紙の本
熱い思い、それを受け取りましょう
2012/07/11 09:08
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投稿者:のちもち - この投稿者のレビュー一覧を見る
富士通、という会社から(消費者として)連想するもの...コンピュータ、携帯電話、といったところ。ところが、そんな表面的なレベルではなく、世界的なICTの取り組みや、それらの開発の前提となる企業「文化」があったとは...本書は、「革新」に取り組む富士通の「現場」の方の声、それらを集めたものです。
事業仕訳で話題になったスーパーコンピュータ、東京証券取引所のシステム、はやぶさ、などなど、「知ってる」ところにも、富士通はありました。もちろん、これらは最先端の技術開発がなければ成し遂げられない分野だけれど、本書に登場する「リーダー」の方々から伝わってくるのは、技術よりも「思い」の部分です。
世界最大級の光学赤外線望遠鏡の開発では「世界中の人たちの宇宙への夢に近づくため」、らくらくホンの開発では「使っていただく人たちの使い勝手向上のため」、次世代電子カルテの開発では「医師の業務改善、その先の患者さんたちのため」...
それぞれ「その仕事が何に(誰に)役立つのか」というストーリーで開発されていきます。そしてそれに携わった人たちは、当初は「なんで自分が?」という人も中にはいらっしゃいますが、「(その技術の)あるべき姿」を求めて、社内外を含めた大きな成果に向かっていくのです。
もちろん営利企業ですから、「採算」という面はあるでしょう。特に競合が少なくない業界だと思われますので、会社として取り組む案件かどうか、という視点もあったはずです。そこは富士通という会社の「文化」が後押しをします。
「ともかくやってみろ」というトップの姿勢。これが大勢の社員を擁する大会社でありながらも、現場のリーダーの行動指針として貫かれています。これが「開発」に向かう姿勢を正しい方向に導いているようです。つまり単に「短期的な数字」だけを追わない姿勢。
自分のようなICTの世界とは無縁の人間でも知っているような事例も含め、プロジェクトの立ち上げから結果まで、そこに携わった「人間」を中心に描かれています。なので、「技術」が苦手な人も「理系」を避ける人でも、十二分に読める。
むしろ、具体的な参考になることは少なく、ここに紹介された「現場」の方たちの「思い」を共感できる、という点が本書のポイントだと思われます。
「富士通は大企業だし、予算もあるから...」という思いも、読み始め当初は持っていましたが、次第にその「人間模様」に考えの軸が移ってきました。
富士通さんほどのビッグネームではなくとも、何かのプロジェクトに取り組む「人間」として読むと、共感できる部分、あります。
【ことば】「富士通は、人を幸せにするものを作らないといけないんじゃないでしょうか」...どんな事業にも、社会的な責任が求められると思っていた。
らくらくホンの開発にあたり、開発担当者が、上席に伝えた言葉。こんな思いで開発に携わるチームは、本当によいものを作るだろう。富士通のような大きな企業でこのような思いでプロジェクトを進めている。小さな企業は、よりこの「思い」を地道に愚直にやっていくしかない。
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富士通社内向けにはこんな素敵な人がいることを再確認させ、富士通社外向けにはチャレンジをさせる風土と現場力の高さを明らかにします。
現場のリーダーたちの実践知にもとにした一言一言のフレーズは重く、いろいろ胸に響く言葉がありました。
富士通がどんなことをしているのか、どんな風土の会社なのかはよくわかる本です。多かれ少なかれ、若生も同意できる部分が多かったです。
それは、富士通でよいサイクルに入っている人たちに共通する感覚のようなものなのかもしれません。
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★読む目的 !
チャレンジ精神について学ぶ!
★INPUT
・国内1位、世界3位
富士通の売り上げの中核を占めるのは、企業や官公庁にICT分野の各種サービスを提供するテクノロジーソリューション。社会全般に対し、ICTサービスを提供する事業では、国内1位、世界3位となる世界最大級の日本企業。
・リーダーの言動
どのような『思い』を抱き、どのような『意識』を持ち、どのように『行動』したか観察する!発せられた言葉には、人の思い、意識、知識、思考が必ず込められている。
・FUJITSU Way
行動指針
①現場・現物・現実を直視して行動します
②目標に向かって、臨機応変かつ迅速に行動します
③組織を超えて目的を共有し、一人一人が責任を持って行動します
・リーダーシップを発揮するのに必要な能力
①『善い』目的を作る能力
②場をタイムリーにつくる能力
③ありのままの現実を直視する能力
④直観の本質を概念化する能力
⑤概念を実現する政治手腕能力
⑥実践知を組織化する能力
★ウガンダの感想
今回紹介する本は、R+(レビュープラス)さんから頂いた献本です。いつもありがとうございます!
日本一高い山と言えば??富士山!!
ほな、二番目に高い山は??答えれる人は、果たしてどれだけいるやろか。
この前日経で、世界No.1のスーパーコンピューター『京』が2位へと転落した記事を読み、ショックを受けました。ちなみに自分は別に京の開発に携わっているわけでもなく、またそれを使ってるユーザーでもありません。しかも富士通が京の開発&設計に携わってることすら、この本を読むまで知りませんでした。
そんな自分でも、スパコンだけに限らず、スポーツでもそうですが、なんか世界一を目指しチャレンジする人は、熱く魅力的で、ついつい応援したくなります!また、負けるとなぜかめっちゃ悔しく感じる次第。
この本には幾つものエピソードが載ってますが、世界No.1スパコンを目指した人達のエピソードが、一番興味深かったです!
どの分野でも1位と2位の差は歴然!是非ともまた世界No.1を目指しチャレンジしてほしいですな!
★一言で言うなら
『shaping tomorrow with you!』
★名言集
・『俺たちは自由にやってきたから、お前らにも自由にやらせる』『大切なのは、世界一を目指して頑張り続けること。最終的な結果はともかく、世界一を目指して頑張らない限り、世界一になることはできない』『お前逃げるのか』『おい、ともかくやってみろ。やってから文句を言え。やりもしないで、本を読んだり、人から聞いて、そうなりますとわかっようなことを言うな』
・『高性能は、処理にかかる時間を地道にそぎ落としていくことの積み重ねで実現しています。なんらかの方程式を持ってきて一気に解くのではなく、自道な作業の積み重ねです』『人間なんてしょせん、新しいことは何もわからいわけです。だから、今までの経験、積み重ねで判断をしていくんだと思うんで��よね』
・『これは自分たちの仕事じゃない、と決めつけてしまわずに、何でもやる。そうやって人を巻き込む。僕は、ソリューションを手掛けるうちの会社には財産があると思っています。それは、日々、新しいことを提案する力です』『良い製品があって、サポートする人間がいて、そしてその企業が信頼される。この3つがそろって『商品』になる。どれか1つでも欠けては、売れないんんです』
・『どこかを賢くサボるんです。それか、視点を変えてみる。100点じゃないかもしれないけれど、70点でも新しい価値が生めるんじゃないの、ということを考えます。そして、ブラッシュアップを重ねていく。これは、私たちの割といい文化だと思ってますよ』
・『100点でなくていい。母、妻、社会人、その3つの役割で、たとえそれぞれが60点だとしても、足したら180点になるじゃないか。100点満点を超えている。それでいいんじゃないか』『お前らがオフィスで悩んでいたって、しょせん想像の世界だろ。誰かに聞かなきゃわからないことなら、聞きに行けばいいじゃないか』
・『実践あるのみ。理屈なんて後付けです。考えてから行動するのでは遅い。行動しながら考えて、実践知を得るしかありません』『よりどころは、経験、それから、この人はこうしていったという知識の集大成。情報をたくさん集めて、取捨選択できるようになる』
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スーパーコンピュータ「京」やアローヘッドなどの国家規模の巨大PJから、農業クラウド、電子カルテシステムまで、富士通が関わった幅広い業種のPJについて当事者の話を聞いてまとめた本。
富士通は泥臭いと内部の人間も思っているが、これは強みでもあるということを、第三者から言われると、自分たちの姿勢は間違いではなかったという気持ちになる。
富士通のDNAの良い部分が数多く紹介されている。
自分も頑張ろうと前向きな気持ちになれる。
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----- 2012-01-10 -----
世界一、世界最高、、、富士通が常に目指す最終目標は常にこうなのだということが分かる。その目標を支える、仕事人の方々の経験談から、プロジェクトに関わる個々人が、その目標に対して真剣に取り組んでいるからこそ、世界一という目標が必ず達成できると信じているからこそ、実現できていることなんだろうと感じる。(2章まで読了)
2013/01/22
ブラジルの静脈認証
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ぱっと見は「富士通の技術PR本」。読み方によってはたしかにその側面もゼロではないけれど、率直に言えば熱い内容で、「技術(ICT)は道具、使う人が主人公」「エンジニアならではの想いや苦心、達成感」「大きい会社だからこそ大きな仕事ができる」が堪能できる一冊。
各章の始めのリード部分が役立った。「何に役立つ技術か」「なぜその技術が求められたのか」という背景と、登場する担当者の実名が写真入りで紹介される
「」が多い(つまり担当者の言葉や会話がベースになっていて、単なる説明文の羅列ではない)構成もよかった
‥というポイントのおかげで、背景知識のない分野でも、約20ページ前後の短編小説のように入り込んで読めた。
一言でITといっても技術や製品はいろいろ。特にインフラ系を考えると、ハードウェア/ソフトウェアの両側面があって、現在華やかなクラウドやWebサービスで売上を得ている企業でも、この両者そのものを一手に扱っているところはあまりないのでは。結局、ハード/ソフトの両方を持っていて、日本全国+主要な海外に販路があり、責任もって語れるのは日本でも限られた数社だけで、そのうちの1社がここだろうと思う。(分野は違うけれど)メーカーの研究部門に勤めていて、今はソフトウェアベンダーに移った自分の立場からすると、「ああこれがメーカーの仕事だ、大きな仕事を責任もってやれる醍醐味がこれだ」と懐かしく思わせてくれ、メーカーを離れたことをちょっと後悔させてくれた。もし自分が就職活動中だったら、確実に大きな影響を与えてくれただろうなとも感じた。
章ごとの簡単な感想を(★は個人的に熱かった章):
第1章:スーパーコンピューター「京」
「2位じゃだめなんですか」で話題先行してしまったけれど、設計/製作していた現場の担当者たちが一番強く1位を目指していた、ということがわかる
日立やNECが退いた今は文科省と一蓮托生、何に使われて、どんな成果につながったかが結局問われていくのだと思う。期待してます
第2章:東証株式売買システム「アローヘッド」
「注文受付レスポンス10ミリ秒」という数値目標に対して「2ミリ秒」を達成。先輩リーダーの会議でのふるまいに憧れ、自分がその立場になって自覚する、というエピソードがよかった
つい最近「1ミリ秒以下」に対応するプレスリリースがされていた
第3章:すばる望遠鏡/アルマ望遠鏡
ハワイ島のマウナケア山頂、国立天文台の望遠鏡のデータ解析システム。富士通が扱っていたとは知らなかった。「50回以上もハワイ訪問」には、末尾の寄稿文にあった泥臭さ down-to-earth をまさに感じる
アルマ望遠鏡も初めて知った。「望遠鏡設置に適した世界で究極の場所」で今年度中に運用開始予定とのこと。思わず @alma_japan をフォロー
第4章:震災復興支援★
冒頭に書いた「日本全国の販路」を感じたのがこの章だった。震災後の各企業支援には、正直、日本企業の底力を見た気がした。googleのPerson FinderなどITの貢献も含まれる
しかしこの章に書かれたような「何が困っているのか」を地道にヒアリングして廻り、ICTを使って形にするという活動も、なかなか他社ではできないものだろうなと感じた
第5章:らくらくホン
高齢者向けに機能を考え、新LSI設計を含めた先進技術を搭載、かつ、如何に使ってもらう人にわかりやすく説明するか
この技術はもっと世界展開の可能性がある、と個人的には思っているけれど、まだあまり聞かないのは何でだろう
第6章:農業クラウド★
農作地の気候、作付け条件などをデータベース化して翌年の作付けに活かす。「ITでみかんをおいしくする」はいいキーワードで、「こんなこともやっているのか」と面白く読めた
「ICTって何?」で分かれる世代間ギャップ、農家⇔試験場の業態間ギャップの話もある。「使ってもらうには、利点をわかりやすく見せないといけない。成果が見えづらいままでは使ってもらえない」というのは、今の仕事にもつながるポイントだった
第7章:次世代電子カルテ★
既存の電子カルテが単なる紙の電子化にとどまって活用されておらず、何とかしましょうと、ヒアリングや仕様策定に現場へ足しげく通って実現できた話
最後の忘年会での表彰エピソードは、(この呉医療センターに限らずだと思うけれど)一種の閉鎖性を読み取れ、それに怒ったお医者さん、という人間味も交えて一本の映画にできそう
8章:ブラジル/手のひら静脈認証★
国内展開に悩む中、ブラジル現地大手銀行が興味を示し、実績をつくったことで、日本含む他国での展開へ契機が作れた、という話。「それまで見ていた日系人の勤勉さで、信頼しようと思えた」というエピソードがいい。お金をかけて育つものではないし
このブラジルという国、資源国であり、日本との結びつきが強く「遠い国に思えて、実は近い国」なのだけれど、やっぱりなぜか「サッカー、コーヒー、リオのカーニバル」というイメージが先行してしまう。やっぱり遠いよなあ
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文字通り、プロジェクトリーダーたちの挑む姿に感動しました。
レビューは下記ブログ書きました。
【R+】レビュー:「挑む力 世界一を獲った富士通の流儀」片瀬 京子, 田島 篤 共著 | 御経塚通信
http://okyouduka.com/201207/books/3542.html
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富士通のいくつかのプロジェクトの担当者の体験談が列挙されている。
スパコン、アローヘッド、スバル望遠鏡、復興支援、らくらくホン、農業クラウド、電子カルテ、手のひら静脈認証
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チェック項目15箇所。絆に基づいて発せられた言葉には、発した人の思い、意識、知識、思考が込められている、その中にこそ、挑んで成し遂げるための答えがあるはず。できない理由を並べるのではなく、どうしたらできるかを考える。世界一速いことではなく、世界一役に立つことに意味がある。技術に強くないと、周りに影響を与えられない、うわべだけで語っては、評論家でしかない。夢=妄想とまでは言わないが、妄想を構想に、構想をかたちに。新しいことは何もわからない、今までの経験、積み重ねで判断をしていく。「忙しい」と口にすると周囲に遠慮を生み、情報収集の機会を妨げる。実践あるのみ、理屈なんて後付け。高機能な技術を、意識することなく簡単に使えるようにすることの方が難しい。母として、妻として、社会人として、どれも100点を目指して頑張りたい・・・「100点でなくていい」の一言(夫から)、母、妻、社会人、その三つの役割で、たとえそれぞれ60点だとしても、足したら180点になる、100点満点を超えている。自身が経験し、考え抜いて発した言葉には魂が入る、それが言霊。
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簡潔にいうとつまらない。
京の開発を丸々一冊でドラマチックに語られるのかと思ったら。。。薄っぺらい。4章の誰よりも早く「復興支援」は良かった。でも本当に内容が薄っぺらいんだ。
残念です。
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まるでプロジェクトXを本にしたかのようで、胸をうつような台詞が散りばめられている。
富士通を宣伝するための本なのだろう。
残念なことに技術的な要素がほぼない。
富士通のDNAや社訓らしきものを忠実に守り、プロジェクトが成功したように見える。
が、自分が知りたいことは、課題をどんな技術で解決したのか、あがった問題をどう解決したのか、そういった部分だったので残念だった。
ただ、東日本の大地震が起きた際に直ぐに企画書を書いていたことや、偉くなろうが学び続ける姿勢や心掛けについては学ぶことが多かった。
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以前セミナーでお世話になった竹内弘高氏・野中郁次郎氏が紹介されている著作ということで手に取ってみました。最近、富士通が推進した8つのプロジェクト、そのリーダの活躍を通してを、挑戦・必達の姿勢を紹介していきます。
ただ、内容はかなり物足りないですね。インタビュー対象を少数に絞ったせいか、どうもひとつ一つのエピソードに多面的な重厚感が感じられません。もっともっとリアルに泥臭い現実があったはずなのに、それが十分伝えられていないのはとても残念です。
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某F社(伏せる意味はないが…)が、世界や日本に誇る成果をあげた最近の8つのプロジェクト(スパコン「京」、東証の「アローヘッド」、すばる望遠鏡、らくらくホン等)について記した本。各プロジェクトのキーパーソンへのインタビューを交えながら、プロジェクト遂行の喜びと苦労、そしてプロジェクト成功の意義などを、ドキュメンタリー番組風に熱く表現している。さすがに、実態がこんなに単純でいいことずくめとは思えないけど、まあプロパガンダだと割り切ればこんなものでしょう。巻末にある竹内弘高先生の寄稿と、野中郁次郎先生の解説が、あまりにも歯の浮きそうなヨイショになっているので★1つ減点。(たとえ本当のことだとしても、これでは褒め殺しだよ…)
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面白かった。
スパコンの京の開発、震災復興の活躍。
この二つの話しの中でのリーダーの力を感じる。
すべてに共通していえることは、リーダーが自分の力で自ら考え、それを突破していく力が息づかいのように感じる。
これが素晴らしい。経営者でなく、リーダーがしっかりと頑張れるのがすごい。
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「京」の話を見たいと思って読み始めたけど、すばる望遠鏡やアローヘッドの開発の話も興味深くてスラスラと読了。
「自分はこんなに大きな志を持ってやれてないなぁ」とか思いながらも、読んだイメージより現場はめちゃくちゃ大変だったんだろうと思う。