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商品説明
「人」への執着、「花」への妄想、「石」への煩悩…ちょっと怖くて愛おしい五つの『偏愛』短篇集。【「BOOK」データベースの商品解説】
オレゴンの片田舎で出会った老婦人が、禁断の愛を語り始め…。「人」への執着、「花」への妄想、「石」への煩悩。ちょっと怖くて愛おしい、5つの「偏愛」を描いた短篇集。『小説現代』掲載をまとめて単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い | 5−32 | |
---|---|---|
ラフレシアナ | 33−72 | |
妻が椎茸だったころ | 73−102 |
著者紹介
中島 京子
- 略歴
- 〈中島京子〉1964年東京生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務、フリーライターを経て、「FUTON」でデビュー。「小さいおうち」で直木賞受賞。
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紙の本
かなり変わった雰囲気に満ちている。
2015/09/11 09:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の作品の中でも群を抜いて奇抜なタイトルだと思う。そして内容もかなりキテレツである。妄想ギリギリラインだったり、ブラックユーモアを通り越した歪み系のオチだったり。あまり好きな雰囲気ではないが、インパクトはある。
例えばある話では、主人公が知り合いになった男を変だと思っていて、そのうちラフレシアと付き合っている姿を見始める。ところがそれは主人公のほうの妄想なのだ。妄想の主客が転倒する感覚に、ぞっとする気持ち悪さがあった。
表題作はそれに比べればまだまともで、椎茸はあくまで料理していたらその素材だった頃の記憶が甦ってくるという、非常に観念的な話。わけがわからないようでいて、この感覚はありかなとも思う。
紙の本
虚実の間の揺らめきに味わいを醸し出すストーリーテラーの技
2014/11/20 20:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつの頃からか耳にする名前ではあるものの、
この作家のことはよく知らない。
はっきり意識したのは、黒木華がベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したときで、
その映画『小さいおうち』の原作者がこの作家だという。
そちらは未読だがちょっと興味を惹かれたところへ、
短編集があってそれも評判がいいというので、
本書の方を読んでみた。
作者は何やら新聞の、けっこう純文学系の鼎談のようなものにも参加していたから
もしかしてそういう作家なのかもしれないにしても、
少なくともこの短編集は、どちらかというと娯楽小説だろうと思った。
驚くのは読みやすさ。
文章もそうだが、話の展開も興味をそそるもので、
あっという間に引き込まれてしまう。
これは相当なストーリテラーなのではないか。
表題作は題(これはインパクトがある)のわりにリアルな話だと言っていいと思うし、
ほかにもそういうのもあるものの、
いずれも本当なのか幻なのか、
現実と幻想の淡い境界線上で微妙に揺らめくのが特徴ではないかと思った。
結局どちらとも決めかねる曖昧なまま、あるいは不思議なままの話もある。
そうした奇妙な揺らめきの中に、
ときに怖さを、ときに笑いを、ときに優しい情感を醸しだしてみせる。
植物をはじめとして、何か博物学的な?とでもいえる細かさがあるのも個性だろうか。
とにかく読ませるからこの手の小説が好きな読者ならかなり楽しめると思う。