紙の本
参考になります
2016/01/02 10:05
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投稿者:たなゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐藤優氏の本をよく読んでおりますが、氏の本には珍しく子供の教育に焦点を当てた本ということで、読んでみました。子供のテレビ・インターネットとの関わり方に対する考え方や、子の年齢に応じた親と子との距離感等、参考になる内容が含まれております。
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ここ最近、小2の子どもに「図書館行く?」と尋ねると、「行く行く!」との嬉しそうな答えが来ることが増えてきました。お目当ては『マジック・ツリーハウス』というファンタジーシリーズ、各国の歴史ネタも散りばめられていて、意外と侮れません(「アレクサンダー大王」の話をし始めた時には、ちょっとびっくりしました)。
もともとは、昔話系の絵本から始まって、『ミッケ』などのギミック系を経て、最近では『マジック・ツリーハウス』の他、『かいけつゾロリ』や『ドラえもん』、ポケモンや名探偵コナンの映画ノベライズあたりなどが主流です。
この先どんな方向性で読書の機会を広げていこうかなぁ、、と悩んでいるのですが、そんな中、子どもに対するお勧め本の解説書としても面白いなぁと感じたのが、こちら。
元外交官で“知の巨人”とも言われる佐藤優さんと、5人のお子さんを育てられている元衆議院議員・井戸まさえさんの、育児を軸にした“教養”を涵養していくことについての対談集となります。
子どもと一緒に読んでほしいとの想いからか、平易な書き方でサラッと読めますが、内容は非常に濃いものとなっています。
“子どもが興味を持つ本を与えて、活字好きにすることが重要”
これは確かにそう感じることが多く、本に限らず、興味が無いものは何事も長続きはしないなと。ただ、そのきっかけは半ば強制でもいいかなと思います。うちの例では、強制的に放り込んだスイミングは何のかんのと3年目に突入ですが、野球やサッカーは、体験だけで終わっています。。
“読み方の指導というのは、課題図書を与えるのであれば、
具体的な「課題」を与えることです。”
そして、興味が継続するのであれば、どこかのタイミングからは“成果(アウトプット)”を意識させていくことが大事なのかな、とも。
お二人は、教育の究極的な目的を「信頼」 とされ、ではその信頼関係を作るのに必要なものを「思いやり」「想像力」「ユーモア」とされています。それではどのようにそれらを身につけていけばいいのか、、それに対する一つの“解”として「読書」を位置付けられていて、どのような本を手に取らせればよいのかとの、談義を重ねられています。
その幅は広く、古今東西の古典名著はもとより、絵本、漫画、小説などなど、非常に多岐にわたるジャンルの本が紹介されています。
そして“教養”を身にまとうには、次の2点が大事とおっしゃっています。
“ひとつは学術です。
論理によって自分の置かれている
社会的な位置を知って、言語化していくことです。”
“もうひとつは、小説によって、
自分の社会的に置かれている位置を
感情で追体験することです。”
論理と感情、一見相反するモノのようですが、どちらかに偏るのではなく、どちらもバランスよく“食べていく”のが大事なのかなと。小説などでの虚構の設定であっても、その中で語られている事象に対し、自分自身がどう感じたのかというコトは間違いなく“真実”として、残るでしょうから。
“いまはどの大学を出ていようと、どのくらいの教養のレベルがあるかという
国際スタンダードが問われる時代”
そしてそれらを高いレベルで融合させた教養が、国際的に求められるレベルなのかな、とも。確か“地頭”という言葉を使い始めたのは佐藤さんだったと思いますが、ソレはこのレベルに達して初めて説得力が出てくる言葉なんですかね、、なんて風にも。
ふと佐藤さんが『読書の技法』で「ビジネスの延長で雑談をするには、専門分野とは全く別の“歴史書や哲学書、さらに小説など、意外な本を挙げる必要がある”」と話されていたことも思い出しました。
“小説というのは、自分たちは同じ時間を共有して、
同じ舞台にいるんだという、共通の意識を持たせる文学形式です。”
本書の後半では『八日目の蝉』を題材にして、人の罪と罰、そして営みの螺旋について読み解こうとされています。こちら、表面的に言えば人さらいの話です、現実的になかなかできるものではないでしょう。だからこそ、追体験としての価値を見いだせるのだと思います。
仮に私が同じような位置付けで取り上げるとすれば、『シャーロック・ホームズ』のシリーズ、それも短編をあげるでしょう。昔から不思議と好きだったのですが、それは、19世紀ロンドン、そしてイギリスの“在り様”を追体験できるから、と今では考えています(ポアロやルパンには不思議と惹かれなかったんです)。
なお、井戸さんは5人のお子さんがいらっしゃるそうですが、佐藤さんにはお子さんはおられないそうです。それでも不思議とスルッと入って来る説得力があるのは、、古くはモスクワ駐在時代に現地の学生にポケットマネーで仕事を与えていた、今でも、経済的に困窮している学生を同じように支援しているとのエピソードがあるからでしょうか。
一貫して、その“軸”がブレない方なのだなと言うことを、感じることができました。我が身を振り返って、ブレない軸をどの程度に持てているのだろうか、なんてことを考えさせられた一冊です。
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なるほどなと思ったところ(抜粋)
「高度な専門知識と経験を必要とする分野で、素人が嘴を挟んで事態が改善する可能性は皆無。」(p5)
「子どもは反復で飽きない」(p81)
「サムシング・グレート」、日本でいえば「お天道様が見ている」(p140)
「悪い経験を小説を通じてさせてやる」(p221)
教育の究極的な目的とは「信頼」
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"教育の究極の目的とは「信頼」だと申し上げましたが、何よりも重要なのは、お母さん、お父さんと、子どもの信頼関係です。.....教養のある人は、信頼関係を構築することがより容易にできる。そうじゃないと、お金に頼ります。"
暴力にも頼る、、、
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今の世代(なんとかチルドレンとか、なんとかガールズとか)は、教養もなく、たまたまそういうポジションになっちまった連中で、次の世代の対策をしなけりゃあね、というスタート。対談本なので、ちょっと冗長。
子どもをどう教養豊かな人にそだてるか、もうちょっというと、本文中にもある「お天道さまが見ている」という概念を、ちゃんと持たせられるか。
エリート教育は僕にとってはどうでもいいし、決めつけ的な印象もある。けれど、教育熱心ではない人が読んだら、何かに気がついたりするのかもしれない。うちにはもう小さい子はいないけど、まだやれることはあるのだろうなあ。本の紹介本、と思えば楽しいです。
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20130131
むくどりのゆめ
八日目の蝉
ソ連 宗主国を持たない帝国
スターリン グルジア人
ソ連共産党中央委員会 マルクス・レーニン主義というイデオロギー
国民が政治に熱中すると経済は停滞する
経済や文化活動に専心することで国は豊かになる
偶然のエリート 政治・社会の混乱期に急速なキャリア上昇
読み方の指導 課題を
例「こころ」先生がKに対して取った言動は友達への態度といえるか
絵本 子どもが世界に対してアクセスするための最初の場所
神話 合理的でない 大人になる前の人間の物の考え方
ホームズやガリバー旅行記 国際的な教養のベース
親はどんなことがあっても子どもを許すという信頼関係
五味川純平 普通の人が危機的状況でどんな判断をしたか
プロの手(編集者)の手が加わったものを読む ブログではなく
地図を読む習慣
電子書籍で読むことに慣れておく
読む書く聞く話す
日本人の実質識字率5%、新聞は意味を持たない(国家の罠)
要約の練習 1500~2000字の文章を200字に
敷衍 同じことを別の言葉で説明を加えて書く
学術文庫 『論文の書き方』
ラジオに親しむ
習字、そろばん
ピアノ 海外でのコミュニケーション
水泳 海外のビーチで
出口汪『論理エンジン』
中学受験 人生には競争があるのだということを早いうちに知らせる
複数言語をやるとすごく力がつく
入学歴社会から学歴社会
東大ブランド 海外では通用しない
文学部で学んだこと 未知の問題に遭遇したとき
国際社会 外国語、数学、国語(論理)
微分は先読み、積分は歴史
尖閣領有棚上げ 1972~78の日中国交正常化の際
数学 ブルーバックス『新体系中学・高校』
ブラックボックス化 知識がなくても使える 数学力の低下
「菊と刀」悪いことは悪い
動物を飼う 子どもが管理者の立場に
自分よりわがままな存在に会ってはじめて自分を客観視
一人旅をさせる 読書もいいが体験も
非日常の場を意識的につくる
動物行動学『ソロモンの指環』
教育でも「何をやってはいけないか」暴力
ダメなものはダメ ゲームではなく、別の楽しいもの
ある種のことについてはまわりに左右されないという信念
監視ではなく監督
小遣い帳と引き換えに小遣いを渡す
子どもは社会のもの しっかりした大人にすることで社会が強くなる
親が友達を選ぶというのは避けたほうがいい
佐藤、事件のとき助けてくれたのは女性外交官
出世しなくてもいいから筋を通すという気概
子どものいじめ ユング心理学『魂にメスはいらない』
八日目の蝉
カール・シュミット ナチズムを理論化
ノモス 法
近代的な自由の特徴 愚行権の尊重 (ジョン・ステュアート・ミル)
すなわち幸福追求権 日本国憲法で保障
オイコス 成人男子だけでなく、子どもも女性も奴隷も入る
ビア 暴力によって家を支配しても構わないというルール
母系制社会 おじさんが子どもの教育や結婚に口を出す
父親、血がつながっているかわからない
母親の兄弟、つながっている
共時性 横の列、通時性 縦の列
社会的な子育て 言論活動、個人的に大学生支援
フロイト うつは脳の分泌の問題 薬を出す
生成 外側からの働きかけによって内側の力が発現、変容していく
日本人の時間の流れ 円環
ヨーロッパ人 直線 スタートがあって終わりがある
子どもを自分の延長線上に置いてはいけない 付属物ではない
悪の教育 小説を通じて 感動体験は人の話を直接聞かせる
日本語の「愛」もともと形があるもの、執着に近い、悪い言葉
エロース 自分に欠けているものを埋めようとする あこがれ
フェロース 大切な友人関係
アガペー 神の愛 無償の愛
人間はある気質が極端に発展してしまうと統合失調症になる
逆の方向だとうつ病
ラテン語 アンテ・フェストゥム 祭りの前 先のことだけを考える、妄想
ポスト・フェストゥム 祭りのあと もう取り返しがつかない
信頼関係 一回確立すると伝染していく
学校 和や協調性を学ぶ場
教養のための外国語 ギリシア・ラテン・漢文・サンスクリット・ドイツ
ジグソーパズルはおすすめしない、最後にできるのが決まった形だから
おもちゃはいらない 道具がないと創造性が出てくる
お手伝い お金はあげずにお礼をする
美術館・博物館 行くたびにテーマを決めてゆっくりまわる
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今の子供たちは,生まれたときからゲームや携帯電話があって,誘惑に打ち勝つのに本当に大変だなと思います。
本を読む楽しみを教えてくれた両親には感謝。
自分の子供に面白いことはゲームだけじゃないんだと教えてあげたいです。
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携帯電話 TV ゲームとどう付き合うかは子供を持つ親として
誰もが悩む問題 どうしても他の子どもとの付き合いを考えて
与えてしまうこともあるが 中毒性があるとなるとさすがに
気にしてしまう
日本にはきっちりした宗教はないものの「お天道さまがみている」
という感覚は非常に大事 アメリカにあって中国にないものは
まさにこれで これがないと無秩序に欲望が先走る
読書を通じて信頼関係を学び自立 自制の感覚を我が子にも
を育んでもらいたい
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今まで読んだ佐藤さんの本はおもしろくてためになりましたが、これはいただけません。児童の発達について理解していない発言が含まれています。他の部分がもっともな内容なだけに、全体を信じる人もいるだろうと思うと...
小学4年くらいから一日三時間は机にむかえ
とか
本を読む時は課題を与えよ
とか
平均的な子ども(8割。もっと?)にとってはマイナスが大きい。
井戸さんが、
数学苦手だけど算盤やってたから計算だけは得意
だから算盤はよい
と発言し、佐藤さんも肯定していますが
余裕がないのに算盤で計算を加速させると、算盤得意で数学苦手な人になるので、こういう無責任なお薦めは、ほんとやめてほしいです。
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ちょっと・・・・、私の感覚とは違うかな。というのが第一印象。
宗教系の学校へという言葉には、ピンときた。
道徳としての宗教という考え方。
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めも:ユーモア
話す場合はどこかで笑いという間がないといけない。でもそのユーモアを適切なときに、的確なボリュームで効果的に使えるかどうかは、大変高度な教養が必要とされる。
点数がいいということわ理解できてるということ、頭がいいということは夫々違う。暗記だけしてたら成績はいいかもしれないが、本当の意味での考える力、理解力はつかない。それが長じてその子の生きる力になるか。幸せに繋がるのか。
暗記だけで乗り切ると、高校に入ってからついていけなくなる。英語と数学は高校で覚えなければならない事項が極端に増える。特に数学で躓くと、論理力が弱くなる。
受験はさせる。受験勉強で身についた知識は一生役に立つ。
教養とは隠す力でもある。教養のある人は闘志を隠す。
どうやって人との信頼関係をつくりあげるのか。必要なのは思いやり、想像力、ユーモア。その土台には教養がないと湧き上がってこない。
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子どもが小学生になり、勉強や読書に携わるにつれ、自分が教養が無いために、同じ苦労をさせたくないという思いから、教養を身につけておきたいと思うようになった。そのため、この本を手にとった。この本からは、教養を育てるために、きちんと本を読むこと、論理の力をつけること、体験から学ぶことの必要性を学んだ。なかなか時間がなくて子どもと向きあう時間が取れないが、時間がとれた時には、濃い時間を過ごせるように覚えておきたい。それと、できるだけ時間を取るようにしたい。本当に親子で楽しめるのはせいぜい4年生までということらしいので。
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作家、佐藤優氏にとって初めての育児教育本です。対談がメインで、その相手は5人の子どもの母親である元衆議院議員の井戸まきえさんとによるもので、段階を踏んだ解説がとても参考になるものでございました。
本書は「知の怪物」の異名を持つ作家、佐藤優氏と、自らも5人の子供を持つ母親である元衆議院議員の井戸まきえさんの2人が、共著で著したもので、佐藤優氏にとっては初めての子育て教育本になるのだそうです。
「佐藤さんのような教養人にはどうすればなれるんですか?」
という井戸まきえさんの直球の質問に対して佐藤氏は実に丁寧な形で答えていて、読んでいてとても面白かったです。それも段階的に示されており、本を読む力に始まって文章を読み、書く力。習い事や受験勉強に至るまでのロードマップが記されており、僕もこれを読みながら自分の来し方行く末を思い浮かべておりました。
紹介されているテキストも東西の古典から、角田光代さんの傑作『八日目の蝉』に至るまで、幅広いものがございました。そして、巻末のほうでは育児をめぐる相談に対する二人からの回答が収録されており、とても参考になりました。
しかし、僕がとても感銘を受けたのは育児の話ではなく、かつて佐藤氏が外交官時代にロシアのモスクワ大学で教鞭をとっていた際、生活に困っていた学生を自らのポケットマネーで仕事を与え、援助していたというエピソードがあり、現在、職業作家となっても自らのできる範囲で、経済的に困窮している学生達を支援しているのだそうです。その中で公認会計士などになり、佐藤氏の下を巣立っていった方がいるという話で彼の持つ軸がぶれていないことを再確認いたしました。
僕にはまだ育児の経験がありませんが、将来の参考になればと。また、現在育児をされていらっしゃる方は、とても参考になるかと思われます。
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「構造化されていると、とくに差別をしている側は、自分が差別者であることについて自覚しないのが通常です」ま。男は自分が優遇されてること自体に自覚ないからな。
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子育てにあたり、既に多くのことを実行していた
それなのでとても共感できます
特に前半が素晴らしい
お勧めできます
ただ、青空文庫の扱いは如何なものかとは思います