紙の本
オキシトシン
2017/10/21 21:59
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
オキシトシンという物質に対する実験や考察を経て、人間関係における信頼についてを語っている。自由競争における格差についても考えたい内容の本である。
紙の本
オキシトシン
2021/10/19 10:14
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、オキシトシンを摂取しすぎたせいで、少し頭がおかしくなったのではないかと思った。実験結果は面白いけど、結論は受け入れられない。特に、最後の二章は読む価値なし。
ただ、実験のところは読んでて楽しかった。研究をとても楽しんでいるのが伝わってきた。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-11590663817.html
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信頼とか思いやりとか共感とか。主観的な感情を本気で科学した本。結論部はごく平凡にまとまっちゃった感はありますが、パプアニューギニアの部族からサンプルを採ったり、スカイダイビングをしてみたり、ユニークな実験の数々とその考察はすごく面白かったです。
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オキシトシンはHOME回路を作動(ドパーミンは「他人に優しい行動」を強化し、セロトニンは気分を高揚させる)させ、人々の共感⇒道徳的行動⇒信頼⇒繁栄⇒オキシトシン↑・・・という繁栄サイクルを生み出す。そしてオキシトシンは全ての愛(性愛「エロス」他者「フィリア」家族「ストルゲー」自己超越「アガペー」)を網羅する。という。一方、筆者は暴力と競争をつかさどる「テストステロン」についても言及しており、むしろこちらの方が、厄介だ。男はテストステロンが高くなりがちとあるが、女性は刺激を受けると、高いレベルのオキシトシンを分泌し、絆を強めていくように出来ているらしい。確かにいざというときに頼りになるのは女性の方が多い気がする。競争社会から繁栄サイクルへと展開するKeyは女性なのかもしれない。
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脳科学、生物学的な知見も含めた行動経済学に興味があり、新しい社会のモデルについて知りたくなり手に取る。
伝達物質のひとつである「オキシトシン」が信頼と共感を生み、資本主義に代わる新しい経済のあり方について研究の成果に基づいて説明している。
オキシトシンは女性ホルモンであり、他者からの信頼を得ることで一時的に自らもオキシトシンが増加することで、利他的で非合理的な行動をとるという。
公共財ゲームや信頼ゲームといった実験を重ねることで、特に愛情を受けて育った人、信仰の深い人は他人を信頼し幸福度が高いことが分かる。
しかし、進化の過程で人間は生存するために、知能をもった他の生物から生き延びるために「テストステロン」といった競争を促す男性ホルモンをもって進化してきたと述べる。
テストステロンが分泌されることでオキシトシンは分泌を抑えられるが、他人から騙されることもなく、敵対心をもつことで危険から身をまもることにもなっている。
特にテストステロンは罰を与えることに快感をもつため、社会の秩序を保つことにも自然となっているという。
現に、先述のゲームでも罰を与える(法を規定)することで他人を裏切ることはなく、安定した秩序を保てることも述べている。
資本主義の限界が各方面で言われているなか、新しい経済モデルを人間の生物学、脳科学の知見を取り入れて考えることは非常に面白いと思った。
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人の信頼関係を、小さな分子(ペプチド)で、脳の中で信号を送る神経伝達物質と、血液中でメッセージを運ぶホルモンの両方の働きを持つ「オキシトシン」に着目して、どのような時にそれが分泌されるのか、あるいはそれを注入した場合にどのような影響を与えるのか等の実験から「愛と共感」との相関を導き出し、それこそが経済を繁栄に導くと説く。
共感あるいは信頼関係が経済活動にブラスに働くというのはパットナムの『哲学する民主主義』以降、定番とも言える言説ですが、ハグやマッサージのようなスキンシップあるいは宗教やダンスそして感動の物語でオキシトシンが分泌され共感と信頼に繋がるとの実験結果はとても新鮮で良かった。
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「あなたは自分がしていることを堂々と母親に告げられますか?」
これはebayが他国に進出する時、倫理規定を考えた時に考え出した言葉である。はっとさせられる言葉である。
コンピュータはプログラムを忠実に実行するだけだが、ヒトは何らかの意図を持ち、複雑な行動を組み合わせて何らかの結果を生む。
海馬により短期記憶、睡眠により定着すると言われている記憶はいずれも過去のモノである。
各種ホルモンは未来の行動の方向性、意思決定の際のバイアスであると考える。これの異常が、うつ、発達障害などや影響しているのはもはや疑いは無いだろう。
本書が示すのは、我々の行動、特に他者へのいたわり、優しさの根源には、オキシトシンが関わっているという研究結果である。
さらには、オキシトシンとは逆の働きをするテストステロン、そしてそれらのバランスを我々はとっているらしいという調査結果である。
オキシトシンの分泌を増やすことも可能だ。手をつなぐ、ハグする。個人的にはメールときたま電話でもいいから、日々感謝することが大事だと思うし、そう実感する。
我々はときたま後悔をする。その後悔もこういうホルモンのなせるワザなのかもしれない。
後悔とは何かをなす前に出来ないから後悔なのだろうが、最初に引用した言葉を都度思い出すことで、より良い決定が出来ると信じる。
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フォトリーディング&高速リーディング。
読了。
オキシトシンが人の道徳を高め、繁栄をもたらすという話。しかし無神論が基礎になっており、6章は30ページまるまる宗教、特にキリスト教に対する攻撃の章であった。
オキシトシンとは脳内化学物質であり、血液の中の情報を伝えるホルモンでもある。人を信頼し、信頼されると分泌される。しかしテストステロン(男性ホルモン)の分泌と拮抗し調節されないと、詐欺に騙されたり無意味に信頼したり、無防備な人柄になってしまう。
人格障害や自閉症、コミュニケーションの生涯はこのオキシトシンの分泌障害が原因。解決策は人に信頼される事、マッサージを“する”事によっても分泌される。
著者は一日8ハグを提唱している。幸せになれるのだとか・・・。
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オキシトシンって出産のときからお目にかかり過ぎて身近な名前だったから読んでみたら思い当たるところが多くて。産後、前とくらべて考え方や感じ方が大きく変わってるなと思うことが増えたのでいろいろと腑に落ち。経済のお話は3割くらいで、人(と動物)の行動とホルモンの関係についてが殆ど。
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サブタイトルにある「愛と共感の神経経済学」に惹かれ購入。社会や個人が幸福で繁栄の道をたどるのか、広い意味で貧しいままなのかを決めるのは、資源の有無や技術力、軍事力ではなく、互恵関係や信頼性だという。個人的経験に照らして考えても、不幸や出来事に見舞われている状況を見ると、それが映画であっても涙するし、一緒に成功を祝える仲間たちとは一生付き合いたいと思える。昨今求められるリーダー像もこう言った考え方に立脚しているものが多いのは、みな、薄々感じていたり求めていたりするからなのだろう。信頼性を構築するのに手っ取り早く実践できるのは、嬉しい時も悲しい時もハグ。フリーハグってなんじゃと思っていたけど、こういうことか。
ところで表紙はクリムトの「接吻」。本書のエッセンスを象徴しているんだろうけど、この男女は実は崖っぷちに立っている。これも象徴なのか。
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人間の道徳的な行動のカギはオキシトシンという化学伝達物質。平均的に女性の方が多い。
オキシトシンを増やすには、信頼を込めて人と接するだけでよい。それだけで相手はオキシトシンが急増する。
自然界では、環境からのシグナルによって、リラックスして安全な事がわかるとオキシトシンが急増する。
オキシトシンの分泌が促されると、今度は快感を生じさせるドーパミンとセロトニンが分泌される。セロトニンは不安を減らして気分をよくする効果があり、ドーパミンは目標志向行動や衝動、強化学習に関わっている。
「共感」はオキシトシンレベルの上昇と直結している。
信頼されるとオキシトシンレベルが上がり、より信頼される行動を取り始めるので、より信頼されるようになる。するとさらにオキシトシンレベルがあがり、さらに信頼される行動を取り始める。これを善循環という。
母親は赤ん坊を目にしたり、匂いをかいだり、鳴き声を聞くだけでオキシトシンが上昇し、物の見方が暖かく母性愛に満ちたものに変わる。
人間の脳は他者の快感や苦痛を自分自身のものであるように文字通り経験する。だから、人にしてもらいたい事を人にするのは自分の為でもある。
人間の赤ん坊は、もともと他者を助ける傾向があり、たとえ相手が生き物でなくても優しくふるまうものを好み、そうしないものを嫌う。
スポーツなどの友好的なゲームに参加してもオキシトシンが豊富な絆を結ぶ。
オキシトシンの拮抗物質にテストステロンがある。女性よりも男性が10倍多く、筋肉量を増やし、骨の密度を高めるので、運動能力を著しく向上させる。持久力、攻撃性が増し、暴力と競争を司る。
テストステロンレベルが高いほどオキシトシン反応が妨げられ、共感を経験し辛くなる。
善循環が始まり、善に報いるだけでなく、悪を制裁する事によって向社会的行動を奨励する制度が最高の見返りをもたらす。
男女の視点のバランスを上手くとる事が長期的には最善の結果をもたらす。
長い間いつも必ず競争に勝っていると、テストステロン過多となり、特有の醜悪な男性的行動が強化される。
人に好かれると組織で出世する助けになるが、トップに立つと嫌な人間に変わる。それは、視線を合わせる事によって伝え合う社会的な合図を捉える能力がテストステロンによって抑えまれるから。テストステロンレベルが高いトップが他人を評価する時に、固定観念や一般論に頼りがちな理由や、自分自身の失敗を正当化する理由の一端となっている。
言葉はとても重要で、「パートナー」と言うだけで、「対抗者」と言った時の2倍以上の信頼レベルになる。
集団の外側と内側の区別をつけるせいで共感が抑えられ、非常によくない場合があるのは、人間は群衆に従うとドーパミンが作動して集団浅慮や服従が快くなる事。
社会には人口の5%が無条件非返礼主義者であり、彼らはオキシトシンが過剰に検出されている。受容体のオフのスイッチが働かず、機能���害を起こしている。(分泌すべき時に分泌できない。)
エピネフリンとコルチゾールのどちらかが高まると、オキシトシンの分泌が抑えられ、善循環が阻まれる。
eBayが他国に拡大する際、倫理規範や趣味の良し悪しの基準の翻訳が次第に問題になった時、彼らが考え出した基準は、「あなたは自分がしている事を堂々と母親に告げられますか?」だった。
偉人とは童心を失わぬ人なり。
移民は短期的には社会の信頼を減らすが、彼らが同化するにつれて解消される。問題は、あまりに激しい敵意に直面した移民が分離したままになる点にある。
オキシトシンレベルを上げる方法として、1日8回ハグをする事。善循環はハグから始まる。
誰かと会う時、「この訪問を最高に価値のある充実したものにする為には自分は何をしたらよいか?」を問う事。その場に完全に身を置き、相手に傾聴する。
オキシトシンが支配する共感的な人間のつながりは、信頼と愛と繁栄のカギを握っている。共感的な人間のつながりこそが、我々の追い求める善である。
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タイトルのうまさで技ありの本書、実証実験をとおして経済的繁栄のための異なるアプローチを模索する。「振り込め詐欺」が横行する現実社会に鑑みると理想主義的な視点だが、それは魅力的な理想像でもある。ところで「競争」がなければ我々が享受している革新的な技術はどれだけ具現化されていただろうか。
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思い立ったが吉日、大切な人にハグをしよう。夫婦であっても、なにを今更と思うだろうけど、こんなに良いこと尽くめなら、しない手はない。さぁ、今日愛しいあの人が帰ってきたら恥ずかしがらずに、おかえりとぎゅっと抱きしめてみよう。
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机上だけでなく、体を張った実験がいい。
人文科学もオキシトシンに効果あるのね。
文学、芸術が好きでよかった。