驚く力 さえない毎日から抜け出す６４のヒント

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人と会うときのガードの固め方にはいろいろなパターンがありますが、意外とよくやるのは、「どうせたいして良いことは起きないだろうと”未来を値引き”する」という方法です。この、何の気なしに選んでしまいがちな対処法が、実はかなり、僕らの「驚く力」を損なっています。
未来を値引きする、とはどういうことか。例えば「私の話を聞いてくれなかったらどうしよう」「傷つくようなこと言われたら嫌だな」と不安を抱いた瞬間、僕らは無意識のうちに、未来を値引きしています。
つまり、「未来を値引きする」とは、「今日の出会いは、良くてもせいぜいこんなもんだろう」と60点台の未来を予測しておくことです。しかし、こういうふうに無意識のうちに未来を値引きするのって、実は恐ろしいことなんです。というのも、こういう”未来の値引き”は、しばしば実際の未来を自分が予測した（マイナスの）方向へと引っ張ってしまうからです。普通にしていれば豊かな可能性をはらんでいた出会いを、50点、60点ぐらいの平凡な出会いに抑制してしまうんです。(p.35)

「舌が勝手につく嘘」を重ねると疲れるのは、それが「過去の渇き」に身体が支配されているときに出る嘘だからです。逆に言えば、「舌が勝手につく嘘」は、僕らの身体が「過去の渇き」に支配されていることを示すサインと考えることができます。過去の渇きに支配されると、僕らは自分を大きく見せようとしたり、やたらと大げさな夢を語ったり、景気のいい話しで都合の悪いことを隠そうとしたりする。その結果、身体と心に余計な疲れをためてしまうんです。(p.54)

すぐに不安にかられてしまう人は、不安にならざるを得ない出来事に見舞われやすいというよりも、常日頃から、ふつふつとした暗さや怒りを心にためてしまっていることが多いんです。
そこにたまたま「電車が遅れて遅刻しそうだ」とか「上司に怒られた」といったきっかけが起き、不安が生じる。そう考えれば、僕らが取り組むべきは、「ベースの部分にある怒り」を払っておくということだということが、はっきりします。やたらと深刻な不安や怒りを取り上げるよりは、小さな、どうでもいい不安、怒りを少しずつこまめに払っておく。これは掃除のコツに似ています。「まとめて一気に」ではなく、こまめに少しずつ、心のゴミ、ほこりを取り除いておくんです。(p.82)

僕らが生まれたときから刷り込まれてきた、「刺激を受けている自分こそが本来の自分である」という自己イメージをいったん白紙に戻す必要があります。
僕らの生きる資本主義の世界は、「より多く、よし強い刺激を得る」ことこそが生きている証だということを、繰り返し刷り込んできました。できるだけ働いてお金を稼ぎ、できるだけ美味しいものを食べ、たくさん恋愛をして、さまざまな趣味やスポーツに興じ、泣き、笑い、怒り、悲しむ。それが人としてすばらしいこと、人間的であることだと教育やメディアは繰り返し語ってきました。
でも、ちょっと引いた目で見れば、こういう考え方が「偏っていて」「一面的である」ことは、明らかです。もしこういう人間像が正しいのであれば、僕らは刺激を追い求めることだけで一生を終えてしまうことになってしまいます。
自分たちが、人類史の中でも例外的と言っていいぐらい、刺激依存症を生み出し、助長する社会で生きていることを自覚し、そこから一歩だけ足を踏み出しておくことはすごく大事だと思うんです。(p.93)

「場」というものが均質でないとすれば、僕らは、その違いを感じ取れるはずです。そして大切なことは、場の空気を感じ取り、それに基づいて行動している人は、嫌なことや、災難が降りかかったときに、人のせいにしなくなるということです。「場の力」を重視する人は、あまり怒らなくなるし、少し謙虚になる。
例えばたまたま入ったお店のサービスがひどく悪かったときに、「なんだこの店は！」と怒るのではなく、場を見抜ききれなかった自分の直感の鈍さを残念に思うようになる。「しまった。やっぱりそうだったか・・」というふうに落ち込むようになる。
「場」の感覚に基づいて行動する人は他人を責めない。逆に言えば、喫茶店で「店員のサービスが悪い！」と怒っている人は、その「場」を自分が選んだ自分の責任はないと思っているということです。しかし本当は、その場を選んだ責任は、自分自身にあるんです。(p.121)

「書く」ということは、やろうと思えば、誰でも、手軽にできるものですよね。少なくとも瞑想などよりも、とっつきやすいと思います。しかもこれは、「やればやるほど増えていく」ものの典型でもあるんです。
「書く」という能力は、出し惜しみをする必要もなければ、書きすぎて枯渇するということも（たぶん）ありません。むしろ、書かないことによって、その能力を錆つかせてしまうことがあるぐらいです。書かなければ能力は高まらないし、書けば書くほど、より世界から豊かな意味を読みだしていくことができる。そういう意味で、「書く」ということは、驚くほど「お金」に似ていないんです。(p.191)

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帯裏
あなたに「驚く力」はあるか？
〈今すぐチェック！〉
□世の中結局、お金だと思う
□飲み会に行くとつい自慢話をしてしまう
□接客態度の悪い店員は許せない
□自分の将来を考えるとふと不安になってしまう
□友達とはあたりさわりのない話しかしない
ひとつでもあてはまったら、あなたの「驚く力」は低下中。
「治療」が必要です！

見返し
世界も私も、
実際には一度たりとも
「同じ」ではない

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押し付けがましくもなく、説教くさくもなく、変に自己啓発もしていなく、素直に読める本です。
「知的無駄話」という言葉、しっかりおぼえておこうと思います。

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「驚く力」。またすごい名前の本（◯◯力って名前が多いですよね）ということで読んでみました。いろいろとタメになることが書いてあり、考えを改めるのに十分な一冊でした。
「過去の渇き」と「今、ここの情熱」なんて概念はいいですね。
やはり日常生活で「驚く」こと。そのためにはいろいろな新しいことを吸収することが大事です。

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これは、タイトルからでは内容が伝わってきづらいけど、名越さんの本のなかでは、かなりおもしろかった。
未来を値引きする、とか、自分もやってしまってるだろうなぁと思いながら読んだ。知的無駄話のところは、わたしがいいなぁと思うことがそのまんま書かれているかんじ。好きやなぁ、名越さん。また読みたい。

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以前読んだ本から繋がった本。
この手の本は終着点はおおよそ似通っているので、スピードで読み進めていく。
しかし、途中からペースが落ちる。
自分の中にある言葉や考えの枠の外側に触れる。
著者は精神科医。
自分の心の動きを言語化されると妙にワクワクしてしまう。
あとでもう一度読み直そう。
そんでもって、色々ノートに書こう。

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良かったよ。「初めて見るときのように意識して見る。」「未来を値引きしない」というのは参考になる。「スターウォーズは作者が見てきたという実感をもって書いたからリアリティがある」というのは面白い意見だと思う。「心の速度を上げると周りが見えなくなる」というのも面白い。だから心の速度を落とすのだと。自分の外に本体を託すのが「お守り」であり、そのおかげで安心して心をオープンにすることができる 。という説も斬新だった。
非科学的なものが存在するという考えは同感できる。

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退屈で困っている人におススメ！
人間には第二の所属が必要でお守りを大事にすることで心が安定するようです。

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　仕事を辞めてから学ぶ楽しさが一段と増したような気がします。子供の頃に帰ったような(^-^)　でも、一方で、歳を重ねると、驚くことが少なくなったような気もします。「驚く力」、それが私たちを学び成長させる源だと著者は語っています。この本には「驚く力」を取り戻す６４のヒントが紹介されています。私が膝を叩いたのは次の２つです。①出会いの場にはノーガード（先入観を捨て、相手にラベルを貼らずに）で臨む　②すべての日常は「本番」である。
　精神科医、名越康文「驚く力」、さえない毎日から抜け出す64のヒント、2013.9発行、再読。ワクワク・ドキドキ感は本を読んで体験しています。そんな本に出会うと心から嬉しいですｗ。本以外では、歳を重ねるごとに少なくなってきました。この本を読んで、印象に残ったのは次の3点です。①出会いの場にはノーガード（先入観なし）で臨む　②知的無駄話を楽しむ　③書くことが最強のエクササイズ。

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自分の外に自分の「本体」を託す…【お守り】は、自分を守りながら、その能力を最大限に発揮する一番いい方法。（ソウルジェムのイメージ）例えば感情に振り回されやすかった女性が出産を機に芯のぶれない強い女性に変わることがある。子どもに自分の本体を託してしまうことで、自分の心と身体に振り回されずに生きていけることができるようになった、ということかもしれない。

心は刺激依存症。良い悪いを問わず刺激を求める。求めるままに刺激を受け続けると、「驚く力」はどんどん枯渇していく。

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Vol.235 人生を変える！「孤独な時間」を持たない人が無くしていくモノとは？http://www.shirayu.com/letter/2013/000475.html

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一気に読んだので、内容をしっかりと拾えていないところも沢山ありますが、特に共感した点を2つだけ挙げておきたい。1章のラベル付けと5章の合理化する社会について。日常を合理的にしようとする考えが自分の根底に根付いていて、それが物事を楽しむ余裕を大きく減らしているのだと実感した。もう大分前だが、第二の所属と呼べるようなものが自分にあったときは確かに充実感があったのかもしれないと再認識した。