紙の本
アメリカの最新教育理論を駆使した子どもの教育論!
2016/06/05 09:10
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アメリカの最新教育論、具体的には、発達心理学、脳科学、神経科学、経済学、教育学などを駆使して、子どもをどのように育てていくべきかを論じた教育書です。本書では、人生における「成功」とは何かを起点に、それを勝ち取るためには好奇心に満ち、積極的に物事に取り組み、そして忍耐力のある子ども像が提唱されています。では、こうした子どもに育てるためには大人はどのように子どもに接すればよいのでしょうか。わかりやすい21世紀を担う若者を育成する教育書です。ぜひ、ご一読ください。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の居郁に関しては日本よりもアメリカのほうがずっと進んでいると思うので、参考になります。道を踏み外さないように気をつけたい。
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何かに打ち込んだ人間が評価されるのは、「困難に打ち勝つ」という気質より、「困難であるという難易度の認識よりも、前にすすむための方策を考えることに意識を向けられる」というある種の自信と楽天性に対してなのかもしれない。
よって、子供には成功へのレールを引くのではなく、「困難と失敗をなんとかする能力」をつけてやる必要がある。
そのために、自分への根拠のない安心感と楽天的な思考、地道に行為を続ける(努力とは言わない。楽しんでやる必要があるから)力をみにつける必要がある。
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非認知的スキルは、社会でより良く生きていくために大事なものらしいです。粘り強さや自制心、やり抜く力、好奇心などの気質。で、それは環境によって育まれるが、具体的にどうしたらいいのかは書かれていないので、大事なんだなと思うだけで終わってしまいました。
努力は才能だと思ってたけど、これが非認知スキルということなのかもしれないと思いました。いくら、知能がに高くても、大学は卒業しなきゃならないし、仕事は続けられてこそなので、確かになーと。
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教育論。知能指数や早期教育などによるアドバンテージはあまりない(バーンアウトするケースも多い)。それよりは性格的な強みを身につけた方が後々伸びるという内容。
米国とはシステム、社会格差の問題などが大きく異なってはいるが、うなずける内容も多い。生まれにより受けられる教育はある程度決まるし、社会に出た後での失敗に対する許容度も異なる(富裕層の子弟であれば、20代の間ぐらいであれば就職、仕事上のミスなどを家族がカバーする)ため、特に貧困層における教育をどう改善していくかが重要な問題なのだ。
カリキュラムの内容や持って生まれた知能などよりもやりぬく力、自制心、好奇心、オプティミズムといった能力の方が重要。
・我々の身体はストレスに反応するようにできているが、それは本来、野獣に遭遇した場合などのようにごく短時間のストレスに対するものである。現代社会のように慢性的なストレスに対応する生理システムではない。貧困がよくないのは、貧困そのものよりも、慢性的なストレスにさらされることである
・セリグマンによると、ペシミストには3つのp(不快なできごとをPermanent, Personal, Pervasive なもの)という解釈をおこないがちである。
・IQ79の子どもたちに、正解したらチョコレートをあげる、という条件で知能テストを行うと97になる。これは、この子どもたちが潜在的にはIQ97に相当する能力を有していると考えられるが、実際に社会に出て達成できることはIQ79にふさわしいものに過ぎない。インセンティブがないとできない(勤勉性がない)と成功しないということを示している。
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2014年5冊目。
「知能至上主義」の教育法に待ったをかける一冊。
幼い頃からの知識のシャワーではなく、「やり抜く力」「自制心」「粘り強さ」などの「非認知的スキル」と呼ばれる気質に長い目で見た成功のカギがある、
そしてその気質は、生まれ持ったものではなく、後天的に身につけることができるという希望を描き出す。
実験結果や数値データをきちんと使いつつ、心を揺さぶるエピソードに溢れ、筆者自身の体験に基づくこの分野への情熱が灯る、素晴らしい本だった。
このようなジャーナリストには大いに好感を持てる。
教育者や子どもを育てる親にはぜひ一読して欲しい本。
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・ 泣いたときに親からすぐにしっかりとした反応を受けた乳児は、一歳になる頃には、泣いて無視された子どもよりも自立心が強く積極的になった。(愛着理論attachment theory)
・ 達成のメカニズムは二つに分けて考えるとわかりやすい。動機付けと意志だ。
・ 気質:やり抜く力/自制心/意欲/社会的知性/感謝の気持ち/オプティミズム/好奇心
・ 知的な、あるいは身体的な能力を試すテストの前に帰属する集団に関係する事柄をほのめかされると、テストの結果に大きく影響するという。
・ やり抜く力とは、一心に一つのゴールを目指す行動と深く結びついた自制心のことだ
・ 初級者は気に入ったてを見つけると確証バイアスの罠に入りやすい
・ 失敗を“なんとかする”ことを学ばせる必要があるのだ
・ ハーバードの学生はなぜウオール街を目指すのか。選ぶことが用意であらがうことのできない困難な道を会社側が用意するからだ。「特にこれをやりたいという確固たる願いよりも、成功者になれないことへの恐怖に突き動かされている」
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野中先生が参照していた子育て本。知能至上主義への懐疑を投げかけ、より重要であるのは習慣であると説く。
ゼリグマンのポジティブ心理学からの引用が多く、ストレスや失敗に直面したときに、どのようにその心理的ダメージを制御し、前向きになる資質を備えられるかは、先天的というよりも、後天的なものであるとする。
最新の脳の研究によれば、とくに、3歳になるまでの子供に対して、親や養護者がストレスに対峙する子供達に対して、ハグなどで愛情を示したり、規律などの厳しさを示したりすることが、重要であるようだ。
また、再読したい一冊。
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NYでも幼稚園受験は大変だそうで。
「頭がいい子」が決してその後の人生で「成功」するわけではない。
じゃあ、どういう子が「成功」するのか、そんな子に育てるために、有効な手立てはあるのか、あるとすれば何なのか。
という問いに、自身も3歳の子どもを持つジャーナリストが挑み、この書籍ではいくつかの重要なヒントが私たちに示されています。
高等修了同等資格取得者と、高校の卒業者を比較すると、知力は同等だが、大学の卒業率、年収、失業率、離婚率、ドラッグ使用率で差が出る
そうした差を生んでいるのは、認知的スキルとは異なる、非認知的スキル。たとえば好奇心、自制心(学校に残る)、社会性
非認知的スキルは伸ばすことができる
子供時代の逆境、によるストレスが、発達段階の体や脳にダメージを与える。「実行機能」(緑の文字で書かれたred、を読んで何色で書かれていたか答える)に関わる
幼少期のストレスに絶大な解毒剤となるのは、母ラットの行う「なめたり毛づくろいをしたり」といった、愛着行動
→人間の場合は親へのプログラムが有効
マシュマロテストにおける動機づけ
目に見えるインセンティブがなくとも知能検査に真剣に取り組める資質そのものが価値を持っている
気質の分析 ビッグファイブ
協調性
外向性
情緒不安定性
未知のものごとに対する開放性
勤勉性
ナレッジ イズ パワー プログラムで策定された気質のリスト
やり抜く力
自制心
意欲
社会的知性
感謝の気持ち
オプティミズム
好奇心
人が目標を設定するときに用いる戦略は三つある
空想、思案、この二つの組み合わせ
(チェスは特に何か生み出していない、不毛な活動ではないか、という筆者に対して、プレーヤーから)
チェスのゲームはわたしたちの存在の自由を賛美するものである。
わたしたちが自分の行動を通して自分自身をつくる機会に恵まれていることがよくわかる。
全体を通して、アメリカの教育政策がトライアンドエラーを繰り返していること。
非営利団体の活動ぶりが印象的。
(さわ)
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子育てにおいて尊敬している方がオススメしていた本。
読んでみて本当に良かった。
自身の子育てのヒントになればと思ったけど、
結果として、日本の子供、ひいては人類に対して誰しも責任があると感じた。
日本でもますます深刻化していく貧困差。
それに伴う学歴格差、比例して犯罪率。
日ごろから憂いてはいたものの、自分には手の届かない世界だと思っていた。
でも違った。
この本は希望の塊のようにみえた。
翻って、人間には格差なんて存在しないと提言している。
そして、読書中何度も自分の受けてきた教育や学生の時の周りや自分の雰囲気を振り返った。
それがすべて今現在と直結していることを実感した。
なぜ自分は大学進学が魅力的と思えなかったのか。
なぜ自分は勉強が嫌いだったのか。
改めて、自分史は自分だけの物語であると同時に、こんなにも時代の一部でしかないことを認識した。
分かったからにはどうすべきかとてもクリアになった。
たくさんの指南も与えてくれている本だ。
子供への責任。そして自分への責任。
本当に豊かな読書体験になった。
個人的にはこの翻訳はとても読みやすかった。
この本は、ハウツー本?というより、貧困地区に暮らす学力格差底辺の子供達に学士号を取らせるために人生をかけた人たちのお話。だと思う。
ストーリー仕立てだし、いくつもの映画を観たような気持にさせられる。
まさか号泣するとは思わなかった。。。
最後に、子育てのヒントは以下のように得られた。
忘備録としてのせる。
親がしてあげられること
子供時代は、安心場所を提供する
愛情深く注意深く子供を見守る➡子供は快活に好奇心旺盛に精神安定して育つ
子供に見合った逆境が必要であることを認識する➡やり抜く力は失敗を通してしか育たない
ある程度(自分で解決させることが何より大切)の放任は必須
本人以上に本人の可能性を強く信じること➡とくに思春期のやり抜く力に有効な動機付けとなる
子育て本としてはママ友にはオススメできない。笑
でも、人間は一人では育てない。
人間が人間を世話し、教育を施す限り誰しもが無視すべきでない、目を向けるべきことが書かれてある素晴らしい本だ。
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教育関係者にはぜひ読んで欲しい一冊。
教育に関わった経験のある人なら誰でも考えたことがあると思う。
「どうしたらもっと教育の効果を高められるんだろう?」
「自分が行っている教育は果たして効果があるんだろうか?」
「今、目の前にいる子どもの役に、本当に立てているんだろうか?」
そして、
「上手くいく子と行かない子の違いは何なのか?うまくいかない子にできることは何なのか?」
こうした問に本気で答えようと試みるアメリカの教育理論と最先端の実践例を紹介した本。
何年か現場で関わってくる中で、感じていたことが書かれまくっていました。
子どもが将来自分の人生を切り開いていくための核となるものはなんなのか。
それは、「やり抜く力」「自制心」「好奇心」「誠実さ」といった非認知的スキル(知識などの認知的スキルに対しての)である。
そしてこれらは持って生まれるものではなく、親と子のコミュニケーションの中から育つものである。
最新理論とは言っても、教育という分野の特性上、確たる正解のあるものではないけれど、自分の実感としては非常に納得感のある本でした。
中でも個人的には「レジリエンス」というキーワードがとても大切だと感じた。
レジリエンスとは、回復力・抵抗力などを含む弾力性。困難な状況やそれによるストレスなど負の要素を跳ね返す力。
この力を持てているかどうかは本当に大切だと思う。
これは今後教育だけでなく、大人の世界でも重要なキーワードになるんじゃないかな。
不安定な社会の中では、予測しきれないストレスにさらされることは多いので、個人としてそれに立ち向かえることが大切だし、チームマネジメントにおいてもメンバーの、チームのレジリエンスを高められるように努めることは重要になっていくと思う。
さて、この教育理論を社会全体で取り入れていくには、どうしたらいいか。
まず、幼少期の経験が絶対的に大切になってくるのは間違いないので、教育以前の家庭の支援、子育て支援のプログラムにもこうした視点を取り入れていく必要があるのかな。
そして、学校教育。この本をぜひ教育関係者に読んで欲しくなるすごい点は、取り上げられている現場が、初等教育・中等教育・高等教育と幅広くカバーしていること。
性格の強みを作る一番の環境は幼少期の親子の愛着関係にあるとしながらも、そこからもれた子もフォローすることのできる教師の可能性を提示している。
このプログラムを実行すれば絶対という万能の解決策はやっぱり、ない。たぶんこの先もない。
現場に有能な教師が必要、というのはあまりにありふれているかもしれないけれど、それでもこの本が提示する道はとても地道でとても実践的。
この本からはアメリカの教育の現場の変化、進化がものすごくダイナミックなことが伝わってきます。翻って日本はどうだろう。
自民党政権も教育には熱心です。道徳教育の大切さを
説いたりとか。この本で言う非認知的スキルとは言っ���みれば「性格」のことなんだけど、単なる倫理観とは違う。倫理が大切でないのではなくて、文化的な倫理観を超えて大切な核があるということ。
そして、それを現場重視で実行していくということ。
日本はまだまだだけど、ちょうど放課後教室の拡充を政府が検討し始めているところのようだし、色々な大人が関わって実践を積み重ねていく余地が増えていくと良いなと思います。
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子供の教育において、これまで認知的スキルが中心であった。しかし、非認知的スキルの重要性が近年議論になっている。具体的にはやり抜く力などが、結果として認知的スキルを向上させたり、年収や大学の卒業など人生にも関わっているという。
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本書は子どもの将来の成功の決定要因を科学的根拠を元に学際的に論じている本である。かねてより、経済学者のジェームズ・ヘックマンをはじめとした科学者が幼児教育の重要性、具体的には認知能力(学力、IQなど)より非認知能力(忍耐強さなど)が備わった子どもの方が将来高収入を得たりする確率が高いという議論を実証的にしてきたが、本書では身近な例を用いながら分かりやすく、教育経済学や認知科学、神経科学などを元に学際的に説明している。さらに、先述したような非認知能力の重要性のみならず、+αな内容までも網羅されており、ある意味「かゆいところに手が届く」内容となっており、とても満足できるものである。
この本での内容は、主にアメリカにおけるものである。従って、もし日本にこのような内容を応用するのであれば、もちろん共通して説明できる内容もあるが、行動経済学と同様に社会やカルチャーの違いから日本の子ども向けに科学的に実証分析を重ねた上で“変形”させる必要がある。もっとも、日本は未だに精神論的な非合理的教育が未だに存在しているように思えるので、このような科学的なアプローチをもっと大いに浸透させて行く事が期待される。
そこで、少なくとも日本では従来の教育社会学の膨大な理論研究が存在しているが、それらを道しるべとしてそれらの理論を参考にしながら実証していったら、まさに理論と実証の両輪が相まって効率的な社会科学的研究となりうり、同時に社会貢献も甚大であると思う。いずれにしても、今後の日本での応用がとても楽しみな分野であると言える。
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知識・知能指数よりも、性格の育成に焦点を当てている。NY Timesのジャーナリストが執筆したアメリカ最新の教育理論として話題になっていたが、内容は昔から日本の育児バイブル(佐々木正美著:『子どもへのまなざし』)で言われていたことをラットの実験や実際の教育現場でのサンプリングをトラックして実証研究したり、成功の定義を明確にすることで、ロジカルに纏めたイメージ。タイトルも直球だし(ちょっと三流啓発系ぽくて好かんけど)。
その為、男性でも読みやすいテイスト。
自身をコントロールする力、内的動機付けができる力、未知のものへの好奇心・開放性、強い責任感が成人後も就学してからも役立つスキルだというのは教育関係者やビジネスマンにも受け入れやすいのでは。
日本の育児現場がモラルや情操教育から知識・知能指数重視の早期教育に寄っているのに対して、改めて子供の人格教育が注目が浴びているアメリカの方が前進しているともいえるかもしれない。
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Daigoのオススメだったので手に取ったが、とても読みづらい。
訳書の宿命で、ただ読み慣れてない自分の頭のせいなのかもしれないけど、論文の抜粋の羅列、カタカナの登場人物のエッセイ、繰り返される総論と批判的吟味。
読んでいて頭が予想、準備する接続詞、展開から外されると、すんなり入ってこない。文字だけ追ってる事が多くなり、だいぶ時間を浪費したという気持ち。
理解できてない部分も多いけど、再読はないと思う。
そして結論に意外性がないというか、一般論でも言えそうな事で、ながーい読みにくい前置きを読んだ割りに合わない、残念。
小さい頃はハグや毛づくろいのような愛情で、その後年齢に見合った大きさの逆境を与え、ミドル・スクールくらいの年ごろには意外なほど深刻に真剣に受け止めて向き合うこと。以上。
読みづらさを感じたら無理せず最終章だけ読めば十分。