紙の本
<シェトランド四重奏>、衝撃の終幕。
2015/11/28 16:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
『大鴉が啼く冬』から読んできた、<シェトランド四重奏>もついに完結編。
今回の舞台はシェトランド諸島でも本島から更に離れたフェア島。
ジミー・ペレス警部の故郷であり、婚約者を両親に紹介するために休暇を利用してきたのだが、島のフィールドセンターでひらかれた婚約祝いパーティの直後、センター長のアンジェラが殺される出来事が! 折からの悪天候でシェトランド本島との交通も途絶され、単身捜査を(科学捜査の助けもなく!)余儀なくされるジミー・ペレス。
一方のフランはジミーの両親とうまくやっていける感触を得るが、娯楽も何もないこの島にいつか移り住んできたとして、自分はやっていけるのだろうか、と考えて・・・という話。
“秋”とはいえ緯度は高いし悪天候は多いし、冬の一歩手前のイメージ。 フェア島は一時期、世界中からバードウォッチャーたちが集まるあの島だったんだね!(映画『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』参照)
<シェトランド四重奏>の特徴として、陰惨な殺人事件は起こるものの、基本的に島の住民はそれほど多くない&ほぼ顔見知りという関係上、どこか牧歌的な空気が漂うのは事実で、だからこそ真相がわかったときの衝撃は倍増という、読者をどん底に突き落とす作品群である(他の作品は知らないのであるが、シリーズの特徴というより作者の志向・嗜好の問題かもしれない)。
だから完結編といってもほのぼのとは終わらないかもしれないなぁと思ってはいたものの・・・まさか、こんなラストが待ち構えていようとは。
そ、そこまでするんですか! ひどくないですか?! 読者へのいやがらせか!
これだからイギリスのミステリは油断ならない・・・。
ジミー・ペレス、という一人の男が<刑事>という生き方をかつて選んだ。 そして更に<よりよい刑事>になるためにこの連作は必要な4ステップだったというわけなのか?!
さすがに非難が集中したのか、罪悪感からかはわかりませんが、作者はジミー・ペレスを主人公とした続編を執筆したとのこと。
はい、私はそれをまんまと読むことでしょう。
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読んだ〜!
ジミー・ペレスのうじうじしつつも洞察力もある読み、でも結局はなにもできずーーーー。
クリーヴスのこの4部作は、謎解き的な興奮度よりも、描かれる人たちがみんななんか一癖、二癖あって、そのドラマが面白い。ちょっとうじうじが目に付きすぎなときもあるんだけど、最終的には、嫌いじゃないんだよな。ジミーのあのいい人度。
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婚約者フランを両親に紹介すべく故郷フェア島を訪れたペレス警部を待っていたのは、島に住む有名な鳥類研究家の死だった。
悪天候でシェトランド本島との交通が遮断された中、ペレス警部は単身捜査を始めるが…。
シェトランド四重奏最終章。
最後までアン・クリーヴス節は冴えておりました。
人間関係の闇を書かせるとやはりうまいな~。
ところどころに挟まれるフランの心情も共感できるし。
事前に聞いていた「最後の衝撃」は別方向での衝撃を想像していたので、肩透かしを喰った感じ。
いや、だってそこへのフラグバンバン立ってたやん…。
むしろそのせいでラストの犯人判明があっさり過ぎて物足りなかったなー。そこからにもう少し筆を割いてほしかった。
しかしシェトランドの四季ともこれでお別れかぁ。寂しいなぁ。
どこかでより厳しくて容赦のない男になったペレスと会いたいと思うのは贅沢か。
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そうかあ、「本の雑誌」で矢口誠さんが「衝撃」と書いていたのはそっち方面(ドラマとして)のことだったのか。私はてっきりこっち方面(ミステリとして)だと思い込んでて、正直ちょっと肩すかし。
でも「シェトランド四重奏」してとてもよくまとまっていて、再読に耐える上質の作品ばかりだと思う。四部作の中ではやはり「大鴉の啼く冬」がいちばんいいかな。シェトランドの荒涼たる冬の雰囲気が素晴らしい。シリーズとしてはまだ続くようなので楽しみだ。
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シェトランド四重奏の最終章。
あまりに悲しい終わり方。ジミー・ペレス刑事が可哀想でした。
でも、あとがき読んで、もの静かなこの刑事の新シリーズがあると知り
翻訳が出るのを楽しみにしています。
幸せになってほしいなあ。
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シェトランド四重奏の4作目。
これで完結となります。
ジミー・ペレス警部は婚約者のフラン・ハンターを連れて、故郷のフェア島へ。
天候不順で、孤立した島への着陸も大揺れとなり、その後は島に閉じ込められてしまう。
両親とフランは互いに気に入るが、船長の父と古風な母と、シェトランド諸島生まれでもない画家のフランとでは、生活の仕方には相当な違いがあることは否めない。
島のフィールドセンターは、バードウォッチャーが世界中からやってくる場所で、住民が何かと集まる中心ともなっていた。
所長の妻アンジェラは、テレビにも出る有名な自然科学者。
ペレスとフランの婚約披露パーティの直後、事件が起こる。
シェトランド本島との交通が途絶したため、単身捜査にあたるペレス。
フランはだんだん、暇をもてあまし、滞在する人々に関わっていくことに。
フィールドセンターの滞在客に渦巻く~さまざまな人間模様。
アンジェラとは不仲の義理の娘。
有能な料理人のジェーン。
新種発見に張り切るバードウォッチャー。
育ちはよさそうだが得体の知れないところのある若者。
一筋縄ではいかない人生を描くのが得意な作者だけに、読み応えのある内容になっています。
刑事にしては優しすぎる共感力の高いペレス、そんな彼へのフランの思い。
この筆致がいいんですよねえ。
意外な結末に仰天し、登場人物同様に呆然としましたが。
1作目からを振り返ると、そうなのかと‥
風が吹きすさぶような厳しい自然の中で生きる、忍耐強く激しさを秘めた人々。
作者の気合と描写力で、全体としてのまとまりは感じました。
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シェトランド四重奏シリーズ第4作。
婚約者のフランと共に生まれ故郷のフェア島を訪れたペレス警部。だが、ふたりの婚約祝いパーティの直後に、野鳥の監視員をしている著名な生物学者が殺されてしまう。
巻末の解説に”カタストロフィ”と書かれているが、まさかこんな結末を迎えようとは想像だにしなかった。著者はシリーズ初めからこれを想定していたのだろうか。謎解きの部分では、劇的な幕切れを優先したせいか物足りないものに。
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地味だが続きを読みたくなる展開。視点・語り手が細かく変わるから読みやすいということかな。それにしてもこういう結末とは。「シェトランド四重奏」の最終章ではあるがシリーズはまだ続いてるようです。
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婚約者フランを連れ故郷のフェア島に帰ってきたペレス警部。フェア島のフィールドセンターの所長モーリスの妻で著名な鳥類学者アンジェラが殺害される。事件前夜に解雇を通告された調理人ジェーン。同じ鳥類学者のジョン・ファウラーとサラ・ファウラー夫、バードウォッチャーのダギーとヒュー。崇拝される事を好むアンジェラ。島の男たちと関係をもち、ヒューも関係を認める。客の荷物を調べていたジェーンの殺害。ヒューとアンジェラの本当の関係。アンジェラが有名なった発見に隠された秘密。
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シェトランド四重奏シリーズ第四作目。この作品でシリーズ完結する。主人公ペレス警部の故郷のフェア島という島での殺人事件の話。主人公は婚約者と訪れていた島の、バードウォッチャーのための施設であるフィードセンターで殺人事件が起こる。嵐のために島が孤立する中で主人公が一人で調査とすることになる。何もない島で生活する島民と、わざわざ鳥の観察のために島に訪れる外の人間との違いや、未来の生活を悩む人たちの様子が伝わる作品。主人公と婚約者のいい関係がほっとさせる。結末は意外で、衝撃的だった。残念な気持ちが大きいが、ペレス警部シリーズとして作品が出ればいいなと願う。
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シェトランド四重奏第4弾。
ペレス刑事とフランが故郷フェア島に行くところから始まるお話。
フランの心情がいつもより細やかに綴られていて、幸せな気持ちで読んでいたのに。
突然空に放り出されたような衝撃のラスト。
あんまり悲しくて、買ってあった「水の葬送」に即とりかかりました。どうなっちゃうんだペレス。
しかし、この四作のまとまりは素晴らしい。
美しいシェトランドの式を追いながら、いい旅ができました。
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シェトランド四重奏最終話。相変わらず少し重い雰囲気で進行するが、今回はいつもに比べてすこし柔らかい印象で読んでいたのだが、、、。最後はあまりに悲しい。せっかくならハッピーエンドが良かったのに。次作があるとのこと。早めにこの後を確認したい。
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シェトランド四重奏シリーズ最終巻。
描写がとてもきれいで、深い余韻を感じさせてくれるこのシリーズ。
でもこの作品に関してはラストが衝撃的すぎて。
納得いかないくらい驚いたし、まさかこの人が死んでしまうなんて。
この衝撃でこのシリーズは完結するんだろうし、きっと作者はこの結末を最初から意図していたんだろうけれど、それでも四作読んできた側としては悲しい。
絶対に順番に呼んだ方がいいシリーズ。
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シリーズの最後なんだけど予想もしなかった展開に驚きと哀しみが大きすぎて、読み終わったあと、心理的になかなか立ち直れなかった。もちろん無関係の人が巻き込まれてしまうことなんてミステリーの世界では日常茶飯事に起こるんだけど。なんて理不尽なんだろう。でも世の中は得てして理不尽なものなんだろう。自分たちだけは大丈夫だという幻想の元にある日常を痛感した。
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CL 2018.8.11-2018.8.14
シェトランド四重奏のラスト。
ここまで読んできて、とても好きなシリーズだったのに。
衝撃の結末に納得がいかない。
どうして作者はこの人を死なせる必要があったのか。
残念、残念。