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紙の本
よろずのことに気をつけよ (講談社文庫)
著者 川瀬 七緒 (著)
都内に住む老人が自宅で惨殺された。奇妙なことに、遺体は舌を切断され、心臓をズタズタに抉られていた。さらに、縁の下からは「不離怨願、あたご様、五郎子」と記された呪術符が見つ...
よろずのことに気をつけよ (講談社文庫)
よろずのことに気をつけよ
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商品説明
都内に住む老人が自宅で惨殺された。奇妙なことに、遺体は舌を切断され、心臓をズタズタに抉られていた。さらに、縁の下からは「不離怨願、あたご様、五郎子」と記された呪術符が見つかる。なぜ老人はかくも強い怨念を受けたのか?日本の因習に絡む、恐るべき真相が眼前に広がる!第57回江戸川乱歩賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】
【江戸川乱歩賞(第57回)】変死体のそばで見つかった「呪術符」の意味は? 被害者は呪い殺されたのか? 呪術の研究を専門にする文化人類学者・仲澤大輔が、殺人事件の真相に迫る。謎が謎を呼ぶミステリーの快作。〔2011年刊の一部を加筆・修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 第一章 三つの血判
- 第二章 師走の月に降る雪
- 第三章 土佐と陸奥を結ぶもの
- 第四章 よろずのことに気をつけよ
- 文庫版あとがき
著者紹介
川瀬 七緒
- 略歴
- 1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服デザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、2010年第56回江戸川乱歩賞の最終候補に選ばれる。2011年、同賞二度目の応募作『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞。15年ぶりの女性受賞者にして、乱歩賞史上初の女性ダブル受賞として、大いに注目を集める。
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紙の本
法医昆虫学シリーズファンにもおすすめです
2019/07/27 00:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さきえる - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸川乱歩賞受賞作とのことでしたが、私は法医昆虫学シリーズが大好きで、川瀬先生というよりはきっと赤堀や岩楯刑事のファンでした。この作品は法医昆虫学シリーズとは毛色も違うだろうし…と思い、今まで手を出していなかったことを、しかし見事に後悔しました。
物語の内容はさておき、川瀬先生の描くキャラクタの「人物に対する観察力」の完成度はこの頃から変わらずとても高いです。間違いなく川瀬先生だと思わせる観察の表現が、読んでいて安心します。
また、法医昆虫学シリーズでも見え隠れする信教・オカルト的な部分が好きな方は垂涎の内容す。リングや残穢のように、世代や土地を越えて語られる日本的なホラーが好きな方にもおすすめします。私は方言や時勢、地名などの関連性が好きなので、なんだかもうワクワクが止まりませんでした。
以下、すこしだけ内容に触れます。
呪詛に費やすのは呪われた人の命だけでなく、呪う側の心や魂も同じであること、しかしながら現代における呪詛の存在やその現実など、うまく完結していたと思います。
呪いというもののお話なので、やや現実味に欠ける部分もあるかもしれませんが、よくここまで突き詰めて書かれたものだと感心しました。参考資料まで少し探してしまったくらい。呪いに関わる部分は一文一文がおぞましく思え、鶴水に気をとられるあまり飛鷹を見落とすくだりなどは川瀬先生らしい伏線回収だと思わず踊りました。
あと、法医昆虫学シリーズでの赤堀もしくは岩楯刑事のピンチが好きな方、凄惨な遺体がお好みの方、今作にもあるので未読の方はぜひ楽しみにしていてください。
また、物語のおわりのなんとも言えない後味も、個人的には素晴らしかったです。メビウスの守護者が好きな方は好きかもしれないですね。
事無草に気づいた仲澤、自ら気づかせた真由。真由の覚悟と意志、仲澤の個人的興味や本質に基づいた選択。誰しもが大なり小なり罪を背負って生き続けていくお話でした。
ひとつ川瀬七緒のファンに近づけた思いです。読めてよかった!
紙の本
呪い殺す!
2015/12/24 21:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
惨殺された老人の家の床下から、怨念が匂い立つような呪術符が見つかります。
優しかった祖父に何故こんな呪いが?
孫娘は呪術を専門にする人類学教授の主人公とともに事件の解明に挑みます。
個人的感想
古来から伝わる呪術に絡んだジワジワとくる恐怖で話が進みます。
面白かったです。
ただ、呪いの根幹部分、呪われる側の理由がありきたりで残念。
呪う側も呪われる側も、お互いそれぞれの悲しい過去があれば最高だったのですが。
紙の本
ひきこまれる
2015/05/03 17:06
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
祟りや呪いによる一昔前に推理小説はこれまでにもあったが、現代社会での呪いをテーマにした設定が面白い。
主人公は呪術を専門としている文化人類学者だが、いわゆるオタク。
祟りや呪いは人里離れた田舎の殺人事件が相場だが、この話は都会で発生し範囲が四国、京都、東北と全国にまたがるスケールの広さ。
読んでる間にどんどんひきこまれてしまった。
クライマックスでを主人公らが助かるシーンのつながりがはっきりしないのが残念。
紙の本
スピーディーな展開…
2015/08/23 09:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は例えば将棋を一局指すのではなく、詰め将棋の譜を見せられるようで、よく言えばスピーディーな展開でおもしろい。悪くとればせっかちな感じが否めない。冒頭からいきなり本題に入って引きずり回される主人公にしてからが何のためらいもなく日常をほったらかして先へ先へと読者を導いていこうとする。兎に角、一気呵成に書き上げたという感じだ。刑事側の視点に立っていないため肝心の殺人事件の殺人の部分が希薄ではあるが、主人公たちの呪術の追求が興味深く物語の進行に飽きさせる事はない。