紙の本
走りたくなる
2016/09/26 10:15
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投稿者:saya - この投稿者のレビュー一覧を見る
駅伝にかける青春。子供達それぞれに共感できるところがあり、引き込まれました。最初はこの子どうなの?と思っていた子もいろいろ思い悩んでいてそれぞれにいいところがあって、すごくいいお話でした。できれば最後みんなの絡みが欲しかったです。
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今、中三の子、その親、先生にもぜひ読んでほしい
2012/11/26 13:51
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投稿者:ねこすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
陸上を題材にした青春小説に新たな傑作がでました。
私もいま、中三の子を持つ親の一人です。うちの息子も陸上部です。駅伝は出場しなかったのですが・・・
いじめられたくなくて、必死で走った子、髪を金髪に染めて、虚勢を張って自分を鎧で固めていた子、頼まれたら断らない、いつも太陽のようにさわやかな子、その子をただ一人、よく思わない、芸術家気取りで余裕をみせていながら、自分が何をしたいのかわからなくなってしまった子、先輩にあこがれて陸上部へはいった駅伝を走るメンバーただ一人の2年、エースなのに、最後の駅伝なのに、思うように記録が伸びないキャプテン。
ブロック大会で6位以内に入れたら、県大会へ出場できる・・・
「あと少し、もう少し」みんなと一緒に走りたい。
中学3年間でこれをやりとげたと胸を張って誇れること、見つけられた子は幸せだと思います。
それはきっとこれからの人生で大きな力になると思います。
でも、中学生ってなぜか、卒業へ向けて盛り上がっていく周りや親や先生に逆らいたくなったり、つっぱってみせたり、素直になれないみたいです。
ほとんどの子にとって初めての試練である受験もあるし。
そんな中で走ってるときだけは、自分自身に戻れるのかもしれません。
最近のマラソンや駅伝人気もすごいですよね。
息子にも駅伝やってほしかったな。高校からでもやってくれないかな。
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たすきリレーに乗せたあの時の僕の想い。
2018/11/11 21:43
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬尾まいこさんは好きな作家さんです。
のほほんとした、すっとぼけ感が魅力です。心がやすらぎます。
この作品も、駅伝に真剣に取り組む中学生を描いていながら、
なんだかほっとする読後感がありました。
プロローグの0章、1区から6区までの章立てです。
各区を走る子たちでつむぐ連作で、
個性をつけたチーム編成です。いじめられっ子、ヤンキー、
お調子者、気難し屋、依存体質の子、優等生。
現実にはあり得ませんが、小説ならではのメンバーです。
でも、なんだか自然に引き込まれていくあたりが
瀬尾まいこワールドなのでしょう。
すっとんだ設定を読者の心にするりと入れてしまうのが
得意な作家さんです。
田舎の中学校なので、駅伝メンバーが足りません。
陸上部は、短距離・長距離・跳躍などの専門があって、
長距離だけで6人というのは簡単な数字ではないのです。
陸上長距離メンバー3人+助っ人3人。
それぞれ中学生っぽく心の中が揺れています。
中学校の駅伝大会に勝つという主題はあるのですが、
走りよりも登場人物ひとりひとりの人間模様に力点が
置かれています。
あと少し、もう少し。
前を走るライバルを見据えた言葉です。
そして自分を見つめる言葉でもあるのです。
駅伝を通して成長していく子どもたちを見ていると、
中学時代の部活を思い出してしまいます。
柔らかな気持ちにくるまれたい時にお薦めです。
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中学駅伝の話
2020/08/02 19:27
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学駅伝の地区大会に向けてチーム作りから本番までが描かれてた小説。走者ごとの視点で語られていて、それぞれの抱えている内面の問題が少しずつ明らかになる仕掛けで、まあまあ楽しめた。
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こんな思いを担って生きてた時あったかな。
ただ、襷を繋ぐ駅伝のお話なのに、ここまでサラッとそのとき輝いてる瞬間を描ききられるとは。
眩しいくらいキラキラ。青春だな。
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『ぼくらのご飯はあしたで待ってる』以来の瀬尾まいこ作品、最新刊。
中学生の対抗駅伝にまつわる物語。
それぞれ一区から六区までの区間を走る生徒たちの心情を区別の個人視点で、襷をつなぐように描かれている。
様々な悩みを抱えつつ、中学最後の駅伝に挑む生徒たち。
全体的に、これまで私が読んできた瀬尾さん独特の、楽しくも微笑ましい笑いの表現に、やや物足りなさを覚えた。
子どもたちの一所懸命さは伝わってくるが、物語自体の起承転結も盛り上がりに少し欠けた印象。
琴線に響いてくる部分があまり多くなかったような……。
そんなわけで、今回は星三つ、とさせていただきます。
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中学生駅伝大会までの日々を6人の走者の目線で描いた連作短編(形式の長編)。
陸上部員だけでは人数が足りず、部外の友人たちを巻き込んで大会に出場する。
経験豊富な前任者が異動となり、知識も体力もない美術教師が顧問になる。
彼女は駅伝の指導者としてはまだまだだけれど、生徒を観察する目と優しさは人一倍で、さり気なくチームをまとめていく。
駅伝のメンバー集め〜練習〜本番という流れで物語がリレーされていくが、ある話の裏側が別の話で描かれていたりして最後にきれいに収束していく。
中学生それぞれには事情があり、みんな悩みながらも前向きに成長し、全力を出して襷を繋ぐ。
とても清々しく、幸せに読める物語である。
ただどうも対象年齢が低い感じがしてしまう。それこそ中高生なら純粋に感動できるだろうか。
あまりに綺麗にまとまりすぎていて、ただのいい話で終わってしまった。
それぞれに個性的な登場人物ではあるものの、展開のベクトルが一緒のため全部似た感じになってしまったのも、飽きが入る。
物語の展開、登場人物が圧倒的に爽やかで憂いがないため、もう少し深味が欲しいと思ってしまった。
スレた大人にはまぶしすぎるかも。
http://www.horizon-t.net/?p=1110
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瀬尾まいこさんの作品を全部読んでいます。
読み終えるたびに、
瀬尾まいこさんが紡ぐ話って好きだな〜、と感じる。
「あと少し、もう少し」も読み終えて感じた。
お話は、
最後の駅伝当日の朝、頼りない先生 上原が突然言い出した。
「そうそう、エントリー変更したんだ」
信頼していた監督が異動した。あとに来たのは駅伝ドシロウトの美術教師 上原。
信頼していた監督から後を託された3年生部長 桝井くんはなんとか県大会に出場するためにメンバーを寄せ集めて、中学最後の駅伝に挑んでいく...
1区から6区。
駅伝の襷のように話がバトンされていく。
区間ごとの主人公にスポットをあて、走る前、走っている最中、そして次へと、襷と想いと物語を運んでいく。
瀬尾まいこさんらしい中学生を描いていく。
恥ずかしがったり、悩んだり、拗ねてみたり、意地はってみたり、そんな中学生が成長していく、青春してる。
でもなんといっても上原先生!
陸上も駅伝もド素人だからこそ一生懸命に人をみていた。
「あと少し、もう少し」と中学生が持っている可能性を広げていった。
瀬尾まいこさんはどんな先生だったんだろう。
小説みたいにうまくいかなくても想いはちゃんと伝えていたんだろうな。
駅伝が少し好きになりました。
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やっと読了。
1区から6区まで、毎回目頭が熱くなった。瀬尾さんの描く中学生、高校生の姿に、私は何回救われただろう。
中学最後の駅伝大会、県大会進出を目指し6人の練習が始まる。
それぞれに、家庭の事情や人知れず抱える思いがある。彼らがそれと少しずつ向き合うのにあわせて、私もどんどん頁をめくった。
共感、とは少し違うと思う。
でも、ひたむきな彼らの姿に私は胸を打たれた。必死に走る姿が思い浮かび、荒い息づかいが聞こえてくるみたいだった。
何もわかってないようで、実は一番わかってる。上原先生、本当にすてき!
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「モノがあるから、心の豊さが失われていく」
ということを、僕は信じない。
それは、日々進化していくモノについていけない大人が、
「あのころは、モノがなくても、楽しかった」と言いたいだけの、
ノスタルジーだと思うからだ。
それと同じように、たとえば、中学生の心の問題などを、
昔と対比して、深刻になったように思わせる姿勢は、違うと思う。
豊かさを失うのは、大人の方だ。
それを大人が子どもに押しつけてるだけだ。
瀬尾さんの新刊「あと少し、もう少し」は、
中学駅伝が、舞台。
特別ではない、6人の男子中学生が、
襷をつないでいく、それだけのお話。
それだけの話なのに、
それぞれの想いを知るとき、
もはや「それだけ」ではなくなっていく。
相変わらず、瀬尾さんが描く中学生は、カッコイイ。
その「かっこよさ」は、決して、
さわやかとか、優しいとか、モテるとか、
そういうことではない。
この話に登場する中学生も、
いじめられっこ、ヤンキー、
お人よし、知的に見せたがり、
先輩に憧れる後輩、和ませキャラ、
と、単純にカッコイイわけではない。
しかも、それぞれの内面には、
様々な葛藤を抱えている。
けれど、それぞれがそれぞれと関わりあうことで、
それぞれは、自分や「世界」をわかっていく。
思春期は、みんなそうだったのだ。
瀬尾さんは、中学教師だったこともあり、
そのことを、たぶん、わかっている。
そして、本当に中学生を「カッコイイ」と思っていると思うのだ。
それが、失われていない「心の豊かさ」だ。
自分の心の中に違和感を抱えたり、
どういう立ち位置で生きていくのかを、
選べない中で毎日を過ごすことは、理不尽に思うはず。
その対処法すら覚えかけの中学生の毎日は、
思っている以上に、しんどい。
そんな中学生が、「豊かさがない」わけないのだ。
泣いたり、笑ったり、絶望したり、でも前を向いたり。
そんな中で生きることは、カッコイイ。
陸上部顧問に「なってしまった」上原先生が、
カッコ悪くも、少しずつ、誰かに影響を与えていると思うと、
やっぱり、それもカッコイイ。
人が人のことを「わかる」というのは、
錯覚なのかもしれない。
でも、その錯覚で心は動いていくし、
関わり合って絆は生まれる。
そんな当たり前のことを、
ぼくらは学んできたはずだ。
それを忘れるような「豊かさを失った大人」では、いたくない。
中学生のときの自分に、
それを耳打ちされたような、
そんな気持ちになったのだった。
ちなみに、1区から6区までをそれぞれの主人公を立てて書く感じが、
「風が強く吹いている」のようだなぁ、と思った。
これも映画化されないかな、と密かに期待している。
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「中学生描かせたら瀬尾まいこ」な間違えなしの瀬尾まいこ。
現役中学教諭だからか、本当に上手でリアル。
今回は中学駅伝。
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中学駅伝の話。でも、1人1人の心情などに重点を置いた書き方。
それぞれ、自分のキャラの下に抱えるものがあるのだということは伝わってくるが、」それがいまいち駅伝に結びつき切れていない気がする。
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6区間の駅伝が舞台。
区間ごとに主人公が変わるって、まま見られる手法だよな、と思いながら読んでいると、5区間の俊介まで来て、なぜか急に登場人物がみなビビッドになる。みな内面に色々なものを抱えて、この駅伝に臨んでいる。相手にタスキを渡した瞬間に何かが弾けている。
とにかく瀬尾さんの中学生の描写がうまくて、うなる。それも今回は全員男子だ。同性愛も。
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一区ずつ読むつもりが一気に読んでしまいました。
久しぶりに登場人物に入り込んで読んでしまった。だから、始めはあんまり上原先生のこと好きじゃなかったし、もっとしゃっきりして!えっと、て言わんで!と思ったりした。
でも、一区ずつ、一人ずつの話を読んで行くうちにだんだん先生のことが好きになってきた。
先生視点のお話はなかったけど、(それがまたよかった)皆の心を通して、上原先生の人物像が浮かんで来た。
一区ごとに襷を渡す相手が深く関わった相手で、ああ、この時、こう思ってたんだ、と何度も物語を味わえた。
やはり、優しい感じで淡々とお話は進むんだけど、人物の心情があふれだすように語られるくだりになると、もう、心の中にその生徒の想いがおさめきれなくて、一区ごとに涙が溢れてきました。
中学生の心情なんだから、言葉の選び方もシンプルで、平凡なんだけど、一人一人の顔が思い浮かんでくる。瀬尾さんの作品は、割と読んでいますが、こんなに涙が出たのは初めてでした。今年の終わりにいい本に出会えてよかったです。
なんとなく、川原泉さんの『甲子園の空に笑え!』を思い出しました。
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中学三年、最後の駅伝に臨む男の子たち6人の話。
6人の思いが、1本の襷に込められ、繋がっていく。
参加するチームの数ぶん、参加する生徒の数ぶん、ドラマがあるんだなぁ、という感じでした。