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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻に入ったら、もう少し現実感が増すかと期待したが、やはり無理があるようだ。ハッピーエンドにはならないだろう気はしていたものの、あまりに暗く、辛かった。暗いからいけないわけでは決してないのだが、直木賞を獲った「悼む人」を超える作品が、まだ無いのでは。
紙の本
♪おお、友よ、もっと別な真理の歌をうたおうではないか!
2013/02/07 10:59
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投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者はこの小説の展開についてなみなみならぬ周到な構成を凝らして臨んではいる。日本と外国、2つの異なる場所と場面で自由と独立のために戦う人々の同心円世界を同時進行で描きだそうとする意欲的な試みもそう。
だが、「どんな社会や人世の苦悩や闘争があろうとも、それを勇気と友愛の絆で潜り抜けた暁には遥かなる天空の彼方に救い主たる神が待ち受けている」、という余りにも紋切り型の大団円が、多くの読者にとっていささか鼻白むお寒い着地点に収斂するのも無理からぬ話なのである。
♪おお、友よ、このような安易な物語ではない。
我々はもっと心地よい、もっと歓喜なぞを忘れた別な真理の歌をうたおうではないか。
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上巻読了した時点で、下巻は一体どうなるんだろう・・・
このあと果たして少しでも救われるんだろうか・・・と、ずっしり重い気分をひきずりつつ、怖いもの見たさで読み始めた下巻。
ちいさな伏線がラストにまさかの展開で、
確かに注意深く読んでいれば気づけないこともない程度のことだけど、
全然気づけていなかったから、終盤でかなり驚いた自分がいたり。
最終的にはそれぞれが家族のことを思っていて、
この家族の絆がとっても強いことも知らされ、
全くの悲劇なんだけど、確かに一筋の光が見出せる感じが、
状況は全く違うんだけど、なんとなく映画「ヒミズ」を観たときの感じに似ている。
天道荒太はじめて読んだけど、しばらくはこれでおなかいっぱい。
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3 人兄弟。高校中退の兄は中退し、近所の市場で働いている
小六の次男。長女は幼稚園。
母は寝たきり。子供がおしめ、寝返り、の世話をしている
父は失踪。借金を払うために、男兄弟はシャブの味付けをさせられている
仲間を裏切り麻薬捜査官に電話しろと言われるが、おかしいと思い
とどまる。二回目はついに連絡。自分は少年院にいくことになった。
父は死んでいた。殺したのは母。次男がアパートの底に埋めた。
麻薬捜査官がシャブを探すが、道具が完璧に洗ってあるので何もでない
死体が発見されて大騒ぎ。
ヤクザから逃げろと言われていたが、まっとうに戻れなくなるのでアパートに戻る。一緒に逃げるはずのホテヘル雑用係のGFがそれを見ていた。
長女は死人の姿が見れる。近所で殺された女性の犯人が警察官であることがあることを知らせ。逮捕。女性の姿は見えなくなった。
父も見えた。臭いがしないので死んでいると思った。
幼稚園の子供だけで新幹線で福島にいく。刑務所にいる母に会いに。
園長先生と祖母が迎えにきた。翌日、母親に会えた。
園児もバラバラになる。
次男の外国人の友人ルスランはフランスへ密入国。園長先生が車で送ってくれた。
シャブの味付けは父がやるはずだった。10年で返済終了。
10年間、会えないと言ったら、妻が切れて殺される。
この夫婦は裕福な育ち。簡単に騙されてしまう。
長男の父はいとこ。それを叔父が言われたが、腹に一撃。
長男は自分の生活を中東のテロ国家にいる同年輩の少年にたとえ
作り話をしている
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まずはなんとも陳腐な結末に開いた口がふさがりません。全体を俯瞰しても誠の妄想シーンはうっとうしいだけだし、正二の小学生とは思えぬ言動にはリアリティがなさ過ぎて「ソロモンの偽証」の中学生達以上に現実離れしています。「永遠の仔」や「悼む人」のような読後の圧倒的な感動はみじんもなく、途方もない徒労を感じて終わりました。
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リードの部分は読み飛ばした。ごめん、誠。
頓挫した前回、リートの部分を必死に理解しよーとして頓挫。
今回は、読み飛ばし。
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絶望的な現実のなかを、それぞれの感性と行動力で乗り切っていく3兄妹。実相が明らかになり、生活は変わっていくだろうが、それぞれはこれからどう生き抜いていくのだろうか。
切ないまま読み終えた。
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誠とリートの融合という、小説的な技巧がうますぎる。おばけが見える香のエピソードも効いている。「永遠の仔」もすごかったが、これもすごかった。題材や完成度に好き嫌いは分かれるにせよ、小説的な面白さは群を抜いている。強くお勧めしたい。
社会的な弱者の矜持を描き、それでも強く生きろ、と応援してくれる。それでも前を向け、と励まされる。「それでも」「それでも」「それでも」僕たちは生きていく。誰のせいにもしない。僕たちは生きていく。
誠とヤンズのブランコでの邂逅シーンと、避難訓練でむれとなる香たちのシーンが心に強く残った。
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最後の一点を目指して収束していく感じはなるほどという力量で、何もかもが畳み込まれていくのが小気味よかった。でもそれでこれから先の希望は?というと、考えさせられる。リートの物語はそれとしては悪くないのだけれど、この中で語られる意味が分からない。ルスランと正二の別れの下りは感動した。
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市図書館。
上質のミステリーサスペンスでもありながら、読了後には爽やかな『希望』が満ち溢れる。
陳腐な映像にはして欲しくない作品の一つになった。
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しょっぱなから何とも救いようのない物語です。父が失踪、母は寝たきり。歌を失くした兄と、色を失くした弟と、匂いを失くした妹。子供たちだけで違法な仕事に手を染めながら生活する姿はなんとも痛々しくって。本当にひどい世の中。日本はいい国のように思われているけれど、それでも彼らにとっては「がれきの町」とあまり変わらないのかも。
それでもお互いに助け合い、母の介護もこなしながら日々の生活を続ける兄弟。読み進むうちに不思議とあまり「不幸」という気がしなくなります。そしてラストには希望もあって、タイトルの意味も生きています。
にしてもあの真相には驚いた……そういうことだったのか!
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あっと驚くような展開も無く、淡々と読み進んでいくんだけれど、後から思い返すと、じわじわっと良さがにじみ出てくるような気がした。
自由を得た事は大きな前進だし、奇蹟は起きなくても三人ならやっていけると信じたい。
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父親は失踪、母親は寝たきりになってしまい、残された借金のなかで子供3人の生活を描いた作品。悪や裏切りとかがはびこるなかで、自分が大切にする家族や仲間のために、純粋に生きていく子供たちの姿が清々しかった。
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パケっていう違法な包みを子供が借金のために作る話。
お父さんが、どこで何してたかの、落ちは少しビックリした。
長男の空想のページが下巻は多くなってきたので、読み飛ばしちゃいました。ホントは本筋とリンクしてるんだろうけど。
すげぇ感動したとか、入り込めるとかは、なかった
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後味が悪くなかった事が不思議。
むれも、家族もピュアに繋がってた。
ありふれた奇跡というタイトル名が昔あったけど、家族や金、持っている故につぶし合ったり相手の事が見えなくなるのかと自問自答した。
年をとるほど人間がわからなくなる。
利害を考えずに相手を思う、そんな単純な事が私もまわりも出来てないだけなのかもしれない。