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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
「家族」をテーマとして、一貫した話、主張がありながら、エンタメ性もしっかりある作品であると感じた。文章も読みやすい。章ごとに主人公を代えながら、母玲子、兄浩介、弟俊平、父克明それぞれの若菜家への感じ方がみてとれる。さらに主治医の宮下医師の木下教授との元夫婦関係や浩介の妻深雪の家など、若菜家以外の家族にも言及されている。
三好(現実世界では多摩ニュータウンが相当するか)という都心から離れた田舎に家を買った克明と、それに抵抗感を持って三好を嫌いながらも贅沢を我慢したつもりで生活していた玲子。それぞれの感覚のずれが、実際の熟年夫婦の状態を非常によく表しているように思う。そして一大事が起こったときに、家族の真の力は発揮される。それまでなんとなくバラバラであったのが、崩壊してしまうのか、本作の若菜家のように好転する機会となるかは、結局はそれまでの積み重ねた感情なのだろう。克明も玲子もお互いを根の深いところでは愛していた。だから生死を問われる場面で家族は本来の機能を十二分に果たしたのだ。
紙の本
何がどうだと「バラバラ」なんだろう
2021/05/04 09:26
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこにでもいる、普通の家族。
「バラバラな家族」という程じゃないと思う。母のガンをきっかけに、父と息子たちが家族の為、家の為にそれぞれ動き出す。想うことは一緒だったのだから、普段は「バラバラ」に見えても、結局しっかり繋がっていたんだろう。
長男らしい長男、次男らしい次男像なのが、ちょっと笑えた。全てがうまく行き過ぎたかな。
電子書籍
家族の話
2016/07/18 22:02
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投稿者:さよならベイベー - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白いけど、何かを考えさせられるほどヒリヒリはしなかった。
この人はやはり青春物でしょー
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つかみどころのないまま終わる話だった。
いい意味でも、悪い意味でも。
家族だけど心のどこかでつながっていないおぞましさがあったり、
結局母の病気や借金が具体的にどう解決されたのかとか
完全にはわかりきれないまま終わったりとか。
ひきつけられながら読んだわりには、
読んだ後にあまり話が思い出せない。
読み方が悪かったのだろうか。
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母親の病気をきっかけにした家族の再生の物語。家族1人1人に、家族に対するそれぞれの思い、ドラマがあるのだと感じた。著者の実体験がモデルになっているようで、病気の不安にかられる様子や病院をたらいまわしにされる様子などにはリアリティがあった。ただ、展開がうまくいきすぎで、ちょっとご都合主義的なようには感じた。
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家族がバラバラで兄弟の仲も決して良くはなかったが、母親の突然の病気によりみんなのベクトルの向きが一方向になった。
そして浩介も俊平もたくましくなった。
母の病気について、
やっぱりセカンドオピニオンは大事だということか?とか、
そんなこと(小説に出てくるような病気の展開の仕方)ってあるのか?など、
病気を扱う小説に求めがちなリアリティーさってどうなんだろうと思ったが、解説を読むと作者の実体験に基づいているらしいから、まぁこういう展開でもいいのだけど・・・
。
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母親が余命一週間と宣告される。
そして、家族が抱える問題が次々と浮かび上がってくる。
そこから一致団結。
病気の母親を中心に、家族の絆も強くなり・・
「何が変わっているだろう。何かが変わっているはずだ」
きれい事ばかり書かれていないのも良かった。
映画のセリフの間を読んでみたかった。
原作を読んで良かった。
早見和真さんの著作を遡ってみる。
次回作も楽しみ。
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母の危機は家族の危機。バラバラに思えた家族は、それぞれの思いを抱えて母のため、家族のために行動する。
特に男の人って、家族を大切に思っていてもそれが恥ずかしいような癪なような(笑)で、本当の気持ちと逆の行動やそっけない態度をとってしまいがちに思える。4人家族で息子2人なんてまさに典型では。親の病気という点では他人ごととは思えず、最終章手前までは一気読み。
こんなに簡単(じゃないだろうけど)に事態が上手い方向に転がって、こんな終わり方ちょっと雑じゃない?家族で闘病する姿をもう少し見たかったかなあ。
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今年五月映画公開
映画に合わせて改題されたそうだ
どこにでもいそうな家族
でも それぞれが もがき苦しむ
《 バラバラが つながっていく 家族だね 》
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母親の病気をきっかけに家族がつながりと取り戻す、というストーリ自体は平凡だが読み始めるとぐんとひきこまれて最後まで一気に読んでしまう。平凡な題材をここまで読ませるという点からも、この前読んだ「イノセント・デイズ」同様、作者の筆力の高さが伺える。もう少し他の作品も読んでみたいですね。
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読んでいるうちにだんだん、だんだん面白くなってくる。母親の病気をきっかけに露呈する家族の欠陥。家族の再生物語。最後のほうでは泣いてしまった。
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石井裕也監督、妻夫木聡主演で映画化決定!の帯に惹かれて、つい手に取りました。しかも、筆者は「ひゃくはち」の早見さん。
僕は俳優・妻夫木聡が大好きなんです。数少ないキャストで映画館へ観に行こうとなる俳優さん。確かに原作となるこの作品も妻夫木聡で映画化したら面白いだろうなと思います。
筆者の早見さんは実際に母親が余命宣告を受け、その体験を基にしてこの作品を書いたとの事。一人っ子の早見さんはその時の揺れ動く感情を二人の兄弟に反映させているらしいです。
確かに特に冠婚葬祭時に家族・親族が一悶着起こして、それをきっかけに一致団結する、というのは自分の経験上からもある話かなと。だから、この作品を読んでいても、その記憶が蘇ってくるようで、自分のことのように感じました。だったら、そんな事態になる前に関係回復しておけばいいのに、とか思ったりして。でも、それが意外とできない。それぞれに事情を抱え、一旦離れてしまうと中々心を通わせることができない。それが家族だったりします。
早見さんの語り口は非常に温かい。家族に対する優しい眼差しは登場人物を通してじわじわと伝わってきます。映像化されてもそれに耐えうるほどに、その情景が浮かんでくるようです。先にも言った通り、石井裕也×妻夫木聡のコンビには期待です。
ただ、一つ苦言を呈しておくと、出てくる人物が少しいい人たち過ぎではないかと。僕の実体験に基づくと、だいたいそういう一大事に置いては、結局仲違いして距離を置かざるを得ない人が出てきてしまうんです。本作では浩介の妻がその役目を負っているようにも感じますが、少し簡単に“良い人”になりすぎな気がします。状況にもよるでしょうが、一人ぐらい仲間はずれがいた方が、“家族とは?”という大テーマをより鮮明に浮かび上がらせることができるのではないでしょうか。
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夫婦二人の生活は、バブルが弾ける前に買った家のローンと、その他の借金にまみれた生活だった。
そんな時、母の玲子は自分自身に異変を感じていた。
夫もそんな妻の異変を感じていたが、決定的な場でそれが露呈してしまう。
脳のガンと診断された玲子と家族の闘病の日々が始まる。
そこには様々な苦労と確執と借金と…家族のありかたが見えてくる。
もし、同じような状況になったら、どうなるだろう?
どんな家族にもそれぞれの苦難があるだろうなぁ。
2019.4.25
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とても面白かった。
やや甘い感じもありましたが、構成も良かったし。序盤の緊迫感、それぞれの家族の心境、最終章の流れ。とても良かったです。
早見さんは2作目になりますが、とてもよみやすいですね。読後の印象もとてもよく、また別の作品も読みたいです。
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家族の物語、自分の身に置き換えながら読んでしまう。母親に癌が見つかり壊れていく中で家族それぞれの思いが語られる。現実に起こりうる展開は先が気になり一気読みしてしまう。イノセントに続いて読んだ著者の作風は好きかもしれない。