紙の本
ウラのウラ。のウラ
2018/02/21 00:12
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
叙述トリックに「やられたー」と思いたい人は必見。
時は大正。
良家のお嬢様が突然「探偵になりたい」といいだす。
専属の車夫を務める寛太は巻き込まれる形で助手をやるけれど……。
短編形式で依頼をこなしていく話。
かと思わせておいて、の。
いろいろ、詰まっています。
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大正時代、大金持ちのお嬢様が、「わたくし名探偵になります」と宣言し、お抱え車夫くんと共に日常の謎的事件を次々に解決していく。最初は、ありがちなお嬢様探偵もので、お笹馴染みの車夫くんとのラブコメ要素も交えた推理ものかと思っていましたが、そんな単純なものではありませんでした。最後にグワッときます。表紙イラストは似鳥鶏さんの“にわか高校生探偵シリーズ”のtoi8さん。
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浪漫あふれる帝都東京を舞台に、女学生が活躍する探偵譚。基本的にはそのとおりの展開なのですが、それだけでは終わりません。ラストにかけて展開される謎解きは一見の価値ありです。
1冊の本として、よくよく練られた構成とストーリーだし、キャラクターの性格にも助けられて後読感がとても気持ちいです。なかなかにお見事な1冊でした。
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一つの謎に複数の真相を用意するのは昨今の
器用な推理作家はしてのけるのだが、この作品
はラストまで楽しみを膨らませる構造で好ましい
主人公が良いですね
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大正時代。お金持ちのお嬢様がホームズに魅せられて、突然、名探偵になると宣言をするところからお話は始まります。
そんなお嬢様の助手を務めるのが、お抱え俥夫の寛太さん。
いうなら、この二人はコナンと小五郎のおっちゃんみたいな感じでしょうか。謎を解くのは寛太さんで、謎を解き明かすのが菜富さん。しかし、どちらもそれを甘んじて受け止めているので読んでいてすがすがしいです。
そんな二人に、次々と事件が舞い込んでくるのですが、たぶん推理物が好きな方だとすぐに真相はわかると思います。ですが、それでは終わらないのがこのお話の良いところ。
ラストの二章で見事に転がって最後には綺麗に丸く収めています。最後に寛太さんが言った、「ホームズ譚は実際の出来事をワトソンが随筆したように書かれている」というのを読んで、さらにこの小説がまとまったようにも思えます。ホームズが題材だったのもこのオチがあったからかな、と。
読んでよかったです。
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俥夫と令嬢を超えた絆を持つ寛太と菜富さんの二人の関係性に心打たれました。特に終章でこれが強く感じられた。また菜富さんの秘密が明らかになった場面では今まで感じていた違和感が解消され、もう一度読み返してしまった。二人の恋愛要素も含まれていて、幸せになってほしいと思う。
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時は大正。
紡績業で財をなした仁井田家の三女•菜富さん。
ワガママで、自信家で、野心家の女学生。
将来は、父のあとを継ぐのが密かな夢。
そんなお嬢さまが「名探偵になる」と宣言するところから、物語は始まる。
最後の事件まで、菜富さんの印象は変わらない。
いつも、お抱え俥夫の寛太に謎を解かせておきながら、いいところは奪う。
典型的なお嬢さま。
「もしかして、寛太のことが好きなのかな?」
とうかがわせるシーンはあるけれど、お嬢さまの秘め事はその程度。
可愛いものだ。
それが、最後の事件を解いた後に一変する。
最後の事件の向こう側で、ようやく読者はお嬢さまの真の姿に気付かされるのだ。
思い返してみれば、なるほど、最初の事件の時から、紛れもなくその事実は存在していたのだ!
その事実を知らされた読者は、菜富さんの逞しさに感服し、寛太の尋常ならざる忠誠心に納得することだろう。
同時に、その事実をおくびにも出さずに、しかし嘘偽りなく、物語を進めた作者にも感銘を受けずにはいられない。
核心に近いとこまで書いてしまったが、とにかく品の良いミステリーであることにはかわりない。
大正ロマンの香りを楽しみたい方にもオススメできる一冊だ。
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最近キャラミスが流行っているので、これもその類いだろうと思って読み始めた。キャラクターの設定もどこかで読んだ事がある様に感じるし、シャーロック・ホームズをダイレクトに引き合いに出し過ぎているとも感じたのだが、最後の事件の章と最終章で一気に面白さが倍増した。
まさに、大どんでん返し。
大正時代の背景描写もシャーロック・ホームズの時代と重ね合わせて楽しむことが出来る。
最後に明かされる設定はいささかやり過ぎのようにも感じた。
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何となくタイトルに惹かれて手に取り、
裏表紙の案内を読んで衝動買い。
で、大当たり(^ ^
舞台は大正時代。
ある日突然「名探偵になる」と宣言した
財閥のお嬢さまと、お抱え車夫が主人公。
ストーリーは車夫目線で語られ、
次々舞い込む依頼を名推理で解決していく短編集。
ただし、推理の主役は「助手扱い」の車夫の方で、
お嬢さまは車夫の推理を「横取り」して名探偵気取り。
...と書くと、ややコメディ寄りに見えるし、
実際にかなりユーモア混じりの展開ではある。
が、実は四本の短編を通して通底する
「お嬢さまと車夫の過去にまつわるストーリー」があり、
全体を通してその過去の事件の真相究明が
大きな流れとしての「本題」となっている。
また「身分の違い」を越えてほのかに思い合う
お嬢さまと車夫の淡い恋が横糸となっている。
さらに、ラストに向けて二転三転するどんでん返し、
巧みなミスリードに隠された驚愕の叙述トリックと、
もの凄く緻密に構築されたストーリーが
読みやすい文章でオブラートされた佳作(^ ^
いや〜、これはこのままでは映像化不能だろう(^ ^;
この作者の他の作品も、ぜひ読んでみたくなった(^o^
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シャーロック・ホームズに憧れ名探偵になることに決めた菜富。しかし、推理が的外れで俥夫の寛太が影武者として支える連作短編集。
【死者から送られてきた手紙】【密室からの消失】【未来から来た男】など魅力的な謎に二転三転する展開は読み応え十分。終章のサプライズもこれまでの意味合いが全く異なるからくりで秀逸です。なかなかの良作だと思います。シリーズ化が困難な締め方でしたが、魅力的なキャラクターだったので何とか続編を出して欲しいです。
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財閥のお嬢様がシャーロックホームズに感化されて「名探偵になる!」と決意するところから始まります。それを聞かされた幼馴染み兼車夫が巻き込まれるのは当然のなり行き。事件そのものも分かりやすく、まぁこんなもんだよねぇ、なんかひっかかるまま残してたり都合のいい展開だったりするけどねぇ…と思ってましたら、ちゃんと理由がありました。
さぁ驚け!というどんでん返しではなく、やっぱりそうか、というくらいではあります。ただ改めて言葉として出てくると、あれもそうか、これもそうか、と言及されないところにも仄めかしがあったことに気づきます。そこに大正時代の奥ゆかしさがある…とまでは言いませんが、しみじみと登場人物たちの優しさや強さが感じられ、前途多難な二人ではあるけれど、どんな形でも幸せになれるといいなと思えました。聖典ネタは読者サービスかと思ってたので、推理の根拠にされてしまったのには少々驚きましたが。気づかないふりしてたんじゃなかったのか…。
このミス大賞だし、ありがちな設定だし、というだけで読まないでおくのはちょっと勿体無い。そこが一番のどんでん返しかもしれません。
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各章毎の謎解き自体は、あまり大したことはない。出来すぎたトリック。都合が良い印象のまま物語あ進んでいくが、それさえも著者は見据えた上での最終章、エピローグで語られるさらなるどんでん返し。エピローグを読み終わったあとで挿絵を見返すと、挿絵自体がヒントであったことを示唆していることに驚き。完成された物語だ。
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表紙が好みで購入。大正時代を舞台にしたミステリーと見せかけて可愛い恋のお話。読んでいてあちこちで感じていた小さな違和感が、最後に明かされた秘密で「そうだったのか!」とびっくり。二転三転する結末が上手い。 菜富お嬢様と寛太、可愛いカップル。できればこの後の二人の話を読みたい。
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【収録作品】第一ノ事件 「死者からの手紙」/第二ノ事件 「密室から消えた西郷隆盛」/第三ノ事件 「未来より来たる男」/第四ノ事件 「魔炎の悪意」/第五ノ事件 「名探偵の誕生」/終章
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いろいろと仕掛けが入っていて作者の意気込みは感じられるものの、自分にはそれほど大きな効果はなかったみたいです。
もっと時代設定を活かした事件だったらよかったのかも。