紙の本
ドブ川の臭いがしみついた下町にて、老婆は眠る・・・
2015/10/24 02:49
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投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
カバーのカラフルな舞踏会のような絵は、貧しい一人暮らしの老婆がうたた寝でみる夢のなかのお話。
いかにも「お涙頂戴」になりそうな題材ですが、この「夢みる感」が少女から老女まで共通の、女の子の憧れを、幸せたっぷりに描いているので非常にあたたかい、しかし、だからこそ落涙してしまった、そんな作品です。
いい漫画家さんだ・・・!!!
電子書籍
独特の安心感がある雰囲気の良さ
2021/06/08 19:28
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投稿者:ヒグラシカナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「どぶがわ」という表題からは感じられない
優しくほどよい距離感のある人たちの物語は
独特の安心感がある。読んでいて心地よかった。
電子書籍
相変わらず不思議な雰囲気
2017/06/18 04:01
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投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒頭は18世紀の欧米かと思われるような雰囲気で 若い娘4人姉妹が召使いと住んでいる話。。。。ジェーン オーステインを思わせる。。。。と思っていたら そこは現代日本のどぶ川がある町で 一人暮らしのおばあさんの妄想らしいということになっている。 妄想なのか? と思うけど それもさだかではないような。。。 そのどぶ川ある町の住人が関わってくるけど なんとなくほっこりする話。
紙の本
どぶがわって…
2017/01/10 09:43
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投稿者:冬みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル、勇気のあるタイトルだなとまず思います。どぶがわ周辺の人々の日常が淡々と、けれどどことなく優しい眼差しで書かれてます。
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コミカルで切なくて
2016/10/03 21:32
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミカルでいて少し切ない。おばあさんになったらああやってひがな妄想の世界で暮らすのも悪くない。バレエの女の子のエピソードだけはイマイチわからなかった。
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どぶ川のほとりのベンチにいつも座っている老女と、折々に彼女に関わる人たちのゆるやかなつながりを描く。現代日本が舞台であるが、ヨーロッパの貴族のような姉妹のシーケンスが合間に挟み込まれる。これは老女の空想世界なのか、あるいは過去にあったことかもしれない(おそらく前者だろう)。80年代の「ニューウェーブ」少女漫画を思い出すスタイル。
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フォアグラ! てかんじのおはなし。笑 フォアグラ、そこまですきではないけれど、ちょっと食べたくなっちゃった。
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書き下ろしが和んだ。男の子が夢を叶えたんだね。そしてマイク入れっぱ(笑)
ここに出てくる人たちみたいに他人を侵食しない人ばかりだったらいいのに。現実は自分も含め、他人に期待を勝手に持って侵食する人ばかりかも。
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「あなたがいなくても生きていける」
この帯の文句考えた編集さん素晴らしい。妄想は妄想。現実は現実。おばあちゃんもレンズ工場で働いている男性も成長していく子供達もそこがはっきりしているから曖昧じゃない確りとした足のついた話になっているのだ。
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悪臭を放つドブ川を舞台にした連作集。ドブ川のほとりで老女が耽る夢想とドブ川の周辺に住む人々の生活とが交錯しながら、毎話主人公が交代し群像劇の形で物語が織りなされる。老女の夢想は貴族的できらびやかなものであり、ドブ川の悪臭とはかけ離れているが、そうであるからこそ人々の孤独や不安との対比となる。そして、その夢想はもまた、完璧なものではなく、老女自身の限界をも示している。
ひとつ物足りなかったのは、物語の狂言回したる老女自身の背景がほとんど見えてこなかったこと。安アパートに住み、洗濯掃除をし、そのあとはひねもす夢想に耽る以上のものがない。明示的に老女の背景を描くような野暮は不要だが、そうしたものをうっすらとでも感じられる演出であれば、もう少し深みが増したのに、と思う。
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貧乏な老婆が一人、どぶがわの脇のベンチで憩っている。
彼女はその昔、大きなお屋敷に住むお嬢様だった――
一人の老婆の過去と今。老婆に関わる中学生、近所の主婦、役所の人々。
彼ら一人一人の人生の物語。
豊かさってなんでしょうかね?
一人暮らしを始めた頃に、「生活水準を一度上げると下げられない」という噂に怯えたものですが…
デマでした。
ガスが壊れて冬場に水しか出なくなっても死にゃーしない。
不幸になるわけでもなく、ガス代が浮いて、体が少し丈夫になった。
お金は好きだけど、人間の幸せって貧富の差とか生活水準で安易に図れないんだな、と池辺葵の本を読むと思う。
結局、一番持っていたい豊かさとは、「想像力が豊かだ」とか「どんな境遇であっても憩いの場所を見つけられる力が豊かだ」とかそういう豊かさなのかも。
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ある町のどぶ川沿いのアパートに住む老女の空想と現実、そして、その川沿いを行きかう人々との群像劇。老女は通る人が顔をそむけたくなるようなどぶ川沿いにある広場で一日を過ごす。孤独で切なくて苦しいのに、最後、一筋の明かりがみえたような気がした。フォアグラの話とアパートの住人の交流と、男の子たちが良かった。
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独り身のオンナには
ちょっと本気で別の危機感と言うか恐怖を感じなくも無いのですが(笑)
万人に薦められるとは言い難いけど、
とても良い作品だと思います。
大きな盛り上がりがあるわけでもなく
画面が華やかでもなく
メジャーな熱い作品ではないけれども、
この作者独特の淡々とした、
しかし厭世的では無い
そんなキャラクター達の小さな世界は心に残る。
私的には、説明しすぎないキャラクターへの描き込み具合が
絶妙に感じましたが
この辺は人それぞれの感じ方ですね。
行間を残すと言うか
想像の余地が心地よいと思います。
読み終わった後
こういう作品がちゃんと雑誌に掲載されるのは
イイコトだなぁと思いました。
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老婆の高貴なる妄想と何の関係もないけど微妙な繋がりのある人々。
どぶ川でも妄想に浸れる時間があるのは幸せな事。
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池辺さんの作品はとても好きなのだけれど、これはタイトルでしばらく敬遠していた。子供の頃にかいでから、もう随分経ったのに、あの匂いが喚起されて。
でも、全然暗かったり湿った話ではなかった。静かに絡んだり付かず離れずでいたりする暮らしの話。
論理的な世界にある希望は、他人と言葉で理解し合えることだと思う。
そうでない世界の夢は、誰にも、もしかしたら自分にすら計れない、孤独の彩りの中に。