紙の本
不思議な脳
2014/04/18 10:19
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投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳卒中のなった著者が、その状況を克明に描写しています。
脳が壊れるいうことは、こういうことになるのかという真実が描かれています。
また、右脳と左脳の役割の違いについても非常に興味深いことが描かれています。
これを読むまでは、右脳と左脳が連携して1つの脳と思っていましたが、
実際は、別人格として機能しているなんて思っても見なかったです。
脳卒中で寝たきりの家族をお持ちのかたは、患者本人の立場を理解することができますので、特にお勧めです。
紙の本
人体の奇跡
2023/07/07 23:07
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投稿者:山口ポン子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は脳科学者で元々優秀な人というのもあるかもしれないですが、自身の脳に異変が起きた時にも自分を客観視しながら対応していることが克明に描かれていて、正に奇跡のように思えます。
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右脳と左脳
2023/04/23 22:35
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投稿者:しゅうろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
右脳は、どんな苦しいようなことがあっても幸せ。そんな中、左脳が、比較とか分析して、だめなところを見つけていく。これで悩むのだと。そういう仕組みを自らの体験で教えてくれる本なんて!と、驚き。
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投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳卒中になった脳科学者の回復までの過程が書かれています。患者本人の視点で書かれています。とくに、右脳が優位にたった時の状態を興味深く読みました。脳の複雑な働きに驚きしかありません。
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脳は融通無碍
2017/09/24 00:59
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳科学社が脳卒中で倒れたら・・・。病に倒れた自分を観察対象とする研究者魂にまず関心。普通ならパニックになりそうな状況で、「○×が機能していないだんぁ」と客観的に考えられるものなのだろうか。
脳は前頭や海馬といった部位ごとにきっちりと役割が振られていて、どこがやられればどんな脳の機能が失われるのかは決まっていると思っていました。でも、どうやらそうではないようです。状況に応じて回路を切り替える脳は結構融通無碍で、決して1つの完成形を持っているわけではないと思えました。
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脳卒中を克服した女性脳科学者の自伝的エッセイ。本書は、著者の脳卒中体験を描いた前半と、脳卒中をり患した著者ならではの「脳との付き合い方」を指南した後半の2部構成になっている。中でも、認識能力の崩壊していく様子、ゆっくりと着実に再生していく様子を克明に記録した前半は、他に類を見ない貴重な体験記である。後半は、「悟り」や「平和」といった言葉が頻出し、やや宗教的な雰囲気を帯びるが、それはそれで、宗教的な感覚が脳よりもたらされることの証左でもある。そういった意味では、医学に裏打ちされた自己啓発書という趣もないではない。
なお、和訳も非常にこなれており読みやすい。
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文句なしに面白い。脳のはたらきについて、これまで科学でキチンと説明してこなかったこと、つまり、脳の、心理学的、人格的なはたらきについて、平易なことばで存分に語ってくれています。一度死んだニューロンは再生しないけど、別の細胞がそれを補完しようとして新たなニューロンを作る仕組みだ、ということを、こんなにリアルに説明している本はないかも。
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ジブリのフリー冊子「熱風」で養老さん執筆のコラムの中にこの本が上がっていた。…気がする。兎も角養老先生つながりで手に取った本。
面白かった。そして後半はとてもシンボリックというかスピリチュアルな世界へ誘いまくる文章で、科学っぽさを求めて手に取ったのなら後半は期待はずれということになるのかもしれない。まるで人格が変わったかのように愛に満ち満ちたメッセージを発してくるから少し驚く。が、それも脳の働きだということ。そうと判ると、心の安寧を求めて宗教的な回路を自分の中で探り引き出すことも可能になる。小泉龍之介さんの「考えない練習」も同時期文庫化されているので、後半部分を気に入ったのならこれもすんなり読めると思う。つまりは左脳を休ませる練習、ということなのかも。そうすると、右脳は「いま・ここ」にあるものに対し全力の好奇心と親和で以って接しようとする。
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脳出血でダメージを負い、意識障害に陥った脳科学者である筆者が、自らの脳機能が復活を遂げていくまでの過程を書き記している。
脳の機能についても解説があり、興味を惹く。
脳の専門家として裏付けされた知識の元書かれた経過は、治療や看護、ひいては接する家族においてもとても示唆に富んだ内容。
ただし、脳機能障害全てに当てはまるものではないことを踏まえて参考にしたい。
しかし、それを差し引いても脳という臓器の起こす奇跡に感動する。
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統合失調症の兄を持ち、その謎を解明したいと脳科学者になったアメリカ人女性が、脳卒中に見舞われ、根気良いリハビリにより、失われた認知力を取り戻そうとする様を本人が書いたノンフィクション。映画化もされているようです。脳卒中になってしまったことを自覚しながらも、科学者として冷静に症状を分析し、自分の脳が損傷してゆくあらゆる経過を覚えておこうとする姿は凄まじい。脳が傷つくと、それまで特に意識もせず完璧に機能していた複雑な回路が麻痺したようになってバラバラになってしまい、自分で文章を書いたのに、書き上がった文章が読めなかった、というようなキテレツなことが起こる!本人と家族の忍耐強い努力により徐々に回復するも、傷つき死んでしまったニューロンや脳細胞は再生しないので、前と同じ回路を復活させることは適わず、違う経路で機能する替わりの回路を作るしかなく、それはつまり以前と人格や性質までも変わってしまうことを意味するようです。右脳と左脳の話は猛烈でした。自分と外界の境目が感じられず宇宙と一体感を持って恍惚とした幸せを感じるなんて!そんな可能性というか認知力が自分の右脳にもきっとあるのだろうことや、でもそれを体感するには私という個性・己を司っている左脳の支配から抜けなければならないなんてことを想像して、コーフンしました。読んで良かったです。
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脳卒中にかかったときの描写の、頭は痛いけれど気持ちいい、という描写がリアリティがあってびっくりした。
頭を上手に動かす方法が多く書かれていて、楽しく健康的な生活を送る上での参考になる部分が多かった。
右脳の捉える世界の、普段自分が捉えている世界との違いがとても大きく、驚いた。どうして右脳と左脳に分かれているのか、不思議に思った。
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後半のニューエイジ系に変化する部分をどう捉えるかどうかでこの本の評価が決まると思う。三途の川を渡って帰ってきましたという話なので説得力が高い。一度壊された左脳のせいなのか、シンプルにレトリックを使わない文体が(そして、その文体を壊さない訳文が)何度も同じメッセージを伝える。「脳は私の現在を見ればわかるように再構築できるのだから、メンテナンスによってよりよいものにできる。」右脳だけになった時のイメージは、いわゆるドラッグによってもたらされるイメージと似ている。
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色んな意味で感動。脳機能障害から悟りの境地に至るまでの話、そこから精神世界へ進み、幸福論へといたる話、いずれも面白く、興味深く読んだ。身近にこの病気でなくした人が数名いるので、当時あればぜひとも紹介したかった。後半だけでもまた読もう。
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大変参考になった。
信仰と科学は一見相反するものと思われがちだが、信仰を持つ者として、瞑想やマントラ(誦行)がもたらす幸福感が、特殊な人間が体験する神秘感覚ではなく、左脳の鎮静化と右脳の活性化によって誰でも得られるものだということが科学的に立証されたようで嬉しい。
脳科学者は脳卒中(左脳の損傷)とそこからの回復を経て科学的な分析を通して宗教的感覚を体験し理会した。一方、宗教・信仰体験は科学的な立証以前に人間の直感(右脳の得意分野)で得て発展してきたものだと思う。
「科学が発展すれば人間はより進化し何でもわかる、なんでもできる」といった科学万能論は昨年の大震災や地球温暖化現象を経て既にゆらいでいる。人はもっと人自身がもつ直観力を信頼し、磨き、また、生命を育む自然の力(これこそ神秘)に謙虚にならなければと思う。
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すごい体験が語られている本。
TEDというプレゼンサイトでこの著者のプレゼンの様子を見たが、この本で語られているような状態から、あそこまで回復したのかと思うと信じられない。
脳卒中後の著者が周りの人の反応(ゆっくり話を聞かない、追い立てる、面倒そうに切り上げる)をどのように感じていたかを読んで、病気や障害で流暢に話ができない人は、本当はこんな風に感じているんじゃないかと思った。今まで、そういう人に対峙したとき、こっちが辛くなってしまって、話を切り上げたりしてしまったように思って、反省した。
外から見える状態と中で感じている状態はまったく違うんだな、と。脳の働きの不思議さももちろん面白かったんだけど、個人的には、そこがいちばん印象に残った。