紙の本
岩崎航くんの詩を読んで
2016/06/05 15:37
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kiyo - この投稿者のレビュー一覧を見る
私も病を負う者です。
彼の詩集をいつも枕元に置いています。
読みたいときすぐ手に取れるように。
航くんの詩に出会えて本当によかった。
君の苦しみは、君だけのものじゃないよ。
君がいて、本当によかった。
紙の本
一生懸命に人生を歩んでおられる姿に人生の羅針盤を頂きました
2014/06/11 22:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:笑顔さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
聖教新聞に岩崎航さんの素晴らしい生き方が載っていたので、昨年の9月に「点滴ポール生き抜くという旗印」を購入して読みました。逆境の中で、人生を投げやりになられず、真剣に真摯に逞しく、家族や周りの人たちのことまで思いやられる生命力、使命感、思いやりに仏の境涯をみました。本当に生き抜くという旗印にお手本を見ます。
紙の本
人生以下に生きるか
2013/08/25 14:31
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わんわんわん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変に重いテーマですが、その答えをつかむために、人間の弱さと強さをありのままに5行詩の中に綴られています。
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仙台のKさんが「ブックマーク」81号で紹介してくださった『点滴ポール』は、近所の図書館にあって、すぐ借りてきて読んだ。図書館で借りた本をじーっと読んでいて、これは!と思い、近所の本屋で注文して買った。それから、また何度も読んだ。
仙台では、"『点滴ポール』でつながる仙台のマチ ~みんなでつくる旗印~"という、一冊の本で本屋がつながるイベントがひらかれていたそうで、Kさんも行ったと言ってたし、やはり仙台に住むSさんからも行ったよーと聞いた。
↓それは、こんな風だったらしい。
http://d.hatena.ne.jp/nanarokusha/20140114
著者の岩崎航(いわさき・わたる)さんは、五行歌というかたちで詩を書いている。「詠み手の言葉のリズム(呼吸の切れ目)で五行に分かち書きする」というもの。
私のこころに残った詩のひとつは、「痰」。
http://skynote21.jugem.jp/?eid=563(詩集では、p.137)
今、あきれるほどの
痰の多さにうんざりなのだが
それは体内での
知られざる
生の攻防戦の証しでもあって
詩集の巻頭にあるエッセイの一節で、岩崎さんはこう書く。
▼授かった大切な命を、最後まで生き抜く。
そのなかで間断なく起こってくる悩みと闘いながら生き続けていく。
生きることは本来、うれしいことだ、たのしいことだ、こころ温かくつながっていくことだと、そう信じている。
闘い続けるのは、まさに「今」を人間らしく生きるためだ。(p.7)
私より7つ若い岩崎さんが、20代前半で自分の人生を「余生」としか考えられなくなっていた、という。3歳で発症し、翌年診断された進行性筋ジストロフィーとともに岩崎さんは生きてきた。20代の半分は、ひどい吐き気にたえまなく襲われ、徹底的に打ちのめされた。「ただ静かに余生を送りたいだけなんだ!」と思い、「家族と一緒に束の間の歳月を穏やかに生きられたなら、周りに迷惑をかけないよう、自分が苦しまないよう、病気で死んでいければそれでいい」と思っていた。
その頃を振り返り、そんな絶望のなかでも、みずからの命の奥底には小さく燃えている埋み火のようなものが残っていた、闇の中でそのかすかな光を見いだした、という経験が綴られ、詩にも書かれている。
そして岩崎さんは、くるしむ自分の背をさすり、祈り続けてくれる親のありがたさを心の底から実感する。詩には、お母さんのこと、お父さんのこと、家族のことが折々に書かれる。わけてもお母さんのことが。
先日、友人Yさんと会った時にこの詩集をお貸しした。岩崎さんはお母さんのことをずいぶん書いていたが、「お母さん」が読んだら、どうかなあと思っていた。Yさんには、進行していく筋ジスとともに生きる子どもさんがいる。Yさんと、またゆっくりこの詩集のことを話したい。
私はまた図書館で『点滴ポール』を借りてきて読んだ。岩崎さんの詩を読みながら、母のことをふと思ったりもする。
今の私に印象深くのこる詩のいくつか。
「腹を決める前の」(詩集では、p.33)
http://skynote21.jugem.jp/?eid=375
「桜」(詩集では、p.38)
http://skynote21.jugem.jp/?eid=532
「特別ではないよ」(詩集では、p.67)
http://skynote21.jugem.jp/?eid=589
齋藤陽道(さいとう・はるみち)さんの写真も、いい。
(3/7了、以後くりかえし読む)
*岩崎さんの公式ブログ
http://skynote21.jugem.jp/
*岩崎航さんへのインタビュー
生きる、ということ。岩崎航・詩人・進行性筋ジストロフィー・点滴ポール
http://www.1101.com/iwasaki_wataru/2014-02-05.html
*齋藤陽道さんのサイト
http://www.saitoharumichi.com/
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詩はすばらしく、読んでたくさんの力(パワー)をいただいきました。ありがとうございました!
すみません、さきほど挿絵のことでコメントしましたが、違う方の詩集にあった挿絵のことと間違えてしまっておりました。岩崎さん、ごめんなさい!
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いっとき、自殺すら考えたことがあるといいます。そして、20代のうちの4年間には吐き気に苦しんだ時期もあったそうです。そうやって地獄を見てきたからこそ、生の輝きを痛いほどわかっている方なのかもしれない。なにかきっと、根源的な人間の生の力ってものがあって、それを意識の上で掴んでいるのが岩崎さんだという気がする。この本に出会えたのはよかったなぁと思いました。「病身の人の詩だから」なんていうのに代表される偏見は吹き飛んでしまえばいいです。
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生きた言葉
本を選ぶとき「間違いない」と確信を持てる個人的ガイドラインがいくつかある。
一番は、村上春樹であること。
二番は、柴田元幸。
三番がほぼ日である。
今まで何度となく“ほぼ日”でオススメしている書籍をオススメされるままに手にしてきた。
「困ってるひと」
http://booklog.jp/users/uttyi/archives/1/4591124762
「懐情の原形」
http://booklog.jp/users/uttyi/archives/1/4901234048
「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」
http://booklog.jp/users/uttyi/archives/1/4822248526
「イシューからはじめよ」
http://booklog.jp/users/uttyi/archives/1/4862760856
などなどドナドナ…
振り返れば、全てのレビューにほぼ日で知ったと丁寧に書いているから面白い。
それと同時にほぼ日の影響力の凄まじさを感じずにはいられないわけで。
だいぶ脱線したところで、今回もみんな大好きほぼ日で紹介された一冊。
【ほぼ日:生きる、ということ。】
http://www.1101.com/iwasaki_wataru/2014-02-05.html
「点滴ポール 生き抜くという旗印」
過去に一度でも「死にたい」なんて思ったことを全力で悔いるほど、岩崎さんの言葉は力強い。
日々、刻一刻と体は蝕まれ、動かなくなっていくのに、こんなに強く生きられるものなのかと。
力強いという表現に語弊を覚えるほど、心を揺さぶられます。深く。しっかりと。
それもたった五行の詩に。
詩を好きになってずいぶん経つけれど、五行詩というのは初めてで、たった五行でこんなにも豊かに、世界を、生き様を、心を、表現できることに驚きを覚えました。
弱気も強がりも、すべてを五行で吐き出せる、素直さに。
それも難しい言葉ではなく、何気なく普段使うような言葉の組合せで。
ありきたりかもしれないけれど、自分が感じる“辛さ”なんて、たかが知れてるな。と恥ずかしくなる一冊。
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【ブックハンターさんからのコメント】
筋ジストロフィーの詩集です。
日常生活で気がつくことのない小さな幸せを感じることができる本です。筋ジストロフィーの患者さんについて知ってもらういい機会になると思います。
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著者の岩崎航は、3歳で進行性の筋ジストロフィーを発症。
徐々に症状は進行し、現在は人口呼吸器を使い、
胃ろうから経管栄養で食事し、生活の全てに介助が必要な状態である。
そんな状況にあって、25歳で自分にできることがしたいと短歌俳句を作り始める。
その後、五行詩という詩型に出会って創作を続け、
この本にはその彼の五行詩とエッセイが収められている。
ままならない自分の体に絶望し、自殺まで考えた彼が、
自分自身と闘い、自分の人生を肯定するところから生まれてくる詩は、
どれも人生をまっすぐ見つめており、力強い。
どんな
微細な光をも
捉える
眼(まなこ)を養うための
くらやみ
羨んでいた
焦がれていた
爛(ただ)れた心の
感傷の赤
今はもう 茜色
乾かない
心であること
涙もまた
こころの
大地の潤いとなる
彼にしか生み出せない詩に、病とではなく、
誰よりも自分自身と向き合い、対話し、闘ってきた彼の人生が伝わってくる。
本来、誰しも自分自身と向き合うことが一番辛いことだ。
彼の姿勢から学ぶものは多い。
そして何よりも勇気をもらえるのである。
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3歳で進行性筋ジストロフィーを発症し、現在は胃ろうと人工呼吸器を使用しベッド上で過ごしている岩崎さん。彼の五行歌からは、精一杯生き抜こうという強い思いがまっすぐに伝わってきて、胸が熱くなった。岩崎さんがこのような詩を書けたのは、ご両親の存在も大きいだろうな。「何も言わずに/さすってくれた/祈りを込めて/さすってくれた/決して忘れない」「本当に花のある/人がいる/その花は年を重ねても/色あせない/楽観の母の輝き」「日付の大きい/カレンダーにする/一日、一日が/よく見えるように/大切にできるように」
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久しぶりに、泣けました。
本気で、泣けました。
静かに、泣けました。
齋藤陽道さんの写真は、やっぱり温かいです。
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岩崎航 「 点滴ポール 生き抜くという旗印 」 絶望の中の希望を感じる詩やエッセイ。
叱咤激励するというよりむしろ、自分の非力を受け入れて、自身が 人生(運命)からの問いに 応えている感じ
点滴ポールと旗という言葉選びがうまい
*旗=生き抜く自己存在の強さ
*その旗を点滴ポールに 揚げて ドンと構えている 著者をイメージした→船頭に立つ海賊な感じ
「生きる」という言葉が、「死なない」という意味に使われている。生きることの自発性というより、死なないことの自発性を感じる
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本当に
そう思わなければ
祈りでは
なく
呟きなんだ
確かにその形は
違う、けれども
気づいた
いつの間にか
届いた 祈り
思いのほんの
竹膜ほどの差で
変わってゆく
ひとの 生き様
ひとの 死に様
楽観主義とは
現実の忌避
ではない
意思と勇気の
芯の強さだ
勝負事を
避けるように
生きても
最後は自分との
勝負事
理屈じゃない。五行に込められた魂
読んでほしい。
紹介してるのは、ほんの一部。
岩崎航さんは、Twitterもやってる。
「生きる」こと、伝えたいから。
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五行で紡ぎ出されるほとばしる「生」に引き込まれ、ゆっくりとページをめくりながら自分の「いま」も五行で現したくなる欲求にかられる。
挟まれる写真の光が美しく、著者のまつ毛の可愛らしさ、その瞳のエネルギーに、思わず見つめあってしまう。
明日が
苦しい夜
ひらく
五行詩から
見つめる眼
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本当に様々な人に読んで欲しい1冊。進行性筋ジストロフィーという病気の中で生きてゆくための五行詩。東日本大震災の話も凄いです。家族が居てくれる有り難さを感じます。