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この世の中は、もうこの本でいうところの「プラグマティズムの作法」を行う人と無作法の人との戦いなのです。
純度100%の無作法な人も滅多にいないし、その逆の人もそういないでしょう。
この世のほとんどを占める、どっちでもない人、どっちにでも転ぶ人の割合が時代によって変るのではないかと思います。
下弦の時代は、無作法に偏っているんですね。
私も長らく無作法と戦ってきましたが、とりあえず負けましたし、今はどっちでもないでしょう。
それでも、無作法にならないように、こころがけていくこと。少しでも「おせっかいゲーム」をして増やしていくことしかできないのだとも思います。
真剣に生きること、よりよく生きること
なんだかとても難しそうで、いいかっこうしいのように聞こえるかもしれませんが私はいつも真剣なので、背中を押してもらったようで嬉しい本でもありました。
まず自らが、より良く生きる、目的を間違えないことから始めるということですね。
少し絵空事のように感じるけど、その絵空ごとに感じる部分は私が無作法に汚染されたからなのかもしれません。
この人も世の中も下賤になりさがる時代に生まれて、真剣に、真摯によりよく行き続けること。これさえ出来たら、価値があるのではないかと思うのです。
だからこそ、自分を恥じないでいられるとも思えました。
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そもそもプラグマティズムという言葉の意味自体をよく知らなかった自分にとっては良い入門書となった。本書自体がその中で紹介されるGrand Motherテストをパスするようにわかりやすい表現で記述されている。また、プラグマティズムを論じている書籍らしく、これを実行に移そうと思えばすぐにでも可能な、実用的な内容であった。
ウィトゲンシュタインの思想の解説本は何冊か読んだことがあるが、この著作の中での解釈はその中では最もシンプルでわかりやすいものであった。
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手段・目標と目的を取り違えないための考え方。
仔細な事に囚われる事なく大局を掴み、
詳細に落とし込んで行く。
重箱の隅をつつきたい人には、オススメしない。
鷹揚に構え、未来を見通すことが大切。
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アメリカの学者、パース、ジェームス、デューイのプラグマティズムを平易に説明している。
そして、ウィットゲンシュタインの説との同一性を論じ、プラグマティズムというものさしでもって現今の日本の閉塞感を打破しようと著者は訴える。
要は、「人間、何をやるにしても、それが一体何の目的や意味があるのかを見失わないようにしましょう」という取り組み方を著者は、プラグマティズムの作法を熟知すればいいという。
ウィットゲンシュタインの命題7
語り詰めたものについては、ひとは沈黙せねばならない。
また、生きるとは恐ろしいほど真剣なことだ。
という教えは、心に重くのしかかります。
お天道様が見ているので、姿勢を正し、ことにあたらねばならないという言い方も日本人には解りやすくていい言い回しだと思いました。
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商売とビジネスの違いはなんだろうか。
大阪に住んでて自分なりにヒントをもらえた本。
書いてある事はシンプルなんだけど、あとは実践できるかどうか。
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本書では、何を為すにも「お天道様」に対して恥ずかしくないことであるか否かを問い続けるようにしましょう。而して人としての真っ当な生き方は、極々当たり前であることとして、ヒジョーに解り易く述べられています。若し解らなければ「プラグマティズム」が足りていません。
ボク自身はキリスト者なので、本書で使われている「お天道様」と言葉を置き換えることなく、然り、然りと一気に読みました。
凡てを真面目に生きるべし。
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最初にプラグマティズムと言う考え方の説明がある。
哲学とは言っても、小難しい事ではない。
学校で習ってきた「道徳」の様なものだ。
ただ、道徳や倫理を実践するのが意外と難しいように、プラグマティズムの実践もそんなに簡単なことではなさそうである。
この本は特に、地方の疲弊した商店街の復興を願う方々や、地域の活性化を目指す人達に読んでもらうと実際に役立つのではないかと思う。
地域の有識者とか、政治家さんとかも巻き込んでの勉強会などで、ネタ本として使うには実践的でとてもいいと思う。
出来れば、マイケル・サンダルの「これからの正義の話をしよう」と言う本も一緒につかうと、より具体的に議論が進められるのではないかと思う。
地域で大量に買って、配るのもとても良いかもしれない。
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日本にもっとプラグマティズムの発想と実践を。という筆者の明快なメッセージ。
前半のプラグマティズムとは何か(格率、作法、ウィトゲンシュタイン)〜経済学とプラグマティズム(自由な職人たちのクルマ工場の比喩、非現実的な自由市場理論に対するケインズの主張)まで興味深く読み入った。
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これはちょっと感動した。
哲学的であるので上手くは言えないが、
プラグマティズムを常に意識して物事を進めていければ、
何でも上手く行くような。そんな気さえしてくる。
とりあえず、
目的と手段を履き違える目的の転移を無くす。
SoWhatテスト、常に自分のやる事なす事に、
「で?だからどうした?」を問い続ける。
そうして、化けの皮が剥がれる事が無いように、
真の目的を意識する。
そんなとこから始めたいです。
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ウィトゲンシュタインやプラグマティズムの読解としては話にならない。
哲学をファッションとして借りたり、権威付けを行わずに、ストレートに自分の頭で考えたことを文章にすればいい。面白いことを考えたり、実際に行動している人だと思うので、その点は少しがっかりした。
別の著作をおすすめする。
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プラグマティズムの真髄が理解できたような気がする。
著者の主張はもっともである。しかし,一部の記述は思い込みが激しすぎるような気がしないでもない。
2012/12/15図書館から借用;12/27朝の通勤電車から読み始め;2013/01/08夕方の通勤電車で読了
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目的の転移(手段との取り違え)を問題視し、ウィトゲンシュタインやパース、ケインズを援用しながらプラグマティズムを推奨する本。
中央政府や計画経済(planning)、自由な精神のアメリカの称賛(にもかかわらず、筆者の批判するグローバリズムがそのアメリカが源泉であること)など、むむむ?なところもあるけれども、うなずく所も多かった。grand mother はGrandmotherです。ま、いいんですけど。
日本で目的の転移が蔓延し、プラグマティズムを欠いているのは、全くその通りだと思います。
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土木工学を専門としながら公共政策について発言をおこなっている著者によって書かれた本で、そのタイトルが『プラグマティズムの作法』というのですから、環境プラグマティズムについての突っ込んだ考察と、都市開発や国土計画についての実践的な提言が盛り込まれているのではないかと、期待する読者も少なくなかったのではないかと思います。
かくいう私もその一人なのですが、残念ながらそうした期待は満たされませんでした。いちおう本書の第1部でパースとウィトゲンシュタインの哲学について語られ、第2部では日本経済や国土開発についての議論がなされているのですが、どういう読者を想定して書かれているのか、疑問に感じました。
もちろん著者は哲学の専門家ではないので、議論の厳密さを求めるのはお門違いでしょうし、あまりに厳格な議論は「目的の転移」を排するという著者のプラグマティズムの立場に背馳することになるだろうというのも理解できます。それでも、著者が「プラグマティズムの作法」として、「その目的が、お天道様に対して恥ずかしくないものなのかどうかを、常に問い続けるようにする」と整理していることには、どうしても引っかかってしまいます。
著者は、人びとがそれをめざして日々努力を積み重ねている目的には「崇高な目的」と「下卑た目的」があると言い、しかしその基準を論理的に示すことは不可能だとした上で、なお「崇高な目的」か「下卑た目的」かをチェックするための基準として、「お天道様に対して恥ずかしくないものなのかどうか」を掲げています。おそらくここで問題となっているのは、異なる価値観を持つ者どうしが討議的なコミュニケーションに入るための価値論的コミットメントのことだと思われます。しかし、「お天道様」を基準にするというのは、著者はアプリオリストではないかという誤解を招きかねません。あるいは、キリスト教圏の人間ならば「神に誓って正当化できるのか」という基準が立てられるのに対して、「神」についての明確な概念を持たない日本人には「お天道様に対して恥ずかしくないか」を考えてみればよい、という説明もされているのですが、ここを読んだ読者は、著者のことを相対主義者だと思ってしまうかもしれません。
少なくとも著者の本を手に取ろうとするほどの読者を対象にしているのですから、もう少しきちんとした解説がほしかったように思います。これほど崩した説明は、かえって著者の真意を捉えがたいものにしてしまうのではないでしょうか。
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元日本マクドナルド社長藤田田による価格競争が長期にわたるデフレトレンドのトリガーを引いた愚かしさ・井上勝による小岩井農場創設の経緯の話題など実例を引き合いに出した内容でわかりやすい。
構造改革路線がそれ自体自己目的化しているというのはその通りで、プラグマティズムというととかく誤解されがちだが、合成の誤謬の愚かしさを時間軸を取り入れて考察しているところが秀逸。
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実用的な哲学書。
前半には「プラグマティズム」についての説明や使い方が書かれており、後半には日本では「プラグマティズム」が不足していることが書かれており、その具体例として、経済学、ビジネス、町づくりに焦点が当てたれている。
藤井先生は日本の閉塞感の原因について「プラグマティズム」の不足だと考えられている。個人的に日本の閉塞感の原因はデフレであると考えているが、それ自体はリフレ政策によって解決できる。それを解決できないのは日本に「プラグマティズム」が不足していることに繋がるかもしれない。