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- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2012/05/01
- 出版社: 山川出版社
- サイズ:21cm/118p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-634-47471-0
紙の本
原理主義の終焉か ポスト・イスラーム主義論 (イスラームを知る)
著者 私市 正年 (著),NIHUプログラムイスラーム地域研究 (監修)
2011年1月のチュニジアのジャスミン革命から現在にまで続くアラブ諸国の民主化運動「アラブの春」。その歴史的背景と意味を、1960年代に始まるイスラーム主義運動とそれ以降...
原理主義の終焉か ポスト・イスラーム主義論 (イスラームを知る)
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商品説明
2011年1月のチュニジアのジャスミン革命から現在にまで続くアラブ諸国の民主化運動「アラブの春」。その歴史的背景と意味を、1960年代に始まるイスラーム主義運動とそれ以降の動きから考える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
私市 正年
- 略歴
- 〈私市正年〉1948年生まれ。中央大学大学院(東洋史学)博士課程修了。上智大学外国語学部教授。博士(史学)。著書に「北アフリカ・イスラーム主義運動の歴史」など。
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書店員レビュー
アラブの春を準備したポスト・イスラーム主義という潮流
ジュンク堂書店ロフト名古屋店さん
20世紀後半のイスラーム諸国での政治・社会運動で大きな影響力を振るったのがエジプトのムスリム同胞団などに代表される「イスラーム原理主義」である。「イスラーム原理主義」と聞くと、過激なイメージが思い浮かぶかもしれないが、彼らの活動はイスラームを基本にして文化、政治などを変革していこうという社会運動であり、テロなどの暴力に依ることを必ずしも是としない。中には積極的に過激な手段をもって訴えるグループがいることも確かではあるが、それは極々一部である。こうしたイメージから中東研究の分野ではネガティブなニュアンスを内包する「イスラーム原理主義」という呼び方ではなく、単に「イスラーム主義」であるとか「イスラーム復興」と呼称することが多い。
この「イスラーム原理主義」も1990年代になると体制との衝突や内部対立により後退。こうした中で「イスラーム原理主義」という旗印で世間に露出してきたのがグローバル・テロリズムを主導する過激派であった。
理想と現実の矛盾に突き当たった「イスラーム原理主義」は新たな道を模索する。こうして出現したものが「ポスト・イスラーム主義」という潮流である。政治・社会・文化といったすべての領域でイスラームが回答を出せすという「イスラーム原理主義」のスタンスを放棄。しかし、それは即ちイスラームの否定ではなく、宗教を政治(世俗)から分離し、宗教としてのイスラームを救済しようという潮流なのである。宗教の政治からの自立であり、政治の宗教からの自立でもある。
イスラーム圏のアラブ諸国の政治・社会状況の劇的な変化を説明するための原理として「ポスト・イスラーム主義」論は研究されている。イスラームの歴史に大きなインパクトを与えた、いわゆる「アラブの春」は「ポスト・イスラーム主義」という潮流のなかで起こった事件なのである。その歴史的評価が下されるにはまだ時間が掛かるであろうが、現代のイスラームを論ずる際に、こうした背景は理解しておきたい。