紙の本
ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」 (文春文庫)
著者 高瀬 毅 (著)
【平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(第15回)】被爆した浦上天主堂の廃墟は保存を前提に残されていたが、戦後13年目に突然取り壊された。その裏には何があったのか? 長崎...
ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」 (文春文庫)
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商品説明
【平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞(第15回)】被爆した浦上天主堂の廃墟は保存を前提に残されていたが、戦後13年目に突然取り壊された。その裏には何があったのか? 長崎原爆の隠された真実に迫る。東日本大震災の遺構撤去を巡る補記を附す。【「TRC MARC」の商品解説】
世界遺産クラスの遺構は、こうして失われた
爆心に近く残骸となった浦上天主堂は、保存の声も高かったのにも拘らず完全に撤去、再建された。その裏にいったい何があったのか?【商品解説】
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長崎にはなぜ原爆遺構がないのか
2017/08/11 19:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
池袋の新文芸座で、先日、熊井啓監督の「地の群れ」をみた。
冒頭に被爆した長崎浦上天主堂の無残な状況とその天主堂の取り壊しのシーンが象徴的に映されていた。
そのとき、広島には原爆遺構として、原爆ドームがあるのに対して、長崎にはなぜメモリアル的なものがないのか不思議に思い本書を読んでみた。
実は浦上天主堂を残そうという動きがかつてあったが、
一転、取り壊されることになってしまう。
本書はそのような決定がなされた背景、事情を、当時の文書、議事録、長崎の歴史等そして、アメリカに渡り調査し明らかにしていく。
事実を拾い上げていく描写は、ミステリーを読んでいるようである。
著者は長崎の原爆遺構の撤去はアメリカに巧妙に仕掛けられたものであるという仮説に行きつく。
著者の仮説の決定的証拠が発見できなかったことは、著者自身が認めている。
しかし、現在もアメリカの意向に沿った形で連綿と政策が決定される様を見るにつけ、仮説には説得力がある。文庫版のあとがきでは、福島原発事故にも触れ、第五福竜丸の被爆にアメリカへの批判が集まることをおそれて、原子力の平和利用としての原発が推奨されて、福島の事故につながっていることを指摘している。
「いい加減にしてくれ、アメリカ」ともう気がついてもいいのではないだろうか。