紙の本
対談なのに中身が濃く、オススメ
2018/09/23 20:36
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
良かった。ラジオ番組を文字化した形のせいか、中身が濃かった。
全部で放送6回分と番外編の収録が入っている。
そして、ちょうど2011年の3.11を挟んでの期間。
著者の別の本で読んだことのあるような意見も当然でてくるけれども、
鋭くて、とても納得感を感じる話が多くあった。
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機嫌よく楽しく暮らすためのヒントがいっぱい。もう経済至上主義の競争社会は「金と名誉」に汲々とすること。別の生き方を模索していきましょう。
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ラジオというメディアを「辺境」と捉えると、死に体と思われていてものが別の輝きを見せてくる。ローコストであるからこそ、余計なしがらみもなくいいたいことが言える。時間も自由に使える。その「生命力」の強さを遺憾なく発揮したラジオ放送からの書き起こし。無駄話のような気楽さから一気に、あるいは知らず知らずのうちに物事の本質を捉えた滋養に富んだ話が始まり、引き込まれていく。楽しい時間が過ごせます。
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2013.1.9 図書館
ポッドキャストを聞きながら、ゆっくり読むといいかもしれない。こういうことずっと言い続けてるのに、あのような選挙結果になったり、テレビの報道がああなのは何なんだろうね。
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「あとがきにかえて」で、内田・名越両先生がおっしゃっているように、この対談は「鵜匠」役の西さんあっての対談になっているということがたいへんよくわかる。
そんな西さんのすばらしい「鵜匠ぶり」に拍手!
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付箋メモ
①(p171:内田)
「弱者の立場を代弁して」と言って検閲的にふるまう人間が現れるけれど、僕はそういう奴がこの世で一番嫌いです。
②(p187:内田)
「祈る」ことは内観である。
自分の内側を静かに見つめて、呼吸を整えて、動悸を抑えて、それからゆっくりと自分の内側の様子をモニターしていく。
③(p189:内田)
閉じられた集団の中で、お互いきょろきょろ見ながら相対的な優劣を競っていると、集団全体としてはパフォーマンスが下がっていく。必ず下がる。
閉じられた集団内で優劣を競う場合、自分が上に這い上がることと、下にいる人間を蹴落とすことは同義。
自分の力を上げるよりも周りの力を下げる方が100倍くらい効率的。ものをつくるのは難しいけど、壊すのは簡単。
子どもを学習に向かわせることはもともとかなり難しい。よほどのモチベーションがないと子どもは勉強しない。
④(p228:内田)
理想の上司像とは。基本的に下の人たちを信頼すること。「好きにやっていいよ」って。成功したら功績は部下に譲り、失敗したら責任は自分がとる。「お前たちが失敗したらオレが腹を切るから」とニッコリ笑える人。「担がれ上手」であること。
⑤p264:名越・内田)
名:ディベートは悪い意味でのポピュリズムのための技術。風向きによってすぐに賛成を反対に変える、あるいは反対を賛成に変える。でもそこに説得力があれば、あたかもその人がその意見を考えたかのように騙される。理屈を超えた矛盾した信念みたいなものが何もない世界。
内:立場が入れ替え可能だということは、要するにどちらについても論理の脆弱性を暴露しているのと同じ。どんな風にも理屈をこねられる。それなら「どんなことでも理屈はこねられるんだから、理屈はこねるな」という結論にたどり着くべき。
⑥(p291:名越・内田)
名:暗い気持ちの中で考えたことはひどい偏見がこもっていたり、ものすごく極端だったりするもの。暗くてネガティブな気持ちや不安に駆られている時に判断したことは、その人の人生の中で大きな傷跡を残すことがすごく多い。
内:暗い気持ちで下した決断はほとんど間違っている。明るい気持ちの時は自然過ぎて、そもそも何かについて重大な「決断する」というような局面に遭遇しない。
⑦(p309:内田)
「怒っている奴」って集団の管理運営上の「危険要素」。そういう奴のところからシステムが壊れてゆく。
やるべき仕事をさぼったり、手を抜いたり、それどころか、「それをやるとシステムが壊れる」というところに「死なば もろとも」と手を突っ込んだりする。だから、前後を忘れて怒っている人がいると、「とりあえずそいつの怒りを鎮める」ということが集団の安全保障上の最優先事項になる。
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うめきた大仏を阪急電車にのりながら見てみたいです。年に数回の出張で行く大阪だから、駅前で楽しみたいです。
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同名のラジオからの本。辺境からこそ見えることがある、という趣旨で、押し付けではなく、こんなふうに見えますよ、というスタンスです。つまりある意味、いろいろ棚上げをして好きにしゃべる、という番組なのですが、故に面白いわけです。本にも、大体ラジオの面白さが残っています。
大阪に大仏を作ろうとか、毎回、いろいろなことがテーマになるのだけど、全体的には「個人の感覚」と「前向きな政治」が根底にあるような話です。甘い、と思うこともあるけれど、そうだよな、ハッと反省させられることも多い。「上機嫌で政治について語る」ことが大事だと。
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不定期に深夜放送されたラジオ番組を書籍化したもの。結構好き放題しゃべる内田・名越両先生を、真面目そうな西アナウンサーがフォローするという感じかな。
私が高校生だった頃が(ああ、昔話モードだよ)ラジオ深夜放送の全盛期にあたるのだろうか。毎日遅くまで聞いてた記憶があるけれど、一体いつ寝てたんだろ?
ラジオの持つ親密な感じがよく伝わってくる本でした。
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(以下引用)
(内田)ヒュンダイやサムソンみたいな世界的トップブランドに国内資源を集中して、それらが世界進出する代償として「悪いけれど農業のような国際競争力の産業分野の人は諦めてください」という考え方。たぶん韓国の場合は、こういう競争力のない分野の切り捨てについて、国民的な合意があるんだと思う。(中略)このシステムは明らかに階層化力学を是とする発想が前提にあるわけで、これをそのまま日本に持ってくるのは無理だと思う。(P.47)
(内田)「ものを決めようと思ったら、4人以上いちゃいけない」というのが兄貴の持論でしたわ。4人以上いるとクリエイティブな議論が出来ないんだって。(P.100)
(内田)実際に社会現実的にいろんな利害が絡みあって一筋縄ではいかないところへ、過度にシンプルな綱領を乗っけてもなかなか擦り合わせられない。やっぱり「擦り合わせ」って、人間の柄とか器量でやるわけですよ。それぞれの利害得失や自己都合がぶつかる場面では「悪いけど、今回だけはちょっとオレの顔、立ててくれないか。あとで埋め合わせするから」みたいな、中長期的なやりとりがないと落とし所が見つからない。(P.103)
(名越)だから「私には祈ることしかできません」と善良な人たちは言うけど、「じゃあ一度本気で祈ってみようよ」と言いたい。祈ることにことにさまざまなブロックがあるにもわかるんです。僕たちは科学的思考・合理的思考に汚されているから、祈りの最中に「無力だから仕方なくやってるけど、こんなことやって一体何になるんだ?」という声が邪魔をする。それを強い精神力で排除して、たとえ5分でいいから真剣に祈るための集中力を身につけてほしい。(P.174)
(内田)僕は結構「担がれ上手」なんですよ。基本、「好きにやりなさい。責任はオレがとる」ですから。でも1回も責任を問われたことがない。だって、「責任はオレがとる」という人がいたら、みんな質のいい仕事をするから。後ろ盾があると思って仕事をすると、たいていの仕事はうまくいくんです。後顧の憂いがないのと、1つも失敗ができないでおどおど仕事をするのでは、する仕事のクオリティが違うに決まってるじゃないですか。(P.228)
(内田)「この情報では是非が判断できない」という知性の使い方はありですよ。わずかな情報しかない段階で、決めることができるわけがない。(P.276)
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全国まちづくり会議に出席するために、新幹線で神戸に移動中。
内容はいつもの内田節に、名越先生の名越節が炸裂。
(1)内田:僕だって元は革命派だから。(笑)でも、革命派をやってきた末の結論が「革命はいかん」なんです。ちょっとずつできるところからぼちぼち手直しをしながらほころびを繕って行く方が、うさぎと亀じゃないけど、ゆっくり進む方が最終的には理想的な社会に確実に近づける気がする。(p258)
(2)名越:カウンセラーの、しかも名越という特殊な人間の世界観に従って言えば、暗い気持ちの中で考えたことはひどい偏見がこもっていたり、ものすごく極端だったりするものです。(p291)
(3)内田:大学で管理職をやった経験からすると、僕は結構担がれ上手なんですよ。基本すきにやりなさい、責任は俺がとるですから。でも1回も責任をとわれたことはない。だって責任は俺がとるという人がいたら、みんな質のいい仕事をするから。(p228)
成長ばんばんでもなく、橋下主義でもない、考え方のモデル。
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内田、名越両先生と自分とは考えの上でかなり隔たりああるけれど、いつもカウンターパートとして意外な考え方を提示してくれるという点では貴重な方々である。
内田先生には是非橋下さんの参謀をやって頂きたいのだけれど、決して相容れないのでしょうね・・・。
個人的にはサンデル教授ってインチキじゃんの件が気に入っています。
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主に内田樹の本でそれにプラスで名越、西靖という感じです。
Twitterの話とかが出てきたのは意外でした。しかも、なかなか肯定的な。
Twitterで伝わる一番重要な情報は、実は身体の不調だとか。「人間の弱さ」が分かってよいらしいです。僕はこれには少し否定的で、「身体の不調を書かれても心配になるだけやん?」とか思っちゃいましたが、こういう考え方もあるという意味では納得出来ました。
「祈ること」の大切さの話は印象に残りました。
祈ることしか出来ませんって言っても、本気で祈ったことないんでしょ?と言う論です。
真剣にお祈りする集中力を身につけましょう。
ビジネスにおける「ホウ・レン・ソウ」やマイケル・サンデルを批判するところはとても面白かったのでオススメです。
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MBSラジオ『辺境ラジオ』の番組本を読みました。
パーソナリティは、内田樹さん、名越康文さん、西靖さんです。
ラジオで聞いても楽しいのですが、
文章で読んでみても楽しいです。
番組の中で(おそらく)カットされた箇所も文章化されており、
ふむふむ、こういう話があったのか、と思いました。
MBSアナウンサーの西靖さんが、イントロ(まえがき)で、
ラジオの魅力や可能性について触れられていました。
≪ラジオというのは実に魅力的な空間です。まずなにより、音声だけのメディアであるがゆえに、言葉の選び方、会話の紡ぎ方が自然と丁寧になります。昨今はテレビでもネットでも現実の政治の世界でも、オープンな場で口角泡を飛ばして議論し、正しい結論が導き出されるという手法がもてはやされますが、ラジオという場では少し違います。相手の矛盾点を衝くのではなく共通点を探す。相手を遮って話すのではなく、じっくりと耳を傾ける。スタジオはオープンというよりもむしろ閉ざされた空間ですが、そのことがかえって話者の自由を保障する。スタジオの壁に囲まれてしゃべっているからこそ、言葉が、その壁をしなやかに越える力を持つのかもしれません。≫
≪音声だけという、いわば「不完全な」メディアであるがゆえに、その不完全性を補完してくれるパートナーを求めるメディアでもあります。もちろん、一番のパートナーは「リスナーの想像力」ですが、インターネットや出版など他メディアとの親和性が高い、というのもそのせいかもしれません。不完全なまま円熟期を迎えたのもラジオの面白いところだと思います。≫
さすがプロの、放送局の方だと思いました。
ラジオについて深く考えていらっしゃるなあ、と思いました。
長くラジオに携わっておられ、ラジオというメディアを
愛していらっしゃるパーソナリティや制作者の方々は、
ラジオが持つ無限の可能性を信じていらっしゃるのではないか、と思います。
テレビの長寿番組と、ラジオの長寿番組を比較すると、
私にとってはラジオ番組の方に特別な空気を感じます。
オーラとも違い、カリスマ性とも違うのですが、
何て表現すればいいんだろうか。
そんな私の気持ちのヒントが、この西靖さんの文章にあるように感じました。
実は今日、Amazonでラジオを注文しました。
ラジオを買うのは久しぶりです。
やっぱり私は、部屋にラジオがある部屋がいいです。
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これ良かった!!
個人的に好きなお三人さんというのもあるし、話してる内容にも非常に納得がいくことも多かった。
「梅田に大仏」…実現せぇへんかなぁ(笑)。