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邦題は、「2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する」。友達が読んで、結構、良かった、と言っていたので、読んでみるか、と思って、読んでみたけど、そうでもなかったなぁ、僕としては。そんなものか、エコノミストよ、と思った。(13/7/3)
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昨年の 9月に買った本で、約 1年の積ん読を経て読了。まあ、40年先の水晶玉話なんだから、1年読むのが遅れたところで、どうということはあるまい?
人口動態に始まり、政治、経済、宗教、言語、軍事、科学技術など多岐な話題について、英国エコノミスト誌の記者が 2050年大予想。全体を通じた基調は「楽観論」で、科学技術(特にコンピューター、ネットワーク関連技術)の指数関数的な発展と、インドの繁栄、全世界規模での貧富の差の縮小などはどの章でも共通した認識となっている(そして、残念ながら日本は凋落の一途を辿るらしい。いーの、放っといてくれ)。
章によって異なる記者が執筆しているため、ちょっと酷いなと思う部分も無いでは無いが、ほとんどの章は知的な刺激に満ちており、2050年の未来に向かって投げた曳光弾。
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この先の世界の行く末を思案しつつ、自分の未来像を思い描くためのインプット。結局読んでみて興味深かったのは、「第1章」、「第18章」と「第19章」だった。特に「第18章」の筆者、ケネス・クキエ氏は、ビッグデータ系の本も出しているので、論調が共通していた。一通り頭に入れて、ガラガラポンしてみようと思う。
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第1部 人間とその相互関係
1 人口の配当を受ける成長地域はここだ
2 人間と病気の将来
3 経済成長がもたらす女性の機会
4 ソーシャル・ネットワークの可能性
5 言語と文化の未来)
第2部 環境、信仰、政府(
6 宗教はゆっくりと後退する
7 地球は本当に温暖化するか
8 弱者が強者となる戦争の未来
9 おぼつかない自由の足取り
10 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか)
第3部 経済とビジネス(
11 新興市場の時代
12 グローバリゼーションとアジアの世紀
13 貧富の格差は収斂していく
14 現実となるシュンペーターの理論
15 バブルと景気循環のサイクル)
第4部 知識と科学(
16.次なる科学
17苦難を越え宇宙に進路を
18情報技術はどこまで進歩するか
19距離は死に、位置が重要になる
20予言はなぜ当たらないのか=============================
第1章人口の配当
人口動態はある程度確実に予測できる。
出生率の低下は、ある世代のみが突出して多いる世代を生み出す。
その世代がどこにいるかで、その国の経済が変わってくる。その世代が労働年齢ならば国は急成長する。逆にリタイアすればマイナスとなる。それを「人口の配当」という。
これからそれらのプラスを受ける地域は、インドアフリカ中東である。正しい若年層のふくらみは、政治的な不安定要因ともなる。
第2章 人間と病気の将来
肥満化と高齢化が世界的な趨勢となる。
前者はグローバル化により、発展途上国の国民もジャンクフードなど接するためである。
後者はアルツハイマー病の増大をもたらす。老人の介護は国に多大な財政的圧力をかける。製薬会社は抗認知症病薬に力を入れるだろう。
一方、新たな抗生物質の研究は縮小傾向であり、パンデミックの可能性もある。
エイズとの戦いは今後も苦戦が予想される。
第3章 経済成長がもたらす女性の機会
富裕国では少子化により労働人口が減少した。技能と専門知識を必要とする職業では特に深刻化するため、女性たちはより多くの雇用機会をあたえられた。
先進国における女性の地位は過去40年で著しく上昇した。それに伴ってキャリアを優先することもあり、出生率が低下した。
サービス業の増大は、世界的傾向となり、女性と相性が良いが雇用が不安定である。
1970年以降結婚率がほぼ半減し離婚率がほぼ倍増した。婚外子の割合は約3割から5割もある。未来においてこの傾向は加速するだろう。
一方、イスラム圏で宗教的な制約が強い国々では、女性の選挙権すらまだない。
第4章 ソーシャル・ネットワークの可能性
インターネットは人類に与えた影響は、技術というより交流である。特に SNSではその傾向が強い。
その興隆により三つのトレンドが予測される。
1.意思決定に友人が影響力が強まる
2.集団の英知を利用したウィキペディアの利用が盛んとなる
3.新聞やテレビなどの大マスコミに頼らずとも大きな運動が起こせる
トヨタはトヨタ社とドライバーを結ぶ常時接続のネットを利用したソーシャル機能搭載の車を開発している。これは今後車だけにとどまらないだろう。
SNSの業界において、1社支配は長くは続かない可能性がある。
第5章 語と文化の未来
音楽映画文学などの娯楽は非常にローカルなものである。通信の発達は世界の距離を収縮させるが、これらは引き続きローカルな各文化圏で優勢を保つだろう。
そうした意味で人工の集積地には、映画産業が立地する。
インターネットの発展により、テレビは映画のようなプロモーションを行う。
番組の放映まりにさ様々なプロモーション行い、放映時には SNS を使ったざわめきが広がりを期待する形となる。
紙の書籍は電子書籍にとってかわられるが、一定の役割で生き残る。
英語の一極集中が崩れない。
英語に代わる世界言語があるとすればそれはコンピューターである。
中国をロシア語スペイン語ポルトガル語などは少数言語をほろぼしながら優位性を高めていく
第6章 宗教はゆっくりと後退する
宗教はゆっくりと後退する
かつてはキリスト教が世界第1位であったが、現在はイスラム圏が追随している。1900年には12.3パーセント 1世紀後には21.1パーセント。これはイスラム諸国の人口爆発が原因である。
貧しければ貧しいほど宗教に帰依する割合が高くなり、宗教性が高い国の出生率は高くなる。逆に豊かになればなるほど宗教に頼る人は少なくなる。したがって現在出生率が高く人工の配当を受け経済成長を続ける新興国も先進国化するに従って、宗教は相対化され、無宗教者の割合が増えていくだろう。
唯一の例外はアメリカだが、この国は平均寿命世界34位、殺人の発生率、犯罪者の割合が先進国の中でも飛び抜けて高く、貧困層のパターンを有している。
第7章 地球は本当に温暖化するか
省略
第8章 弱者が強者となる戦争の未来
冷戦期米ソの対立によって戦争が逆に管理されており、戦死者の数は劇的に減っていた。だが、9.11以降その構図が変化している。
技術の拡散によって不良国家やテロ組織がアメリカに非対称的な戦争仕掛けられるだけの力を持ってきている。
一方、地域間の紛争の危険も高まっている。
先進国は、高齢化にある財政悪化で、かつてほど防衛費をつぎ込むことができない。
第9章 おぼつかない自由の足取り
民主主義は2つのぜい弱性を持ったシステムである。
一つは利権集団がのさばること、二つ目は衆愚政治なることである。
そのアキレス腱は一つはお金一つはマスコミによる 民意の操作である。
政治家は政治資金を集めることに苦慮しているが、そこにつけ込んで自身の利益を図るため企業が近づいてくる。結果、政治に圧力をかけることとなる。
マスコミは様々な形で選挙の結果を左右する。テレビを味方につけると、選挙に勝ちやすい。
これらに対抗するには公共心が重要であるが、経済第一主義ではなかなか難し。
第 10 章 高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
世界的な高齢化により、年金と健康医療費の増大は国家にとって負担となっている。
年金については雇用期間の延��、富裕層には支払わないなどの措置が取られつつある。
健康医療費はオランダのように、貧困層や弱者には政府が援助し、そうでないならば民間の医療保険に市場開放するなどして、費用削減の効果することもできる。
第11章新興市場の時代
40年前新興国市場は存在していなかった。その後、開発途上国が資本主義と和解し技術やインフラ資本を取り入れた。結果それらが市場となった。
ある国の工業化の時期が遅れれば遅れるほどその速度は速くなるが、それには教育の程度がかかわってくる。
第12章 グローバリゼーションとアジアの世紀
グローバリゼーションは三つのシナリオが考えられる。
リーマンショックや欧州危機などによって、市場経済に対する危機感から、一定の規制をグローバル化に対して課してはくるが、市場はそれなりに開かれている。これは「コントロールされたグローバリゼーション」の状態である。
「後戻りするグローバリゼーション」というシナリオでは、保護主義の気運が高まる。コントロールされたグローバリゼーションよりやや冷え込んでいる。
ちょう落したグローバリゼーションは、先の二つよりもさらに世界成長が減速し、悲惨な結果をもたらすだろう。
一番可能性の高い最初のシナリオで考えると最も重要なのはアジアの経済となる。
第13章 貧富の格差は収斂していく
格差は二つある。国内間での格差、国同士の格差である。
前者は今後も大きく広がっていくだろう。理由はグローバリゼーションにより富裕層の所得は爆発的に増大したこと、金融業の異常な次第である。
後者は徐々に縮まっていくだろう。
第14章 現実となるシュンペーターの理論
シューペンターのいう、創造的破壊のスピードは高くなっていくだろう。それはあらゆるものがネットに結びつくことによる製造業が変ぼう、新興国の要求の上昇などによる。
グローバル市場においては知識階級に富の偏在するようになり、労働者の勤務はグローバル化により過酷となる。
第15章 バブルと景気循環のサイクル
バブルの発生期にはそれをけん引する新興産業がある。チューリップバブルやITバブルなど。景気は上昇と交代を繰り返し、その都度メーンとなる産業は交代するが、過去に実績のある株価を買うというモメンタム理論は健在である。が、バブルの崩壊期などには損失をこうむる可能性もある。
株式の投資家には、企業に成長要因を見つけて投資するグロース(成長株)派と、過小評価されている株を買うバリュー(割安株)派がある。前者は強気市場の最も勢いのある段階にかかわることが多く、後者は景気後退時に実力を発揮する。
第16章 次なる科学
次の科学のフロンティアは生物学である。など科学情報科学の天文学などが結びつくであろう。
宇宙も生命の起源を知る意味で大切な領域となる。
経済発展の著しい東アジアの国々でも科学分野は発展するであろうが、儒教的な上下関係中国の専制的な政治体制はマイナスに働く。
第17章 苦難を越え宇宙に進路を
宇宙の商業利用の時代がきている。GPSなど。
軍事的な宇宙の利用は引き続き、情報収集である。
民間会社の宇宙旅行は、NASAが一部アウトソーシングしており今後は、金持ちの娯楽となるだろう。
銀河の動きを説明するために暗黒物質の正体を知ることが重要となる。
太陽系以外にも生命の可能性がある惑星はいくつもある。
第18章 情報技術はどこまで進歩するか
今後は技術そのものよりもその使われ方に開発重点が移っていく。
現代は情報過多である。
マイクロチップの小型化と高性能化はあらゆるものをネットワークコンピューターにつなぐユビキタスを推し進める。
以前は集められなかったデータが集められるようになりそれにより保険算定や経費のありようが変わる。
企業トップダウン型から、インターネット使った知識共有型の組織に変わっていく。
第19章 距離は死に、位置が重要になる
距離は死に、位置が重要となる。
距離が意味をなさなくなったことを利用し、住む場所も自由に選べるようになり、各地域、各文化圏の労働力、技術力の特徴生かした国際分業化やりやすくなった。その分、どこで何をする、という位置が重要になってきた。
第20章 予言はなぜ当たらないのか
予測が当たらないのは、人間が対策を講ずるからである。
資源の枯渇、食糧の枯渇は技術革新による低価格化で補えるだろう。また、先進国の森林面積は増加しており環境は良化している。
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タラタラ読みすぎてあんまり頭に入ってないけど、楽観的な予想の方が当たる、収穫低減は起こってない、ってのが未来にとってのポジティブな要素か。
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日本は相対的にそのプレゼンスを失っていく 2010年で世界経済の5.8%だったのが、2030年には3.4% 2050年には1.9%になる
悲観的な予言がはずれること よいニュースはめだたず人々の記憶に残りにくい。悪いニュースだけが残り相互に関連するという認知のバイアスが人間の側にあるので、そうした予言をすることが受け入れられてしまう。
もう一つは人間が対策を講ずることを無視していることだ
日本の真の問題は人工とGDPではない。日本にとって最大の挑戦はシュンペーター(的企業精神)と英語ということかもしれない
2017/6/11 また借りてしまった
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The Economistの知的レベルの高さを感じる一冊。人口と資源とテクノロジーに規定される世界。民主主義の衰退。シュンペーターと英語。中国の没落。
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創造的破壊、生物学、宇宙生物、情報技術、情報過多、ユピキタス、センサー、距離の死、予言は当たらない。
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2050年に世界がおおよそどうなっているのかを予測した本。
本書にも記載されている通り、未来は予測できないものである。結局この本を読んで得ることは、いつどうなってもいいように準備をしておくこと。
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楽観的未来=無難な予想に終始しているのは、大きく外すのが怖いから?
最近の通信技術革新は社会の在り方まで変革するインパクトがありますが、2050年までならさらにすごいことが起こりそうです。
本書が文庫本化されて10年近くが経とうとしていますが、すでにインドとパキスタンの軍事的衝突は起こりました。(2019年2月26日インドがパキスタンを空爆し、翌日パキスタンも報復!)
蛇足ですが、文庫本最後の近藤甘奈「エコノミスト訪問編集記」の学生作文のようなものは必要ですか?
息抜きで堅苦しい内容の軽減にという狙いなのでしょうが、私には編集者の意図以上に本書の信ぴょう性やありがたみが希薄になったような気がしました。
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いろいろな分野から2050年の世界がどうなっているかを描く、という壮大な企画のもとに編まれた本。
地球温暖化、IT化、教育、資源などの側面から未来予想をします。
この本自身が書いているように、40年前の1972年に、
「誰が今の世界を予測できただろう?」とします。これから約40年先の世界がどうなっているのか…多分わかりませんし、この本に出てくる予測もはずれまくるでしょう。
ただし、いろいろな手掛かりや気づきを与えてくれました。
「地球温暖化に関し1980年代にされた予言ははずれた。もしあたっていれば今の地球はもっと暑い」
「もしインドとパキスタンが戦争をすれば世界史上初の核保有国同士の戦争となる。その戦争で核が使われない保証はない」
「中国は急速な老化のために経済は失速する」
いちばん印象に残ったのは、
「生物学的には人間の悪い側面、裏切りやウソなどは説明がつく。しかし、相互扶助や尊敬など良い面の説明はいまだにつかない」
という一文でした。
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40年近く先の世界。現状のトレンドが基盤になっているので、さほど意外な分析は出てこない。ただ大きな方向性のようなものを確認する上では参考になった。基本的に一つのテーマごとの記事が割とあっさり終わるので、この本を出発点に各分野の「予測本」に進むのがベターかと思う。
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不透明と思われる現在。
これからの世の中はどのようになって行くのであろうか。少しでも情報を知りたくて、このほんを読み始めた。
以前も、同じ内容で2000年を予想したものが出版されていたようだが、細かい技術発展までは予想できてはいなかったが、大枠は予想とずれていなかったようだ。
なぜ、予想からずれないのか?
一言で言い表すと、人口動態が主の考えになっているからであり、50年後は、2世代交代が行われようとしているちょうどそんなときにあたるのだ。
ということは、教育環境などからその地域の人口の増減、パワーバランス、技術の進歩などが想定して行くことができるということになる。
その現在の集大成が、この本に記されている。
最近、「データでわかる2030年の日本」という本が出版された。これも、読みたいが。もう一度、この本を読み返してみたいと思う。
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2050年の世界を英「エコノミスト」誌が予測する。未来予測となると、どれもこれも悲観的になりがちである。本書では、明るい人類の未来像を語っているわけではないが、人類はその持てる叡智を駆使し、世界は無事に存続しているらしい、但し、注釈付きで想定外の変化がない限りとある(笑
外国語学習について、コンピュータの翻訳技術が進歩して「外国語はペン習字を習うようなものになる」と予測している。そうすると幼児からの英語教育ってものに意味がなくなる。近々にはじまる小学校の英語の授業は止めにして、しっかり日本語を勉強すべきなんじゃないかな。
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科学の未来の話がおもしろかった!
物理や化学より比重は生物に移る、という話はもちろん鉄板だけど、「どこで」科学が盛り上がり始めるかという話が特に面白かった。
現状肯定派の日本の文化は科学を発展させる上であまりうまく働かない....欧米、そしてインドの現状否定と革新、自由な空気が必要らしいのだ。
疑い....か。革新に反動はつきものなのだな。