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お父やんとオジさん 上 (講談社文庫)
著者 伊集院 静 (著)
子供のころに一度だけ逢ったオジさんは、ボクの英雄だった—。学生時代に剣道の天覧試合に出場したオジさんは、両親とともに祖国へ引き揚げた。しかし朝鮮戦争が激しさを増すなか、山...
お父やんとオジさん 上 (講談社文庫)
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商品説明
子供のころに一度だけ逢ったオジさんは、ボクの英雄だった—。学生時代に剣道の天覧試合に出場したオジさんは、両親とともに祖国へ引き揚げた。しかし朝鮮戦争が激しさを増すなか、山中に逃れた村の若者たちが北朝鮮軍に皆殺しにされてしまい、密告したと疑われて鶏小屋の下の穴倉に隠れ続けることに。【「BOOK」データベースの商品解説】
学生時代に剣道の天覧試合に出場したオジさんは、両親とともに祖国へ引き揚げた。朝鮮戦争が激しさを増す中、山中に逃れた村の若者たちが北朝鮮軍に皆殺しにされる。密告を疑われたオジさんは、鶏小屋の下の穴倉に隠れるが…。【「TRC MARC」の商品解説】
驚愕と衝撃
かつて、家族のために戦場に乗り込んだ男がいた!
子供のころに一度だけ逢ったオジさんは、ボクの英雄だった――。学生時代に剣道の天覧試合に出場したオジさんは、両親とともに祖国へ引き揚げた。しかし朝鮮戦争が激しさを増すなか、山中に逃れた村の若者たちが北朝鮮軍に皆殺しにされてしまい、密告したと疑われて鶏小屋の下の穴倉に隠れ続けることに。【商品解説】
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朝鮮戦争を、読む
2013/01/25 20:52
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品タイトルから、「ちょっとノスタルジックで胸熱くなるヒューマンドラマ」、くらいの物を想像していた。もうまったく、そういう事は無い。とかくこの上巻は、がっつりと、朝鮮戦争の物語だ。
第二次世界大戦が日本の敗戦で終わった後、朝鮮半島は38度線を持って北朝鮮と韓国に分けられた。その後北朝鮮が韓国に侵攻する事で勃発した、朝鮮戦争。それがどのような戦争だったか、ご存知だろうか。恥ずかしながら私は朝鮮戦争と聞くと、「特需」という言葉くらいしか浮かばない。本当に恥ずかしい事だと、この作品を読み終わって痛感した。
日本の敗戦時、沖縄を除けば本土で白兵戦が行われた、という事は無かった。だから国民が兵士に嬲り殺される、というような事はなかったのだけど。しかし朝鮮戦争では、北と南で、半島をそれぞれがほぼ制圧するというような事を繰り返した。その背後には中国とアメリカの加担があるのだが。たまらないのは国民だ。両国の兵士が、それぞれのくだらない理由で、国民を陵辱し、殺戮を繰り返した。あまりに、あまりに、むごい。
親は子を大事にしたいだけ。姉は弟に、幸せになって欲しいだけ。それだけなのに、戦争はそれを許さない。人々はどんどん狂っていく。家族を殺された遺族は、殺されなかった物たちを恨み、また殺戮が繰り返される。読んでいて本当に胸が痛い。ただ純粋な思いが、当たり前の愛情が、許されない。ぶち壊される、踏みにじられる、引き裂かれる。
そして日本も、もちろん無関係ではない。第二次大戦時に連れてこられた朝鮮の人々、日本人として生きていくことを選んだ人々は、それこそ胸を引き裂かれるような思いで朝鮮戦争を見つめる。半島に残された親兄弟を想う。
戦争は、いかん。絶対に、いかん。またその思いが強くなった。と同時に、今の韓国の繁栄を考えると、人間ていうのはすごい物だなと、素晴らしいなと思わされた。さあ下巻はどうなるのか、神妙な気持ちで進んでいきたい。