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紙の本
ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)
著者 白石 一文 (著)
「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発して...
ほかならぬ人へ (祥伝社文庫)
ほかならぬ人へ
05/02まで通常681円
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商品説明
「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」…妻のなずなに裏切られ、失意のうちにいた明生。半ば自暴自棄の彼はふと、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき、徐々に惹かれていく…。様々な愛のかたちとその本質を描いて第一四二回直木賞を受賞した、もっとも純粋な恋愛小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
【直木賞(142(2009下半期))】「ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」 妻のなずなに裏切られ、自暴自棄の明夫は、ある女性が発していた不思議な“徴”に気づき、徐々に惹かれていく…。全2編収録。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
ほかならぬ人へ | 7−181 | |
---|---|---|
かけがえのない人へ | 183−297 |
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紙の本
誰もがほかならぬ人を探している
2020/10/09 22:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の明生は、有名大学を出て社会的地位もあるいわゆる華麗なる家族に囲まれて育った。その中で兄弟に劣等感を感じて育った明生は、断りもなくこんな自分を世に送り出した何かに抗うべく、“人生は復讐だ”と考え日々生きていた。そんな明生の前になずなという容姿端麗な女性が現れ、家族の反対を押し切り結婚するのだが‥‥。
もう1つの物語「かけがえのない人へ」では、結婚を前に以前付き合っていた黒木との関係を続けながら本当にこの人が結婚相手でいいのかと考えるみはるという女性が出てくる。
本書では、ベストな相手を見つけた時には全員その証拠を手に入れると書かれている。
この2作に共通するのは、何かしらの証拠は掴んでいるのにそれに気づかずに回り道をしたり、相手を失ってしまうことだ。
ベストな相手の証拠を手に入れたとしてもそれが証拠だとはなかなか自分で感じにくいもので、案外あとになって分かるものなのかもしれないと思った。
この2つの物語では愛する人や、結婚について色々と考えさせられ、自分自身のほかならぬ人について自分なりの証拠について考えるきっかけにもなった。
また、“結婚なんてものはとりあえず今の自分に○と思ってるときにするもんだ。””自分なんてあってもいいが、なくてもいい。その程度でも、人間というのはちゃんと生きられるようにできているのではないか?“などなど心に残る言葉がこの本にはたくさんつまっていた。
そして何より文庫本では、編集者の方が書かれた解説が素敵なエピソード満載で、キラキラした著者の言葉が詰まっていて、白石一文という人間が私は心底好きになった。著者のファンとして他の作品もこれからどんどん読んでいこうと思う。
紙の本
渡辺淳一も認めた恋愛小説
2023/11/17 07:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第142回直木賞受賞作(2009年)。
受賞作『ほかならぬ人へ』は単行本のページ数でいえば180ページほどの中篇小説で、単行本にはもう一篇『かけがえのない人へ』と、表題作とよく似たもう少し短い作品が収められている。
直木賞は『ほかならぬ人へ』という単独の作品に与えられたのではなく、もう一篇も収めた一冊の中篇集が評価されたようだ。
この時の選考委員の一人である宮部みゆき氏などは二つの中篇の登場人物である女性をさも同じ人物であるかのように読み違えをしたことに陳謝しているほどで、なるほど、よく似たタイトルをつけると、さすがに著名な作家であっても読み間違えることもあるのかと、微笑ましく感じた。
ただ、二つの作品はタイトルこそよく似ているが、作品の構造はまったく違う。
やはり表題作である『ほかならぬ人へ』の方が少し長いだけ構造が複雑で、その分作者が描こうとした愛の世界に広がりがでたように思う。
主人公の明生は資産家で名家の三男。兄二人の出来がいい一方で、明生は自身生まれそこないとずっと思いつづけてきた。
そんな明生は一挙に魅かれた女性なずなと結婚するが、彼女にはずっと思い続けた男がいて、その男が離婚したと聞いたなずなは明生から離れていく。
失意の明生を救ってくれたのは、会社の先輩であった東海さん。次第に東海さんに魅かれていく明生。
それだけの関係でなく、そのほかいくつもの恋愛模様が描かれている。
恋愛小説といえば、やはりこの時の選考委員の一人渡辺淳一氏の評価が気になるが、「この作品は久々に男女関係を正面から描いたもの」と高い評価となっている。
まさに渡辺淳一氏も認めた恋愛小説だ。