紙の本
新浪社長の独自で先見性のある戦略が伝わる良書
2013/01/25 19:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ともかす - この投稿者のレビュー一覧を見る
メディア上でも活躍している新浪社長の思想や経歴に関心があり購入しました。
独自戦略が見事に先見性があり、時代にマッチして成功し続けている同社長の魅力が充分に伝わってきて、ファンになってしまいました。
圧倒的シェアを誇るセブンイレブンとの戦略に対して、全く逆の戦略で成功し続けているのは見事です。セブンは徹底した中央集権に基づき、集中的に店舗展開するのに対して、ローソンは権力を徐々に現場にシフトして多角化しながら店舗展開していく戦略は、個人のニーズが多様化していく現代に非常にマッチしていると思います。更に現在進行形で、築いてきた多様化に対応出来るスキームを活かして、エンタメ分野、海外へアプローチして更なる拡大を目指し続ける戦略は見事です。
作者のロジックも非常にわかり易く、新浪社長の実践した戦略を一般的にわかる様に記載してくれているので、経営戦略として学ぶのにも最適と思います。
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・「顧客のために」の徹底
・「中央集権」から「地方分権」
・加盟店を「3つの徹底」(品揃え、接客、清潔)で評価
・ポイントカードによる購買の徹底分析
など、従来のローソンから新浪社長による改革の物語。
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2013年2月期に10年連続の営業増益を達成したローソン。しかし驚異的な日販水準を維持するトップのセブンイレブンも、ampmを買収した3位のファミリーマートも出店攻勢の手を緩めない・・・。
飽和点とされる5万店を超えたコンビニ業界は、潰し合いのフェーズに入ったとされる。数年前から出店の限界が囁かれてはいたが、競争はよりシビアになっている印象だ。そこに至り業界トップと同じ戦略では体力勝負に陥る可能性がある。ナチュラルローソンにローソン100と、チェーンストアオペレーションの逆張りを行くようなローソンの戦略も、この本を読むと納得感が出る。
店舗多様化と店づくりの分権化、そしてPOSデータを超えるCRM構築は本部主導でと、新浪自身が「そんなにビューティフルではない」と言いつつ、ローソンのこの10年間は戦略的一貫性をもって進められてきたことがわかる。セブンはよく見かけるしモノも良いけど、いつも通っていたら飽きる。一方、青のレギュラーローソンの存在感では劣るけれども、トータルで生活を捕捉しようとする姿勢が面白い
やがて時が経ち、ローソンも分権化の弊害に悩む局面が来るかもしれない。その時に次代のリーダーたちが立ち向かうことができれば、新浪の経営は成功したと言えるのだろう。
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ローソンを変えた新浪社長によるローソン再生の真実を、貴社の目からえぐって行く作品。決して自伝ではないので、正当化するためのものでなく、非常に勉強になった。
個を動かすとはどう言うことなのか。
東北大震災の際のローソン高瀬店
ローソン社長に抜擢された際、下からガンガン言ってくるヤツだと思うけど(笑)冷静になって考えてみると、彼は自分の意見を持っているから立派。上に物を言う人間が大勢いると、経営がミスリードされなくていい。
経営者が正しい針路を知っていても、船の漕ぎ手に正しく伝えて協力を得る、つまり漕ぎ手の人身掌握が難しく、経営学のケーススタディではほとんど語られることがない。美味しいおにぎりを作ろう!と言う社長の考え方は、実際に顧客に美味しいを言われるものを本気でつくる、調達力や物流網が重なって成功。成功体験が会社を変えて行く。
多様性がキーワード、強者セブンは「セブンはどこまで言ってもセブン、まして看板の色を変えると言うような奇をてらったようなことはやらない」王者の戦略である。一方でローソンは看板を提携先とのコラボでは相手に合わせ、ナチュラルローソンも併設店もなんでもやる。地方分権も大事、本社が企画するカニ丼なんて、北海道のお店でやる必要はない。周りに美味しいカニ丼がいくらでもある。でも、北海道で売れる弁当を独自につくるのはありじゃないか。それを本社が、予算や権限を傘に偉そうにしていても絶対にできない。
コンビニを覆面で調査するミステリーショッパー。加盟店を様付けし、加盟店さまを禁止。対等のパートナーとする。顧客がお客様であって加盟店はパートナーだ。加盟店さまと言っているうちは、加盟店さまが心地よい商品が並ぶ。真の顧客主義には至らない。一般的には、役員さまが言っていることが正しい、言うことを聞かなければそれはサラリーマンとして死を意味することさえある。そうした中で、意識を顧客に向けたうえで、それを前提とした顧客重視の考え方が役員様よりも正であると言う組織に変えるには、社長が声を出す以外に何か組織上の担保を行ったのだろうか。
加盟店にも権限移譲を図って行く。これがMOと呼ばれるマネジメントを行うオーナーさんのこと。経営指導を行いながら、エリアや経営する店舗全体のマネジメントに注力する形態。例えば、30代おひとりさまの女性が狙い目でそこにマーケティングを行うと言う全社方針があったとする。それは、あくまで30代女性に伸びる可能性があると言うこと言っているのであって、そこしか狙うなと言っているわけではない。個店で取り組めばいい。
BPR=Business process Re-engineeringは、話なんか聴いてたらできない。強さの為に、組み替えることを厭わない。腹の括りが大事。そうでなければ、アウトソーシングできそうな業務はなんですか?と言うことになり、普通のマネジメントでは、出せない。自身が無能であることを示すから。そうではなくて、優秀な人材をドラフトに出し、引く手数あまた。そう言う場を作り、放出できるマネジメントを評価する。
個人が危機に対して、物流やシステムから切り離された状況の中、自分で考え、1日も店を閉じないという結果を導いた。
今、その松田さん(オーナー)は何をやっているのだろうか?変化はあったのか。本社の指示を待っていれば間に合わない中、燃料調達や物資補給路線を繋いで行った。(平時の組織であれば、上のいうことを忖度し、実行するヒラメ、サラリーマンが評価されているのに、どうやって育て、どうやってこういう人材を社内、しかも然るべきポジションにキープし続けられるのだろうか)
経営者がとは何か、スクエニ社長のインタビューによると、「小売の素人だった」が、市場が求めているものは何か、そしてローソンが持つ貴重なアセットは何か、がわかったうえで戦略をつくる。これがプロの経営者だと。
サントリーの持つ貴重なアセットとは何か、そして市場は何を求めていて、それはキリンもサントリーもやっていない。だからまあプロ経営者である新浪社長がいく意味があると考えたのか?そして、典型的なオーナー会社にあって、そのオーナー家の意向を踏まえつつ、プロ経営者としてやる期間はどれくらいと考えているか?
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新浪社長の10年の軌跡。あきこちゃんによるSNSの活用、プレミアムロールのヒットといった一部の事象の表面しか知らなかったので、本書の中の様々な事例が勉強になり、刺激になりました。
「顧客を最も大切にすること」の大切さを一貫して発信し、行動し、結果を生んでいく。その中で、社員、オーナーが「個」として生き生きと動き出していく。読んでいるとワクワクしてきます。
MO制度、pontaのビッグデータの活用など勉強になることは畳ありましたが、何よりBPRの西口氏の取り組みが最も印象に残りました。
「あるべき姿」を求め、見つけたら徹底してやり抜く。完全にローソンのファンになってしまいました。
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目次読んだだけで、読みたくて読みたくて仕方なくなります。
PONTAのヒントを得ようと買ってみただけですが、思いもよらぬ収穫を得た感じ。
Amazonに勝てるのは、ローソンか。
マーチャンダイズという小売機能はたしかに既存モール事業者にない大きな強み。Amazonもそういう意味だと小売機能ももっているわけで。
販売者責任という意識と顧客志向、これ大きく関係してると思う。結局責任持たないのであれば、なんでもそうだけど、口だけになってしまう恐れが大。
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脱POS、というキャッチにひかれて購入。脱POS=IDPOSって。。。
その点は期待はずれだったけど、リーダーとはどうあるべきかという点で、頭の体操ができたかな。
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新浪剛史氏が株式会社ローソンCEOに就任したところから始まる本書。
日本独自の文化であるコンビニ本としても面白い1冊。
調整力、体力、忍耐力等々、足りない力だらけを思い知らされる。
個を活かしていくという流れにもぴったりだと。
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なんとなく気になってポチッとした本。
ローソンの戦略というか、新浪さんの戦略がわかる本。
セブンは圧倒的やと思ってたけど、ローソンは別の道を探り続けて、新しい組織、新しいビジネスに変わってきてる。社会的変化、組織が継続できるのかって考えるとローソンが勝つ可能性はまだまだあるなと思える。
人によって受け止め方は違うやろうけど、個人的には合う。読んでて、何度か血がザワワザワワってなる。それだけ魅了される。マスコミを利用して、まわりからあいつ馬鹿だって思われるのも想定内。人を動かす、人を育てる、強い組織にする。形だけならできるけど、それじゃ意味がない。着実にやってのける、そのリーダーシップに憧れる。
ホント基本的な考え方だし、どの業界でも参考になると思う。部下の立場でも、上司の立場でも、もちろん経営者も。できる限り、こんな人になりたいと思えた本。
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三菱商事からローソン社長になり、厳しいコンビニ業界において、10年でローソンを立て直した新浪氏のドキュメント。熱い。
ハーバードMBAのエリートでありながら、その手法は徹底した現実主義、合理主義であり、かつ熱く厳しいリーダーシップも印象的だ。こういう方を見ると、経営者やリーダーにはやはり天性の資質というものが存在すると感じてしまう。氏はまぎれもなく、現在のスター経営者の一人だろう。
しかしそんな天分のない普通の人間が、組織を率いることになったら、どうしたらしいのだろう。あるいは、カリスマ経営者なき組織はどうしたらいいのだろう。リーダー待望論を語るのは容易だが、理想を語ったところで、すぐに救世者が現れるわけでもない。
本書からのメッセージは、理論から入るのでなく、与えられた環境を所与のものとして受け止め、現実をベースに徹底的に悩み考えなさい、ということだろう。新浪氏の社長就任時点で、キャッチアップ不可能な距離にあった、セブンイレブンとの経営環境の差。それを逆手に取っての斬新かつ現実的な発想と実現に向けた熱意。これに触れるだけでも本書は一読の価値があると思う。
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ローソンの新浪社長のインタビューを元にした本です。読んだ印象は新浪社長は日本に数少ないプロの経営者であると思いました。
日本におけるコンビニエンス業界でナンバーワンの企業はまぎれもなくセブンイレブンであり、その事実は動かし難い。ただその現実を前にして二番手企業としてどのように強みを発揮するか経営者の手腕であり、ローソンの採った様々な戦略もその視点で見てみるとあっさり理解出来ます。
全体でセブンイレブンに勝てないのであれば勝てそうな分野を見つける。セブンイレブンがコンビニの主力世代である20代~30代の男性をターゲットしたコンセプトの店を作るのであれば、ローソンは働く女性をターゲットにした「ナチュラルローソン」を作り、共働きの主婦を意識して店舗に野菜や果物といった青果を置くコーナーを作り、従来とは違うターゲットを対象とする。
利用金額に応じてキャッシュバックを付与し、一見するとリピーター獲得を目的とした「ポンタカード」も真の狙いは、レジで店員の判断で性別や年代を把握するセブンイレブンのPOSシステムよりより精緻な売上データを獲得する事が目的。
セブンイレブンが実質創業者である鈴木社長の強烈なカリスマによる中央集権型企業を目指すのであれば、ローソンは本社から地方に権限をどんどん委譲し、現場での発想力を期待する仕組みを構築する等、明らかにセブンを追いかけるのでなく、セブンの戦略を見つつも自分達の勝てる分野やセブンとは異なる手法を追い続けているのは確かです。
以前読んだ「良い戦略・悪い戦略」の本における、よい戦略の基準である、一点集中、何をやる、何故やる、どうやるが明確な点を全てクリアしていますので見事なものだと思います。
ビジネスマンとしても大いに参考になる書だと思いした。
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ダイエーの立て直しの資金集めのための見せかけだけの拡大事業を、どのように立て直したかがわかる。
マネジメントをどんどん地域に細分化しながらも仕入れ部分は顧客のデータを最大限活用してデータ化し、効率化。
何が一番参考になるって、顧客をしっかり見ることがどれだけ重要かってこと。
社員のモチベーションも上がるだろうなと思った。事例が多いからすぐに読める
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流通業界とは異なるところから、若くしてローソンの新浪社長の10年の軌跡をまとめ本。
ダイエーのオーナーとの親交から始まり、ローソン社長に就任し、おにぎりのヒットなど業界1位のセブンイレブンを追いかけるといわれる手腕について、全10章(1章は就任前、10章は半生のまとめ)で、この10年がわかる。
一言でいえば、業界1位の真似をするだけではなく、顧客を大事にし、セブンイレブンの中央集権から分限委任を行い、ナチュラルローソンを作るといった差別化のビジョンを示し、努力する方向性の仕組みを作ったことが業績だと思う。
CSはまだまだできて間もない業態なので、高齢化社会での今後の方向性も見ていきたいと思った。
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P:295 抜き書き+感想:3252字 付箋数:12
(対ページ付箋割合:4.07%、付箋毎文字数:150)
★★★
・祈るような気持ちで眺める松田の目の前、店からわずか50メートルほどの場所で津波はようやく動きを止めた。安堵した松田が、その次に思ったのは、自らの財産のことでも将来への不安や絶望でもなかった。「とにかく店を開けよう」
電気も水も途絶えている。商品は棚から落下して散乱している。だが「それでも店は残った。営業できる」と松田は思った。
>>/> 考えたように生きなければ、人は生きたように考えるようになる。
・タンクローリーから直接給油することは法的に認められていない。ローリーで運んだ油をひとまず貯蔵施設に入れ、そこから給油する必要があった。だがローソンには当然ながらそうした貯蔵施設はない。
「油」「タンクローリー」「運転手」「貯蔵施設」。西口はこの四つの要素について、時と場所がうまく噛み合うように調整する必要があった。
>>/> こんな規制が。。知らなかった。
・2002年3月、新浪は社長就任含みの「顧問」としてローソンへ出向した。送り出した三菱商事社長・佐々木は、新浪にこう告げた。
「新浪君、『民意』を得ることが大切だ。実るほど頭を垂れる稲穂だよ。それと、改革はスピーディーにやることだ」
>>/> 改革のスピードは、あまり考えたことが無かったが、ふむ。
・新浪が給食会社で学んだのは「基礎」の重要性だ。その給食会社は年商およそ10億円程度。大手給食会社に規模では及ばない。どう戦うか。顧客満足度を上げるには、メニューを充実させればいい。メニューの数を増やすのもよし、和食から洋食、中華などジャンルを増やすのもよし。だが、その開発のためには「体力」が必要だ。年商10億円の同社が、大手給食会社に物量で挑んでも勝算は乏しいだろう。
どこかに経営資源を集中投下する必要がある。新浪は、まずは給食会社が提供するサービスの基礎である「ご飯」と「みそ汁」の改善に経営資源を注力する方針を固め、原料や調理方法を見直した。特別なメニューを作って、それがおいしかったとしても、「おいしい」と言われるのはそのメニューについてのみ。だが、ご飯とみそ汁はどの定食を頼んでも付いてくる。これらの品質を上げると「あの食堂はうまい」という評判につながった。
>>/> 戦略でも、提供しているものの基礎が大事。
・― 商品部の仕事のやり方で、何がまずかったんですか?
「お客様を見ていないということに尽きますね。いわゆるプロだと言っている連中がプロじゃないんですよ。ダイエー系だったので『For the customer(顧客のために)』というスローガンを掲げていたけど、全然できていなかった。『いつまでに新商品を出さなきゃいけない』と追われるだけで、起源に間に合わせることがプロの仕事だと思っている。本来、お客様を見て、徹底的に考え抜いていかなくちゃいけないのを怠っていたんです。それも、お客様が求めているものじゃなくて、粗利益が取れるものを店舗に流していた」
>>/> プロの基準と思っているKPIがお客様とずれている。とてもありがちな、下らないプロ意識。
・コンビニ業界は自らを「20~30代男性」の顧客に最適化することで成長してきた。その中で、周囲に高齢者しか住んでいないような田舎にぽつりと店を構えるなど、高効率の立地にドミナント展開できていなかったローソンは、つまり、立地だけ見れば、業界首位に比べて「20~30代男性」に特化しきれていなかったと言える。だが、これを反転させればどうだろう。コンビニを縛り続けてきた「20~30代男性」というセグメンテーションから、より自由な可能性、「多様」な可能性に開かれているとも言えるのだ。
>>/> 関東のベッドタウンに住んでいると意識できないけれど、コンビニは均一化を追求するしかないように見え、セブンイレブンがその王者であるように感じる。個々の店の多様化を一つのチェーン、フランチャイズで可能だと、狙っているとは、思わなかったなあ。
・新浪が加盟店オーナーに要求したのは、店舗運営におけるたった三つの「基礎」だけだった。ローソンでは「三つの徹底」と呼んだ。すなわち「マチのお客さまに喜んでいただけるお店・売り場づくり(個店主義)」「お店とマチをキレイにする」「心のこもった接客」。言いかえれば、品揃え・接客・清潔さの三点だ。マクドナルドなど外食産業でも「基礎」とされる「QSC(品質・サービス・清潔さ)」とも一致する。
>>/> 100点満点で、80点以上がA、70点台がB+、60点台がB-、36~59点がC、35点以下がF。古参社員や役員の意識では加盟店は顧客であったため、猛反対だったと言う。
・「全店舗を調査するのに毎年およそ30億円のコストをかけています。手間もかかっています。ただ、実はMSは余剰人員を活用する方策でもあったんです。社長に就任してから、意欲の下がった社員がやっている不採算の直営店をどんどん閉めました。当然、そこで働いていた社員たちは余剰になってしまう。」
>>/> ダイエーの経営不振を支えるために、株式上場する必要があった。そのため、出店スピードを無理に上げていて、そのつけを清算する必要があったそう。
・― 「MS(ミステリー・ショッパー)でCランクだが売り上げが大きい店」というものもありますね。
「ありますよ。ただ、『三つの徹底』ができていない店というのは、競合にぶつけられた時に弱いんです。実際、MSでCランクだが売り上げが大きい店というのは、どんどん競合に出店され潰されている。立地が良好なだけで商売をやっていれば、当然です。常に横に競合チェーンに来られることを大前提に、既存店を守っていかなくちゃいけない。MSの評価はそのバロメーターになります」
>>/> へえ。評価や結果が良くても基礎が出来ていない人(や店)は、そうか競合にやられるのか。
・「ひるぜん焼きそば」の売上分析。発売一週間で8万6719個売上。ponta会員の売り上げ比率が49.3%。30代男性が一番多く18.9%、女性全世代で34.9%。店舗の立地パターンでは「男性職場の立地」が最も多いが店舗数も多いので、一店あたり、一日当たりで計算し直すと、「女性職場の立地」だった。併売率ではカテゴリーで見るとチルド和洋菓子がトップで12%、おにぎり、フライドチキンと続く。単品だと「Lチキ」が15%弱と最も多い。ただ、そもそも良く買われる商品なので、「ひる���ん焼きそば」と同時購入される率の高い商品(リフト値という)は「直巻なんこつ入焼つくね」だった。
>>/> 従来のPOSでは、レジ打ちの際に年齢キーを押さないとレジが開かないようになっていて、大抵「12」(~12歳)、「19」(12~19歳)、「29」(20代)、「49」(30~40代)、「50」(50代以上)で店員がキーを押す。ポイントカードは更に詳細に顧客動向を掴み、個人への販促まで視野に入れた可能性を持っている。
・POSシステムと比べてポイントカードの仕組みが優位な点は「正確性」と「データの詳細さ」だけではない。それだの違いであれば、ポイントカードは「より正確なPOSレジ」にすぎないということになる。両者で決定的に違うのは、「リピーター」を補足できるかどうかどいう点だ。
ある20代の男性が牛乳を買い、翌週にまた牛乳を買ったとする。POSシステムからは「20代の男性による購買が2回あった」と見えるが、ポイントカードによる販売管理システムからは「ある顧客が一週間おきに牛乳を二回買った」と見える。この違いの意味は、品揃えを考えていく上では小さくない。
>>/> リピートが大きいものを補足することは、新商品だけ連打して新しいもので売り場を埋めるのとは違う顧客への訴求が可能になる。質が良くて何度も買われるものを残せる。また、リピートされ、コアなファンがいて販促が地味で売上が伸びていないものを押し上げることもできる。
・2010年の店舗パターン10類型。
A1徒歩(高齢者)、A2徒歩(単身者)、A3車で5分程度、B1男性職場、B2女性職場、B3事務所、C1高校、C2大学、D1立ち寄り、D2旅先。
>>/> 駅は無いんだな~。
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新浪剛史氏率いるローソンの全てを描いた本である。
「セブン-イレブンって、実は見た目以上に強いんだなぁ。他社は勝ち目なさそうだなぁ。」
「セブン-イレブン 終わりなき革新」を読み終わったときは、そう思った。しかし、この「個を動かす」を読むと「いやいや、何の何の。我らローソンは、ちょっとでも隙あらばトップを奪いとるよ」・・・そんな力強さが伝わってくる。
本書の特徴を1つ挙げるとすれば、ローソンをより良く知るために、ローソンのみならず、セブンーイレブンの特徴について幾度と無く言及している点だろう。
セブン-イレブンが本部の強烈なガバナンスの元で店舗運営をしているのに対し、ローソンはできる限り店舗運営を地域に任せている。セブン-イレブンが商品発注を店舗の人判断に任せているのに対し、ローソンはITを駆使して自動化させようと試みている。
一見すると看板の色くらいしか違いはなさそうなものだが、その実、中身が全然異なることがわかる。それがビジネスは生き物であり、ビジネスは戦いであることを、思い知らせてくれる。できれば、「セブン-イレブン 終わりなき革新」と合わせて読むことをオススメしたい。
(書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2012/12/blog-post_29.html)