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小袖の陰 文庫書下ろし/長編時代小説 (光文社文庫 光文社時代小説文庫 御広敷用人大奥記録)
著者 上田 秀人 (著)
将軍・吉宗による登用で御広敷用人となった水城聡四郎。しかし、具体的な担当はなく無任所のままだった。そこへ吉宗から直々の命が下り、竹姫付きとなる。竹姫には京都から新たなお付...
小袖の陰 文庫書下ろし/長編時代小説 (光文社文庫 光文社時代小説文庫 御広敷用人大奥記録)
小袖の陰~御広敷用人 大奥記録(三)~
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商品説明
将軍・吉宗による登用で御広敷用人となった水城聡四郎。しかし、具体的な担当はなく無任所のままだった。そこへ吉宗から直々の命が下り、竹姫付きとなる。竹姫には京都から新たなお付きの女中がくるが、その女中が大奥の火種となる―。一方、伊賀者を敵に回した聡四郎を新たな刺客がつけ狙う。聡四郎に最大の危機が。【「BOOK」データベースの商品解説】
将軍・吉宗から直々の命が下り、竹姫付きとなった水城聡四郎。竹姫には京都から新たなお付きの女中がくるが、その女中が大奥の火種となる。一方、伊賀者を敵に回した聡四郎を新たな刺客がつけ狙い…。シリーズ第3弾。【「TRC MARC」の商品解説】
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飽きのこない江戸城内外の闘い
2013/03/10 20:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
勘定吟味役という要職から将軍の側に控え、大奥の取締を行う御広敷用人に異動になった水城聡四郎を主役とした物語の3作目である。異動にはなっているが、結局敵対組織あるいは敵対する人物に命を狙われることに変わりわない。時は八大将軍徳川吉宗の時代である。
水城には相棒がいる。相棒という言い方は不適切であるならば、家臣と言った方が良いかもしれない。家臣とはいっても、同じ道場で剣の修行をしていた同僚である。もちろん、剣の腕は立つので敵が多くてもこの物語の中では心強いわけである。
御広敷用人の主たる仕事は城内の総務であるが、上司は江戸城留守居役である。文庫本ではあるが、冒頭に江戸城における御広敷略図、御広敷役人職制図などが親切に付されている。場内の総務ではあるが、裏を返せば大奥の用務を取り仕切る役柄である。
大奥には男は立ち入ることはできない。立ち入ることのできるのは将軍のみである。とはいえ、例外はある。大奥は大奥で権力闘争が繰り広げられている。六代将軍家宣の正室である天英院と家宣の側室で七代将軍家継の母堂である月光院の対立である。
さらに、水城は将軍の指示で薩摩藩から輿入れした竹姫付となる。これによって新たな敵が増え、伊賀者をはじめとする刺客に命を狙われる。上田の小説には必ず伊賀者、朝廷の代理人である僧兵(普通は寛永寺)などが敵対する。これらは決まったパターンではある。それならば、早晩飽きが来そうなものだが、そうでもないところが面白いところである。
小説毎に上田は新たな知識と組み合わせを作り、江戸城内外での戦いを面白くしてくれる。将軍対幕閣の対立、大奥内部での暗闘、伊賀者の跳梁など多様なので飽きが来ない。困ったのは、本編がいつまで続くのかは分からないが、読者の私は上田の他の小説との区別がそろそろ付かなくなり、混線しつつあることだ。時代を大幅に変えたり、登場人物の職を変えるなど、少し工夫をしてもらえるとありがたいのだが。