ダライ・ラマ科学への旅 原子の中の宇宙 （サンガ新書）

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ダライ・ラマ14世が語る科学と仏教の共通点や相違点、どのように科学と宗教が共存していくべきかといった内容でした。

科学と宗教は対立するものだと思われがちですが決してそんなことはありません。この本でも、科学的な手法と仏教の経験主義的な立場がいかに似ているか、進化論やビッグバンといった科学的な論文のベースとなる考え方が仏教の経典にも見られるといったことが書かれています。
相対性理論と量子論、ビッグバン、進化論、人間の意識について、といった話の科学的な立場と仏教的な立場による考え方が書いてあって面白いです。
仏教について詳しくは知りませんが、物事は常に移ろいゆくものであるという”無常”と、物事は相互に関係しあって成り立っているという”縁起”という考え方が大事みたいですね。

ダライ・ラマの知性が溢れでてくるような文章でしたｗ
権威主義ではないですけど、偉大な人が書く文章はやはり素晴らしいですね。
最近の新書は薄っぺらいものが多い中、300ページ弱とは言え読み応えが十分にあって良かったです。

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ダライ・ラマ14世の著書。宗教と科学の共通点を探っている自分として興味あるタイトルだったので読んでみた。古代仏教の原子論は「地・水・火・風」と「いろかたち・香り・味・接触感覚」の8種からできているという。さすがに「クオーク」や「超弦理論」などの最先端科学と比較すると、ダライ・ラマ14世も仏教の原子論は修正しなければならないと発言している。確かに古代インド哲学の学者たちが哲学論議の中で生まれてきた概念で、原子の構造や電子・陽子そしてクオークの存在を想像することは絶対に不可能であろう。
ガリレオが地動説を唱えて教会から有罪判決を受けたように、科学は宗教者の理解を超える真実を発見し続けている。科学は発展し続けて、その恩恵で現代人は飢えや病気からある程度開放され生きやすくなっている。しかし、文明が発展すればまた新たなストレスや苦しみが生まれ、宗教に救いを求める人も多い。ダライ・ラマは宇宙物理学・量子力学・生命科学などの著名な学者と多くの対話をし、完全理解はできないといいながら最先端の科学を正確に理解しようとしてきた。ただ、宗教は自分自身の内側に関心を持つ手法であり、1人称的方法である。いわゆる「瞑想」で自己と向き合う方法である。これ科学的手法で客観性を組み合わせたいといっている。瞑想中の脳のMRIとかを分析し、より多くの人が平穏で苦しみのない生涯を送れるような世界を願っている。科学者と宗教者が手を取り合って地球という家を守っていくべきだと結んでいる。

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科学と仏教についてそれぞれの特徴・問題点・素晴らしい点・共通点等を明らかにし、互いが協力的に貢献しあうことで、苦しみを克服し幸福な世界を目指そうという本。
科学の合理的・論理的側面を評価。一方、適用可能な範囲は限定的で、昨今の科学偏重が精神的な豊かさを阻害していると論じる。
仏教も紆余曲折に表層的なものが多く問題もあるが、初期仏教の意志を継ぐ系譜では科学と共通の手法で論理的に精神性を昇華できる方法・経験値を持つ。
肉体的な健康も、苦悩なき幸福な心も、よりよい世界に必須で喫緊の課題であり、ひとりひとりが道徳的に考えていければと切に願う。
http://koji-books.blogspot.com/2012/07/blog-post.html

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"仏教の真理と科学の哲学を真摯にダライ・ラマ法王が見つめている。
科学と宗教を対立したものではなく、人類の未来に向けて互いに何ができるのかを考察した本。
読み応えがある。原書を読んでみたくなった。ダライ・ラマ方法の語る英語は心地よい。"