紙の本
読んでほしい
2013/06/27 00:11
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投稿者:どめす - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生にも社会や、彼らなりの考えがあることを痛感させてくれつつ、考えさせてくれる。
とりあえず読んでみてほしい。
紙の本
アルバイトとは思えない奮闘ぶり
2017/03/16 23:02
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
アルバイトの音楽教師がいじめ、モンスターペアレント、モンスター教師、ことなかれ体質などに向き合った小説です。一見堅いお仕事小説のようですが、主人公が若く、子供たちの描写が多いので青春小説としての面も強いです。そして、自身の進路もぶれています(笑)。なかなか文章量はボリュームがありますが、展開が早くさらっと読めました。
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教師はいつだって悪者だ。思い出したかのように、メディアが「教師バッシング」を行ったかと思えば、マンガの中では生徒が教師に「叛逆」して読者からの喝采を浴びる。「モンスターペアレント」は日々学校へ、担任教師への批判を垂れ流し、そうでない親たちは、家庭内で教師への疑問を独りごちる。そんな中、ファーストフード店では中高生が教師の悪口話に花を咲かせている。教師はいつだって悪者だ。
たしかに、旧態依然としたいわゆる「教師」像は、さまざまな「イノベーション」が望まれている現状に見合わない存在なのかもしれない。しかし一方で、教師はそうしていなければならない、という事情だってあるはずだ。学校には学校の文法があり、教師はその文法に則って、精一杯の力を発揮しようと努力しているとは捉えられないのだろうか。
では、その「学校の文法」とやらが間違っているのではないか。いいや、それだって長い年月をかけて蓄積された理論や実践に基いて作られたものであろう。そして、それはおそらくまだ完成していない。急激な「教育改革」など無用だ。「学校の文法」は今なお、じわりじわりと――それはハワイが日本に日々近づいているように――形を変えているのだから。
本作「教室に雨は降らない」の主人公「森島巧」は、小学校で音楽を教える「アルバイト教師」である。決して教師を目指していたわけではなく、友人に勧められるがままにとった教員免許を持て余し、大学卒業後もしばらくフリーターのように暮らしていた男だ。しかし、児童らとの交流をきっかけに、本人も気づかぬうちに教育熱を帯びていく。
さて、これだけ見れば、本作はありがちなものと感じるかもしれない。「アルバイト教師」であるからこそ、破天荒さを武器に、旧態依然とした教師たちの理論をねじ伏せ、児童からの信頼を勝ちとる。たとえば、藤沢とおるさんのマンガ『GTO』に見られる展開が想起される。
しかし、本作はそんなレールに乗らない(乗せない?)ところが面白い。なるほど、「森島巧」は破天荒だ。フットワークも軽い。児童からの信頼も得た。ところが、とんだ「甘ちゃん」なのである。現実を知らなすぎる。学校現場からしたら、はっきり言って邪魔な存在――「目の上のたんこぶ」というのではなく、文字通り「邪魔」な存在なのだ。
つまり、本作は「学校」をぶっ壊すような破天荒な「アルバイト教師」を主人公に据えながら、旧態依然の教師――本職としての教師――の強さを際立たせる作品である。
もちろん本作の中で、主人公である「森島」は格好良く描かれている。だが、それは確実に空回りしている。伊岡さんの狙いはわからないが、本作はうまい具合に『GTO』系の作品群のアンチテーゼとなっているし、つまりそれは「教師」を一方的に悪者にしない配慮がなされているということもできる。
本作にはさまざまな形の教師が登場するし、本作に登場する教師も現実の教師同様「悪者」だらけだ。しかし、じっくり読んで「森島」への違和感を覚えたとき、本作は急激に面白いものへの昇華していく。
【目次】
教室に雨は降らない
第一話 ���スファイア
第二話 やわらかい甲羅
第三話 ショパンの髭
第四話 家族写真
第五話 悲しい朝には
第六話 グッバイ・ジャングル
解説 北上次郎
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小学校教師をしている身内に、応援代わりに勧めてみようか…。
けど、どこまで現実に近いのか、教師の熱意は実際どの程度のものなのか、そもそもアルバイト教師なんてものがあるのか…。
自分の小学生時代とは比較にならないので思い返してみても想像がつかなかった。
けど、あの頃学級崩壊なんてものはなかったし、教師っていうのはどの親も敬っている“先生”という確たる存在だったように思う。
まぁ、それが自分の友人や身内が先生をしているのを現実として見ると、先生もただの人なんだな〜、仕方ないよな〜と時折思う。
話の中で、森島が客観的に生徒の印象を語る部分が入る度に、自分は先生にどんな印象を持たれていたんだろうか…と今更想像というか、回想してしまう。
けど、自分にとって影響のあった先生は小学生から高校まで、少なくとも2人…いや3人出会った。これは世間的に、多いのか少ないのか分からないけど、大人になった自分としては、今の自分と当時の先生方の年齢を比較して、自分はどんな大人になってるんだろうかと反省の材料として、今も先生を見本にしている部分はある。
とりあえず、現職の小学校教師の身内に感想を聞いてみたい。
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良い話や。
臨時採用音楽専任教師が生徒を取り巻く問題に奮闘。
フットワークの軽さ!職員たちの人間関係etc.も現実味は薄いが。
どのエピソードも無事解決。主人公の森島の人望も保ったまま。安西との仲も上手くいっている様子。
ハッピーエンディングで良かったね。
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森島の未熟さ、青臭さが逆に心地好く感じられた。
勢いが最後まで持続していたらもっとよかったのにと思う。
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バイトの音楽先生が、体当たりです。
熱血ではないけど、冷静さを持ってプチ謎解きしていきます。
教育現場の面倒なテーマ込みですが、重過ぎず、よいスパイス。
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どちらかと言うと長編を好むので連作のスタイルはどうかと思ったけど、なかなかに読み応えがあった。まぁ氏の長編の面白さには及ばないが。
学校が舞台という事でいつもの雰囲気とはだいぶ違うけど、脇役まで含めてキャラが立っているのはさすが。隙がない作り込みよう。
代償や瑠璃の雫に比べて激しく揺さぶられる感じではなくライトな読み応えで低年齢層でも入りやすそう。
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小学校の臨時音楽講師となった森島巧。腰掛け気分で働いていた彼だったが、子どもたちの様々なトラブルに関わるうちに徐々に心境に変化が芽生え始め…
序盤は登場人物たちの行動が極端に感じたことと、臨時講師に関わらず他のクラスの問題に積極的に関わっていく森島の姿の違和感が強く、なかなか入り込めないところもあったのですが、
後半以降、ミステリ要素が減り、生徒の好き嫌いを隠そうとしない教師の存在や子供内のパワーバランス、学校の隠ぺい体質、森島自身の岐路を描き始めたあたりから面白く読み進めることができました。
読んでいると小学校教師の大変さと外からは分かりにくい職場環境から来る閉塞感や気苦労というものが伝わってくるような気がします。
たぶん森島がこれだけ動けたのも、”臨時”講師という肩書のおかげというものもあったのかと思います。それだけに教師の限界というものもこの本では描かれているように思います。
結末でいきなり思わぬ方向に話が言ってしまったのにちょっと違和感があったのが残念でしたが、利益や保身のことを考えず、現代の学校事情に喝を入れるような彼の行動は読んでいて少し爽やかな気分になれました。
個人的には井岡さんにはミステリのサプライズを意識せずに小説を書いてほしいなあ、と思います。
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まぁ、面白かったかなぁ。最初の方はちょっとミステリーっぽくて、しっかりしていて格好良かったけど、中盤以降は思い悩んで、青い熱血教師ものみたいだった。
でも懸命に自分にできることを模索して行動して行く様は見守ってあげたくなります。
舞ちゃんが良かったな。特にラストが(^^)
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正直、意外でした。
全体を通して面白い。これといってこの話が良かった、って訳ではなく、この作品全体が妙に清々しく、引き込む力があった。
とりあえず読み終えて思うのが、女性の強さ。(笑)
出てくる女性の登場人物が皆強い…いや、大人びている。…いや、描写がとてもませているのかな?意外と最後は森島を手玉にとっている風の安西先生、小学生とは思えない舞ちゃんと雛子ちゃん、鉄仮面の白瀬先生、人妻オーラで迫る雛子ちゃんの母。(笑)
レビューを書いてて思うのが、小学校や中学校を舞台にした小説って苦手なはずなのに、終わり方も特にサプライズもないのに、妙に受け入れられて面白かった。
ジャケ買いで、この伊岡瞬という作者の作品は初めてだったけど、別の作品も是非読んでみたいです。
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小学校の音楽の臨時講師 森島 23歳。柔軟な考えで小学生に対応していく。大人な教師には考え付かない事をするので若干煙たがられるけれど小学生がこの先生を好きになるのがよくわかる。
うるさい母親、虐待する親、いじめられる子、教師の対応のまずさに心身症のようになってしまった子、今どきの小学生も大変だ。
そんな彼らに自然体で素直に接する森島先生を私も好きになってしまいました。
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3作目の最高傑作(瑠璃の雫)に続く、4作目。
連作という構成は1,2作に戻った。
次作は長編が読みたいと思うのは僕だけだろうか。
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この著者の作品は二冊目だったけど、これも良かった!!この作品も個人的にかなり好き。
短編集からなる、長編小説で一話一話の終わり方がすごく好き。読み進めたくなる。タイトル通りな前向きな作品。
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小学校のアルバイト音楽教師の連作短編。家庭内暴力だったり、いぢめだったり。
んーなんというか、普通。