紙の本
ゴリラの生き様を鑑にすると・・・
2020/05/21 07:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:amisha - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴリラの研究者である著者の生い立ちからはじまり、ゴリラから学んだ数々の教えが、わかりやすい言葉で語りかけるように綴られている。
会話や遊びを通して他人と共感すること。自分のことばかりでなく、人のために生きるということ。争いは平和のためにあるということ。自然を大切にするということは何つながっているのか?エコ・ツーリズムに抱く希希望について。
身近な家族、そして他者との関わり(友人や恋愛)について思い悩む思春期の人達へのメッセージ、15歳の寺子屋シリーズの一冊。男女関係なく、大人にも是非読んでもらいたい。
人間社会では父の存在感が薄い。ゴリラの国では、オスはメスや子に認めてもらうこと無くして成長しないという観察眼に心打たれた。個→家族→集団。どこに属しているのか、自分の立ち位置を把握してこそ、日々を生きられる。ゴリラは私たち人間の鏡である。
投稿元:
レビューを見る
数年前に、土曜の午後のラジオを聞いていたら、山極先生がゲストで話をされていた。ゴリラの群れにとけこんで調査をしていて顔見知りになったゴリラと、その数年(十数年?)後に再会したときに、山極先生だけでなく、そのゴリラも、やぁしばらくだなぁという感情を持ったというような話だった。
最近、山極先生は「家族進化論」という本を出された。それも読みたいと思っているが、まずは入門編として、この「ゴリラは語る」を読んでみた。ゴリラ同士のけんかが、あまりひどいけんかにならないのはなぜか、など人間社会の変化と対比すると面白いことが書いてあった。
投稿元:
レビューを見る
ゴリラは人間の「鏡」…群れで暮らすゴリラが、人間のように殺し合ったりしないのはナゼ?ゴリラをみていると、人間特有の問題が見えてきます。そして、解決のヒントまでも。
へえ~、と驚いたり納得したり、ユーモラスでかっこいいゴリラたちから教えてもらえることがたくさんあります。そして人間につきつけられている課題も。
投稿元:
レビューを見る
研究調査のとき、雨宿りで著者が入ったほこらにゴリラの子どもいて、一緒に雨宿りをしてるうちにゴリラの子どもが著者の方に寄りかかってスースー寝息を立てた。というエピソード、読んだときにふわぁーーっとした気持ちになりました。
ゴリラの生態からヒトの行動を読み解くあたりは、さすが霊長類研究者。
とても良い本です。
投稿元:
レビューを見る
*推薦者 (農教) K.H
*推薦文 ゴリラの家にホームステイした?研究者の熱さが伝わってきます。15歳の…とついていると手に取るのを躊躇してしまうかもしれませんが,逆にそれだからこそ,著者の思いがストレートに伝わってきます。自分ってどんな人間?って悩んでいる時には、他の霊長類から見るとヒトってどんな?と考えると教わる事が多いようです。
*所蔵情報 http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00326171&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
投稿元:
レビューを見る
動物を研究している方と著書はとても心が温まるものが多いですが、この本もそんな一冊。
読み進めていくと、ゴリラのお話から環境保全や人のあり方など、様々な切り口でお話が進んでいきます。
中学生向けに書かれている本ということですが、大人という年齢になった自分でも、学ぶことがすごく多かったです。
投稿元:
レビューを見る
面白い。自分では全く解らないフィールドのはずが、何と無く伝わってくるのが不思議。全く理解していないけど、ゴリラを一部理解できた気がする。やはり、人間を客観的に見る機会は不可欠。言い争いが不毛なのとは解っているけど、辞められない弱さは、この懐の狭さがなせる技なんですね。期待しすぎない、だけど見捨てない。そのラインを見極めたい。
投稿元:
レビューを見る
30年にわたってゴリラ研究を続けてきた人類学者が、若者に向けた一冊。人間の本質を考えさせてくれる著作。
投稿元:
レビューを見る
山極寿一さん、国語の教科書に論説が載ってたぞ、おもしろかったぞと思って手に取った。「15歳の寺子屋」とあることからも、中学生に向けて書かれたもので読みやすい。「なぜ人間にとって、自然が大切なのか」という問いに対する筆者の考えに「なるほど!」と思いました。それは人間には自然からしか学べないことがたくさんあるからだ、と筆者はいいます。現代人は想定内のところで安全かつ自分の思い通りに生きていくことに慣れてしまって、思い通りにいかない=失敗ととらえがちだけれどもそうではなくて、思い通りにいかなくて当たり前だということを自然は教えてくれるよ等々ということが書かれています。
投稿元:
レビューを見る
初めて読む山極先生の本として、わかりやすくまとまっている。
私が読んで思うのは、ゴリラって優しいってこと。人間より圧倒的に体格、力ともに上だけど、敵に対して警告はしても、いきなり致命傷を与えるような攻撃はしない。人間は残念ながらいきなり発砲したり切りつけたりする者がいる。それどころか直接自分に害を与えない人間さえ殺すことがある。
「でも、彼らと共通の先祖を持っている人間も、かつては当たり前のようにいろんな生き物たちと、森でいっしょに暮していました。だから、敵と思えるような悪さをする動物とも共存できることを忘れてしまっているだけで、人間も本当はそういう心を持っているはずだと、ぼくは思うのです。」(p29)
ゴリラの日常は(人間に脅かされない限り)非常に平和で満ち足りている。
朝起きると食べものを探し、朝食。そのあとは遊んで、昼寝。夕方に木の枝や葉っぱでねぐらを作って寝る。子どもは大人に甘えたり叱られたりしながら社会性を学び、親はうまく子離れをする。読んでたら、ああ私もこういうゴリラ社会でゴリラとして暮らしたい、と思ってしまった。しかし、もちろん他の動物、とくに人間に脅かされることはある。密猟者にいきなり銃で撃たれたり、命を支える森を伐採されたり焼き払われたりすることもあるから、完全に幸せなゴリラ生っていうのも少ないのだろう。
言葉を使わず気持ちが通じ合える集団は人も類人猿も10~15人(頭)というのも面白い。これはスポーツチームの人数とほぼ等しい。(p54)顔と名前が一致するのは150人くらいまでで、これは狩猟採集民の共同体の人数。これを超えた人数と交流できるのは「言葉」があるから。(もちろん書き言葉の役割は大きい)しかしそれによって、個々の関りは希薄になる。
戦争の原因を考えるところ(p75~)も、子どもにとって刺激的な学びとなると思う。
ダイアン・フォッシーとの交流についても書かれていた。彼女のことは『サルなりに思い出すことなど』で人となりと研究者としてどうだったかが(愛情をこめて)書いてあったことを思い出した。
ジェンダー的に気になるところがちょっとあったが。
投稿元:
レビューを見る
先日読んだ本の中「人生を考えるのに遅すぎるということはない」
の 中で 気になった著者の本です。
この本は 中学生を対象に書かれているので
とてもわかりやすい言葉で書かれています。
しかも、先日の本はこの本の内容をピックアップしてまとめていたようで、読んだ記憶が・・・・
とは言え、ゴリラの生態など 未知の分野ですので
なかなか面白いです。
最後に 自然が必要な意味をまとめていました。
例えば 街中を歩いていても 突然なにかが起こるということはないけど、
ジャングルでは 何がおこるかわからない。 突然蛇が出てきたり・・・
そういう時に 咄嗟に何ができるか。
そういう柔軟な頭を育てるには 自然の中でもまれるのが 良いでしょうという事です。
人は文明が発達して 他の生き物たちより 優秀だと勘違いしているようですが
ジャングルなどに入ったら 手も足も出ない弱い生き物なのですから
他の生き物たちに 敬意を示して 地球上で 良い関係で共存していきたいですね。
投稿元:
レビューを見る
15歳の寺子屋シリーズの山極寿一さんバージョン
2012年の作品ですが、2014年には京都大学の総長になっています。また現在では退任されていますが、2020年の任期まで勤められたようです。
投稿元:
レビューを見る
ゴリラの集団の中に入って観察する。
リーダーはシルバーバック
集団で生きる動物は乱婚、つがいで生きる動物は単婚。人間は集団で生きてるのに単婚という独特な生きた方なので歪みがあるのでは。
ケンカもするけど暴力にはならない。自己主張はするけど他のゴリラが止めにきて終わる。
エコツーリズムで雇用にもつながる。
投稿元:
レビューを見る
「からだの美」で紹介されていて、読みたくなった本。
15歳の寺子屋というシリーズだから、それくらいの年代向けなのだろうけど、大人も面白い内容だった。
ゴリラは人間の「鏡」という表現が好きだった。山極先生のゴリラへの愛と人間であることの謙虚さが伝わってきて、心洗われる。
投稿元:
レビューを見る
霊長類学者・山極氏がアフリカでゴリラ一家にホームステイ、彼らを人間の「鏡」にして、人間の見方を変えるという主旨で書かれた本。
学校とは違う「出会い」の場として、様々な知識に関心を持たせるための「15歳の寺子屋」のシリーズの中の一冊である。
この本から学んだ点を以下にメモしておく。
・ほとんどのゴリラはリーダーとなるオス一頭と複数のメス、子どもの10頭ほどで集団生活している。
・オスは13歳ぐらい(人間でいうと20代前半)から背中の毛が白くなる。集団の中心になる背中の白いオスを「シルバーバック」、まだ、背中が黒いままのオスを「ブラックバック」と呼ぶ
・フィールドワークをしていると、ゴリラの間にルールのようなものが存在していることがわかる。
・ゴリラはサルと異なり、顔を覗きこまれても視線をそらさず、目と目を合わせる。
・ゴリラの会話の中でいちばん特徴的なのは、「グコグコグコ」という笑い声
・母親は見事に子離れするため、子どもは父親を頼りにする。父親はケンカの仲裁に入ったり、許容力が高く、懐が深い。
・ゴリラはケンカが始まれば群れの誰かがすぐに止めに入る平和で穏やかな動物
・人間は「土地」を所有することに執着するようになっから、衝突やトラブルを起こすようになった