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紙の本
パンダの死体はよみがえる (ちくま文庫)
著者 遠藤 秀紀 (著)
動物たちの遺体には、生物の進化の謎を解き明かすヒントが詰まっている。「遺体科学」が到達した豊かな知の世界を、あらゆる動物遺体と日々格闘する解剖学者が紹介する。パンダの遺体...
パンダの死体はよみがえる (ちくま文庫)
パンダの死体はよみがえる
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商品説明
動物たちの遺体には、生物の進化の謎を解き明かすヒントが詰まっている。「遺体科学」が到達した豊かな知の世界を、あらゆる動物遺体と日々格闘する解剖学者が紹介する。パンダの遺体写真も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
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博物学は生きている
2013/08/17 16:50
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もんきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
2005年刊行の新書の文庫化、と言うことで初出からすでに8年がたっているが、内容に古さは感じられません。古さはむしろ「学問と言うものは」と言う著者の主張で、いわゆる学者は象牙の塔にこもっていればよい、とも聞こえるものですが、表面的な効率だけを求めて成果を生み出せない日本企業と同じ体質が日本の学術界にもあるようです。
新しいものを掘り起こすのは、混沌の中に埋もれている事実から見つけ出すことが必要です。数学や物理学と比べて、他の学問は新しいことをするのに金がかかる(最近の物理学はものすごい金食い虫ですが)と言われていましたが、金持ちの道楽であった博物学と言うのがその基礎にあったのだな、と考えさせられました。そして、その流れを受け継いで頑張っている人が現在の学者の中にいるのです。
テレビでも時々見る先生ですが、インタビューに答えるおっとりした様子とは違い、文化(とその基礎となる標本)を残していこうと非常に熱く語っているのが印象的でした。ローレンツやグールドの著作と比べると派手なトピックが少ないのですが、研究の現場をリアルに伝えようとした結果かと思います。または、研究者本人が事務仕事までやらされる日本の研究事情の結果かもしれません。
日本も少しづつ自分たちの手で新たな現象を発見してゆこうという姿勢が芽生えてきたようにも思えますが、まだまだ道は遠そうです。こうやって闘いながら学問を支えている人を見て、応援してくれる人や自分で学問を志す人が増えることを期待します。