紙の本
あとは行動に移せるか
2015/03/26 15:56
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
必要最小限の製品から小さく始めて構築ー検証ー計測のループをとにかく速くぐーるぐるぐる回していく、これはダメだ!と思ったらすぐにでも軌道修正。マイベストになる良書。書かれていることは当たり前のことだけど言われてみないと気がつかない点ばかり。あとは行動に移せるかっということ。
紙の本
起業家以外の人でも勉強になる1冊
2016/11/29 12:50
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投稿者:さむがり - この投稿者のレビュー一覧を見る
対象とされる読者は,起業家だけでなく,「社内で新規事業を立ち上げなければならない人」,「新規事業を生み出すための環境を構築しなければならない人」,「新規事業を育てなければならない人」など,多岐にわたっており,仕事をしていく上で参考となる要素が盛り込まれています.
内容は,著者の起業経験だけでなく様々な事例を取り上げており,どのように会社を運営すべきか,商品開発を行うべきかというビジネス上の課題解決法がわかりやすく説明されています.
紙の本
起業したい人のための本
2016/01/31 23:44
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投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る
新規事業の立ち上げ前に読むとおすすめの本。リーン・スタートアップとは無駄のない企業プロセスで、時代が求める製品・サービスをより早く生みだす方法論。知らない単語が沢山出てきて勉強になりました。
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洋書の訳の独特な読みづらさはあるが、要点として「仮説の検証を繰り返す」というベースはわかった。新しい手法というより、新しい業界に展開したという感じで派手さはないが、学ぶことは多くためになった。
最後の方読まなかったので改めて読みたい。
2013.1.28〜3.6
図書館
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シリコンバレーでチャットサービスを起業した著者による、自身の起業体験、その後のコンサル経験を通して身につけた
スタートアップの成長に関わる知識が体系化された一冊。最近スタートアップに関わってる影響もあるとは思いますが、個人的にはかなりのヒットで、是非手元に置いて繰り返し参照したい良著だと感じています。
某サイトのレビューをざっと読んだら「つまり小さく作って改善するって事でしょ、単純事を説明するおに冗長すぎる」といったレビューもチラホラ見られましたが、そんな単純な事をまともに出来ている企業やチームを実際には殆ど見た事がありません。
本書でも触れられていますが特に大企業では事業的な要素だけでなく政治的な要素も絡むので、半年以上かけて構築したアプリが社内体制で上司が変わった途端に事業撤退なんていうびっくりするような無駄が簡単に行われています。ちなみにこれは実体験ですw
ただウェブ系のスタートアップでそれをやると簡単に潰れます。そもそも半年だとか一年というスパンを取る事自体が、ウェブ系スタートアップではマズいアイデアだということは、業界関係者であれば大抵は感じていると思うのですが実際にはそういうマズいアイデアが勢いで走り始めて、後には壮大な無駄だけが残るという場面も残念ながらしばしばあります。
ではどうすれば良いのか?そういう問いに対して、本書は具体的かつ体系的に書かれています。
・まず最初は小さく作るとはどういうことか?
・顧客の声を聞きながら製品を開発するプロセスとは?
・従来の財務、管理会計ではなく製品の成長にフォーカスした計測手法、革新会計とは何か?
・製品の中間目標に到達した時点で、方向転換(ピボット)を判断する方法や材料は?
・破壊的なイノベーションの土壌を醸成するファシリテーションとは?
この辺の問いに対する解を求めている人にとって、本書は一つの可能性を示してくれる良著であるといえます。
世の中(特にIT業界)は急速なスピードで陳腐化が進み、あるべき方向に向かってシュリンクしていると誰しもが感じていると思います。どこかで読んだ表現ですが「世界が落下している」と肌で感じています。
こういった世界において、重厚長大な既存の枠組みから飛び立ってリーンな手法を採用するという重要性は多くの人が認識し始めているものの、まだまだ一部の限られた部分でしか実現されてないとも同時に感じます。
そういった時代の入り口において本書はどのような分野の人にとっても有用な一冊となり得るのではないでしょうか。という訳で★5
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テック業界で話題だった本を読了。
スタートアップ企業がいかにうまくやるための本かと思っていたら、企業の大小は問わず、製品やサービスを立ち上げる場合に、留意すべき事項がまとめられている。
それはベンチャー社長が書くような、情熱や心持ちの話ではなく、タイトルが示すように、トヨタのリーン生産方式にも影響を受けた、事業のマネジメント方法に関する内容である。
情熱や、革新的な技術だけではうまくいかず、いかに顧客の課題に合わせ、製品・サービスを育てていくかという話だ。
簡単に略すると、以下のステップである。
1、実用最小限の製品・サービス(Minimum Viable Product)を作る
2、意味ある、行動につながる指標(actionable metrics)を計測する
3、学び、必要があれば方向転換(pivot)する
こう書いてしまうと当たり前のように見えるが、実業務と照らすと、こうなっていないことはよくある。
大企業におけるウォーターフォール型のシステム開発業務なんかは特にそう。
日本の過剰品質を追求する姿勢を見直すべきという声を最近聞くが、じゃあどうすればいいか、という時に参考になる考え方だと思う。
以下はメモ。(この本が出たせいか、ウェブではピボットという言葉をよく目にするようになった)
--ピボットの種類--
■ズームイン型ピボット
機能の一部と考えていたものを全体とする
■ズームアウト型ピボット
上の逆
■顧客セグメント型ピボット
ターゲット顧客の変更
■顧客ニーズ型ピボット
自分たちが解決しようとしていたことが顧客にとっては大切でないことが分かった場合などに、本当に困っていることが何かに焦点を当てる
■プラットフォーム型ピボット
特定機能としてリリースしたら、プラットフォームとして有効なことが分かった場合に起こる。初期のfacebookとか。
■事業構造型ピボット
ビジネスモデルを変更すること。B to C から B to B への転換とか。
■チャネル型ピボット
流通チャネル、販売チャネルなどの変更。直販への切り替えなど。
■技術型ピボット
解決する課題やターゲット顧客は一緒で、同じソリューションを別の技術で提供可能にすること
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リーンスタートアップもたどってみればトヨタ生産方式だった。
トヨタってそんなに革新的なイメージがなかったけど、世界に出てトップを取るような企業は何らかのイノベーションを起こしてるんだね。
理論だけでなく具体的な取り組みも紹介されていてわかりやすい。
良著でした。
「アントレプレナーの教科書」と併読がオススメ。
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『リーン・スタートアップの本質をわかりやすく表現すると「地図を捨ててコンパスを頼りに進め」ということになる』
地図がないと不安な人はイノベーションなんてしようと思っちゃダメ、ということですね。
納得。
最近コンパスすら怪しい混迷に突入しつつあると思いますが…
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リーンスタートアップ
・計画しない
・商品の進化を顧客の反応
に求めていく
・構築、計測、学習の
フィードバックループ
・価値仮説と成長仮説
・実用最小限の製品
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スタートアップが成功するための方法論として、エリック・リースが提唱する「リーンスタートアップ」。本書はエリック・リース自らがその枠組みについて書き下ろしたもので、非常に説得力があり、なぜ今リーンスタートアップという考え方が重要となっているのかがよくわかる。GEは自らの組織改革において、このリーンスタートアップを全面的に参考にして「ファーストワークス」という彼らの新しいやり方を構築したという。
リーンスタートアップとはイノベーションを継続的に生みだすための枠組みであり、そのためのアプローチである。その目的は、「顧客の望みを中心に(顧客から望みを聞くわけではない)意思決定を科学的に行う」ことである。また、ここでいう「スタートアップ」とは、「とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織である」。技術革新とネットワークの力、失敗のコストの低減などからスタートアップに限らずどのような企業においても、サービスを一から起こして効率的に成功する(もしくは失敗する)ための方法論が重要になっていると強く感じる。企業内で新しい事業を始める人(本書ではイントレプレナーと呼んでいる)は、本書にまとめられた「リーンスタートアップ」の枠組みを大いに参考にするべきだろう。
著者は自分の起業体験を説明するために、トヨタのリーン生産方式からヒントを得てその考え方をスタートアップに適用したという。リーン生産方式とは徹底的に無駄を排除するための方式であるが、スタートアップの経営でも無駄をできるだけ早く発見し、体系的に発見した無駄をなくしていくことが重要である。著者はそのことを自らのスタートアップ経営の経験から学び体系化してきたのである。現代の社会環境では、その重要さはもしかしたら生産の現場よりも大きいのかもしれない。
生産管理とスタートアップのマネジメントでは、必要とされるものはほとんど逆の性質を持っているのではないのかという印象を持つかもしれない。しかし、この本を読むとスタートアップにこそリーンな考えが必要であることがわかる。リーンスタートアップの枠組みの基本は次の通りである。
1.アントレプレナーはいたるところにいる
2.企業とはマネジメントである。スタートアップとは製品ではなく、組織である。
3.検証による学び。スタートアップの存在意義は、モノを作る、お金を儲ける、顧客にサービスするだけではない。どうすれば持続可能な事業が構築できるのか
4. 構築-計測-学習。アイデアを製品にする、顧客の反応を計測する、そして、方向転換(ピボット)するか辛抱するかを判断する ー これがスタートアップの基本である。
5.革新会計。企業の成果を高めたり、イノベーターに責任を持たせたりするため、アントレプレナーは、おもしろくない部分にも注力する必要がある。進捗状況の計測方法やチェックポイントの設定方法、優先順位の策定方法などの部分だ。
企業には、ビジョンがあり、戦略があり、製品がある。その中で、ビジョンはめったに変わらないが、戦略は変わるべきである。さらに製品はもっと頻繁に変わるべきである。そのことをスタートアップのチームで共有することは重要である。「製品は最適化というプロセスで変化していくが、これを私はエンジンのチューニングと呼ぶ。製品ほど頻繁ではないが、戦略も変化することがある(ピボット)。しかし、全体を支配するビジョンはめったに変わらない」
だからこそ、リーンスタットアップにおいては、「失敗」が非常に重要になる。単なる学び、ときに上手な言い訳、ではなく「検証による学び」という概念で、学び・失敗をとらえなおすことが重要だと言われている。そのために構築-計測-学習のサイクルを素早く回さなくてはならない。学習すべきことから計測すべき内容を導き出し、そのための構築を行うという形でバックワードで計画をして、素早く実行するのである。そして、必要であれば失敗に基づきピボットできるようにする。実際に中にいるものにとっては、ピボットの判断は非常に難しい判断になることが多く、また手遅れになることも多い。だからこそ、きちんと検証による学びをこのサイクルの中に意図的に組み込んでおかなくてはならないのである。
起業は博打ではない -「起業とはマネジメントの一種である」-「スタートアップは正しいやり方で進めるからこそ成功するのだ」。これがエリック・リースの基本的な信念でもある。
現在の状況において重要な問いは「この製品を作ることができるか」ではない。おそらく人間が思いつける製品であれば大抵のものは作ることができる。問われるべきは「この製品は作るべきか」なのだ。その先には「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」ということが問われるべき問いになる。そのために実験と検証が非常に有効だと。それがリーンスタートアップの肝となる -「我々はかつてない状況に直面している。人類全体の想像力の質が未来を左右する状況に」
「やってはいけないことをすばらしい効率で行うことほど無駄なことはない」のである。リーンスタートアップの枠組みは、この無駄なことをやってしまうことをを可能な限り少なくするためのものなのである。
実際に社内で新しいことをやるとき、「社内イノベーションでは「どうすれば社内スタートアップを親組織から守れるか」が課題だとよく言われるが、私は逆に「どうすれば親組織を社内スタートアップから守れるか」が課題だと思う」- この言葉を正しく理解できていないのかもしれないが、社内スタートアップを親組織である社内でいかに機能的に位置づけていくのかが大きな課題であると理解している。
「失敗」という言葉に新しい意義が加わり、段々と深みが積み重なっている気がする。
多くの学びがある、貴重な本。
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伊藤穣一が解説を書いているが、彼の9プリンシプルズのひとつに「地図よりコンパス」が挙げられている。伊藤穣一はここで、リーンスタートアップの本質をわかりやすく表現すると「地図を捨てコンパスを頼りに進め」と説明している。現在の状況では、地図を作製しようとするとそれだけでプロダクトを開発する以上のコストがかかってしまうし、その間にさえ地図が陳腐化してしまう。コンパスを手に柔軟に進み、ときに素早くピボットをすることが成功の鍵になる。特に「セレンディピティ」の恩恵に��預かりやすくなるのである、と。
「地図よりコンパス」というのはわかりやすいかもしれない。
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『GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4822255115
『9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4152096977
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デザインは美しいですか?
セキュリティは問題ないですか?
それって本当に便利ですか?
いや、一番重要なのは、リリースしました?かもしれない。
リリース前にいくら話し合っても机上の空論でしかない。
正解はないのだが、正解がないだけに、議論してしまう。
出した後の結果が怖いから、余計に考えてしまう。
時間をかければもっとよくできる。
それは間違いない。
ただ本当に必要なことはそれではない。
良くなっているかどうかを定義できるのは自分ではないのだから。
勇気をもって一歩を踏み出した人が、本当に一番偉いのだと思う。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○現実は、スタートアップのほとんどが失敗するのだ。新製品のほとんどが成功しない。ベンチャーのほとんどが実力を発揮できずに終わる。(P.10)
○ほかのアントレプレナーたちの成功と失敗から、おもしろくないことこそが大事なのだとわかったのだ。スタートアップは遺伝子が優れていれば成功するものでもなければ適材適所で成功するものではない。正しいやり方で進めるからこそ成功するのだ。それはつまり、やり方を学べるということであり、また、やり方を教えられるということでもある。(P.10)
○企業とはマネジメントである。スタートアップとは製品ではなく組織である。(P.18)
○個人的には、質の悪い製品でエンジニアとしての自分の評判が落ちるのではないか、優れた製品を作れないヤツだと見られるのではないかと心配していた。(P.59)
○そして・・・何も起きなかった・・・。心配は取り越し苦労にすぎなかったらしい。我々の製品を使ってみようという人がいなかったのだ。正直なところ、私はちょっとほっとした。製品がいかに悲惨であるかを知られずにすんだと思ったからだ。でも、すぐに歯がゆくてしかたがなくなった。あれだけの時間をかけて搭載する機能や修正するバグを決めたというのに、我々はあまりに見当はずれの価値を提案してしまい、製品を使ってみてそれがどれほど悲惨なのか体験してもらうどころか、ダウンロードさえもしてもらえなかったのだ。(P.60)
○スタートアップにとって学びは進捗に欠かせないものだと考えるようになった。顧客の望みを学ぶためにはどうしても必要なもの以外の努力はなくてもいい。(P.71)
○「この製品を作れるか」と自問したのでは駄目。いまは、人間が思いつける製品ならまずまちがいなく作れる時代だ。問うべきなのは「この製品は作るべきか」であり「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」である。このような問いに答えるためには、事業計画を体系的に構成要素へと分解し、部分ごとに実験で検証する必要がある。(P.79)
○大事なのは、このフィードバックループの一周に要するトータルの時間を最小にすることだ。(P.106)
○投資家が着目したのはふたつの事実である。ひとつはフェイスブックのアクティブユーザーがサイトで過ごす時間。ユーザーの半数以上が毎日アクセスしていたのだ。これは、顧客が製品に価値を認めていることを確認する価値仮説検証のいい例である。立ち上げ期のフェイスブックに魅力を感じるもうひとつの事実は、大学キャンパスへの普及速度である。成長速度が半端ではないのだ。フェイスブックのサービスが始まったのは2004年2月4日だが、2月中にはハーバードの学生の4分の3近くが使うほどになっていた。マーケティングや広告には一銭もかけていないのに、だ。言い換えると、フェイスブックは成長仮説も検証済みだったのだ。(P.110-111)
○持続的イノベーションの場合はどこの誰が顧客なのかがはっきりとわかっており、現地・現物主義で顧客の望みを確認できるが、スタートアップが早期に見込み客として接触してもどの仮説から検証すべきなのくらいしかわからない。(P.121)
○「優れた体験を提供できれば顧客は我々の製品を使ってみてくれるのか」という要になる問いの検証だった。ファイルの同期というのはほとんどの人が存在に気づいていないタイプの問題だとドロップボックスでは考えていた(P.133)
○IMVUの特に気に入っている点をたずねるとアバターの「テレポート」が必ずトップ3に入っていたのだ(『シムズ』より進んでいるとコメントする人さえいた)。安直な妥協の産物のほうが、我々が誇りに思う機能よりもーーたくさんの時間とお金を費やして開発した機能よりもーー高い評価を得たわけだ。(P.148)
○成功するスタートアップは、遅かれ早かれ急迫してくる他社との競争に直面する。追いつかれないほど先行できることはほとんどないし、ステルスモードですごしているあいだはーー顧客との接触を避けているあいだはーーおそらく先行スタートできない。勝ちたければ、ほかよりも速いスピードでしか学ぶしか道はない。(P.152)
○定量的な成果が悲惨になった結果、失敗だと宣言せざるをえなくなり、それが定性的な研究を行うモチベーションやコンテキスト、余地を生む。この研究から検証すべき新アイデアーー進仮説ーーが生まれ、ピボットの道が開ける。方向転換するとさらなる実験の機会が生まれ、このサイクルがくり返される。毎回、くり返されるのは「ベースラインの設定、エンジンのチューニング、方向転換か辛抱かの判断」というシンプルなリズムである。(P.170)
○生徒同士で教えあうピア方式の学びがとても効果的である点に注目した。ポイントはふたつ。まず、先生よりずっと親しみやすい仲間から自分に合った方法で教えてもらえること。もうひとつは、ほかの生徒に教えると自分の学習が強化されること。(P.176-177)
○ブログ会の反応はきわめて否定的だった。(こういう反応を恐れて製品をリリースしないアントレプレナーが多い。社内の士気が落ちるのを心配するからだ。自分のホームグラウンドとなる業界で肯定的な評価を受けたいという気持ちが強いのだ)(P.217)
○顧客の行動をまったく変えられていないのに、製品の改良が進んでいると誤解してしまう。成長をもたらすのは効率的に回転し、新しい顧客を呼び込む成長エンジンであって製品開発による改善ではない。(P.290)
○会社が大きくなるにつれ、そのときどきのサイズで発生する業務で連携させるプロセスやシステムを追加しなければならない。しかし、「プロフェッショナル」になろうというまちがった欲望を持ち、柔軟性を失って官僚的になったスタートアップもたくさん見てき���。(P.293)
○全容のわからないプログラムを作る費用と全容をわからないメリットを比べなければならないからだ。だいたい、この手の判断はどうしてもバッチサイズが大きくなる。だから、教育訓練プログラムは充実したものがあるか全くないかに二極分化する。完全なプログラムを作ったとき投資が回収できるとわからないかぎり、何もしないのが普通の会社なのだ。(P.299)
○「組織の筋肉にはメモリーがある」とグレッグは表現するが、人間というのは手慣れたやり方や習慣をなかなか捨てられないものだ。(P.323)
○競合するスタートアップは新しいほうのアプローチを使っており、自分たちも同じようにしなければ顧客にそっぽを向かれる恐れがあることも、繰り返し強調した。(P.325)
○スタートアップの場合、予算が多すぎるのは少なすぎるのと同じくらい危険だ。また、途中で予算が変わると大きな影響を受ける。(P.331-332)
○リーン・スタートアップの場合、スペシャリスト一人ひとりの効率向上は目的に含まれてない。機能横断的に仕事をして検証による学びを得るチームが欲しいのだ。行動につながる評価基準、継続デプロイメント、全体的な構築ー計画ー学習のフィードバックループなど、そのためのテクニックはいずれも、チームメンバーの個人効率を落とす。どれほど早く構築できても意味がない。どれほど速く計測できても意味がない。大事なのは、ループ全体を早く回すことだ。(P.352)
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スタートアップのバイブルともいえるこの本をようやく読みました。
「ようやく」と言ったのは、
「まぁ、読まなくても大体言っていることはわかるし、
わざわざ今更読む必要はないかな」と思っていたからです。
読んでみた感想は、半分は当たっていたけど、もう半分は間違っていたでしょうか。
リーンスタートアップって、製品・サービスを完璧に仕上げてから、世に出すのではなく、
未完成の状態でどんどん世に出して、顧客の声を集めて、
改善していった方がより早く、より良いものができるってことでしょ、
くらいの理解しかなかったのですが、
確かにその通りなのではあるのですが、
本の中で述べられている革新会計を通して、
製品・サービスがどの程度顧客に受け入れられているのかをモニタリングしたり、
ピボットのタイミングや種類だったりは、勉強になりました。
一方、本自体は欧米の本によくあることですが、
結構冗長で結論とポイントとその実例を書いてくれていれば、
もっと分かりやすくもっとシンプルになったのではないかと思います。
リーンという考え方自体は、スタートアップ界隈では浸透しすぎて、
もはやリーンだけでは勝てなくなってきているみたいですが、
それでも原典に当たって著者の考えをトレースするのは、
この分野で仕事をする人(大企業の新規事業開発含む)にとっては一定の意味がありそうです。
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201208/
リーン・スタートアップでは、従来とは異なる方法で生産性を測る必要がある。スタートアップは誰も欲しがらないモノを作ってしまうことが多いからだ。その場合、予定どおりに完成できたり予算内で完成できたりしても、あまり意味がない。スタートアップの目標は、できるかぎり早く、作るべきモノ――顧客が欲しがり、お金を払ってくれるモノ――を突きとめることだ。つまりリーン・スタートアップとは、サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、大いなるビジョン、大望とさまざまなポイントに等しく気を配りながら、「検証による学び」を通して画期的な新製品を開発する方法なのである。/
リーンな考え方における価値とは顧客にとってもメリットを提供するものを指し、それ以外はすべて無駄だと考える。製造業に関して言えば、製品がどのように組み立てられているのかは顧客にとって意味がない。顧客が気にするのは製品がきちんと動いてくれるかどうかだけだからだ。ところがスタートアップの場合、顧客が誰なのかもわからなければその顧客が何に価値を見出すのかもわからない。スタートアップというのは、その定義から、このような不確実性を必ず持つものなのだ。だからスタートアップの場合、価値の定義自体を見直す必要がある。つまり、何が顧客にとっての価値を生み出すかについて最初の数カ月間で学んだこと---それこそがIMVUにおける前進の実体だったのだ。/
一番のポイントは、どのような業界であれスタートアップは大きな実験だと考えることだ。「この製品を作れるか」と自問したのでは駄目。いまは、人間が思いつける製品ならまず間違いなく作れる時代だ。問うべきなのは「この製品は作るべきか」であり「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」である。このような問いに答えるためには、事業計画を体系的に構成要素へと分解し、部分ごとに実験で検証する必要がある。/
アントレプレナーが置く仮説で特に重要なふたつを私は価値仮説と成長仮設と呼んでいる。価値仮説(value hypothesis)とは顧客が使うようになったとき、製品やサービスが本当に価値を提供できるか否かを判断するものだ。~~ もっとも高精度な答えを得られるのが実験だ。~~ 成長仮説(growth hypothesis)とは、新しい顧客が製品やサービスをどうとらえるかを判断するものだ。~~ 最初に参加した人たちが口コミを広げているか否かを見るのだ。/
何か問題に直面したとき、立ち止まって「なぜ」を5回くり返してみたことはあるだろうか。これは言うは易く行うは難しだ。たとえば機械がおかしくなったとしよう。 (1)なぜ、この機械は止まったのか?⇒過負荷になってヒューズが飛んだからだ。 (2)なぜ、過負荷が起きたのか?⇒軸受け部の潤滑が十分ではなかったからだ。 (3)なぜ、潤滑が十分ではないのか?⇒潤滑ポンプが十分に働いていないからだ。 (4)なぜ、ポンプが十分に働かないのか?⇒ポンプの軸が摩耗してがたがたになったからだ。 (5)なぜ、軸が摩耗したのか?⇒濾過器がないので切粉がはいったからだ。 このように「なぜ」を5回くり返すと真因をみつけて正すことができる。追求が中途半端だとヒューズや���ンプ軸の交換で終わってしまう。その場合、数か月で問題が再発する。トヨタ生産方式も、実は、この科学的アプローチの実践と展開によってつくられたものだ。5回の「なぜ」を自問自答すれば、表面的な症状の裏に隠れた真因をつかむことができる。/
5回のなぜを導入する場合、特に初めのころ、組織のネガティブな部分を突きつけられると覚悟しなければならない。この方法を導入すると、新しい製品や機能に投入できたはずの時間やお金をミスの防止に使わなければならなくなる。長い目で見ればそのほうが時間の節約になるのだが、真因の探究に無駄づかいできる時間はないと感じたりする。~~ 会社の上層部がこのプロセスを支持し、導入を推進しなければ順応性の高い組織は作れない。/
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こちらも、GEなんかも取り組みだした「リーンスタートアップ」を知っておくために読んでみた一冊。この本は良かったな~、仕事上で活かせる考え方が多々あった。新しいことを始めるにはスモールスタートがやりやすいけど、それだけじゃ考えとしては足りない。そのやり方にもいくつも工夫すべき点があることを改めて考えさせられて、早速自分の仕事の仕方も少し変わってきたかな。リーンな考え方も取り込みつつ、失敗から学んでできることを増やしていけるといいなと。
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「リーン・スタートアップの本質をわかりやすく表現すると「地図を捨ててコンパスを頼りに進め」ということになる。」-解説