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紙の本
就職に強い大学・学部 偏差値・知名度ではわからない (朝日新書)
著者 海老原 嗣生 (著)
なぜ、学歴差別は起きるのか? “就職に強い”とはどういうことか? 就活のタブーのひとつである学歴差別にあえて切り込み、「就職に強い大学・学部とは何か?」の本質に迫る。【「...
就職に強い大学・学部 偏差値・知名度ではわからない (朝日新書)
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商品説明
なぜ、学歴差別は起きるのか? “就職に強い”とはどういうことか? 就活のタブーのひとつである学歴差別にあえて切り込み、「就職に強い大学・学部とは何か?」の本質に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
海老原 嗣生
- 略歴
- 〈海老原嗣生〉1964年生まれ。(株)ニッチモ代表取締役。人事・経営誌『HRmics』編集長。著書に「学歴の耐えられない軽さ」「「若者はかわいそう」論のウソ」など。
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紙の本
データを基にした分析
2019/11/04 14:07
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
データを基にして分析すると、既卒3年も新卒扱いにすることで若者が救われるだとか日本の新卒一括採用が諸悪の根源だとかいうデマが全く現実を表していないことがわかる。しっかりデータにあたることが大切だ。
新卒求人数は減ってなどいない。むしろ増加傾向にある。しかし現在の氷河期などという減少は、学力がなくても誰でも大学生になれることから、大学生の数があまりに増加しすぎたせいだ。この状況を変えたいのであれば、大学を潰すしかないだろう。
日本では、大学名で選考すると学歴差別などと騒がれてイメージが悪化してしまう。海外では平然と行われるこれらの行為が日本では水面下で行うしかないのである。これは非常に効率の悪い状況だろう。そもそも学歴で区別されたくないのであれば、有利な大学に入学するよう努力すればよかったのだ。それを学歴差別や学歴フィルターなどと言い訳をしている人たちにまともな就活など行えるわけなかろう。
学部差別はデータでは露骨に出ている。やはり法・経・商といった社会科学系は人文科学系や国際系を除く新設系よりも有利なのだろう。実際には文系の学問は企業では使われないのだが、こうした傾向は今後も続くのだろう。なお、本書では指摘されていないが、理系の特に機電はかなり重宝される。それはその学問が直接役に立つからで、就職が容易なのは当然のことだろう。
就職で女性が不利であるのはデータ上明らかなようだ。本書では示されていないが、去年(2018年)問題となった医学部での女子差別(これは差別と呼ぶのが妥当だろう。特に順天堂大学医学部は昔から有名であったが、女子差別の激しいところだ。)と構造は同じだろう。本書は直接的に表現しているが、女性の採用をコストと考える企業が多いのだろう。そのコストを払ってでも女性の採用にメリットのある女性向け産業の日用品や化粧品産業では女性総合職採用も多いが、その他の分野は厳しいのが実態のようだ。またコストの支払に前向きな重工業や建設インフラ業といった長期熟練型産業は採用数は少ないものの、採用されると面倒見がよい(理系での採用が多く、女性は理系が少ないことから女性比率が低くなるのは致し方ないだろう。)。また金融や商社などの一般職採用となると、採用されやすくなる。そして定着率が良くないためにライフイベントまで雇用されないため、女性採用がコストにならないIT・コンサルやサービス・小売業は女性採用が多いようである。
女性系学部を拡充し、女子の入学を促してきた大学もそろそろ限界となってきている。今後はアジア系学部を拡充し、留学生獲得で生き残りをしていくとのことである。ここで未来の産業である飲食業は日本人が嫌がり、レベルの高い留学生を採用するようになってきていることに筆者は懸念を示している。その予想が当たるかはさておき、飲食業も海外進出を今後加速させていくだろう。確かにグローバル化が必要な業界なのかもしれない。