紙の本
物語が変わる
2021/10/16 17:51
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「話虫」って虫のせいで名作の内容が勝手に変わっていきます。だから虫干しをします。
じゃあ、すでに変わってしまった物語はどうするか?それは図書館職員がなんとかします。
図書館職員の活躍が描かれてます。
紙の本
読み手から書き手へジャンプする瞬間。
2016/03/08 19:36
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
図書館所蔵の稀覯本などの物語がいつのまにか改変してしまう。
それを物語の中に棲息して、改変してしまう話虫の仕業として、物語世界にダイブして修正を施す話虫干。
設定が非常に面白く読み進めていたが、修正そのものが改変作業でもある矛盾をどうするのかと思っていたら……こうきたかという結末。
登場人物もこれでもか!というてんこ盛りで楽しめた。
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話虫を干す話虫干し作業をする話
最初、なんかに似てる~とか思いながら読んでたらそういうことでしたか!と納得しました。
だいぶ昔に「こヽろ」を読んだので細かいところは忘れてる自分が残念。
もう一度読まなきゃって気になりました。
ちょっと尻すぼみ感はあるけど、私も彼らと生活を共にしたら「こヽろ」を知る者としては同じようにしてあげたくなるよね。
違う名作でも話虫干してほしいです。
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とある町の図書館に出没する話虫(はなしむし)。漱石「こころ」のなかに入り込み名作はメチャクチャに。架空の物語世界を舞台に図書館員たちの活躍が始まる。
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Twitterで、漱石の『こころ』を読んでいないと解り辛いところがある、というツイートを読み、細かいところはほぼ忘れていたのですぐに再読したのだった。読み始めてすぐそのわけに納得し、著者なりの『こころ』以前の物語なのかと合点してしばらく読み進むと、なんのなんの、そんなに容易く想像できるようなものではなかった。ファンタジーである。いきなりさまざまな設定が時間も空間も飛び越えて『こころ』の世界に読者もろとも運んで行ってくれるのである。何とも贅沢な夢の世界である。しかもラストの展開がこれまた予想外で、小説の登場人物と話虫退治の図書館員との友情に胸がじんとするのである。いろんな意味でとても贅沢な一冊である。話虫がほんとうにいたら困るが。
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物語を変えてしまう話虫を物語の中に入って退治する。地味な話に話に見えるが、荒唐無稽で面白い。最後をどう締め括るのか大いに興味を持って読んだが、小路幸也らしく気持ちが和む終わり方にホッとした。漱石の『こころ』を読んでいなくても十分楽しめる。
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本の中の登場人物となって改竄される話をもとに戻す。
それが図書館員の仕事。
設定はとっても面白かった。
ホームズのくだりとか。
しかしラストがちょっとあっさりだったなあ。性急だったし。
まったく違うお話の虫干もみたいなー。
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図書館にまつわるお話ではあるけど、あんまり図書館関係なかった。
読み終えてから「こころ」再読したくなった。
ほかの本につながるこういう本、好き。
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中途半端で嫌いだ~馬場横町市立図書館員になった糸井馨は館長に命じられて副館長と供に話虫干に乗り出す。貴重な本の内容を変えてしまおうというのが話虫,それを退治するのが干だ。潜り込んだ物語は夏目漱石のこヽろだ。書生の下宿先に風邪の見舞いに行って糸井は帝大の同級生として認知された。圖中の下宿に桑島が転がり込んでくるのだが,腹違いの妹・京子も一緒にやってきて,兄妹を引き合わせたのが,英国帰りで独身の夏目金之助であったところから,話が違っている。書生三人に,夏目は外務省の火鉢という役人から紹介されてエリーゼというヨーロッパ貴族の娘とヘルン先生を探る依頼が来た。話虫は,どうやら火鉢氏で,その正体は下宿の奥さんの節子という名,夏目家の小僧,一という名,同時代人で小説家としては開花しなかった石川啄木に違いない。火鉢氏を誘き出すため,糸井はシャーロック・ホームズを登場させるが,話が余計に込み入ってきた。やむなく原題に戻った糸井は急にホームズを連れ神戸に帰郷したことにし,夏目には実家に帰らせ,京子も田舎に引き上げさせた。訝しく感じる二人の書生は総長室に呼び出されて面会した火鉢氏を尾行し,神田辺りの啄木鳥という居酒屋に追い詰めたつもりで,神戸に飛んでいた。そこには1951年生まれの松長と榛先生がいた~これからも連作で続けるのだろうか。小路という人は本好き,それも古書好きということだけは分かったが,袋小路に入り込んでしまったような気がする
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「こころ」の登場人物が
こんなにもイキイキとしているなんて、と衝撃を受けました。
面白かったです。
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とある町立図書館、漱石の名作「こ々ろ」のなかに入り込んでストーリーを書き換えようとする話虫(はなしむし)と、それを防ぐべく同じようにストーリーに入り込んだ図書司書達との静かな闘い(話虫干)の話し。まずは実に奇想天外なプロットに驚かされました。恥ずかしながら「こ々ろ」は未読なのでその世界観がどうこうと語る資格はなのですが、この著者らしい優しさに充ち満ちたお話です。
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物語を自分の好きなように改変してしまう『話虫』。その話虫を退治して物語を元に戻すのが『話虫干』。舞台は夏目漱石の「こころ」。なんとも面白そうな設定ではないですか。この設定だけで「やられた!」ってかんじ。
ただ、蓋を開けてみてがっかり。全体的にふわっとしすぎていて物足りない。話虫との激しい駆け引きが繰り広げられると思ったのに。歴史上の人物も何人か出てきますが、別にこの人でなくても外国人であれば誰でもいいのでは?とか思ったり。その人物である必要ないよねってかんじ。あえてなのかは分からないけど、細かい設定が曖昧で話の持っていきかたが強引。詰めもあまあま。結末も反則でしょ。文章も「マジで」や「っていう」という話言葉が所々あって違和感。勿論そういった言葉遣いをする人物の視点のときだけだけれども、鍵括弧以外でその表現は馴染めない。
設定は本当に好きなんだけどね。申し訳ないけど、もっともっと練ってから書いていただきたかった。
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伏線が全然回収されてない。次回作に続くということなのか、それとも純文学に造詣のある人には、何かのメタファーでピンとくるのか。面白い設定と展開なんだけど、自分にはなんか色々尻すぼみと感じられました。
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とある町の図書館に出没する話虫(はなしむし)。漱石「こころ」のなかに入り込み名作はメチャクチャに。架空の物語世界を舞台に図書館員たちの活躍が始まる。
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好きな本があって、その結末があんまりだったりすると「ふがー」となるではないですか。時として。「なんでその道を選んでしまうんだよ」とか高い視点で話をおって感情移入してしまいますが、つまりはそんな人の話。
そんな話なんだなあ。
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小説の世界に入り込み、
流れを変えてしまう話虫と、
それを元に戻そうとする図書館職員の奇想天外な物語。
「こころ」を精読してないせいもあって
序盤なかなか入り込めず。
その分終盤は大いに楽しめたが…。
それにしても昨今舞台でも漱石や啄木を題材としたものが目につくのは何故だろう。
【図書館・初読・6/29読了】