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実在する企業を例にとって事業創造のあるべき姿を解説
お弁当屋さんの玉子屋、ソフトバンク、セブンイレブン、DeNA、アメリカのLCC系の航空会社など各企業の事業構造の特徴を知ることが出来て面白かった。
他社が真似出来ないビジネスモデルが良いとよく聞くが、その辺を実例を元に分かり易く解説しており良かった。
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◯顧客が誰かによって、顧客が求める価値は違います。ですからターゲット顧客を決めないビジネスモデル設計はあり得ない。だからまずは顧客を決める。そしてジョブを定義する。(34p)
◯今のビジネスを回すだけならば、利益率が高いお客さんを選んだほうがいいわけです。だけど大川さんは、次の資源蓄積を図るために自分を育ててくれるお客さんを選んだ。(209p)
◯POSというのは死に筋、つまり売れないものは何かわかるけれど、何が本当に売れるかということは分からない。(250p)
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[読んだ理由]==================
新聞の書籍紹介コーナーにあって興味をもった。「定石を超えた独創的なビジネスモデルを構築した企業の経営方針をわかりやすく解説」という所が気になった。
[読んだ後の感想]==============
独創的な企業の例が色々と挙げられているけど、単発の紹介で終わるのではなくて、それを単なる偶然としてではなく、論理的な理由を持って説明してくれてるので、参考になった。
■出発点
・ビジネスモデルは「理想・意図」、対してビジネスシステムは「現実」。
前者は整合性を志向するが、後者は常に不整合な部分を含んでいる。
この不整合を如何に手直しし続けるかが、事業を進化させるという事。
・ビジネスモデル設計の出発点は「戦略モデル」。
「顧客にとっての価値を高める」と、
「競合との競争に持続的に勝てる」の2つを必須事項にして組み立てる。
■因果関係
・ターゲット/顧客を決めないビジネスモデル設計は有り得ない。
やろうとしてるビジネスの「顧客は誰か」がはっきりしなければ、
例えば5force分析時の「業界」も、厳密な線引きが出来ない。
・ビジネスのロジックは、筋が通っていなければ破綻する。
その点、玉子屋のロジックは合理性が高い。
「こうすれば、こうなる」という因果関係が上手く組み込まれている。
・企業は、ターゲット顧客を設定し、その顧客に大きなインパクトを与える点を持ち、
劣る点が有ったとしても大きなマイナスを与えないようにするべき。
後者については「グッドイナフ=十分満足」という評価を得られれば良い。
・経済性原理にはそれなりの一般性があるから、
経済性原理を意識しておくと、ビジネスモデルを設計する時には参考になる。
しかし意識し過ぎると戦略が縛られて、誰でも思いつく発想をする事になる。
寧ろ例外を追求する戦略を取るほうが、大きな成功に繋がりやすい。
■妥当性と正当性
・新しいビジネスモデルは仮説に満ちている。
そのモデルが実現する=「できる」と思えるかは「仮説(コンテキスト)」次第。
・2種類のコンテキスト
1.妥当性:ビジネスモデルに現実性が有るかどうか。
4つのポイント(価値、隔離、価値と隔離の連結、収益性)でチェック
2.正当性:ビジネスに関係するステークホルダー(顧客や株主、従業員、取引先)
にとって、「このビジネスは正しい」と感じられるかどうか。
・仮説/コンテキストが大胆であれば有るほど、
なかなか成立しないかもしれないが、その分、追随してくるライバルは少ない。
そういうリスクを取るかどうかを判断しなければならない。
■模倣困難性
・強い会社を分析して、何か参考にできることを見つけるときには、
全体を見る事も重要だが、強く繋がっている部分を捉えることも重要。
・強い会社は、部分ではなく、全体の「システム」としての優位性が有る。
部分だけを模倣しても意味が無い、システム全体を模倣する事はできない、
しかし「部分システム」を真似ることは可能。
・部分システムを分析/提案する時は、差別化システムは「差別化」から書いていく。
そして、それを支えている活動や資源は何か、と遡る順序で分析する。
(差別化に結びつかない資源は、分析しても意味が無い)
・差別化システム論:
資源と差別化のあいだに「活動」というレイヤーを加える。
資源と差別化の直接的な繋がりを否定し、「活動」というレイヤーを加えて考える。
資源は活動の手段でしかない。「活動」を如何に習慣化するか、が重要。
■発展性
・ビジネスは、やることによってますます強くなっていくようにする事が重要。
同じようなことを繰り返しているようで、実は毎年良くなっている、
そういう自己強化の構造を作り上げていくことが重要。
・自分がどういう自己強化のループを回したいか、意識化する必要がある。
「どうすれば会社は良くなっていくか」の確信の共有。
仕組みが強くなると成果が上がる。結果が出る事で確信が深まり、自己強化が進む。
[備忘録]======================
■第一部:出発点
■第二部:因果関係
一般的に弁当屋さんというのは何種類ものメニューを用意しているのが普通です。1品に絞るという考え方はふつうじゃない。その「常識」に挑むことで、玉子屋は成功しているわけです。
目先の競争に勝とうとする会社は、コストを下げたら価格を下げてお客さんを増やそうと考える。玉子屋はそうではなくて、コストを下げた文を食材に還元して質で勝負することにしたわけです。
「良い物をより安く」ということを素朴に追求する。そして、お客さんを増やして従業員にも還元する。玉子屋が競争優位に立つことができた理由は、古き好き日本経営のもっとも美しいものを追求したことに有るわけです。
ビジネスのロジックは、筋が通っていなければ破綻します。その点、玉子屋のロジックは合理性が高い。「こうすれば、こうなる」という因果関係が上手く組み込まれています。
ガンバリズムというのは、実際には他社とあまり差を付けられません。なぜなら、他社も同じように頑張ることができるからです。
例えばホテルなどで、意見を自由に書いてもらって支配人に届くようにしていることが有りますが、そういう意見には注意が必要です。その声がノイジーマイノリティーである可能性があるわけです。
企業は、ターゲット顧客を設定し、その顧客に大きなインパクトを与える点を持ち、劣る点が有ったとしても大きなマイナスを与えないようにするべきなのです。後者については「グッドイナフ≒十分満足」という評価を得られることが必要です。
「自分たちは「美味しさ」で競争したい。だから食材費は絶対にケチらない。その代わりに食材以外のコストを徹底して下げる。だから弁当の廃棄率を下げたい。そのためには配送効率をあげなければいけない。配送効率を上げるためには、配送員のやる気を高めなければいけない。だから給料は相��より高くする」そういうことを強く意識しているから、玉子屋は競争優位が持続する構造を作り上げることができた。経済性原理に従って規模の効果を発揮したいとか、「全体最適」にしたいとか、ビジネススクールで勉強するような概念からスタートしたわけではない。
経済性原理の場合は、例外なく全てのビジネスに当てはまるとは限りません。但し、それなりの一般生があるから、経済性原理を意識しておくと、ビジネスモデルを設計する時には参考になるわけです。
しかし、経済性原理を意識し過ぎると戦略が縛られて、だれでも思いつく発想をすることになってしまいます。寧ろ例外を追求する戦略を取るほうが大きな成功に繋がりやすいということは、多くの成功事例が物語ります。
■第三部:妥当性と正当性
ビジネスモデルのリアリティの欠如を回避するために、自分の頭のなかに有るビジネスモデルが現実と対応しているかどうかのチェックが必要になる。新しいビジネスモデルか仮設に満ちています。それが実現する=「できる」と思う理由は仮説なのです。
仮説とは、実現のための「前提」。コンテキスト。
1.妥当性:ビジネスモデルに現実性が有るかどうか。価値、隔離、価値と隔離の連結、収益性という4つのポイントに寄ってチェックできる
2.正当性:顧客や株主、従業員、取引先などビジネスに関係するステークホルダーにとって「このビジネスは正しい」と感じられるかどうか。
新しい事業構造を作る時には、将来に向けて仮説的前提を設けることになる。仮説的前提というのは、今、成り立っていなくても構わない。いかにしたら将来成り立つ可能性があるか、その前提を設計する。その前提が大胆であれば有るほど、なかなか成立しないかもしれないけれど、追随してくるライバルは少ない。そういうリスクを取るかどうかを判断しなければならない。
■第四部:模倣困難性
サウスウエスト航空は、他社にはない様々な要素がつながり合っていて、活動の相互依存性が高い。つまり高いシステム性がある。この高いシステム性によって、サウスウエスト航空は模倣困難性を実現している。
高いシステム性は、活動感に整合性があって、活動がお互いにフィットし、強め合う状況から生まれている。こうした「戦略的フィット」が競争優位と卓越した収益性を生み出す。
強い会社を分析して、なにか参考にできることを見つけるときには、全体を見る事も重要ですが、強くつながっている部分を捉えることも重要です。
部分システムを分析したり提案する時には、差別化システムは「差別化」から書いていく。そして、それを支えている活動や資源は何か、というふうにさかのぼるという順序で分析する。
差別化に結びつかない資源を分析しても意味が無いから。
差別化システム論は、資源と差別化のあいだに「活動」というレイヤーを加えた形になっている。つまり、資源と差別化の直接的なつながりを否定して、「活動」というレイヤーを加えて考えるのが差別化システム論です。
■第五部:発展性
大川さん(CSK)は、受託開発の技術をいに付けられるようなお客さんを意図的に選んできたと明かしています。五月蝿いことをいう相手だとしても、自分たちの資源蓄積になると思えるお客さんを選んできたというわけです。言い換えると、ファシリティーズマネジメントで、利益率のイイお客さんを選んでないのです。「システムの受託開発が出来る会社に変わっていくためには、このお客さんと付き合って行きたい」というお客さんを選んでいる。
ディー・エヌ・エーはモバオクをやっていた時に、出品者と入札者が頻繁にコミュニケーションするということに気づいたわけです。そのままモバオクだけ続けていくつもりなら、気づいただけで終わってしまうでしょうが、ディー・エヌ・エーはそうではなくて、「次」を意識した。そしてモバオクだけなら必要ないようなコミュニケーションツールを企画して、サービスを拡大するわけです。
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第1部 出発点
第1章 「ジョブの再定義」と「制約外し」――キンドルを発想する
第2章 戦略モデルと収益モデル――顧客をど真ん中に置いて考える
第2部 因果関係
第3章 突き抜けるロジック――玉子屋を発想する
第4章 クリエイティブな作戦――原理を「利用する」「裏切る」「創出する」
第5章 原理を逆手に取るロジック――ホワイトプランを発想する
第6章 データ経営と経済性原理――パーク24を発想する
第3部 妥当性と正当性
第7章 ビジネスモデルのコンテキスト――「前提」は正しいか?
第8章 妥当性――ネットスーパーを発想する
第9章 正当性――新しいビジネスモデルの罠
第4部 模倣困難性
第10章 競争優位の活動システム――サウスウエスト航空を発想する
第11章 活動システムの部分化――ポーターの理論を改造する
第12章 「今日の強さ」と「明日の不安」――サウスウエスト航空のコンテキスト
第5部 発展性
第13章 「次」の設計――「不整合」が進化のタネになる
第14章 非連続的な進化――ディー・エヌ・エーを発想する
第15章 勝ち続けるロジック――セブン-イレブンを発想する
解説1 経済性原理――一般的な因果関係を主張する「法則」
解説2 コンテキスト――人の認知・決定・行動を支える前提
■1.キンドルとソニーリーダーの唯一の違い
キンドルにあるものはビジネスモデルだけです。技術的にはほとんど新しくない。
しかし、キンドルにはリブリエと決定的に違うことが1つありました。それは通信モジュールの内蔵です。アメリカのソニーでソニーリーダーのビジネスに携わっていた人が言うには、「これほどびっくりしたことはない」。アマゾンからキンドルが出るのは知っていたけれど、通信モジュールが入るとは思わなかった。「あり得ない」と思ったそうです。
「通信モジュールを内蔵して、いつでも使える状態で売って、いったい通信費を誰が払うんだ?」と。
■2.弁当屋「玉子屋」の驚異的に低い廃棄率を実現する配送システム
通常のルート配送は、担当エリア別に必要な数量の商品を積み込んで配送車が散っていきますが、玉子屋は違います。まず、工場から離れた地域を担当する先発組(遠距離便)は、予測される受注数よりも多めの弁当を持って工場を出発し、担当エリアで弁当を配達する。その後、配送を終えた先発組は工場に戻らず、遅れて出た後発組(中距離便)と連絡を取り合いながら、弁当が不足している(または余っている)エリアの配送組と落ち合い、過不足分の弁当を受け渡します。現場の配送員たちの見事な連携プレーで、廃棄率を極限まで下げているわけです。(中略)
この見事な連携プレーができるのは、弁当が1種類だけだからです。メニューが何種類もあれば、それぞれのメニューごとに過不足を調整しなければいけない。そうなると調整にも積み替えにも手間がかかって、配送がスムーズに進みません。ここでも、1品メニューであるということがとても重要なポイントになっているわけです。
■3.ソフトバンクの「ホワイトプラン」���同じ戦略のセブン銀行
セブン銀行は、現金の引き出し手数料で儲けるというビジネスモデルです。セブン-イレブンの店内などにATMを設置して、よその銀行に口座を持っている人の現金引き出しに使ってもらう。夜間などを除いて通常は「引き出し手数料は無料」です。ただし、預金者からは手数料を取りませんが、預金者がお金を引き出した口座のある銀行から手数料をもらうわけです。
セブン銀行に預金をしている人は非常に少ない。ということは、セブン銀行のATMを利用して現金を引き出すのは、他行の預金者です。だから、ほぼ確実に手数料が入ってくる。ですからセブン銀行のビジネスモデルは「自行のお客さんが少ない」からこそ成り立っている。
■4.リアルタイムネットワークで勝負する「パーク24」
パーク24の競争力のポイントは、リアルタイムネットワーク化です。タイムズの駐車場の大半は小規模で、5~6台ぐらいしか止められませんが、すべての駐車場がネットワークで本部のサーバーとつながっています。(中略)
最適な稼働率を維持するために、パーク24は、立地や曜日、時間帯などによって駐車料金を変えています。ライバル会社の時間貸し駐車場も、料金を土日・祝日と平日とで変えたり、深夜は安くしたりしていますが、パーク24はその設定が巧みです。自社が運営する駐車場の稼働状況をリアルタイムに把握して、各駐車場の実態にマッチする料金を設定しているわけです。その結果、たとえば、日曜のほうが高い駐車場もあれば、安い駐車場もあります。
■5.故障を予想してサポートに行く富士ゼロックス
富士ゼロックスが取り組んでいるのは、故障トラブルの予測です。複合機にはセンサーが100個以上付いていて、センサーでとらえた情報はネットワークを通じて富士ゼロックスの情報センターに送られます。
機械が故障する前には、必ず何らかの予兆があります。富土ゼロックスでは、蓄積された情報から、「この部分にこういう変化があったときには、こういう故障が起きやすい」という法則を見つけ出し(莫大なデータの中からこうした法則を抽出することをデータマイニングと言います)、故障の予兆があったら、クレーム発生前に先回りして、サポートに行くという活動を展開しています。
■6.トヨタ方式の真逆を行く100円ショップダイソー
大創産業は、商品の製造を外部の会社に委託しています。外部の会社からの売り込みも多いといいます。これを一括発注の大ロットで買い取ることによって、安さを実現しているのです。製造を委託される会社は、稼働率を下げたくないとか、いろいろな理由で、すごく安く製造を引き受けてくれるときがある。大創産業はそういうタイミングを捉えて大ロット発注し、倉庫にためておく。「必要なときに必要なだけ生産する」のではなく、「生産できるときに、見込み生産で大量に生産してもらう」のです。これが大創産業の活動パターンであり、大きな倉庫という資源に結びついているわけです。
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根来先生の新著。新事業創造にあたって必要な知識を、具体的なケースを豊富に交えながら解説。授業の教材としても使える話しが沢山。気軽に読めるので色々な方々にお勧めです。
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説明の上手な先生の従業を受けている気分。経営戦略の。
早稲田のビジネススクール教授で経営学を教えている根来さんの本。
事業創造のロジックというタイトルで、経営、というかビジネスを好循環させていくための仕組みの作り方を提示。
出発点、因果関係、妥当性と正当性、模倣困難性、発展性というポイントを主に国内の会社のケーススタディを中心に説明しており、説明のわかりやすさは完全に想像ですが、色々な方に説明をしていく中で、この説明方法だったら多くの人が理解する、というのを体験的に理解されている感じがあります。
シンプルにすごく読みやすく理解しやすい本です。
なお、社内で読んだ数人からの事前の評価は非常に高かったのですが、それぞれがポイントとして上げた部分が違ったのも興味深かったです。
みんな社内の戦略に関わるの部署の人だったのですが、その人が今捉えている問題意識が出るように感じます。
それだけ色々な課題感をカバーできる本という事ですが。
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「5インチのドリルを買う客は、5インチのドリルが欲しいのではなくて、5インチの穴がほしいのである。」
玉子屋もとりあげられていました。
http://www.tamagoya.co.jp/
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出光石油の創業者に書かれた本ですが、感動しますよ!! 勇気を奮い立たされます。 是非読んでみて欲しい1冊です。
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最新の経営学のコンセプトを事例を用いてわかりやすく紹介してくれている。一般的なビジネス書よりは難しいが、専門書程は難しくない。おすすめです。
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数あるサービスの中から選ばれるためには、ということを考えるときにとてもいい視点をもらえる本だと思います。お弁当の玉子屋さんなんかもそう。1種類しかお弁当売らない。1種類しかないの?!って普通はなりますが、1種類しかないからこそできることを考えてやりぬく。逆転の発想。独自性。やっぱり常に自分たちのサービスでしかできないことを前向きに考えたいですねー。
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一般的な経営戦略ノウハウ本より実態に即していて役立つ内容になっている。個別の事例を丁寧に解説していることもさることながら、複数の論理を組み合わせていることが目新しいのだと思う。例えば、サウスウェスト航空の経営戦略をブルーオーシャンで語る例は多いが、やはり物足りない。この本では、それに加えてポーターの競争戦略と、筆者オリジナルの分析手法を用いていて、この方が実態に即していると思われる。やはり経営は複数領域にまたがって進められるものであることを実感。
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我が地元のお弁当屋である玉子屋がケースとして出ているとのことで読んでみることに。玉子屋の話しは非常に解りやすく面白かったです。
また、このテの本にしては非常に読みやすく、あっと言う間に読むことができました。ビジネスモデルに興味のある人にはお勧めの一冊です。
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マーケティング関連本。
著者は早稲田ビジネススクール教授の根来龍之氏。経営戦略や企業マーケティングについての著書多数。
内容は企業の事例から創造的な戦略とは?斬新なビジネスモデルとは?を学ぶもの。幕末でも読了をあげている人も多い『ストーリーとしての競争戦略』のケーススタディを簡潔に分かりやすくまとめてあるようなイメージ。
言葉は違えど、書いてある内容は同じ。秀逸な事業・ビジネスモデルはターゲット顧客を明確にする、代替品との差別化、差別化するための論理的事業ストーリーがしっかりあること。
事例で上がっていた玉子屋の話は分かりやすく興味深かった。玉子屋は昼食昼食弁当配達を行っており、創業1965年、年商90億、従業員数700名の業界トップ企業。なぜ昼食弁当配達だけでここまでなれたのかが図式も交えながら書かれている。
どの事例も、コアコンピタンスを主軸に事業を展開しつつ、無駄に見える投資も最終的にはコアコンピタンスの強化になるようストーリーを作る。これが差別化になり模倣困難になるということだった。
サウスウエスト航空を例に取ると、短距離・直行路線に集中したことで、安価な運賃になり、そのために限定的なサービスをし、無駄のない生産性の高いゲートオペレーションになっている。大手航空会社はバブ空港を経由する仕組みになっているため模倣できない。というもの。
マーケティング関連の書籍はどうしても内容に後付感が出てきてしまうが、事例として参考にするにはとてもいいと思う。
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【要約】答えはないがヒントはある、そのために定石(ビジネスモデル)を学べ
【所感】とてもいい先生だと思う
【メモ】
・ノイジーマイノリティ、あるお客さんから届いた声が必ずしも全体と一致している訳ではない。
・玉子屋モデル
・規模創発的
☆規模(単位あたりコスト低下、規模創発的効果、クリティカルマスに達するまで効果は無い。換言すれば意図的に狙う)、経験(経験蓄積にる単位あたりコスト低下)、範囲(製品拡大、シナジー)、ネットワーク(利用便益の拡大) の経済
・ソフトバンク初期のホワイトプラン、セブン銀行の
・自己強化のループ、例トヨタ
☆利益率よりも資源蓄積を優先、CSKのおおかわさんはシステム受託の会社にするというつぎの構想を持って意図的に取引先を選んだ。
・楽天のM&Aは範囲の経済の意識的追求
・マイクロソフトはサイド間ネットワーク効果狙い(利用者と補完製品開発業者に働くネットワーク効果)
・SNSの会社はサイド内ネットワーク効果狙い(利用者間に働くネットワーク効果)
☆意識の3層構造(byアンソニー・ギデンズ):言説意識(行為主体が言葉で説明できる)、実践意識(言語化できないが主体が知っているのは確かな暗黙知。うまく説明できなんだけど、どうすればいいか知っているような事。社会の構造はこの実践意識の中に取り込まれれている。コンテキスト分析とは実践意識の言説意識化を図るもの)、無意識
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WBS教授による戦略論。昔習ったことがあるが、記憶にない。
久々にビジネス書を読んだ気がする。
非常にたくさんの事例が出てくるので、読んでいて面白い。
特に、玉子屋というお弁当屋さんは初めて聞いたが、よく出来ている。
正当性については、すごく共感できる。また、ロジックは大事だが、
ロジックだけだと誰にでも発想できるものになるという点にも納得できる。
会社の蔵書。
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(目次)
第1部 出発点
第1章 「ジョブの再定義」と「制約外し」――キンドルを発想する
第2章 戦略モデルと収益モデル――顧客をど真ん中に置いて考える
第2部 因果関係
第3章 突き抜けるロジック――玉子屋を発想する
第4章 クリエイティブな作戦――原理を「利用する」「裏切る」「創出する」
第5章 原理を逆手に取るロジック――ホワイトプランを発想する
第6章 データ経営と経済性原理――パーク24を発想する
第3部 妥当性と正当性
第7章 ビジネスモデルのコンテキスト――「前提」は正しいか?
第8章 妥当性――ネットスーパーを発想する
第9章 正当性――新しいビジネスモデルの罠
第4部 模倣困難性
第10章 競争優位の活動システム――サウスウエスト航空を発想する
第11章 活動システムの部分化――ポーターの理論を改造する
第12章 「今日の強さ」と「明日の不安」――サウスウエスト航空のコンテキスト
第5部 発展性
第13章 「次」の設計――「不整合」が進化のタネになる
第14章 非連続的な進化――ディー・エヌ・エーを発想する
第15章 勝ち続けるロジック――セブン-イレブンを発想する
解説1 経済性原理――一般的な因果関係を主張する「法則」
解説2 コンテキスト――人の認知・決定・行動を支える前提