投稿元:
レビューを見る
サイバー攻撃を扱った本。読み物としては面白かったですが、国防の政策を考える立場にいない人があれこれ考えてもどうしようもない感じがしました。
サイバー攻撃からあなたの会社を守る方法と一緒に感想を書きました。
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4203316.html
投稿元:
レビューを見る
陸自のサイバー戦部隊、初代隊長だった筆者が、日本と世界のサイバー戦の現状を冷静に分析した一冊。第三章「世界各国のサイバー戦事情」は中弛みの感もあるが、第四章に書かれた「サイバー戦を戦争と定義した意味」と、第五章の「日本のおかれている現状」は一読の価値あり。
投稿元:
レビューを見る
越後湯沢でご拝顔した伊東隊長の本。
ネタがネタだけに推測が多くて、ちょっとアジテーティブにならざるを得ないところもあるとは思うが、それを差し引いてみてもすごく有益な本だったと思う。
そもそも伝令や暗号の重要性を持ち出すまでもなく、戦争の歴史イコール情報戦の歴史。それを考えれば現代においてIT戦争への準備を怠るのは、愚の骨頂というのは間違いない。なので、ビジネスがどうではなく、一刻も早い対策が必要だと確認できた次第。
中で細々と取り上げられているトピックも、100%真実ではないだろうにしても、さもありなんと思わされるものばかりだった。
面白く読めて為になりました。
投稿元:
レビューを見る
国家はもちろんだけれど、その下部機関の学校うという組織も情報管理面では非情に危うい。「第5の戦場」サイバー戦の脅威(伊東寛)を読んで日本のサイバー戦略の実情を一文を学校版に翻訳してみたらこうなるか。
本来、「国家の守るべきものは何か、それをどうやって守るか」という大方針(国家戦略)があって、その上にそれぞれの分野における戦略が構築されるべきものであろう。このような省益優先の迷走を見るにつけ、そもそもこの国に確かな国家戦略はあるのか、と心配になる。
↓
本来、「学校の守るべきものは何か、それをどうやって守るか」という大方針(学校経営戦略)があって、その上にそれぞれの学校における戦略が構築されるべきものであろう。このような大綱的なセキュリティポリシーが無いまま、ローカルで学校IT化を進ませ、結果トラブルに汲々としている様を見るにつけ、そもそも学校には確かなIT化戦略はあるのか、と心配になる。
という感じになりましょうか。
わかりやすい文体で、サイバー攻撃の事例と各国の対策状況、および日本の対策の遅れなど、これからのサイバー戦時代を迎える上での心構えができる本という位置づけかな。
読んで損はない本です。いやマストに近いかな。
投稿元:
レビューを見る
元自衛官による著書。
危機意識は呼び起こされるものの、現状を今の時代にフィットさせるにはハードルが高く、そして多過ぎる事に絶望感を抱いたのは自分だけではあるまい。
投稿元:
レビューを見る
著者の伊東さんは陸上自衛隊初のサイバー戦部隊・システム防護隊の初代隊長を務めた経歴の持ち主で、現在は民間のセキュリティ研究機関の所長を務めています。
本書は日本有数のサイバーセキュリティ専門家である伊東さんの手による未来の戦争、サイバー戦の解説本となります。
中国からのサイバースパイ等、サイバーセキュリティ/安全保障に関するニュースが従来よりも頻繁に報道される昨今。
世界各国はこのサイバー空間に対してどの様な姿勢で向かいあっているのかという点について簡単に知りたければ本書はお勧めです。
では、前置きはこの位にして以下で簡単に内容紹介。
本書は、序章、終章を合わせると全7章から構成され、それぞれ
・序章
サイバー攻撃が日本を直撃した場合のシミュレーション
・1章
サイバー空間内における世界情勢の解説。
かつては自分の能力を誇示するためのいたずら目的に行われたサイバー攻撃が現在では金銭目的の犯罪行為に変化。また自らの政治的要求に基づきサイバー攻撃を行う事も。
その他、各国政府によるサイバー空間の軍事利用例の紹介。
・2章
サイバー戦とは具体的にどの様なものなのかを解説
・3章
アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮など世界各国のサイバー軍事力の整備状況の推測とサイバー戦の実例の紹介
・4章
サイバー戦に関する国際法機の整備状況の解説
「サイバー犯罪条約」(2004年7月発効)等があるが実効性は殆ど無い
・5章
日本におけるサイバーセキュリティの状況とその問題点の解説
サイバー空間に対する国家戦略がないため、各省庁が省益追求型の対策を推し進めている
現在、サイバー攻撃は「武力事態」の範疇外になっている為、外国軍からのサイバー攻撃に対して自衛隊が反撃する事は法律で認められていない。
外国製のセキュリティ対策ソフトに細工を仕掛けられると深刻な事態になるので国産のセキュリティ対策ソフトが必要。
個人、企業・団体が取るべきサイバーセキュリティ対策の紹介
・終章
総論
となっています。
本書は公開情報をまとめ、それに基づき著者の主張が述べられていると言った感じです。
その為、以前読んだことがある「世界サイバー戦争」等、関連書籍等を既読の方にとっては本書に書かれていることは既に知っていたと言う事も多いかと思います。
しかし、それ以外の方にとっては新書形式でコンパクトにサイバー戦の現状について解説した本書は、十分参考になるのではないかと思います。
また関連書籍を既読の方にとっても、日本のサイバーセキュリティに対する取り組みについてまとめられた類書は数少ないので、試しに一読してみる価値はあるのではないでしょうか。
いずれにしても、陸上自衛隊初のサーバー戦部隊の初代隊長だった人物が何を考え、何を懸念しているのかについて興味をお感じであればお勧めです。
投稿元:
レビューを見る
陸上自衛隊初のサイバー戦部隊を率いた元自衛官による著作。
サイバー空間は「第五の戦場」と位置付けられる。(陸上→海上→航空→宇宙→サイバー)
戦略上、「高地を取ったものが有利」であるが、サイバー空間は相手国の指揮通信機能、心臓部を撃つことができる、究極の高地。
これほど重要性を増したサイバー空間の戦争に対し、各国はどう取り組んでいるのか。
アメリカ:サイバー攻撃は「戦争」であり、ミサイルなど通常戦力による報復も辞さない、というドクトリン
ロシア:かつては「核攻撃による報復も辞さない」と公言していたが、今ではサイバー戦に自信を深め、逆にグルジアなどに攻撃を仕掛けた可能性すらある。
中国:戦争には手段を選ばない、と公言しており、化学兵器などと並んでサイバー攻撃も準備している。また、各国に対し恒常的なハッキングを挑んでいる。
日本:現状の法体系では、自衛隊にサイバー戦、防衛の権限すらない。自衛隊自身のシステムを防衛するための部隊があるのみ。
サイバー戦の手段と実践例
(DDoS、マルウェア、イラク防空システム、シリア防空システム、スタクスネット)
サイバー戦における戦術と戦略
(戦術:指揮通信システム/輸送兵站システム/武器システムへの攻撃)
(戦略:インフラの破壊/無力化)
※サイバー戦は、著しくコストパフォーマンスが良いので、北朝鮮はじめ貧者の武器として注目されている。
※通常の戦略兵器が、じわじわと相手国を弱体化させていくのに対し、戦略的サイバー攻撃は、最初にインフラ破壊などの効果が出るが、時間とともに対応策が実施され、影響力が減衰するという性質を持っている。
サイバー戦の機能
(情報収集/攻撃/防御)
各国の取り組み
アメリカ:1997年の「エリジブル・レシーバー」以来、国防システムにたいする攻撃演習を年1回行うことを義務化、300万ドルを投じている。
アメリカは電力網に脆弱性があり、またレガシーなアクセス方法がいまだに残っており、それらを狙ったサイバー攻撃に神経質になっている。
中国:
軍事利用:アメリカなど他国への攻撃準備、情報収集
経済利用:日本企業の技術など、産業スパイ
政治利用:国内外の反政府勢力への監視、攪乱
ロシア:以下のような実績?があるように、国家レベルの技術力は高い。
エストニアに対するサイバーアタック(の疑い)
グルジアに対するサイバーアタック(の疑い)
さらに、民間レベルの技術力も高く、ハッカー集団による他国への攻撃やDDoSサービス提供が行われている。
投稿元:
レビューを見る
著者は陸上自衛隊システム防衛隊の初代隊長である伊東氏。
シマンテックのアナリストを経てのラックホールディングスサイバーセキュリティ研究所所長でもある、著者なので信ぴょう性も高く日本のサイバー戦に対する遅れに危機感を強く感じた。
陸・海・空・宇宙に続く第5の戦場としてサイバー空間があるとして、アメリカが「サイバー攻撃に対して武力で反撃する」と宣言した。
どこかサイバー戦争と聞くと、SFちっくな妄想に捉えてしまいがちだが、そのアメリカの宣言が水面下でサイバー戦があり、時代はここまで来ている。と認識させられる。
冒頭はもしも日本がサイバー攻撃を受けたらどうなるのか?という、架空のストーリーからはじまる。
今や電気も交通も金融も株取引も、ネットワークインフラの上で動作しているものが多い。それらが制御不能になったら。
それだけで日本は実質の壊滅状態になるのは想像できると思う。
後半はアメリカ、中国、ロシア、北朝鮮のサイバー戦事情について、詳細が記載されているが、日本に比べて国を挙げてサイバー戦の防衛費用をかけている。軍事費の一つとして真剣に。
一方最終章の「日本のサイバー戦略の現状」を読むと、他国と比べて温度差が違いすぎる。
法律レベルからサイバー攻撃に対して整備されていない。
例えば日本ではサイバー攻撃をくらっても自衛隊は出動すらできない法体制。
憲法第9条での戦争の放棄があるというのなら、著者の言うとおり平和国家としての「トレースバックの標準化」を目指すべきだと思うし、世界標準のアンチウイルスソフトを作る義務があるのかと思った。
コンピュータ・セキュリティ用語がたくさん飛び交う本なので、ある程度IT用語に強い方の方がすんなり読めると思った。
僕は不謹慎ながらも現代のサイバー戦争を近未来SFとシンクロさせワクワクしながら読んでしまいました(汗)
投稿元:
レビューを見る
無印:感想、←:引用
平時にはアクセス数の高いHP、ブログ、SNSを運営し、自国に有利な世論誘導を行なう。
←普通の人は提示された厖大な検索結果のうち、一番上の一つか二つしか見ない傾向が強い。ここでもし検索データを提供している組織が、その検索結果に意図的にバイアスをかけていたらどうなるだろうか。社会の意識の方向を少しずつ誘導することが可能である。
戦時には、リアルな軍隊が侵攻するのに先駆けて、(かつては、特殊部隊が敵国の発電所や通信施設を強襲破壊したように、)敵国インフラにサイバー攻撃を仕掛け、混乱状態を作り出し、自軍の侵攻を容易にする。通信網を破壊する一方で、ワザと残しておいた通信網へデマやニセ情報を流布させる。
←わざとダウンさせずに残しておいて、情報アクセスを集中させることで、人びとを心理的に揺さぶり、社会により大きな混乱をもたらそうとした。
こういった手口は、諜報機関のものである。サイバー軍はその特色との相性か、また非正規軍との連携からも、正規軍よりも特務機関や諜報機関がシフトしていく方向性を示しているように思われる。
←・電子戦=無線電波の傍受や妨害などの物理的な実体を主な対象としている戦闘。
・サイバー戦=物理的なハード上で動いているソフトウエアを主な対象とする戦闘
しかし、敵の指揮統制機能を妨害、混乱させようという意図は共通のものであるとするなら、この二つを連接し、有機的に運用するという考えがあってもよいのではないか。(略)二十一世紀の情報戦は、おそらくサイバー戦と電子戦の融合になるだろう。
サイバーパルチザン、民兵にしても、全く新しい概念ではなく、昔ながらのリアルなものがサイバー空間へシフトしていったものと考えた方が分かりやすい。ただ、一個人・国民が対国家戦争に自由意思で参加できるようになっていくというのは、従来では考えられなかったことではある。
サイバー戦の防御策で必要最低限なことが、個々人が自分のパソコンに対して行なうセキュリティー対策という指摘は、Tプロセキュリティー委員会の活動の延長線上にサイバー戦(防御戦)があるという意外な親密さ、生々しさを覚えた。
投稿元:
レビューを見る
取り立てて新しい話はない。
サイバーの話題は、一般の軍事の話以上に推測のことが多く、煽っているという風に感じざるを得ない。
まあ著者に言わせれば平和ボケなのだろうが、やはり単なるウィルス感染やHP改竄以上の事案が起こらないと、現実感を持ってこのサイバーという脅威を認識する気にはなれない。
投稿元:
レビューを見る
元自衛隊で現セキュリティ会社社員の著作。サイバー戦、情報戦、各国での事例などの紹介。サイバー攻撃によって平和が脅かされるフィクションも掲載しているのが新書らしい。
投稿元:
レビューを見る
スタックスネット、リトアニア/グルジアへのサイバー攻撃、各国のサイバー戦能力などなど、過去から現在までの世界のサイバー戦情勢をまとめてくれている。
投稿元:
レビューを見る
第五の戦場とまで言われるほどに重要度がましたサイバー空間が一体どのようなものかを綴ったうえで、各国の戦略や体制を解説してゆく。
国家中枢機能の麻痺や、大規模なインフラの停止を招きかねない事態に対して世界各国が設備や軍備を整える中、日本は対応が遅れている。
仮にサイバー攻撃を受けた場合、アメリカなどサイバー先進国はそれを戦争として扱い、軍隊がそれに対処、報復攻撃などを行うが、日本では自衛隊にその機能がなく、警察や総務省が対処するほかない。
投稿元:
レビューを見る
陸海空宇宙に続く戦場としてサイバー空間の重要性を指摘し、それを守るために法整備を急ぐべきと問題提起した本である。筆者は、自衛隊でそれに関する任務にあたった専門家である。
コンピューターネットワークへの侵入は頻繫に報じられ、HPの書き換えどころか、韓国では銀行システムがダメージを受ける実害があったばかりだ。本書が指摘するように、インフラがサイバー攻撃されて停止ないしは暴走したらとんでもない大混乱は必至である。
このように、本書は一般にも知られているような事実を整理し、サイバー攻撃から守るための研究ができる仕組みを整えようとか、ウィルス対策をきちんとすべしとか、事前予防を強く訴えている。筆者の主張はもっともであり、誰もが改めて事態の深刻さを認識するだろう。
投稿元:
レビューを見る
○元自衛官で、陸上自衛隊システム防護隊の初代隊長を努めた伊東寛氏の著作。
○現在のネット社会・サイバー環境の実態を明らかにしながら、そこが新たな戦場となること(なっていること)について、最新の論文などを引用しながら、日本のあるべき姿について警鐘をならす一冊。
○今のネット環境は、まさに戦場であり、“臨戦態勢”の状態とのことだが、自分の身の回りでそのようなことが行われているという実感は無く、また、報道でも取り上げられることが少ないため、見落としがちになっている。
○身近で便利なネットについて、もう少し興味を持ってみたいと思う。