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失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選 (光文社古典新訳文庫)
日常が突如変貌する「トンネル」、自動車のエンストのため鄙びた宿に泊まった男の意外な運命を描く「故障」、粛清の恐怖が支配する会議で閣僚たちが決死の心理戦を繰り広げる「失脚」...
失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選 (光文社古典新訳文庫)
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商品説明
日常が突如変貌する「トンネル」、自動車のエンストのため鄙びた宿に泊まった男の意外な運命を描く「故障」、粛清の恐怖が支配する会議で閣僚たちが決死の心理戦を繰り広げる「失脚」など、本邦初訳を含む全4編を収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
トンネル | 9−31 | |
---|---|---|
失脚 | 33−112 | |
故障 | 113−207 |
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紙の本
デュレンマットを読もう!!
2013/03/01 22:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:一茶茂ン太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読んで、こんな面白い作家を知らなかったなんて、損してたな。
まだまだ素晴らしい作品で好みに合う作家は沢山居ると思うけど(笑)
さて短編が4つ収録されている。
1.「トンネル」・・最後はどうなるうだろうと読み進んだ。書かれた背景、意味するところが判らず、解説を読んでなるほど。訳者がデュレンマットを卒論に選んだ(留学して)だけのことはあり、翻訳と解説とも素晴らしい。
2.「失脚」・・・・今でもありそうな状況の国があると思わせる。ソ◎◎◎だけじゃなく、近い国もね。しかし登場人物がA~Pで表記されていて斬新なのか?私の理解力じゃ確認するのに付いている栞(登場人物記載)は必需品!
3.「故障」・・・・主人公は最後どうなるんだって読み進めさせられる。このオチ、想像と違ったな、色んなオチがありえるなと思った。ウ~ン、清廉潔白なんて無い、正義なんて見方、立場でで変わる、グレーを知ってしまった現代に生きてることを考えさせられる。
4.「巫女の死」・・・オイディプス王のお話、ギリシア神話に疎いので大変面白く読んだ。蜷川さんの舞台はネットで見たんだけど。望んだ正反対の結末とは皮肉なのか悲劇なのか。
兎に角、デュレンマットは読むべき作家と思う。
初読みで直ぐに他の作品も読みたいと思った作家は久し振り、取り合えず書店にあった『判事と死刑執行人』(同学社)を入手、早速読書中。また、リサイクルで『約束』早川文庫)を入手しました。古本屋さん回り復活!!
紙の本
中短編4編収録
2017/06/05 20:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
トンネル:短いはずのトンネルが、地球の中心への落下孔へと変貌してしまった話。葉巻の名前がブラジルなのは、地球の裏側だから?(舞台はスイスなので違うと思うが) 失脚:革命後の権力者たちの会議。書記長Aを頂点とする噂と疑心暗鬼が渦巻く集団で、核開発大臣Oが会議に姿を現さないことをきっかけに始まる心理戦。部屋から出たら逮捕されて銃殺されると危篤の妻の元に向かうことも拒む大臣。ラストは真っ黒。 故障:ちょっとした故障で運命が変わる世界で紡げる物語とは?で2部にそのお話。車の故障で民家に泊めてもらうことになった営業マンが、元は司法界にいた老人たちの裁判ごっこ(死刑執行人まで)につきあった結果。
紙の本
予想以上にブラックでした
2023/09/15 12:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ギリシア人男性、ギリシア人女性を求む」が面白かったので読んでみたのですが、かなりブラックな作品でした。
「失脚」、独裁政権や軍事クーデターの起きた国はこんな感じだろうか…と思わせる短篇。日々緊迫した心理戦を繰り広げて勝ち残ったら人間性が失われてしまうも当然か。ニュースで聞く信じ難い発言も、こういう人達には何でもないのかもしれません。
それに「故障」、クリスティにも裁かれない犯罪を扱った作品がありましたが、登場人物それぞれが恐ろしい。
本当に良く出来た小説でしたが…著者の人生はあまり幸福ではなかったのかな。