紙の本
地域医療の実情を巧みに表現した作品。
2019/07/30 09:47
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地域医療の実情を巧みに表現した作品。極端な表現で笑いを誘う第一部に対して、第二部は問題が現実的になって少々重く感じはするが、著者の軽妙な表現・展開で飽きることなく読み通させられる。舞台が北海道の良く知られた「市」であるだけに一気読みの引力を持っています。極北市が日本で唯一の「財政再建団体」に指定され、殆どの職員が将来性なしと判断して去り、地域医療の唯一の良心だった三枝医師は警察に収監されたままという四面楚歌の中、踏みとどまった今中医師の命運は如何にというアンハッピーな結末。総務省から指名・派遣された自称「不良債権病院立て直し請負人」:世良雅志(462)の着任でどのような展開になっていくのか。続編『極北ラプソディ』が楽しみ。
<超蛇足> 作品中で、実在の「公益財団法人日本医療業務機能評価機構」が出てくるが、仕事柄「公益財団法人日本高等教育評価機構」の認証・評価を体験したことのある私にはフフフでした。今も「大学認証・評価」って機能してるのかな。
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バチスタシリーズはカレイドスコープまで全部読了済みなので、これがあのお噂の北の事件ね…!と。
ここからもあちらこちらのシリーズに糸が張られていて、時にニヤリとしつつ。
そうね…姫宮さんはやればデキル子なのよね!
もうちょっと出番多かったら嬉しかった~。
白鳥さんが出てこなかったのが若干残念(笑。
それにしたって医療費滞納にはゾッとしたり。
自分の命を預ける人達により多くを要求して、更に後足で砂をかけるようなことですよね…。
解説を書かれている村上智彦さんの『医療にたかるな』を関連書籍として読んでみたいところ。
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あらすじ・・・・
財政難にあえぐ極北市の市民病院に赴任した非常勤医・今中は
院内での対立、不衛生な病床、診療費未払いといった問題山積の現場に愕然とする。
そんななかやってきた謎の女医・姫宮と、浮上する医療事故疑惑__
日本が直面する地方医療問題に迫る意欲作。
読んでいて、こんな病院があっていいのかと、ちょっとイラっとしながらも
小説だしねと読み進めるも・・あとがきにてほぼ実話との事
やだよ~こんな病院・・・・・って話
途中螺鈿迷宮でも出てきた姫宮が今回はかなりの大活躍で
そこは読んでいて気持ちよかったなぁ・・・白鳥も出てきそうな
雰囲気だったけど・・・個人的にはちょっと残念・・・。
今中があまりにも可哀想過ぎる
長編でちょっと読むのが大変だったけど、どうせなら
続編の極北ラプソディも是非読んでみたいと思いました
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極北ラプソディは46-3、極北クレイマー(新装版)は46-4。おかげで順番を逆に読んでしまった。せめて本の後ろのあらすじ紹介に続編とか第2弾とか書いてくれればいいのに。
内容は医療問題というより人脈問題。終いには作者の官僚機構に対する不満の吠え声となっていてあまり楽しめなかった。
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☆4.0
北海道夕張市をモチーフにした地域医療問題と産婦人科クライシスの話。
こんな病院ホントにあったら大変だ、と思いながら読み進めたが、解説を読んでビックリ。ホントにあったんだ夕張で。
しかもすごいのが、作者は詳細に取材したわけではなく『イメージを膨らませ』、『なるべく非現実に書いた』らしい。
明らかに次に続く、という終わり方をしているので、少し残念な読後感だけど、続編の『極北ラプソディ』に期待している。
今中先生にぜひ頑張り続けてもらいたい。
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久々に海堂さんの本を読みました。
財政難にあえぐ極北市民病院に非常勤外科医として赴任した今中。
いくらなんでもこんな病院はないでしょう~と、思いましたが・・・
作中には懐かしい名前がチラホラでてきます。
面白かったのですが、1冊の本の中にぎゅっと詰め込まれ過ぎているような気がします。
問題に対して「解決!」というスッキリ感が得られず、「あれ?これで終わり?」と何となく消化不良な気分が・・・
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久々のバチスタシリーズ。舞台は極北市と今までの桜宮とは違った場所。今回は財政破綻しかけの市民病院が舞台。田口先生同様、うだつのあがらない講師が病院の抱える闇に踏み込んで行くお話。
今作も面白かったけど、次作の方がもっと面白くなりそうな予感。世良先生、速水先生、そして白鳥がどうか関わってくるんやろか。
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2015.12.9 ~ 16 読了
地域医療の疲弊した現状が描かれる。妊産婦死亡事故で産科医が逮捕起訴されるストーリーは実際に起こった福島県の医師逮捕事件がモデルと思われる。医療側と遺族側の意識ギャップが大きく、インフォームド・コンセントの難しさが現れている。姫宮(氷姫)が雪だるま状態で出現する場面がマンガ的、凍傷は大丈夫か?
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極北大学から派遣された非常勤医・今中先生と、破綻しかけの地方病院・極北市民病院のお話。
医療は平等ってのはウソで、田舎と都会ではちがうし、自治体にお金があるかないかでもちがう。あとは、お金をどこにかけるかとか。
公共サービスを受けるのは、市民の当然の権利。だけど、何の責任もなく、何も関わることなく、ただサービスを受けて批判だけしてるのはおかしいよ。ってなことを書いてある一冊。
反論してこないところに、人はいくらでも文句やわがままを言ってしまう。それは、市民として責任ある態度じゃない。ふむふむ
あとは、時事問題としては「お産で人は死ぬ」。
産婦人科医が傷害致死罪で逮捕された現実の事件への問題提起。
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キャラ設定は海堂作品らしい振り切った感じそのまま。地方医療、産婦訴訟の問題提起ありの、ただ最後は読者になげる印象の終わり方。
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これがいわゆる“司法から医療への真珠湾攻撃”であるわけですか。
もうここまで振り切っちゃったらいっそのこと閉鎖してしまえとも思ってしまいますね。病院が無くなって存分に困り果てればいい。でも結局最後の方は開店休業状態でみんな別のとこ行ってるんだったら閉鎖したって市民は全然困らないんじゃないかとも思えてくる。
それにしてもあの清川がまさかあそこまでするとはちょっと見直してしまったじゃないか。
そしてあの世良さんがまぁ随分と痛快な人になってしまわれてなぁ。
姫宮だけが唯一の癒しです。
真実を知ることはできたのかな。
結論、いい女ほどダメな男に惹かれる。
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日常生活を健康に過ごしている限り、病院はほとんど縁のない場所だ。
けれど、どうしても必要があって病院に行かなければならないとき、選択肢はあまりにも狭く、基準となる知識もない。
あたり前のように「病院の世話になる」といった言葉がまかり通る現状。
患者と医師は対等ではない…という潜在的な思い込みがそこにはある。
医療をビジネスだと捉える人たち。
病院はあくまで単なる職場であり、出世競争に汲々としている人たち。
そして、自分たちにとって大切なことなのに医療に対して無知すぎる人たち。
誰が正しくて誰が間違っているのか。
出産にトラブルはつきものだ…と母親は言う。
いつの間に何事もなく出産することがあたり前になったのだろう…とも言う。
でも、病院で出産するのだからそれほどの危険性はない!!と私は思っている。
それは病院を特に信頼しているとかではなく、そういうものだと思っているからだ。
医学の発展が安全神話を作りあげていく。
でも、どんなに医学が発展しても実際に診療し治療をするのは人間なのだ。
間違った先入観を持つことなく、少しでもおかしいと感じたら声をあげてセカンドオピニオンを有効に使いたい。
海堂さんの作品を読むと怖くなるときがある。
でも、きっと医療現場には今中のような医師がたくさんいるはずだ。
そのことを信じたい。
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市民病院といえども、運営にお金がかかるのは当たり前。地方財政の厳しさと、自治体、役所の、無策な政治と放漫経営がもたらす、悲惨な末路を描いた作品、といえるでしょうか。
冒頭から変人ばかりのオンパレードで、物語についていくのが大変でした。
もう少し、普通な人も入れながら描いて欲しかった展開と思っていましたが、解説を読むと、取材先のあの人、この人が当てはまるのではと思えたそうで…
事実は小説より奇なり、ってことでしょうか?
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我が故郷の北海道が舞台。
あの世良先生の約20年後が話と聞き、一気に読んだ。
過疎地の医療の現状を改めて感じた。
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再読。
ええ、こんな感じだった???というのが第一印象。
なんだか医療に希望を見いだせない感じだなぁ。
どうして、医療はタダで手に入ると思っているのでしょう。
医者は神ではない、ゴッドハンドも対価を支払ってこそ。
読んだときより、現実感が漂いすぎてるからでしょうか。
今か今かと出番を待った世良先生って。。。
あ、こんな最後に そうだったかぁ。
そうそう、姫宮女史、結構好きですわ。