのマジシャンで心理学者の好著。例示が具体的でかつ有名な話が多く、それに対する科学的な分析が的確でわかりやすい筆致、説得力に富む。また、どの章にもそれぞれの超常現象のからくりを実体験できる実験(?体験?)コーナーがあり、そのことがさらに「超常現象の否定」の説得力を増している。
基本的に脳科学の進歩は、超常現象のからくりを解明している。が、心理学的にこれを全否定すればするほど、人間はムキになる(?)生き物らしい…。なので、こうした本を理性的に読める人は超常現象のからくりを理解するが、感情的に読む人は、「全部ウソだ!」とさらに超常現象に入りくむと思われる。難しい…。
また、頭が良くてズルイ人は、これを利用して悪だくみを企図するだろう…
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小学生の頃、遠足で日光へ行った。藤村操が「曰く、不可解」との
遺書を残して身投げしたことから自殺の名所になった華厳の滝の
前で記念撮影をした。
写真が焼き上がって来た時、「霊が映っているっ!」とクラス中で
大騒ぎになった。しかし、私にはどこをどう見ても霊らしいものが
見えなかった。皆、本当に見えていたのだろうか。
今になって思うと、あれは集団ヒステリーの一種ではなかったか。
本書は幽霊の目撃や交霊術等の超常現象の正体や、占い師や
マインドコントロールのからくりを脳の機能から解き明かしている。
常々、占い師って胡散臭いと思っていたのだがやっぱりね…と
いう感じである。最近、話題になった女性お笑い芸人もこの本を
読んでいれば妙な騒動に巻き込まれることもなかったのになぁ。
脳科学と心理学で、超常現象と言われるものの大方の説明は
つくらしい。言われてみれば「なるほど~」と納得だ。
しかし、人間の記憶とか脳とかってかなり当てにならないもの
なんだなぁ。信じたいことを信じ、見たいものを見る。だから、
他人に見えないものでも見たことになっちゃうんだね。
紙上で出来る実験も出ていて、飽きずに読めるがオカルトや
脳科学に詳しい人には物足りないかも。
尚、少々おふざけの文章も混じっているので専門書だと思って
読むと不快になるかも。私はこういうの好きだけど。
ロンドン塔でも幽霊の出るホテルでも、何も見ることも感じることも
出来なかったが、本書を読んだら私でも超能力者になれるかも
しれぬ。笑。
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理論的で楽しく読めた。
脳みそはパーフェクトではないし、機械でもない。
実に不完全な人間。
それをとてもよく感じた。
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超常現象と結びつけなければとても面白い本だと思うんだが・・・。
ルールの違うスポーツで互いにやりあっているようでどちら意見も可もあり、不可もある。そしてすべて科学的にとまとめようとすることに嫌気がさす。
科学は万能ではない。単なる結果だ。
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『その科学が成功を決める』などの著書でおなじみ、リチャード・ワイズマン博士の最新刊。タイトルで誤解される向きもあるかもしれないが、超常現象の信憑性を検証するという類の話ではなく、あくまでも超常現象には懐疑的なスタンスだ。そのうえで、人がなぜこうした不思議な現象を体験するのかという点にフォーカスを当てている。
非常に興味深い内容が盛りだくさんで、「ちょい読み」どころか「ぐい読み」しかも「一気読み」なのだが、それぞれの章の内容が多岐に渡るため、一番面白かった6章の「マインドコントロール」のみをご紹介。
1978年、アメリカのカルト教団「人民寺院」での出来事だ。教祖ジム・ジョーンズの呼びかけに応じて約900人の信者たちが集団自殺を図った。このときに撮影されたビデオテープを見ると、信者の大半が自ら進んで命を断ったのだという。一体なぜこのようなことが起きたのか?
本書によると、マインドコントロールの要素は4つである。一つ目は、段階的に少しずつ帰依の度合いを深めさせていくこと。二つ目は、グループから不協和音を排除すること。三つ目は奇跡の力。そして四つ目が自己正当化。最後の自己正当化とは、奇妙な儀式や苦痛をともなう儀式に参加した信徒は、自分の苦しみを正当化するために、このグループには価値があると前向きに捉えることを指す。
とりわけこのメカニズムが面白いのは、いわゆるマインドコントロールというものとビジネス界における数々の伝説のプロセスで為されたこととの差が、紙一重だなと思う要素も多分に含まれているからだろう。
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「幽霊がいるかいないか」ではなく「人はなぜ幽霊が見えるのか」を追求したり,「予知能力があるかどうか」ではなく「予知能力があると感じるのはなぜか」を追求したり…人間の内部に潜むさまざまな姿を科学的にあぶり出してくれます。
知っているつもりの〈人間〉のことをもっとふかーく知ることで,あなたも安心して幽霊を見ることができるようになるかも。
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これいいよ。世の中で不思議なのは、目の前にあるこの風景。幽霊なんていないし、予知などできない。今回の大震災が、実証したよね。
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面白かった。超常現象を科学的に解剖する、のではなく、超常現象と人の行動や思い込み、脳の働きとの関係について書かれた本。
なぜ人は幽霊が「見える」のかが科学的に分析されている。
占い師はコールドリーディングのテクニックをもっている事、幽体離脱は自分が自分の体の中にいるという意識を脳が作っているためその混乱によって起きる事、念力の裏側の人為的な視覚トリック、霊との更新と無意識の関係、錯覚や眠りの五段階、人が日常をうまく過ごすために媒介を見出すことが幽霊を見せる事、マインドコントロール、予知能力と確率の関係など。
超常現象を見出してしまう、人という生き物の不合理さ、だからこその面白さを感じられる本だった。
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この手の本としては読み物として面白く、かつかなり読みやすい。インチキを糾弾するような姿勢ではなく、あくまでも冷静に人の性質や脳の働きの不思議さにスポットを当て解説しているところに好感がもてる。そして、超常現象を楽しむ姿勢を忘れていないのがよい。