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- カテゴリ:一般
- 発売日:2012/07/01
- 出版社: 祥伝社
- サイズ:19cm/447p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-396-61422-5
読割 50
紙の本
謹訳源氏物語 8
著者 林 望 (訳著)
【毎日出版文化賞特別賞(第67回)】正確な解釈と自然な口語訳で、現代小説のようにすらすら読める源氏物語。8は、匂兵部卿から総角までを収録。どのページもきれいに開いて読みや...
謹訳源氏物語 8
謹訳 源氏物語 八
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:18,842円(171pt)
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商品説明
【毎日出版文化賞特別賞(第67回)】正確な解釈と自然な口語訳で、現代小説のようにすらすら読める源氏物語。8は、匂兵部卿から総角までを収録。どのページもきれいに開いて読みやすい、写本を彷彿とさせる糸綴じの「コデックス装」本。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
美しき姉妹を相手にむなしい独り相撲
2012/08/19 19:58
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投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
源氏が「雲隠」してから物語は第2部の宇治十帖に入り、薫が美しき姉妹を相手にむなしい独り相撲を取る。
薫の推挽でたちまち妹の中君をものにした匂宮とは正反対に、薫中将はなにごとにつけてもぐずぐず考え込み、慎重で積極的に行動せず、常に大魚を逃している。こういう人は今も昔も世間には大勢いて、他ならぬ私もその一人(笑)だが、こういう小説の中で読まされるとじつにいらいらする。
恋焦がれる大君を喪ったあとで、アホ馬鹿な薫がひとりごちたように、うまく立ちまわりさえすれば、彼は宇治の陋屋に隠れ棲む身寄りのない姉妹を二人ともおのが手中に収め、大君を死なせずにすんだはずだが、そういう駄目さ加減がこの悲劇の主人公の持ち味であり、著者の紫式部が絶妙に仕組んだ現代的な役どころであった。
同じようにいやらしい匂いを周囲に撒き散らすライヴァルの二人ではあるが、女を肉欲の対象とせず、まずは一人の人間とみなす立場を終始堅持している点で、アホ馬鹿薫は肉食ノータリン男の匂宮を頭ふたつ程抜いていると考えられる。