- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2013/02/07
- 出版社: 日経BP社
- サイズ:19cm/175p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8222-4921-2
読割 50
紙の本
機械との競争
著者 エリック・ブリニョルフソン (著),アンドリュー・マカフィー (著),村井 章子 (訳)
「技術の進歩によって人間の労働力がいらなくなり、失業が増えるのではないか」という疑問をテーマに、デジタル技術の急速な進歩が雇用と経済におよぼす影響を明らかにし、その対策を...
機械との競争
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商品説明
「技術の進歩によって人間の労働力がいらなくなり、失業が増えるのではないか」という疑問をテーマに、デジタル技術の急速な進歩が雇用と経済におよぼす影響を明らかにし、その対策を具体的に提言する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
エリック・ブリニョルフソン
- 略歴
- 〈エリック・ブリニョルフソン〉MITスローン・スクール経済学教授。デジタル・ビジネス・センターのディレクター。
〈アンドリュー・マカフィー〉MITスローン・スクール、デジタル・ビジネス・センター主任リサーチサイエンティスト。
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著者/著名人のレビュー
技術の進歩を崇高…
丸善
技術の進歩を崇高なものとして信望し歩んできた私たちにはショッキングな本だ。
アメリカでは大不況の終結が公式に宣言された後も失業率は高水準にある。背景は何か。経済学者の説は三通りに分かれる。第一に「景気循環説」。第二に「停滞説」、これはイノベーションを生み出す能力や生産性を高める能力が長期的に停滞してしまっている、という説。
そして第三の「雇用の喪失説」。著者はこの説を採る。「停滞説」の説くように技術の進歩は滞っているのではなく、“速すぎる”のだとこの説は主張する。情報通信技術に代表される汎用技術の指数関数的な進歩に人間が追いつけず、負け始めている。数百万単位の労働者が不用になり、さらに技術そしてスキルを“持つもの”と“持たざるもの”の格差拡大も深刻の度合いを深めている。
私たちはコンピュータとともに競争していく術を学ぶべきだ。チェスの世界では「コンピュータを使った人間のチーム」が最強なのだ。「弱い人間+マシン+よりよいプロセス」が1台マシンに勝つ。著者は“コンピュータとともに”競争していく組織構造、プロセス、ビジネスモデルの構築、そして人的資本育成の必要性を指摘、具体的な方策を提言する。
日本でもことあるごとにシステム障害が「想定外」に発生する。しかしその「想定外」な事態に俊敏に対処しうるのが人間力なのではないか? 私たちの社会にひきつけて読み込むことで多くのヒントが得られる本だ。
(評者:丸善書店・ジュンク堂書店 営業本部 宮野源太郎)
書店員レビュー
本書はテクノロジーが雇用を減ら…
ジュンク堂書店京都店さん
本書はテクノロジーが雇用を減らし、失業率アップをもたらすという衝撃的な問題を論じている。いままで人間が行なってきたことをコンピューターがし、それにともない、その仕事がなくなる。人間のみでコンピューターでは代替出来ないとされてきたことが急速な進歩により、コンピューターでもできるということが起こっている。益々不安で複雑な心境になってしまう。
競争するというよりか、共存して高めあっていくという考え方はできないのか。何かが良くなれば、一方で負の部分がでてくる。
本書では、最終的には楽観論で終わっているが、そう落ち着く為には人間のたえまない努力と勉強が必須であると考える。
山中
紙の本
機械との競争
2013/02/22 23:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TM - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在の米国の失業率が高止まっている要因を考察した本。
バーナンキFRB議長らは需要不足によるシクリカルな要因によるところが大きいと主張している。一方で、タイラー・コーエン氏は容易に収穫できる果実が食べつくされたことによる長期的な停滞が原因と主張する。
著者が主張するのは、コンピューター等の技術進歩が速すぎることで、人間がその進歩に追い付けないことが失業率が下がらない背景だと主張する。
米国経済、日本経済を見通すうえで重要な視点を与えてくれる。
紙の本
来るべき機械化された社会に備える
2015/09/23 15:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Michiyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年に入り、人工頭脳や自動化を巡る話題へ注目が俄然集まっている。30年後の 2045年にでもやってくるという技術的特異点 (Technological Singularity) もかなり大真面目な議論対象となってきた。
一体どういう事態になるのか理解を深めたいと思っていた中で読んだ本だ。
この本を手に取ると一目瞭然だが、装丁が独特だ。更に黄土色の厚手の紙質に紺色の印字という大胆な製本が読む者の気持ちを引き付ける。そしてページ数が少なめだ。僅か 200 ページあまりしかない。しかし内容は十分だ。様々な経済統計や資料、調査結果を列挙して「機械」によって多くの雇用が失われ実感の乏しい経済成長が進んでいる実態を浮き彫りにしている。
何度もキーワードとして現れるのが「チェス盤の残り半分」である。指数関数的な影響力の増大を表す表現で、今まさに機械化の影響が一気に加速する場面だと警鐘を鳴らす。
半導体の性能向上指標である「ムーアの法則」を例に出すまでもなく、コンピューターは高度化していき、我々は年々依存度を増している。単に依存するだけではなく、様々な業務分野で労働者が駆逐されているというのがこの本の中での大きなテーマになっている。
しかも駆逐されるのは比較的単純な業務とは限らずむしろ高度な専門知識が要る分野も含まれるというのだから無関心ではいられない。
機械を「持つ者」と「持たざる者」との対立が明確になるとの記述は背筋が寒くなる思いがした。
しかし著者らは将来に楽観的な見通しも立てている。人間と機械の最良の組み合わせを模索すれば優れた結果をもたらせるだろうということだ。具体的な方法は各方面で様々な取り組みの中から見出すしかなさそうだが、この先に現在は想像だにしなかった新たな職種、労働市場が生まれることを願う。
著者らがまとめた政策提言も興味深い。教育分野重点化はまったくその通りだと思うが、労働流動性促進のため住宅補助を打ち切れとの内容はドラスティックだと思う。現状のアメリカですら労働流動性が足りないとの認識であるが、著者らは日本の労働市場をどのように見るだろうか?
全体を通して、現在の世界的な景気減速や恩恵の行き渡らない経済成長は、根底に機械化や自動化が起因していると思うようになった。著者らの主張が正しければ、各国政府が実施している経済政策は根本に誤りがあるかもしれない。
機械に労働が奪われている現実を直視し、知恵を絞って次世代の雇用を考える必要性を痛感する。
しかし、日本版の解説を寄せた元経済企画庁のエコノミストは、ご自身が官僚時代労働派遣の規制緩和を実現させて日本の企業や労働者が90年代を乗り切ったという趣旨の事をあっさり書かれているが、派遣労働者の大多数が賃金、待遇、そして生活でずっと辛酸を舐め続けていることはご承知されているのであろうか?
紙の本
「経済学的に正しい」機械による人類支配の可能性を書いた本
2013/10/14 17:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:でんしゃずき - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔から機械,具体的にいうとロボットやコンピューターの「反乱」によって人類が支配下に置かれる,奴隷となる,果ては滅亡する,てなSFものがあった。そちらの方は不勉強だが,未だ「人間の思考レベルには機械は到達してはいない」ようである。
しかし,本書を読むと機械化の進展が人間を「経済面において」不幸にする可能性はむしろ高まったという印象を受ける。この200年ほど,経済活動における機械化はそれにより奪われた「以上」の雇用を創出したという。しかし,近年は「そうではない」というのだ。
製造業においては,我が国ではこの十数年ほど,人件費の安い新興国への「産業構造の空洞化」が問題視されてきた。製造業への派遣労働解禁も「国内雇用を守るため」という理由もある。しかし,3Dプリンターの例がそうだと思うのだが,「国内でしか出来ない製造技術」も「機械」に取って替わられる可能性が出てきた。
国内製造業の雇用問題といっても,正規・非正規問わず,労働者は「新興国」と「高性能な機械」の「2つの敵」に挟み撃ちされつつあるといえるだろう。
もっとも,この「2つの敵」は同根ともいえる。低賃金で高品質の製品を製造し,輸送コストも低く抑えられるのもITの発展に支えられているはずだから。
よって,このまま機械が進歩すると「仮定」した場合,「仕事それ自体」が減少し,多くの人々が低賃金どころか収入を得られず,上記のSFのような世界が出現する,というわけである。即ち,思想や行動ではなく,「経済的な面」で人間は機械に打ち負かされ,自由を失い,服従させられるという「反ユートピア」が出現する,という嫌な予想である。
もっとも未来,特に人間社会のそれは極めて予想が難しい。日本語版解説者は疑問の立場を取っている。
内容は短いくらいで読みやすい,デザインに凝り過ぎている印象はある。しかし,前述の解説と合わせ,「これからの世を生き抜いていく」という意思をお持ちの方に「参考書」としてお勧めしたい。そう,正確な未来など分かるわけはないのだ。
紙の本
セカンドを読むのであれば不要かも?
2015/12/28 12:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんしん - この投稿者のレビュー一覧を見る
セカンドオブマシンエイジを読むための前提で読むのであれば、恐らく不要と思われます。セカンドで大体内容が被ってます。