残穢

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これまで読んできた彼女の本が、こういう形で繋がるんだなぁ、と思いました。
ドキュメンタリーの形だからジワジワ怖い。

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おもしろかったというか、ホラーだけに怖かった。
派手ではないけれど、じわじわと心理的にくるものがあり、
深夜に読んでると、思わず周囲を見渡したくなる。
先が気になって、一気に読んでしまった。
けれどその反面、作法のせいか読み終わってみると、
ちょっぴりもの足りなさが残って、
なんだか誤魔化されてるような気さえしてきた。

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『穢れは伝染し拡大する。』

「鬼談百景」が読者からの怪談を集めたものだったのに対し、こちらはそのある一つの怪談をきっかけとして詳細を作者が調査していくというドキュメンタリータッチの体裁。ホラーだけどミステリー。
何てことない、よくある怪談・事件だったのに、あらゆる事象がひとつの根に繋がっていた…。

『穢れは伝染し拡大する。』、まさにウイルス。調査していく姿がしだいに伝染病の感染源をたどるもののようになってきた。そのころには怪談に対する（範囲の狭い）底知れぬ恐怖感は弱まっていたけれど、「穢れ」の果てしない広がりというさらなる恐怖が待っていた。
おおもとらしきものにようやくたどり着いたものの、一件落着という終わり方でないのがまた良い。あ、他の方のレビューに「わざと伏せられている」というのがあって、もしかしてそうなのかと納得。やはり「取り扱い注意」なのでしょうか。

事件を追っている主人公が筆者の小野不由美さんそのもののようで、さらに実在の人物がわらわら出てくるのでフィクションではないのではないかと錯覚してしまう。上手いな～と思いたいところ。いや、フィクションであってほしい。転勤族の私にしたら、特に引越のたびに神経質にならないといけない。しかも出身は福岡で、最近福岡に戻ってきました。
本当のところどうなのですか？！　ちょっと切実（泣）。
いやいや、上手いな～（泣）。

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びっくり、ドキュメンタリー形式なんだね！
どっからどこまでが取材した事実で、どっからが創作なのかわからないところが怖さを増幅させてる気がする……と考えると「鬼談百景」の方もどこまでが読者からの投稿で、どこからが小野さんの創作なんだろとか、考えさせられちゃうね。
上手い！
そのへん考えながら、も１回読もうｗ

ところで小野さん、マジで体調悪いんだろうか、お大事に～(T∇T)

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小野さん自身が主体となったドキュメンタリー形式で綴られる本書。

最初はとあるアパートの一室で起こる怪奇現象について調べていたはずだったのに、それがどんどんどんどん広がり、昔に遡っていくことになる。
こういうことって、日本のあちこちに点在しているのかしら・・・そう考えると怖いなぁ。

ただ、普通の小説のようなはっきりした起承転結は少ないので、「これはあくまでドキュメンタリーだ」ということを（あえて）念頭に置いておくと良いかもしれません。
「ラストはどうなる・・・まさか、ここでどんでん返しが・・・？！」なーんて思いすぎると少し物足りないです。

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同時刊行の怪談集と対をなすルポルタージュ形式の怪談話を掘り下げた話で、小説家とか実在する人物が登場するので、何処までが本当で何処までがフィクションかが分からない分、淡々と描かれた怪談集よりも怖いかもしれない。古くから死は穢れとしてとらえられていた日本という国だからこそ成立する怪談ばかりだが、穢れが血脈として繋がる人のみではなく土地や物に伝わりということとか、本当に語られない話こそが本当の怪談であるとか、怪談小話の様な話が興味深い。また、話としての落ちがないじゃないかという人もいるとは思うが、それも怪談らしくて良いと思う。

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姉本
話がどんどんつながっていくから覚えるのが大変！
こっちはドキュメントっぽかったから鬼談百景のほうが怖かったかな。

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久々の新作、フィクションだと思いページを開き、最初の3行で「まるで作家自身のことのようだ」との予感は10行で確信に変わる。読者と作家の交流、怪異の報告、徐々に広がっていく怪異、時は遡り場所は移り、東京で起こっていた怪異は本家からの単なる側枝に過ぎないこと、本家はその怪異の話をするだけで災いが降りかかることも明らかになる。
読者の会社の倒産は偶然だったのか、作家の身体の不調は怪異と関係ないのか。今までの作品のようなおどろどろしい表現が無い代わりに、例えばGHのように怪異の原因が解明されることも、ぼーさんがお祓いしてくれるわけでもない。帰着点のないまま棚上げにされたその怪異が今も続いていると思うと、ある意味それまでの小野不由美作品の中で最恐と言えるかもしれない。
現実が一番怖いのだ、と思い知る。

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こわい！
自分が今住んでる場所や、もしかしたら自分ももう穢れてるかも…と考えるとゾゾゾ～と来ます。

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　………穢れは伝染する。帯の文句に嘘いつわりなし。強烈なホラーシーンはないものの、じりじりと足下を這い上ってくる怖気が否応にも恐怖心を掻き立てられる。ドキュメンタリーという形が尚のこと話にリアルさをもって迫った。
　読んでいる間、畳の上で擦れて音を立てる帯の端と、ゆうらりと揺れる足袋が何度となく脳裏をちらついていた（結局これは所謂残穢の枝に過ぎなかったのだが）。

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心霊現象の元をたどっていく話。どこまでが作者の実体験だろう・・・。怖かった。ただ、人が多すぎるのと時代が戻りすぎてわけわからなくなったので、最終的になんだったのかよくわからないまま終わった。読み返したくもないし。身近な怪異のとこは怖かったなー。