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紙の本
女たちのサバイバル作戦 (文春新書)
著者 上野 千鶴子 (著)
自由を手に職場進出した女たち。なのに、総合職も一般職も派遣社員もつらいのはなぜか。そこにはネオリベ改革の影があった。女性たちの変化を見つめてきた著者が、何が問題なのか、ど...
女たちのサバイバル作戦 (文春新書)
女たちのサバイバル作戦
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商品説明
自由を手に職場進出した女たち。なのに、総合職も一般職も派遣社員もつらいのはなぜか。そこにはネオリベ改革の影があった。女性たちの変化を見つめてきた著者が、何が問題なのか、どうすればよいのかを分析する。【「TRC MARC」の商品解説】
働く女性は、以前より生きやすくなったでしょうか?
上野千鶴子さんの答えは「イエス&ノー」です。
バリキャリは、男性中心の職場のなかで体を壊したり家庭生活が破綻したりしがち。一般職は、社内でお局サマ扱いを受けて煮詰まる。ハケン社員は安いお給料のまま将来の保証もない。自由を手に職場進出を果たしたはずなのに、なぜなのか。それぞれ追いつめられた状況にあるのに、しかしなかなか手を取り合えない女性たち。誰の意図のもと、どのような経緯で女性たちがこのように“分断”されたのか。
そのひとつのキーワードが「ネオリベ改革」です。一般的にネオリベ政権とは小泉政権を指しますが、本書ではその傾向がすでに86年の雇用機会均等法からはじまっていたとします。女性というだけで、いっしょくたに差別されていたその昔。しかし、同法が、少数のエリート総合職と、マスの一般職に女性を分断したのです。その後の四半世紀のあいだに、雇均法が適用されない非正規社員が増加します。
そこには、「女性を活用したいが、保護はしない」自民党ネオリベ政権の意向、グローバル時代に「日本ならではのやり方」で対応しようとした経済界の要請などがありました。その過程で、働く女性自身のなかにも「勝敗優劣」「自己責任」が内面化されてゆきます。
家事や育児を背負いながら働かざるをえず、脱落したら「自己責任」。もはや「お局サマ」にすらなれない厳しい時代を生き抜くための必読書です。【商品解説】
著者紹介
上野 千鶴子
- 略歴
- 〈上野千鶴子〉1948年富山県生まれ。東京大学名誉教授。立命館大学特別招聘教授。NPO法人WAN理事長。女性学、ジェンダー研究、介護研究のパイオニア。著書に「家父長制と資本制」など。
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感じていたモヤモヤは私個人の問題だけではなかった
2019/07/06 01:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Raika - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会学の視点から、国の施策や女性を取り巻く環境の変化について書かれており、かなりのボリュームでしたが、読みやすく一気に読みすすめてしまいました。
私自身は正規雇用労働者で二児の母ですが、育休を取得する時、時短勤務で誰でもできる仕事になったとき、休みなく働く夫のいない家でひとり家事と育児に追われる時、世の中に置いて行かれるような虚しさにこころが押しつぶされそうになりました。いつもモヤモヤ。今までキャリアについて全く考えていなかった自分をうらみました。私自身の勉強不足もありますが、親も会社も学校もこんな壁にぶつかるなど誰も教えてくれなかったのです。
この本を読み、データに裏打ちされた女性を取り巻く不利な現実に追い討ちをかけられた気持ちになりました。
でも、自身の努力の問題だけではないのだと安心することができ、これからどう生きていくのか冷静に考える時間をもらいました。そして、子どもたちのためにも現状を変えるべく闘っていきたいと思いました。
女性のみなさんはもちろん、男性にも読んでほしいと思います。