紙の本
『アサギをよぶ声』
2021/10/25 20:35
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アサギの村では十二歳になると男の子は男屋に入り“戦士”になる修行をし、女の子は女屋に入り結婚の準備をする
「おまえが男だったらよかった」
母の口ぐせに気がつまったアサギは、勇敢な戦士ハヤに問いかける
「女は戦士になれないのですか?」
ハヤに戦士になる手ほどきを受け、厳しい訓練を積むアサギ
いよいよ戦士になる若者を選ぶ秋祭りの日がやってきた
《素直な語り口で一人の少女の成長を描く長編ファンタジー》
『アサギをよぶ声』三部作の第1巻、2013年6月刊
戦士だった父の秘密、アサギを助ける小猿、アサギに聞こえる声……物語のしかけは続編へ
『アサギをよぶ声 新たなる旅立ち』2015年9月
『アサギをよぶ声 そして時は来た』2015年11月
そして後日譚
『闇に光る妖魔 アサギのよぶ声』2021年6月
カバーには決意を内に秘め口を真一文字に結ぶアサギの立ち姿
スカイエマが力強く描き出すアサギがかっこよくて魅力的
紙の本
面白い!
2013/10/14 20:02
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投稿者:あんず86 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者は知らなかったけど、面白かったです。
ある村に住む少女が戦士になりたい、といろんな努力を重ねて、ついに…!
男は男屋へ入って戦士になる(ならない者もいる)、女は女屋へ入って誰かと結婚する。
村の狩り手がとった獲物は村のみんなのもの、みんなが勝手にとりすぎたらどうなるか、掟となって人々を(がんじがらめに締め付け)戒めている、古代の風習。
その掟を破ってまでなりたい戦士だったのに…アサギに新たな道は開けるんだろうか。続編がありそうな予感…。
紙の本
面白かった
2024/02/29 22:39
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
おそらく縄文時代が舞台?
「村」に母とふたりで住んでいる12才の少女アサギ。
村ではとれた食べ物は個人のものではなく、「皆のもの」となり、家族や戦士の人数に応じて配られる(社会主義?)。
アサギ達親子は最低限の食べ物は割り当てられてはいたが、
他の村人からは避けられながら暮らしていた。
貧しい暮らしに疲れた母から「お前が戦士だったら」とこぼされる事に鬱屈を感じていたアサギは、
ある時村の戦士ハヤに「女は戦士になれないのか」と聞くが…。
主人公が村人に辛く当たられる話なら読むのキツイなぁと思っていたのですが、
ハヤを始めイブキなど、味方してくれる人もいて良かった。
何故アサギ達母子は半ば村八分のような扱いなのか?その理由が分かるくだりが面白く読めました。
ただアサギの父親の亡くなり方は、児童書だからかサラッと書いていたけれど、
つまり暴徒化した村人達による私刑だったということで、これは映像でイメージするとすごく怖いなと思いました。
現在でもあり得る話です。
ハヤの師サカの言葉「かけた努力にこだわるな」は自分にもグサっときた含蓄ある言葉でした。
続編があり、きっと「とが村」がまた関わってきそうな感じですが読んでみたいと思います。
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読みはじめると、アサギのことが気になって、最後まで一気読みでした。
無心になることでさえ難しいのに、聞くことのできる、それはもはや選ばれた才の持ち主だと思うアサギ。
彼女にとっては言われのない壁、虐げ。
だから、最初は突き崩せないのが、うーん。と、モヤモヤしてしまった。
どうしても、彼女を勝たせてあげたくなって。
けど、ラストシーンを読んで、本をとじ、表紙絵のアサギを見たとき、あー、そうか。これで、よかったんだ。って思えた。
弓を射る経験は一度もないけど、バスッ が胸に響きました。
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村の外れ者として、母と二人で暮らす少女アサギは、自分に冷たい母に見直してもらうため、もっといい暮らしをするため、村の戦士ハヤに弓の稽古をつけてもらい、戦士を目指します。
女はひとりも戦士になったことのない村で、戦士候補の少年たちを抑えて一位の成績にならなければ戦士になれないと言われ、少年たちと違って弓や矢じりの配給もない中、知恵と努力で弓の腕を上げていくアサギ。
村人から忌み嫌われる父の謎などを絡めながら、ついに村一番の弓の腕を示し、アサギの努力する姿が母の胸を打つ、という話でした。
自然の中でひとり知恵を絞って励むアサギの姿は清々しく、単調ではありますが面白い話でした。
しかし、だからこそ終わり方が腑に落ちません。
理性ではこういう終わり方もアリだと理解できるのですが、感情で納得ができません。
これは好みの問題かもしれませんが、この終わり方で読み手を非常に選ぶ作品になってしまっていると思います。
個人的には読後感が不快に感じるほどでした。
途中が面白かっただけに、なおのこと失望感が強くなってしまいました。
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古代(狩猟の時代から村が形成されてきたころ)の日本、設定でしょうか。
アサギの村では十二歳になると、女の子は女屋に、男の子は男屋に入る決まりになっていた。
アサギは母子二人暮らし。村のはずれに住んでいる二人は、昔のある事件をきっかけに、差別されている。
家に男の子がいないので、配給も少ない。
アサギは十二歳になるが、女屋に入れるかもわからない。男の子なら、男屋に入って戦士に選ばれるため修行し、戦士になれれば配給も多くなる。
女の子であるために、母からいつも愚痴を言われているアサギは、
ある時、掟をやぶってハヤという戦士から弓の指南を受ける事にした。戦士になる試験は弓当てだからだ。
アサギとハヤの秘密の特訓。
弓すら持っていないアサギは、それを手に入れるところ、作るところからはじめる。
アサギの父にまつわる 村の悲しい事件、
アサギが生きて行くために努力し、また、思わぬアイディアで人生を切り開いてゆこうとする姿がいい。
ラストは・・・
このラストは、続きが読みたくなるなる!
小学校高学年〜
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さらりと読めてなかなか面白かった。
12歳になったら女の子は女屋に入り結婚の準備、男の子は男屋に入って戦士をめざし修行するというのが村のしきたり。
その村の掟を破って戦士になろうとする12歳の少女アサギの物語。
ハヤという戦士から教えを受け、いよいよ戦士を選ぶ祭りの日がきた。
対戦をする男の子たち、戦士ハヤとの秘密の修行、長老たちの思惑、父の秘密、母との距離、謎の猿、アサギに聞こえる不思議な声など、おもしろい要素がギュッとつまっている。
想像するにこの先、恋もありそうだし、アサギもこのままではいないはず。謎の猿の正体や別の村の出方も気になるところだ。
きっと続編を出していただけると期待しながら。
小学校4年生くらいからかな。
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イラストが素敵です。
出口が欲しい。
心の底からの願い。
アサギの必死さが、心を打つ。
が、あの猿は結局なんなのかなあっとちょっと疑問。
いや、なんかいきなり友達?的な関係になっていたような・・・・。
怪我したのを助けた、とかゆーならまだしも、ちょっと手当したくらいの
ような気が・・・・。
まあ、同じひとりもんどうし心通わせるって感じなのかなあ??
結局戦士にはなれなかったわけで、ええっ?そーゆー展開なんだ?
っとちょっとびっくりしたのだが、
なんだかここからまたなにか始まるような気配。
外の変化もあるし、アサギがこのまま女屋に行って村の仲間になっていく
という未来はないような気もする。
それでもそうなったらそうなったでアサギは強く生きていきそう。
彼女の父の話は悲しいものだが、
間違えた理由が「声が聞こえない人だったから」とゆーのが残念。
腕もあり、いい人でもあったけど、所詮物事を一辺倒からしか見られなかった、ってこと?ちょっと厳しいな。
でも、大抵の人は声が聞こえないもんじゃないか。
だからこそ、流される。
そして、その先に、幸福もあれば、悲劇もある。
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感想を放置し過ぎて忘れたシリーズ……なんだけど、メモにちょっとだけ書きかけの感想が残ってた。
小学生だって10年ぐらい生きている。ハッピーエンドの約束された御伽話ばかりに触れ続けていれば、だれだって飽きるに決まっている。
そのうち子供たちは不穏な話に興味を持ち始める。めでたしめでたし、にならなかったら主人公はどうするのか。私たちが子供の頃は、学校の怪談がよく流行ったが、いまだ他人事にすぎない死への恐怖、身近な場所に潜む怪異への憧れだけではなく、先に書いたような理由もあるのではないかと思う。
『アサギをよぶ声』は、決してハッピーエンドの話ではない。アサギにとっては希望のある終わり方ではあるけれど、戦士になるためにアサギが払った多大なる努力は、女屋に入ってしまえばまず生かされることはない。
「努力は報われる」という言葉は大人が往々にしてつきたがる嘘である。世の中、報われない努力がほとんどだ。(ここまで)
ここから何を書こうとしていたのかまったく思い出せないのだった……。また読んでもいいな、これ。
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アサギの生きざまの物語だなと思いました。生き方ではなく生きざま。
事実を見つめて「次は何をするか」と考えて行動に起こすことを知ったアサギは翼を手に入れたかのようで、知識は武器だなあと改めて。
親友の娘を指導するハヤはジグロみたいだなーあっという間にファンになりました。かっこいいよー!
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読みやすく、そこそこ面白い。この本はまだ始まりで、これから物語がどう展開し、纏まるかが、作品の価値になるだろう。
村八分にされている娘が、他の娘とは違う、男と競って戦士になることを決意するわけだが、見た目美人で戦士的な才能があるという御約束の設定には、大人としては鼻白むし、選ばれし戦士には「声」が聞こえるというのも、読み手に説得力があるように書けるのかという不安を抱かせる。
でも、まあ、続きを読んでもいいかという気持ちにはなった。
それにしても、スカイエマは売れっ子だと理解していても、絵が荒れてないか。PCで描くことは否定しないが、それは一定のクオリティがあればこそ。手描きより劣るならやめた方がいい。まあ小学高学年から中学生が魅力を感じ、ライトノベルっぽくならないイラストが描ける人は意外に少ないからこの人に依頼が集中するのだろうけど。
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三男が誕生プレゼントにねだって3冊一気にゲット。
読め読めというので、読んでみたら…なんの!なんの!
面白いではないかっ!
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ちょっと期待しすぎたかも。
当たり前だけど児童書でした。
いや、これでは本好きな子供には「なんか浅いなあ」と思われてしまうと思う。
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最初からどうしてもこれをやりたいと思って、自分の好きな道を見つける子も、いるだろう。でも、もしかしたらアサギのように、親の反応がその子の方向性を決めていることもあるんじゃないかと思う。
親がみんな強いわけじゃない。自分自身が誰よりもかわいいと思っている親だっている。
そこをまっすぐ書いてくれているのも、うれしい。
自分の出口を自分で必死に模索してあがくアサギに強く共感する。